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おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

遅ればせながら「羊と鋼の森」

2020年11月24日 | 書籍紹介
遅ればせながら「羊と鋼の森」を読んでいます。

大人の生徒さんが面白いと仰るので、それでは読んでみるかと。

まだ読み始めたばかりですが、考えさせられることが色々とあり、調律師さんの話ですが生徒さんに対する自分への問いかけにも思えます。

ドキッとしたのが、

「求められていないところでがんばっても得るものはない」と言い放つ先輩調律師の言葉。

私なんてこの毎日だと思い、自分のしていることは無駄なことなのかと、しばし考え込んでしまいました。

わからないだろうと思われて一律の調律しかしてもらえない人のことを思うと胸が重たくなると、主人公。

もしかしたらわかるようになるかもしれない。
秋野さん(先輩調律師)の調律した音を聴いてピアノに目覚める可能性だってあるのではないか。

と主人公はさらに思います。

そうそう、このことを信じて私はレッスンを続けています。
信じなければ続けられない。

主人公が予定外の調律を一人でしてしまい、大失敗をした日に憧れの調律師さんに「きっとここから始まるんですよ」と愛用のハンマーをプレゼントされる場面で、また自分に置き換えて考えてしまったことが書かれていました。

「森の入り口に立った僕に、そこから歩いてくればいいと言ってくれているのだ」

これから彼は鬱蒼とした森の中を歩いて行かなければいけません。
体育館で初めて聴いたその調律師さんの音を求めて調律師の道に進んだ主人公。

あれから少しも近づいてはいない。もしかしたら、これからもずっと近づくことはできないのかもしれない、と主人公。

私自身も森の中で近付くこともできないものを求めているのかと思ったり、生徒さんのレッスンでは、まずは森の入り口に皆を立たせたいと思ったり。

森の大きさは色々とあると思いますが、森に入るには身支度が必要です。

サンダルで飲み物も持たず入って、迷ってしまったら苦しい思いをするでしょう。
身支度するには子供の内は親御さんに手伝ってもらう必要があります。

生徒さんとは、できれば森の中を一緒に歩いて色々発見したいと思うのです。
一人で歩ける日までは。

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是非、お読み下さい !

2020年04月18日 | 書籍紹介
以前ご紹介した「遊藝黒白」
その第5弾を訳者の森岡葉さんが、出版前の原稿を期間限定で公開して下さっています。

第1回はバドゥラ·スコダ
今回も素晴らしいお話を読むことが出来ます。

突然変わってしまった世界に私たちは今いるわけですが、300年前、200年前の作曲家たちがどのような中で生きていたのか、世界大戦を経験した音楽家がどんな思いを抱いて音楽を続けたか、そんなことを今の生活の中で少しだけ現実的に想像できる今、スコダの話には説得力があります。

真実を追う、それを追い求める。
その価値は困難な時ほど増します。

良いものを読ませて頂いたことに心から感謝。

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賛成しかねますが

2020年02月20日 | 書籍紹介
前回、”「賢い子」に育てる究極のコツ”という本をご紹介いたしました。

この本に「音楽は幼いうちに始めた方が絶対いい」とあります。
音楽は、その人の好奇心と人生を一生涯を通じて豊かに広げてくれる。そのスタートは幼い頃に始めたピアノかもしれないからと。著者の方ご自身もそうなのだそうです。

このこと自体は素晴らしいと思います。

始める時期ですが、細かな運動(巧緻運動/こうちうんどう)、つまり器用な手先は3~5歳の時期に身に付きやすいからこの時期に始めるのが良いと。

五嶋みどりさん、五嶋龍さん、卓球の福原愛さん、体操の内村航平さんも3歳から始めていると。

内村さんはどうか存じ上げないのですが、五嶋さんたちや福原さんはお母様が毎日練習を徹底的に見てあげていたと思います。
その条件下なら3歳からでも良いのかもしれません。

