おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

不思議な音の国 終盤のスゴさ

2019年09月05日 | 不思議な音の国
この教本の凄さは下巻の終盤に実感します。

曲は最後まで短く譜読みも全く大変ではありません。
しかしそこには、細かいアーティキュレーションが盛りだくさんです。
そのような曲が続いた後は2小節程度のフレーズをレガートで弾くものが出てきたりして気分が変えられるよう配置されています。

アーティキュレーションが細かな曲は短い曲から始めなければ身に付けることは難しいと思います。
このような教本が日本にはありませんでした。
発表会の曲で突然このようなことをやるはめになり生徒さんは戸惑い、私はやってこなかったことを強いることができず、大体できればよしとするかという具合。
もしくはそのような曲は選ばない。

これじゃダメなんだけどと思いつつ、初級の間にスタッカート、テヌート、アクセント、2音のスラーの奏法を通年を通して教えることができずにいたジレンマ。

初級の間はこういうものかと、いつしか思うようになりました。
進みの速い場合は別ですが、生徒さんの多くはそうではありません。
本物を教えられずにいる時間がとても長く、本物ではない弾き方がピアノの弾き方として身に付いてしまっていました。

そこから教え直すのは相当な根気が双方に必要です。
趣味の生徒さんにそれを望むのは酷です。

というわけで、不思議な音の国の出現で私の長年の悩みは解消されました。
下巻終了後にはクラシック作品を演奏するのに必要な基礎を身に付けられるのは本当です。
曲が短く、譜読みも大変ではないので、これでどれだけのものが弾けるのか私も正直なところ不安でした。

しかし不思議な音の国下巻には、この先の作品の基礎が全てあります。
ここ2~3カ月レッスンでよく口にしている言葉が「あの白い本(不思議な音の国)でやったことと同じ」

スラーのはじめと終わりの重み、ブレス、腕·手首·指をリラックスさせる
4分音符スタッカート、テヌートの重み、アクセントの打鍵スピード、レガートの手首水平移動
2~5度音程の特性
そしてどんな音楽がそこにあるか

これだけのことを私はこれまで初級の生徒に徹底して教えられませんでした。
今は不思議の生徒さんたちには遠慮せずに要求できます。

教本の他に別の曲もよく渡しています。
1~3ページの曲で明らかに不思議より長い曲ですが、これまでやってきた弾き方で全て弾けると分かると怖がらず弾いてくれます。

あと、春の発表会で他の生徒さんが弾いた曲を生徒たちは結構覚えています。
不思議下巻の5度音程の所まで来ると弾ける曲がグンと増えます。
その中でSuper Duckは人気で「これ弾きたいと思ってた」という生徒さんもいました。
そうだったのかと驚きながらも嬉しく思います。

イリーナ先生とマルチェンコ先生のyoutubeでずいぶん新しく曲を知りました。
事前に楽譜を探しておいて今とても助かっています。

それらが活かせるのは奏法あってのことです。

楽譜の入手はカワイ表参道、横浜、梅田で可能です。訳者の阿形先生、または著者のイリーナ先生のホームページからも注文できます。伴奏音源はQRコードから無料でダウンロードできるようになりました。
最初の基礎ノンレガートは上巻で行います。
下巻でもその基礎は必ず必要です。
コメント
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