仲道さんのマスタークラス後編が公開されました。
受講生は吉見有貴さん。
曲はOp.110です。
熱いレッスンです。仲道さんのベートーヴェンへの情熱をヒシヒシ感じました。
このソナタの成立背景や構成などを伺っていると、弾きたい気持ちになってきます。
ここはこう弾くというレッスンではなく、論理性を持ちながら感情を読み解いていくレッスンで、惹き込まれました。面白いです。
後期のソナタの苦悩、嘆きから救いへと昇華していく音楽の表現に若い吉見さんが懸命について行く姿、良いものです。
ベートーヴェンの音楽の主語が、「私」から「我々」に変わっていくお話。とても納得。
そして、音楽をする人は人の痛みを知ることが基本だと思う。作曲家も痛みがあるから曲を書いていて、ハッピー、ハッピーだと書こうと思わないのでは、との仲道さんのお話。
私が子供たちに使っている教本の著者が、アメリカの本は楽しい曲ばかり。人生は楽しいことばかりではない。人の痛みを知ることが思いやりのある人間を育てる、とおっしゃっています。
不思議な音の国の曲は、短調の曲が非常に多いのですが、何を表現した曲かが物語になっています。
音楽は楽しいもの、と思っていらっしゃる保護者の方には思っていたものと違うレッスンと思われているかもしれませんが、私が子供たちに伝えたいのは、やはり人の感情を想像すること。
ここは譲れないなと、新年早々思ったのでした。