しかし、多くの生徒さんは、この年齢で週に1度のレッスンでご家族にピアノ経験がない場合上手くいく例はほぼないと思います。

ピアノは左右で異なることをするので脳梁という神経線維を発達させ、脳と手をつなぐ錐体路(すいたいろ)の発達も見られると。

電子ピアノだったら比較的安価で手に入り、ピアノ教室も周りにたくさんある。そういった意味でも始めるハードルが比較的低い、とあります。

この考え方、全く賛成できません。
何のためにピアノを習うのか、脳のためなのか・・

人間の脳は後ろから発達して前から壊れていくそうです。

後頭葉(視覚情報)→側頭葉(聴覚)→頭頂葉(空間認知、触感、体の動き)→前頭葉(記憶、思考、判断力、コミュニケーション力)の順に発達するそうです。

視覚、聴覚は0歳から、運動は3~5歳、コミュニケーション力は10歳~思春期に発達するそうです。

さて、ロシアンメソッドでレッスンをしているとわかると思いますが、4歳半の生徒さんでも指先はクネクネです。本人も何のために指先を強く保つのかわからないと思います。

ところが5歳近くになると急に手がしっかりしてきます。
こうなると弾きやすくなります。年長さんでもクネクネだなと思っていたらあっという間に指先がしっかりしてきます。
指先を強く保ち腕の重さを使うことを教えられてこなかった生徒さんは、7歳になっても8歳になってもクネクネです。当然音質はよくありません。

脳のことだけで手軽にピアノレッスンを勧められると教える側は正直迷惑です。
海外のピアニストの多くは5歳からピアノを習い始めています。

3歳からというピアニストも稀にいますが、それは親御さんがピアニストだったりピアノ教師だったりする場合です。
環境によって始めるのに適した年齢は存在すると思います。

小さいうちは、家庭で音楽を聴くだけで十分だと思っています。

そういえば、年中の生徒さんの生後3か月の弟がお母様と一緒にレッスン室に入っているのですが、この弟が、少し前まで高音の音はスヤスヤしていても中音域を大きく弾かれるとグズリ始めていました。

それで私も大きく弾けなくてとても控え目な音で弾いておりました。
ところが先週、指でかつかつ弾いたら「ンン~」と呻き、肩から重さを使って深く柔らかく弾きましたらその声がピタリと止みました。

0歳児聴覚発達中です。

それから、CDの伴奏をかけた時に音量が大きくなっていたことがあり、ビックリしてしゃっくりが出始めたこともありました。

いやいや、申し訳ない。驚かせてしまいました・・

この本、先程の内容は賛成できませんが、その他は良いことが書かれています。
何より心強かったことは「子どもの能力が伸びるのも伸びないのも、親の関わり方次第です」という言葉。

イリーナ先生も「子供の成長は親次第」とおっしゃっています。
もちろんピアノレッスンは親御さんと教師の両方の翼あってこそです。

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題名は気に入りませんが

2020年02月19日 | 書籍紹介
この本の題名は趣味ではありませんが、音楽関係のことも書かれているらしいので読み始めました。

脳医学者の方が書いた本です。
最近の研究から「ぐんぐん伸びる子の条件」が見えてきたそうです。

単に「成績が良い子」というのは必ずどこかで限界が来る。
好きなことに取り組んだ子供は自分で自分の力を伸ばしていくことができる。
どんな子供でも何歳からでも親の働きかけ次第で賢く育つ。

この本には子供に図鑑を与えると良いと書かれています。
しかし、図鑑を渡すだけではダメだと。

子供のなぜ?(好奇心)に親が答えてあげる、できる範囲で良いからと。
一緒に調べるのも良いし、時間がない時は「忙しいからムリ!」ではなく、調べてお母さんにあとで教えてねでも良いと。

この本では図鑑を勧めているので「親も図鑑が好き」というのを何らかの形で示してあげる、とあります。親も図鑑を楽しそうに見るとか。
家は女の子だから図鑑はいらないのではと考えてしまうと、子供の未来を狭めることになりかねないと。

それから、この言葉は知らないはずだからとか子供には難しすぎるだろうと知識を制限する必要はないと。子供の好奇心に制限をかけると親の反応に子供は敏感なので、「このくらいでいい」と自分に制限をかけるようになると。

結局、音楽も同じで、楽器の経験のない親御さんが自分はわからないから教えられないとか、「〇〇ちゃん、お母さん(お父さん)はわからないから宿題一人でやってね」は絶対に禁句です。

