徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

超新星爆発と対流

2013年02月24日 | 物理

 宇宙の始まりは137億年前 そんな昔の事は誰も見たことが無いのに判るというのはちょっと不思議 宇宙物理学というのは比較的簡単な状態方程式と核物理と相対論からなっている (ああ、あと量子論) それが実際の観測と良く合う (ダークマター、ダークエネルギーはぜんぜんダメだけど) たとえばHR図における星の一生などはそのものです

 その主系列星の7倍太陽質量星における超新星爆発がなぜ起るかという理由が対流にあるという

 対流というのは軽い物質が上昇し重い物質が下降する ただそれだけ 液体の場合の対流は縮まないので簡単ですが 気体の場合はそうはいかない 上昇すると周りの気体も薄くなって軽くなる その軽い周囲の気体より軽くなければ上昇を維持できない 

 地球の大気圏での対流では上昇した空気が冷えて雲を造り雨や雪を降らせることにより水の潜熱が解放され周りの気体より暖かくなり上昇が維持される 

 しかしこれが太陽内部だと状況は変わってくる ここでは潜熱プロセスは無い あるのは水素核融合プロセス 恒星内での核融合には二種類ある(PPチェインとCNOサイクル) この二つの違いはプロセスの安定性 そして条件は圧力 圧力が低い つまり太陽サイズの場合はPP過程で安定する しかし太陽の7倍の大きさを超えるとCNOプロセスとなり圧力にセンシティブなプロセスになる

PP過程では恒星核では対流が起らない なぜなら 反応気体の核融合は安定的で断熱膨張条件を超えることが無く上昇しても周囲の気体より熱くはならない しかしCNO過程では圧力異存が顕著で断熱膨張条件より熱くなる つまり核において対流が起る

 これがトンデモナイ 対流が起らない場合は炭がじわじわと燃えつきる様になるわけですが 対流がある場合はガス(プラズマ)が攪拌されるので燃え尽きると一気に縛縮を起こす そして、この際の衝撃波で超新星爆発を起こす

 わが太陽は超新星にはなり得ませんが その7倍以上の質量を持つ恒星ではその核内で対流状態で核融合が起るが故に超新星爆発を起こすというお話でした