徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

インド ああ、官僚主義

2012年04月07日 | 経済

 最近、英エコノミスト誌で下記のような記事を見かけた、

インド経済:魔力を失いつつある国 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34868

この記事の趣旨は、下記の文章に端的に記されている、

 様々な問題にもかかわらず、したたかな民間部門のおかげでインドが繁栄に向けて突っ走ることだった。 そうした見方は今では現実離れしているように見える。道路から電力に至るまで、どんな経済でも必要とする公共サービスの不足だけが問題なわけではないが、特に製造業が繁栄するにはこうしたサービスが不可欠で、インドでは、毎年労働人口に加わってくる数百万人の若者が仕事を見つけるには製造業の繁栄が必須だ。

 ところが政府は最近、状況を台無しにする新たな方法を見つけ出している。

 過去数年間の借り入れブーム(インドの財政赤字は国内総生産=GDP=の10%に近づいている)は民間部門を締め出し、中央銀行が利下げするのを難しくしている。携帯電話のような概ね官僚主義を免れていた新産業は今、官僚機構のべとべとした支配力を感じている。

 つまり、民間部門の活力を官僚機構が削いでいる構図だ。 これに関連して個人的に官僚の圧力を感じた事例を紹介したい。

 7月の大学の夏休みを使って日本に一時帰国しようと考えているが、最も安いルートはバカ高いDrukAirを使わずにコルカタから飛ぶルートだ。コルカタへの移動はバスか鉄道があり、寝台車が快適なので予約を入れようとした。昨年12月にインド旅行をした時と同じ手順でサイトを開き列車を決め、空きがあることを確認して予約しようとしたとたん、今まで無かった下記のメッセージが表示された、

Sorry, you cannot proceed with this booking

We hate to interrupt your booking but IRCTC, our trains partner, requires you to register with them before you can go ahead. We realise this might be a painful process but we’ve tried to simplify it as much as possible.

 これはIRCTC;インド国鉄の方針変更によるものだ。国鉄は官僚とは言えないが、官僚に連なる官僚主義は蔓延してると見える。この文章の意味は、”誠に申し訳ないですが、国鉄の要請により、このような苦痛な入力をお願いします”ということで、hateとかpainfulなどの強い否定的な単語を使っている。これに従って入力を進めると、結局インド居住者しか予約できないところに追い込まれる。

 この方針変更の意味を憶測すると、海外旅行者がオンラインで良心的なコストで予約するのを妨げ、法外な値段で切符を手配する旅行業者へ誘導する手段であって、業者からの賄賂、献金が裏にあるのだろう。

 このサイトの民間業者はそれを hate;嫌悪 しているのだ。自由で合理的なビジネスを阻害する、悪しき官僚機構を...

 ということで、くそったれインド国鉄を使うことは止めて、ブータン発・デラックスバスでコルカタへ向かうことに方針変更しました。 インドが変わるのには、あと100年では足りないかもね...


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5 コメント

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Unknown (コロンビアから)
2012-04-07 12:25:29
金欠が解決したかのような力強い文章ですね。目が三角になっている顔が 思い浮かびます。7月とは早めの一時帰国ですね。梅雨どきかもよ。賄賂って貧しい国のDNAなんですね、コロンビアも、官僚機構は そのように言われています。考えにくい山の中腹に家が建ってしまうんですからね。道路の修理も、そういう順番待ちみたいなところがあって、でこぼこ道を 我慢して通行しています。日本は、順番を決めるのに時間がかかって、道がいつまでも治らないという感じでしょうね。
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Unknown (まさ)
2012-04-07 12:36:43
コロンビアからコメント、ありがとうございます。

賄賂も収賄もイイんですよ、民間が活力を発揮できれば。問題は官僚が民間の足を引っ張ること、インドの問題は之につきると思います。

コルカタからだと日本往復で4万6千円ほど、これだと帰国は気楽です 帰ったら...

目に青葉、耳ホトトギス 初鰹 
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Unknown (インドから)
2012-04-07 13:05:31
インドで会社登記しちゃった者です(笑、4月になって年度が変わり、いきなり政府から「お前は過去3か月間大した売り上げがないから国債を買え」というお達しが来ました、つまりはあの手この手で民間から吸い上げて国庫に回したいらしい、しかしこいつ、5年国債で年利9%。。。ちょっと考えると相当魅力的なんですが(爆

日本もこういう高度成長を仕掛けて来たんだと実感しました
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Unknown (まさ)
2012-04-07 13:13:36
コメント、有難うございます。

インド政府の借入ブーム継続というわけですね。

年利9%はここ数年のインフレ率と同じなので、実質0%金利ということにはなりませんか?

http://ecodb.net/country/IN/imf_inflation.html
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Unknown (TAXI)
2012-04-07 15:10:17
インドってリーマンショック前の為替が1ルピー=3.2円。 これが今年1月の最安値で 1ルピー=1.4円まで落ちました、つまりは3年で半値以下。これは政府の強烈なインフレ政策が原因でしょう。 しかし、外国人投資家から見るとおいしいでしょうね、私は騙されて給与激減(ルピー建て)の立場なので複雑ですが。
まささんの近所は西ベンガル州ですよね、悪名高いママタが州知事やってるうちは鉄道は紛争だらけでしょう(ママタは元鉄道省大臣)
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