わからなければ一緒にレッスン室に入って覚えれば良いし、一緒に来られなければご家庭で好きな音楽を一緒に聴いても良いし、思い切って音楽会(子供を対象にした音楽会が23区では年に1回は開催されていることが多いです)に出掛けても良いわけです。

レッスンにだけ通わせておしまいでは、長続きしません。
しかし、親御さんが関わり過ぎてもうまくいきません。

一緒に覚えようとするご家庭が一番うまくいきます。
子供の方がすぐに大人を追い越します。そうしたらお子さんのファンになれば良いのです。

音楽の専門家になるわけではないからこのくらいで良いと考えるご家庭は多いです。
音楽家になれる人なんてほんの一握りですのでそのような心配はいらないのですが、私はできるだけどの生徒にも本物を身に付けてもらいたいと思っています。

難しい曲が弾けるという意味ではありません。
そこにある音楽を理解して心の伝わる音で演奏する、そうしたいと精一杯やる、それで良いと思っています。私だって大した演奏はできません。ただ、いつもその時にできる精一杯のことをしようと思っています。

脳には「汎化(はんか)」という特徴があるそうです。
何か一つの能力が伸びると、それに直接関係しない部分の能力も伸びていくのだそうです。

子供の好奇心を育てるためには親にはある程度の努力が求められるが、必ず、かけた手間と努力以上の子供の成長となって戻ってくるはずとあります。

保護者の方におススメの本としていかがでしょうか。
https://amzn.to/3Gld0Le
16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える 「賢い子」に育てる究極のコツ (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2016/4/13 瀧 靖之 (著)



そういえば、今日のレッスンで「学校で伴奏を任された。来月の初めに合わせるので、今月中に弾けるようにしなければいけなくなった」という生徒さんがいました。

なんて名誉なことでしょう。初めて伴奏を任された生徒さんです。
その話をしにご両親揃って来てくださいました。いつもはお母様が送り迎えをされるのですが、今日はお父様も一緒にいらっしゃいました。

こういうことなのです。ご両親でお子様を応援する姿。これが頑張ろう!という気持ちにさせるのです。
子供に、自分で先生に言ってではなく、ご両親でこのような事情ですがお願いしたいと言いに来てくださった。この姿を見たら本人だって「やるぞ!」と頑張れますし、私だって「ヨーシッ!」と気合が入ります!
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マエストロ・プロフォンド

2020年02月12日 | 書籍紹介
10数年前に生徒さん全員にこのようなものを渡しました。





これを作った当時のパソコンがだいぶ前に壊れてしまい、自分の分を印刷していないと思っていたので何を書いたかよく覚えておりませんでした。

最近この内容が気になり、大人の生徒さんでまだ持っているという方がいらっしゃるのでお借りしようかと思っておりました。

ところが、先程ひょっこり見つかりました。

内容が素晴らしい!
これは、とーぜん私が考えたものではなく、本にある言葉です。

東京文化会館の資料室に行った時にこの本が目に留まり、メモしたものです。

すてきにピアノ 第2巻 (日本語) 楽譜 – 1998/12/10
ピーター コラッジオ (著), エリザベス・恵莉子・コラッジオ (翻訳)

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「最後の秘境 東京藝大 」おススメです!

2020年01月28日 | 書籍紹介
この本の存在を以前からご存知の方もいらっしゃると思いますが、私は今年知りました・・

この本には音楽学部と美術学部両方の学生さんの話がたくさん出てきます。
専攻によって人種も様々。
音楽でも楽器によって特徴があるものですが、美術も専攻によって随分特徴が異なるようで興味深いです。

音楽学部のピアノ以外の楽器の学生さんの話が私には新鮮で、自分の中で曖昧な感覚でいたことをはっきりと言ってくれているのがとても勉強になっています。

詳しく書くわけにはいきませんが、バロック楽器を勉強されている学生さんの話で印象的だったことを少し。

「今の楽器は音程が取りやすかったり、・・中略・・進化して、合理化されているんです。バロック楽器はその点・・中略・・楽器が助けてくれません。自分の息で頑張って調整しなければならないことが多いです。でもその分、出せる音色の柔らかさが全然違うんです」

