half moon bay

酒と釣りの友 天国の mさんヘ

hibiki 12

2009-11-23 11:29:28 | 日記
とき 第一帝政9年晩秋
ところ フランス・フォンテーヌブロー宮殿
登場人物 ボナパルト・ナポレオン フランス皇帝
ピエール・ニコル 皇帝付きソムリエ

フランス国はジビエ(gibier)のシーズンの真っ只中。久しぶりの狩猟を終え、今日射とめた大鹿を大好物のいつものシャンベルタンとともに平らげてくつろぐボナパルト・・・

「ピエール、なんぞ新しい食後酒はないか。」

「はい皇帝閣下、日本国のムッシュ・トリイより HIBIKI 12Years  なるウイスキーが届いておりますが、ご試飲なさいますか?」

「なにジャポンとな。東洋でもウイスキーを嗜むのか?」

「そのようでございます。ラベルによりますと1899年創業とあります。」

「はるか未来ではないか?そーじゃ異国ではわが帝国とは違う暦を使っているのかも知れん。まー細かいことはどーでもよい。早く持ってまいれ。」

「どれどれ、なかなか見事なボトルじゃのー。」

「説明書きによりますと24面カットのデキャンタボトルだそうであります。なんでも一日を24時間、一年を24節気に区分する日本国の暦に由来し、時間を象徴しているとのことでございます。」

「そーか、余のクリスタルグラスに注いでみよ。」コンコンコンとここちよい   響き

「見事な琥珀色じゃのー。」開栓と同時に立ち上がるトップノート。大きな鼻を近づけ香りを利きわける皇帝。

「これはどーじゃ。なにやら果実の香りがするぞ。プラムのような。ハニーの香りもかすかではあるが・・・。ピエール、そちもかいでみよ。」

「皇帝閣下、さすがでございます。プラム、ラズベリー、パイナップル、蜂蜜の香りが感じられます。なるほどなるほど。説明書きによればホワイトオークの樽で熟成させた後、梅酒でシーズニングした樽でさらに熟成させた原酒と30年以上貯蔵された原酒をブレンドしているそうでございます。」

「梅酒とな。なかなか工夫しておるではないか。わが国の醸造家も見習わせなければならん。」

「御意」

「まずは生でやってみよー。」

「・・・男は黙って・・・」 ピエール この皇帝のつぶやきに何故か動揺する。

「 うまいんだな、これが。 」  ピエール ほっと安堵のため息。

「ムッシュ・トリイもなかなかやるじゃないか。口に含んだ後、口中いっぱいに拡がる豊かなかおり。だんだんとのどの奥まで熱さが伝わり、舌全体を襲ってくるけだるい痺れ。甘みとかすかに感じられる苦味との絶妙なバランス。飲み込んだ後の鼻から抜けるここちよい余韻。オー、トレビアン!」

「皇帝閣下、閣下はソムリエとしても超一流でございます。」

「あたりまえじゃ。余の辞書に不可能の文字はないと云うことを知らんのか。」

「恐れいりました。」

「うまくて全部ストレートで飲んでしまいそうじゃ。今夜は久々の夜の戦にさしさわりがあってはならんからな。なにか割るものを持て。」

「はい、直ちに。」

「おーこれはフランスの誇り、ペリエ(perrier)ではないか。そーじゃ、忘れておった。ピエール(pierre)、そちはペリエ村の出身であったな。」ペリエのボトルが開けられる。シュワー・・・。

「閣下、今しばらくお待ち下さい。まず、グラスに多めの氷を入れ HIBIKI を注いだ後この銀製のマドラーで13回半かき混ぜた後、HIBIKI の3倍の量のペリエを注ぎもう一回かき混ぜよとあります」

「ジャポネは細かいことにこだわるのー。ウムウム。これも悪くない。今夜はこれで行こう。ピエール、ムッシュ・トリイによろしく伝えてくれ。わしの好みはストレートじゃと。ご苦労じゃった。もー下がってよい。」

さて、皇帝の寝室では・・・

「お~愛しのマリー・ルイーズよ。 長く待たせてすまんかった。こっちゃ来い



配役 ボナパルト、ピエール(一人二役) 僕
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