明治以降の一連の改革で、将軍や大名というのはなくなったが、将軍家や大名家は公爵や伯爵として残った。いわゆる華族である。
その中で徳川家も華族として、8家が存続した。すなわち、徳川宗家、御三家(尾張・紀伊・水戸)、御三卿(一橋・田安・清水)、徳川慶喜家……「徳川慶喜家」とはすごい名前である。
朝敵の汚名が晴れて隠居先から東京に戻った徳川慶喜が、宗家の家督は維新直後に徳川家建に譲ってしまったため、別家の扱いで公爵に封ぜられたのが始まりらしい。
いや、しかし、すごいセンスのネーミングである。。「首都大学東京」もびっくりだ。
そんな徳川慶喜家の現当主がを本を出しているのだが、これがなかなか面白い。
「川慶喜家の食卓」というのだが、書き口も内容も、「将軍様」やら「華族様」というのではなく、一般人の著書という感じである。強いて言えば、慶喜を「曽祖父」としてたびたび持ち上げるが、ご愛嬌であろう。
しかし、「ハイカラケイキさん」と呼ばれた慶喜の血なのか、こだわりは尋常ではない。
コーヒーにこだわるあまり、「将軍珈琲」なんてものまでできてしまった。
やりたいコトはとことんやるらしい。
そんな数寄者の家系も、そのうち途絶えてしまいそうである。かつて公爵として貴族院参加権を持っていた名家も、戦後はごく普通の家となり、今の当主に至っては50代独身で、結婚する気もなし。
しかし、現当主、家系存続なんぞにこだわらない分、なんだかすごく活き活きとしてる。
マイペースで、しかし妥協することなく、日常生活を存分に楽しんでいる。
まさにこれこそ「独身貴族」である。
先日、友人と中文カラオケをしに大久保まで行ったのだが、その時に屋台村という店で昼ご飯を食べた。
中華やインド、東南アジアにメキシコの料理、タイのビールやウィスキー、なんだか寄せ集め的な雰囲気が気に入って、今度は他の友人と行ってしまった。
大久保には新宿から山手線沿いに歩いて行けるのだが、歩いている途中、線路沿いにいろいろな看板を見つけた。
ひっそりとしたところにある「日本探偵協会」、「土間土間」でも「ドナドナ」でもなく「土木土木(ジンギスカン屋。そして、「ドキドキ」と読むらしい)」。そして、「キリスト教会 日本リバイバルセンター」……キリストの「復活」は"Resurrection"、"Revival"って何のことだろうか。。しかも、「世界リヴァイヴァルセンター」の支部らしい。。
なんだか胡散臭くて良いなぁ。。
そんなこんなで大久保に辿り着いた。
大久保というのは面白いトコロで、まず、中国人が多い! 「中文網o巴」という看板がいたるところにあり(中国語ネットカフェ。試しに入ってみたら、中国のネットカフェそのままだった)、異常に安い国際電話カードや中国語フォーマット改造済みのVodafoneの903SHが道端で堂々とで売られている。
最近は韓流の影響で、韓国料理やら韓国物産店、そして韓流スターグッズ専門店(ただいまヨン様フェア実施中!)の勢いが盛んである。
ともあれ、ご飯を食べて、店を出ようとすると、レジのおばちゃん(上海人)が「謝謝(シェシェ)」というから、「謝謝(シァジャ)」と上海語で返す。
……おばちゃん吃驚。そしてしばらく上海語トークで盛り上がる。
そして、「再会(ゼーウェ)」と言った後に、「今度は友達を連れて、また来てねー」
……このセリフ、上海で何度聞いたコトやら。。この抜け目ない商売人根性にちょっと懐かしさを感じてしまうなぁ。