もうひとつ、ああこれだ・・と私がスッキリしたこと。

「バロック音楽は作曲家の感情でも、演奏者の感情でもなく、曲の感情」
「演奏するときは生きたものを出さなきゃって思います。その音楽が最も輝ける形で、生きた状態で生み出したいんです」

私はピアノを習う前からバロック音楽が好きでした。ピアニストになりたいと思ったことはありませんが、オルガニストになりたいと思ったことはあります。
ピアノが上手くなったらオルガンを習えるものかと思っていましたが、いつまで経ってもその時が来ることはなく、あれは特別に選ばれた人しかできないものなんだなと思うようになりました。

バロック音楽にある熱のようなものを生徒に伝えることがいつもうまくいかず、人が持っている感情とは違うエネルギーが何なのかよくわかりませんでした。

この学生さんの「曲の感情」という言葉。
これだ!と思いました。曲自体が持っている感情、エネルギー。そう捉えて良いのだと思いました。

楽器が助けてくれないという話も、なるほどと思いました。

電子ピアノは合理的に作られた楽器で誰が弾いても同じ音で弾けます。
しかしアコースティックピアノはそうはいきません。音は自分で作るのです。
そのために身体の使い方をレッスンで教えているのです。耳が一番の先生です。

楽に弾けてしまうことからは得られないものがアコースティックピアノにはあります。
耳と感性と感覚と頭脳を磨き、研ぎ澄まし、少しでも美しいもの、本物に近付こうとすること。

藝大の教授が「私たちは音楽の末端でしかない。けれど、その末端は本当に美しくなければならない」とおっしゃったそうです。

電車で読んでいてジ~ンときました。

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倍音

2020年01月22日 | 書籍紹介
「最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常」を読んでいます。

美術学部(美校)と音楽学部(音校)、それぞれの話が書かれています。
著者の奥様は藝大美術学部に通う学生さんだそうです。

この中で音楽創造環境科に通う口笛世界一に輝いた学生さんがこのような話をされています。

「口笛は基本的に倍音が出せません。・・中略・・これ、機械的に作った倍音なしの音です」
スマートフォンからその音を出し、「こういうブザーみたいな音です。凄く味気ない音なんですよね。サイン波っていうんですけど。口笛はどうしてもこういう音になっちゃうんです。単調で、高音寄りで・・・聞き手としては長時間聴きづらいんですよ」

倍音が出せないのは、どれくらい大きな欠点なんですか?

「うーん…教授には楽器として致命傷だよ、と言われちゃいましたけど・・」

「受話器を取った時のプーって音や、信号機のピヨピヨって音もみんな倍音のないサイン波なんですよね」


サイン波なんて知りませんでした・・
調べてみると三角関数と関係しているようで、サイン、コサイン、タンジェントなんてやりました。遠い昔に・・

これが音に関係しているとは全く知りませんでした。
数学の問題を解くためだけにあるのかと思っていました。

面白そうな論文を見つけました。
私にはチンプンカンプンで読んでもよくわからないところだらけですが・・
http://www.math.sci.hiroshima-u.ac.jp/KOUKAI/text-h18/Sound.pdf

この中にこのようなことが書かれています。

『はっきりした高さを持つ音を楽音、そうでない音を非楽音と呼ぶことにします。楽音には際立った特徴があります。それは波が周期的であるということです。』
『楽音は基準音とその倍音に分解できる。』

倍音がなければ楽音とは言えない、と言うことになるでしょうか。

電子ピアノはピアノの音に似せるために様々な波形を合成しているのだと思いますが、とても雑な言い方をすれば、音の高さを変えたブザーを88個並べたものと言えるかもしれません。鍵盤型ブザー?鍵盤型ピヨピヨ?

