自閉症の生徒さんのレッスンを始めた頃、音楽療法で何かできるかもしれないと思いました。
音楽療法のことをよく知りませんでしたので、図書館に行ってみました。
数は多くはありませんでしたが、その中にCDのついた本が1冊ありました。
読むより聞いた方が速いと思い、その本を借りてきました。
CDを聴いて驚きました。
実際の現場を録音してありましたが、即興演奏でどんどん進めていて、その音楽が即興とは思えない完成度で美しかったのです。
1960年代のものでしたが、音楽が全く古くなく、ミュージカルのような音楽でした。
これは歌として何曲か生徒さんに歌ってもらいたい、と思いました。
挨拶に使っている曲がレッスンで使えると思い、譜面に起こし始めました。
そのようなことをしていた時に、同じ楽器店で同じ曜日に稼働している先生と帰りの電車が一緒で、そのCDの音楽が即興とは思えない素晴らしさ、という話をしました。
そうしましたら、「それ、ノードフロビンズ音楽療法じゃないですか?」と言われました。
そんな気もするけど、覚えてない··
ん?音楽療法に詳しいのかな?ときいてみますと、そのアシスタントをしていると。
なんという偶然。
曲の楽譜が出版されていて、確かヤマハでも買えると仰るので、早速買いに行きました。
何種類か出ていて、その中の挨拶の歌を集めたものを買いました。
音楽療法に関しては、私には無理だと思いました。
そのCDを聴くと、障がいのある子供の症状に合わせて音楽を作っているようで、自閉症で症状の強い子供には不協和音の連続で、しかもかなり強い音で何度も何度も叩くように弾いており、聞いていて気持ちが悪くなってしまいました。
こんなことは出来ないと思い、レッスンの始まりと終わりがわかるように挨拶の歌だけ使わせてもらうことにしました。
この始まりと終わりがわかるようにすることは、このような生徒さんのレッスンでは必要なことです。
彼女が小学校を卒業するまではこれを続けました。小6の途中から必要ないくらいになりましたが、学年の途中で辞めると良くない気がしたので、小学校卒業まで続けました。
ノードフ氏、ロビンズ氏のセッションの様子がyoutubeにありました。
いくつか拝見しましたが、CDで聴いたような音楽は聴けませんでした。しかし、このようにピアノのすぐそばで笑顔で行っていると知ることが出来ました。