興味深い本に出合いました。
「バッハ インヴェンション こころの旅」杉浦日出夫 著 音楽之友社
テーマやモチーフの分析といった内容ではありません。
音型(フィグーラ)からバッハのメッセージを読み解くのです。
2016年出版ですので既にお読みになられた方もいらっしゃると思います。
人間の罪を表す減7度、死を表す音型、十字架の音型、天使の音型、神の声、etc.
このような暗号から受難の調といわれるf-mollのシンフォニア(9番)を弾くと、辛すぎて弾けなくなってきます。
シンフォニアの9番は、このような話を知らなくとも辛い曲ですが、知ってしまうとあまりにリアル。
こじつけかな、と時々思う所もありましたが、このような楽譜の読み方を知っていて損はありません。
なぜそう感じるのだろう、これをどう言葉で言い表したらよいのだろう、と思うようなところが、音型の解釈から正体が判明した感じがあります。
楽譜の読み解き方が変わる本です。