こんな言い方をしたら開発者に絶対に怒られますが・・

ピアノはただでさえ血の通った音にするのが難しい楽器なのに、それをはじめから放棄しているのが電子ピアノだと思います。

魂を何とか吹き込もうとイメージやテクニック、精神を総動員させる。気持ちを届けたいと思えばピアノは応えてくれます。

そういうものを知ってほしいと思うのです。

ブザーのプレハブ(間に合わせ)で音楽は感じられません。創造することも出来ません。

音が読めて、リズムが分かって、指がたくさん動かせる。
それは何のためにするのでしょう・・
それだけを教えるために私たちはいるのではありません。

ここのところをもっとピアノ指導者は発信していかなければいけないのかもしれません。何を目的にしているか。

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井上直幸さんのDVD 1「作曲家の世界」

2019年12月16日 | 書籍紹介
井上直幸さんのDVD「作曲家の世界」がとても好きです。何度見ても心が洗われます。

見終えたときに心が、ほわ~と温かくなります。
以前は寝る前によく見ていました。一日の終わりに心をリセットしたかったのだと思います。

その「作曲家の世界」は現在は販売されていないかもしれません。
残念過ぎます・・
音楽への情熱を持った素晴らしい音楽家が、作曲家への信愛の情をもって演奏しながらたくさんのことをお話ししてくださっている貴重なビデオです。

井上直幸さんのお話は自分もまだまだ出来ていないんだと偽りではない真摯な気持ちが伝わってきて身近に感じてしまいます。

本当に素晴らしい人はこうなのです。
本当は精神的にも音楽的にもはるか遠くにいる人なのですが、自分と同じだと思わせてしまう。

井上先生の「ピアノのおけいこ」に大変な魅力を感じたのは、先生ご自身も学び続け、真摯に音楽に向き合っていることが伝わってきたからだと思います。
子供にもそれは伝わるのです。

さて、このDVD。
J.S.バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ドビュッシーについて、それぞれの様式と音、ご自分が演奏するときどう向き合っているかといったお話をたくさんの演奏を交えてお話してくださっています。

どのお話も貴重。そして演奏していらっしゃる井上先生を拝見できるのはこのDVDしかないのでその意味でも貴重。
どこかに演奏会の録画があるかもしれませんが一般にはそれを見ることはできません。

そんな井上直幸さんのDVDの中のお話を少しご紹介します。

どのお話も本当に魅力がありますが、代表してモーツァルトについて。

「モーツァルトの曲の中には美しいのがいっぱいいっぱいあって、それを発見しようと思って弾いてます。宝物みたいに詰まってると思う」

「特にモーツァルトは指先がものすごく良くないと。この人の美しい作品に応えようと思ったら、指先、感覚・・特別に美しい音で」

そっけなく正確な弾き方をして
「よそよそしい。こういう所にモーツァルトいないよね。モーツァルトここにいたら、あんま喜んでくれないと思う。耳がものすごくピアノの音を聴く」

「モーツァルトは粒、粒、粒。それが定着してるけど、粒が同じだとつまらないね。粒はいろいろあるんです。色々な大きさがあって自然ならいい。粒さえそろっていればいいというもんじゃないと言っておきたい」

「モーツァルトは難しいことしゃべってきますよね。言ってくることが変わってる。この人が言ってくることは特別魅力がある。幸せなそういう気持ちにさせてくれる作曲家だと思います」

全ての作曲家のお話をされた最後にこのように仰っています。
「音楽ってのは素晴らしくて、いい作曲家たちの世界に接するのは幸せなこと」



井上先生の語り口調と共にお話しされる内容が心に響きます。
きっと永遠に井上直幸さんは私の憧れの先生です。

J.S.バッハの話の所で演奏されている「マタイ受難曲」のソプラノのアリアが神がかりです。私はこのアリアが大好きなので、これを聴いて楽譜を買いました。


買ったもののタンスの肥やしならぬピアノの上の肥やしと化しています。
なんということ・・
まっ、お守りということで



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井上直幸さんのDVD

2019年12月13日 | 書籍紹介
購入した頃、毎日のように見ていた井上直幸さんの「ピアノ奏法」というDVD。1と2があります。

先程、相当久しぶりに見ました。まずは2の「さまざまなテクニック タッチとペダリング」

こんなに素晴らしいお話をしてくださっていたのだと今頃知りました。
重力奏法を知ってから見たのは今回が初めてでした。

もう、色々なことをたくさん教えてくださっています。

「思う(イメージする)ことが先にあって、それを弾いて確かめて聴く」

「ピアノってやつは非常に人工的な楽器で、音がきれいに調律してもらったらあんまり難しくなくポッとやれば、弦楽器と違って簡単に弾けるから、感情を出す、ピアノと仲良くなる、ピアノに入るというか歌わせるのがけっこう難しいかもしれない」

