今朝の通勤時のこと。
最後の乗り換えのバスターミナル、バスの列に一番で並んでいると、向こうから白杖をついたおばあさんが、周囲の人に助けられながらやってきました。
足元には小さな犬がちょこちょこ歩いています。
初めは「盲導犬?」と思ったけれど、明らかに小さな愛玩犬。
プードルかしら?
おばあさんを助けてきた人は、私が並んでいるバス乗り場まで連れてくると、向こうに行ってしまいました。
おばあさんに一番近い位置にいたので、声をかけてみました。
「どこまでいくのですか?」
おばあさんは聞こえなかったのか、理解できなかったのか、なにやら もごもごもごと言うばかり。
「どのバスに乗りたいのですか?」
こんどははっきりと乗りたいバスの行先を答えてくれました。
「それならここなので、来たら教えますよ。」
と伝えた。
おばあさんはその後、犬に引っ張られるまま、プラットフォームを少し歩いては戻ってきます。
きちんと、杖もつかずに戻って来るのを見て、「あれ??」って思った。
もしかしておばあさん、見えているんじゃない?
そのうちにバスが来ると、おばあさんは犬を持っていたキャリーバッグに上手に入れました。
でも、私が手を取ってバスに乗せる時に見せた「白杖遣い」は、やはり目の見えない人の仕草そのもの。
バスに乗り込むと、車掌がすぐにおばあさんに気がついて、手を取ると運転手のすぐそばの席に連れて行って、行き先を聞いて座らせようとします。
でも、なにやら ごちゃごちゃ もめている様子。
頭を振りながら帰って来た車掌に
「あのおばあさん、どこに行きたいって言っているの?」
と尋ねると、どうやらこのバスの路線ではない病院に行きたいらしい。
でも、その病院の名前も定かではない様子。
「でも、病院だったら、犬連れて入れないよね。」
と私が言うと、車掌もうんうんとうなずく。
困ったのは、おばあさん、運転手のすぐ横にずっと立っているため、途中からの乗客が乗り込めなくなってきているのです。
このバスはペケママが降りるバス停のひとつ前のバス停で、たくさん乗客が乗ってきて、いつも満員になるのです。
困った車掌さん、何度かおばあさんに声をかけましたが、効果なし。
仕方がないので、ペケママが降りるバス停では、降車口からお客さんを乗せていました。
途中で車掌さん、バス会社の事務所に電話をかけ、事情を説明し、おばあさんを途中で保護してくれるよう連絡していました。
こういうところ、サンパウロのバス会社、しっかりしているなーって思います。
それにしても、おばあさんその後どうなったのかしら?
無事に安全に保護されていたらいいけれど...
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