ADHDの生徒さんにどう対応したらよいか、本にあることですがまとめてみます。
ピアノレッスンで参考にできることがあるかもしれません。
<立ち歩く>
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思い付いたらすぐ行動に移ったり(ADHD)、学習が理解できず集中力をなくしている(LD)
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用事を頼む。ハンドサインを決めてがまんを覚えさせる。
<些細なことで感情が高ぶる>
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感情をコントロールする力が弱い
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怒ったり、泣いたりしないことを目標にする。ゲームなどで勝ち負けにこだわり負けそうになると怒りだしたり、泣き出したりするときは「おしい!」「いいところまでいってる」と次回に期待を持たせる言葉を掛ける。ピンチに陥った時に「このスリルがたまらないね」とゲームのワクワク感を味わえるようにする。誰にでも負ける時はある。気にしない、気にしないなどと声を掛ける。深呼吸する、水を飲む、何かを握りしめる。
<思い通りにならないとダダをこねる>
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ADHDのある子は感情を抑えることが苦手。泣き叫んだ結果、思い通りになった経験が重ねると、意見を通す手段として学習してしまう
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あくまでも冷静に対応する。子供が興奮している時には頭ごなしに注意するのではなく、まずは落ち着かせる。その後「それはいけない」「〇〇しましょう」と静かに低い声で言いきかせる。場所を変えて話す。なぜいけないか、どうすれば良かったか穏やかに説明する。「〇〇したかったんだよね」と気持ちを受け止める。
<学校へ行きたがらない>
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うまくいかないことが多く恥ずかしい、みんなと同じように出来ずやる気がなくなっている
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自分が置かれている状況を説明することが苦手で、自分でもなぜかよく分からないことが多い。子供のストレスが強ければ、2~3日休ませる。背景に何があるのか、どのような対策が必要か先生と保護者が一緒に考える。
<登園をしぶる>
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母親と離れるのを嫌がる。何のために行くかわからない。感覚面で過敏さがあり色々な刺激に耐えられない
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母親と離れるのが怖いのは、あとで迎えに来るということがわからず不安だから。いつ迎えに来るかわかりやすく伝える。門に入ってしまえば平気な子、保護者がいなくなれば遊び始める子もいる。
<家でちっとも勉強しない>
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勉強に対する苦手意識が強い、一人ではできない、手順がわからない
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勉強する曜日、時間を決める。終わったら必ずほめる。カレンダーに記録する。テレビを消し家族全員が勉強モードになる。空腹時、満腹時を避ける。親は過剰な声かけ、指示は避ける。
<習い事をやめたい>
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なぜやめたいか確かめる。ほかにやりたいことがあるか、本当によく考えてのことか。説得するばかりではなく、子供の気持ちを受け止めその上で対策を練る。
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話し合いは子供が本当に自分がやりたいことを考えるきっかけになる。どう説明すれば自分の気持ちを分かってもらえるかを学ぶ機会になる。やめる時期をすぐにではなく、〇〇が出来るようになったらと区切りをつける。もったいない、結局はダメかは言うべきではない。
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自分の気持ちを言ってもどうせ否定される、という経験を子供に何度もさせてしまうと、言わなくなります。気力をなくすか勝手に事を進めてしまうかになると思います。
親や周りの大人は自分の意見を押し付けず、まずは本人の考えや気持ちを聞くことです。
ここに書いたことは、ADHDに見られるだけではなく他のお子さんにも通用するはずです。ピアノレッスンでもお目にかかることが少なくない話です。
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参考文献
『発達障害のある子へのサポート実例集 小学校篇』上野一彦 月森久江 著 / ナツメ社 / 2010年
『こんなとき、どうする?発達障害のある子への支援 幼稚園・保育園』内山登紀夫 監修 / ミネルヴァ書房 / 2009年
『健康ライブラリー AD/HD,LDがある子供を育てる本』月森久江 監修 / 講談社 / 2008年