と、最初に話されていました。

まさしく私が今、生徒に話していることをお話しされています。
忘れていた気がしますが、私の中にその話が残っていて同じような話を生徒にしているのかはわかりません。

そして驚いたことに、重力奏法と指の奏法のお話もされています。
しかも実際に曲を弾きながら教えてくださっています。

これを見ていた頃は、重力を使うことをよく理解できていなかったので、井上先生のお話が分かるところと分からないところがありました。

しかし、今はわかります。
成長しているぞ、私!

井上先生はオールシェーンベルクのプログラムでデビューされました。しかも全曲暗譜。

古典派の曲がお得意なイメージがありますが現代曲も得意!
ドビュッシーもお好きだったと思います。

私は井上先生のベルクのソナタの演奏が好きです。
フランクのヴァイオリンソナタの伴奏もすっばらしいです!

現代曲を弾かれるピアニストはタッチが豊かでなければ務まらないと思います。そのようなピアニストは大抵バッハも得意です。

そんな井上先生だからこそ、どこを使って弾くといった身体の使い方をお話しできたのだと思います。

結局はどの音で演奏するかは自分で決めなければいけないのですが、音を作る基本のテクニックを知らなければ不可能な話です。

基本のテクニックを習い始めからしっかりと身に付けていけるのがロシアンメソッドといわれる導入法なのだと思います。


井上直幸さんの先生ピヒトさんはレシェティツキの孫弟子だそうです。
出たっ、レシェティツキ!


C.Franck :Violin Sonata A major 2nd mov. Allegro 2/4
Alban Berg: Piano Sonata op.1 / Naoyuki Inoue
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ミュージックフラッシュカード

2019年12月08日 | 書籍紹介
レッスンで使うカード類はもっぱら手作りしていました。

ボロになってきては作り直し、いつしか作り直すこともしなくなってしまいました・・

そこで、既製品を買ってみようかとこちらを買ってみました。
Music Flash Cards Set A (Hal Leonard Student Piano Library) (英語) 用品 

この中にこのようなものがありました。

これが案外便利で、不思議な音の国を使っている子供たちに使えます。
ただ、リズムカードは8分音符や付点4分音符などはこのAセットにはありません。

そこで、あとからBセットを買ってみました。

この中にこのようなものがあります。


ん~、使うことあるかな・・
教本にもあるし(不思議な音の国にはありません)ハノンもやっているし、和音を素早く読む練習にでも使おうかと考えていました。

ところが、純粋にこのカード本来の目的で使う機会がやってきました。
大人の生徒さんに。(子供にはまだ使っていません)

これによって頭の中が整理できたようでした。
テキストや曲でこれに関した話はよく説明しているのですが、よくはわかっていなかったようで・・

カード状になっていることがポイントなのだと思います。
調号だけのカード、1オクターブのスケール、1枚ずつになったⅠ、Ⅳ、属七、それがさらにカデンツとなって1枚に。

