中国語では、こそあど言葉の「こ」にあたるものは「這」で、「あ」にあたるものは「那」で、
「そ」にあたるものはなく、時に応じて「這」「那」を使い分ける。
教科書ではこのような解説であったように思われる。
しかし、では、日本語で「そ」という状況において、
中国語では「這」と「那」との使い分けはどのような基準で判断すべきなのだろうか。
というよりも、むしろ、そもそも「這」と「那」との語感の違いとは何であろうか。
この問題について中国人の友人にいろいろ訊いてみたら、
様々なパターンはあるものの、結局、距離感覚によると言う結論であった。
話しているうちに、そもそも「こ」「そ」「あ」はどのように使い分けられているのだろうかという、
日本語についての疑問が浮かんで来た。
まず、空間的には、「ここ」よりも「あそこ」の方が遠い。これは確かである。
しかし、「そこ」というのは、「ここ」より遠いが、「あそこ」との距離関係はよく分からない。
また、「そ」は英語で言えば"it"にあたるような、前出のものを指す代名詞とされるが、
「原稿は明日までにそちらにお送りしますね」といった用例は説明できない。
「そ」があると、大分めんどうである。
おそらく、「そ」には"it"のような用法はあるものの、
「こ」「そ」「あ」の使い分けの感覚というのは、
指される内容が、自分に関係しているか、相手に関係しているか、
それともどちらにも関係が深くないかというものであるような気がする。
すなわち、自分に近ければ「こ」、相手ならば「そ」、
両人から遠ければ「あ」なのではないかということである。
例えば、自分のいるところは「ここ」で、
相手のいるところは「そこ」、
二人ともいない別の場所なら「あそこ」と言う。
また、自分の友達を相手に紹介する場合は「この人は~」と言い、
相手が連れて来た人について問う時は「そちらの方は?」と言い、
テレビに映っている有名人を話題にする時は「あの人は~」という。
そして、自分の話したことを言う時は「このことは~」と言い、
相手の話なら「そのことは~」と言う。
また、ちょっと前に話した内容を再度提起する時は
両人にとって時間という距離があるために、「あのことだけど~」となる。
ただし、相手の話したことであっても、相手の話を聞くことによって、
自分も関知しているものという感覚になっていれば、
「このことは~」とも言えるであろう。
ということは、相手の話したことに「このことは~」というか「そのことは~」というかというのは、
無意識にそれについての自分の関わり、もしくは相手への親近感を表しているのではないだろうか。
「そ」にあたるものはなく、時に応じて「這」「那」を使い分ける。
教科書ではこのような解説であったように思われる。
しかし、では、日本語で「そ」という状況において、
中国語では「這」と「那」との使い分けはどのような基準で判断すべきなのだろうか。
というよりも、むしろ、そもそも「這」と「那」との語感の違いとは何であろうか。
この問題について中国人の友人にいろいろ訊いてみたら、
様々なパターンはあるものの、結局、距離感覚によると言う結論であった。
話しているうちに、そもそも「こ」「そ」「あ」はどのように使い分けられているのだろうかという、
日本語についての疑問が浮かんで来た。
まず、空間的には、「ここ」よりも「あそこ」の方が遠い。これは確かである。
しかし、「そこ」というのは、「ここ」より遠いが、「あそこ」との距離関係はよく分からない。
また、「そ」は英語で言えば"it"にあたるような、前出のものを指す代名詞とされるが、
「原稿は明日までにそちらにお送りしますね」といった用例は説明できない。
「そ」があると、大分めんどうである。
おそらく、「そ」には"it"のような用法はあるものの、
「こ」「そ」「あ」の使い分けの感覚というのは、
指される内容が、自分に関係しているか、相手に関係しているか、
それともどちらにも関係が深くないかというものであるような気がする。
すなわち、自分に近ければ「こ」、相手ならば「そ」、
両人から遠ければ「あ」なのではないかということである。
例えば、自分のいるところは「ここ」で、
相手のいるところは「そこ」、
二人ともいない別の場所なら「あそこ」と言う。
また、自分の友達を相手に紹介する場合は「この人は~」と言い、
相手が連れて来た人について問う時は「そちらの方は?」と言い、
テレビに映っている有名人を話題にする時は「あの人は~」という。
そして、自分の話したことを言う時は「このことは~」と言い、
相手の話なら「そのことは~」と言う。
また、ちょっと前に話した内容を再度提起する時は
両人にとって時間という距離があるために、「あのことだけど~」となる。
ただし、相手の話したことであっても、相手の話を聞くことによって、
自分も関知しているものという感覚になっていれば、
「このことは~」とも言えるであろう。
ということは、相手の話したことに「このことは~」というか「そのことは~」というかというのは、
無意識にそれについての自分の関わり、もしくは相手への親近感を表しているのではないだろうか。