これを他の調と比べて見ることも容易にできます。
和音の形が調が変わっても同じであることがわかるので、指使いも同じであることが理解できます。

ただし、調性は調号1つまでの長調、短調までのカードしかありません。
初心者にはこれで足りると思います。

和音の聴音にも使えそうですし、スケールのカードを見せて何調?というのにも使えそうです。

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シャンドール読み直し中

2019年12月03日 | 書籍紹介
シャンドールピアノ教本を読み直しているところです。

現代では当たり前の重力奏法。
今どき手首も腕も固めて指だけで弾く奏法はあり得ないのですが、あり得ているのが日本。

小さな子供にどうやって重力奏法を導入するかは、ロシアン・メソッドと言われているものが上手く考えられています。

多くの場合3の指でノンレガートから始めます。
音と呼吸はいつも連動し、力みのない指とリラックスした腕を第1関節、肩、腰、足で支えます。

さて、ノンレガートの打鍵の方向についてひとつ。

私は習い始めの子供たちには基本的に垂直に下すように教えています。
一番自然な音で重さをのせやすいからです。

手首の堅い生徒の中には、いつの間にか鍵盤の奥に向かって突くように弾き始める生徒がいます。
それは今は必要ではありません。

いずれその音も必要な個所が出てきますが、ずっとその音で弾いては雑で不愛想な音になります。

もうひとつ、手前に滑らせるように教える先生もいらっしゃるようです。
この音は滑らかで美しい音がします。

この音も大事で必要になる時がやってきます。
しかし、重さをのせる感覚がつかみにくく、音が鳴りにくいです。
上級者のテクニックです。

私はまずは垂直に下し手首から持ち上げるようにしてもらっています。
自分の判断でそのようにしていたのですが、シャンドールの本を読んでいたら、

「指先はできるだけ鍵盤をまっすぐ下におろせるポジションに持っていくべきである。それがエネルギーを直接的に伝える方法なのである」

と、ちゃんと書いてありました。

指と腕のアライメントも力説しています。

手首からゆっくり持ち上げるとピアノの中で物理的にどんなことが生じるのかと言うことも書いてあります。

ダンパーは鍵盤から指を離すと下に下り、音を止めます。
その下りる速度は離し方で調整できます。

長い音をすぐに鍵盤から離すとその音はダンパーによって消えてしまいます。
長く残し、自然に減衰させるには手首から徐々に持ち上げてゆっくりとダンパーを下す必要があります。

そんな話を今日、小学3年生の生徒にしましたら、なぜ私がゆっくり手首を持ち上げてとか、長い音をすぐに離さないでと言っているのか理解できたようでした。

ずっとその音楽がそれを求めていると話していたのですが、ピアノの構造を理解してもらった方が早かったのかな・・と思いました
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遊藝黒白 第1巻 「ピアニストが語る!」

2019年11月17日 | 書籍紹介
第2巻→第3巻→第4巻と読み、最後に第1巻を読んでおります。

まだ読み始めたばかりですが、ポゴレリッチのショパンコンクールの真相の衝撃!

ヴィルサラーゼの胸に突き刺さる言葉!

これは読むべきです。
このシリーズは自分のために読む価値があります。

最近、私のレッスンは次の段階に進んでおります。

イリーナ先生の教本を使い始め1年10カ月が過ぎました。
初めはピアノ本来の音が鳴らせるようになってほしい、美しい響きのある音で弾けるようになってほしい、それが目標でした。

その目標は思いの外、早く実現できました。
もちろん完璧ではありませんし完璧などないのですが、思い描いていたものに近付くのに1年かかりませんでした。

スタートさえ間違わなければ子供たちはこんな風になれるのだと知りました。

今は不思議で習い始めた子供たちは、音を作り出す基本になるテクニックを学んでいるところです。
音を作り出すためのテクニック。表情のある音を作り出すための音。

これまで私は、テクニックと言う言葉は極力使ってきませんでした。
指が回ることを指す言葉だと思っていたからです。

しかし、今は違います。
音を作り出すことをテクニックというのだと考えています。

音楽は気持ちを表現するもの。
そのためのテクニックです。

少し前まで、そんなこと趣味で弾くだけの子供たちに話すことさえためらっていました。
しかし、それでは本当のことを伝えることはできません。

不思議な音の国でレッスンを始めた子供たちは初めから音を作り出すことをしているので、何のためか伝えていくことができます。

私が重力奏法で初めに使った教本は「はじめの一歩」です。
しかし、物語の力を借りずに音楽の世界を子供たちに伝える力は私にはありませんでした。

ヴィルサラーゼの「音楽を語る言葉を持つ」話、コンクールが招いたことなど深く考えさせられます。
そして、今の若い人たちは大曲に平気で挑み聴くに堪えない無残な結果になっていること。弾きたいのなら絶対に素晴らしく弾かなくてはならない。真にその作品を理解し、それを演奏で表現しなければならない。そうでなければ、弾かない方が良い。

厳しいですが、それだけ芸術や作曲家に対して謙虚で真摯であるということです。
昨年聴いた彼女の演奏からそれは十分に伝わってきました。
その精神の美しさに泣けて仕方なかったです。

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遊藝黒白 第4巻 #3「静寂の中に、音楽があふれる」

2019年11月15日 | 書籍紹介
ピアニストたちの言葉をいくつか。

伝統や楽派について

メルニコフ
「伝統や楽派があるかと問われたら『ない』と答えます。自分がこの楽派を代表している人物だと標榜している人ほど、その楽派について何もわかっていないものです。伝統や楽派は絶え間なく変化していて、明確に定義するのは難しいのです。自ら標榜したり、それについて語ったりするのはやめた方がいいと思います」

アヴデーエワ
「誰がどの楽派を代表するとか、真の継承者は誰かなどと言うのは時代遅れですし、危険なことだと思うのですが、ルプーの音色、表現を聴いていると彼こそロシア・ピアニズムのネイガウス派の継承者だと感じます。」

多くのピアニストが楽派は既に存在しないと話しています。ツィメルマンはそんな分類に意味があるのかと。
ー・-・-・-・-・-・-・-・-
音色について

コンスタンチン・シチェルバコフ
「音色は聴覚と関係があります。音色の色彩を聴き分ける耳を持っていれば色彩感のある音色で弾くことができるでしょう。こういう音が出したいという気持ちがあれば、イメージした音色を出すことができるでしょう。逆に頭の中に何もなければどうしようもありません」

比べてはいけませんが、そして自分もどれだけのもんだと思いますが、音色がわからない生徒は必ずいます。1年7カ月かかって本当にあきらめた生徒がいます。
ー・-・-・-・-・-・-・-・-
テクニックについて

横山幸雄
「私は基本的に鍵盤にぶら下がっているという感覚で弾いています。脱力して重力を自然に使い、音楽とともに呼吸しもっとも無駄のない動きで、手を移動させたり、ジャンプしたり、回転させる。無駄なエネルギーを使わず、自分の頭の中にある音楽をより的確に表現できるのがよいテクニックだと思います。」

生意気ですが、心強い言葉です。レッスンでよくぶら下がる感じと私も表現しているので。ただこの感覚がなかなか伝わらないのです。力を抜くことを知らなければわからないと思います。力を抜きすぎても弾けません、指先の支えと腕を持ち上げる力まで抜かれるとどう対処して良いかわからなくなります。
ー・-・-・-・-・-・-・-・-
コンクールを受ける子供たちについて

小山実稚恵
「難しいテクニックを必要とする作品を無理やり練習しているように感じ、心配になることがあります。もちろん才能のある子は弾けるようになるでしょう。でも、心と身体のバランスを考えなければ続かない気がするのです。他人より何年か早く弾けるようになることに、いったい何の意味があるのかと思います。音楽は一生をかけて追及するものです。やはりその人の人生と共に発展していくものだと思うのです。長い目で子供たちの成長を見守ってほしいなと思います」

この言葉、多くのかたに知っていただきたいです。

久し振りに、本というものは多くのことを学ぶことができて良いものだと思いました。


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遊藝黒白 第4巻 #2「静寂の中に、音楽があふれる」

2019年11月14日 | 書籍紹介
音楽家それぞれに異なる考え方もあれば、共通した思いもありでピアニストばかり集めた1冊の読み物というのも面白いものだと思います。

指導者としても活躍しているピアニストでよく話に出てくるのが、生徒たちと一緒に美術館に行ったり演劇を見たりという話です。

グネーシンで学んだリフシッツは、自身は演奏活動のスケジュールで自分がグネーシンの先生方のように生徒たちのために時間を使えないことを残念に思っていると。

リフシッツが師事した先生方はピアノ演奏を教えるだけではなく一緒に様々な録音を聴き偉大なマエストロたちについて考えさせてくれたりした。様々な作品、伝統、楽派について知識を深め、自分の頭で演奏について考えられるようになったと。

若い頃に先生に教えていただいたものはずっと覚えているものです。
私は普通高校の普通科でしたので、音楽の授業は1年生の時だけだったか2年生もあったかよくは覚えていませんが、授業でグローフェ「グランドキャニオン」、デュカス「魔法使いの弟子」、ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」を聞かせてもらいました。

ガーシュインはその内聴くことになったとは思いますが、グローフェやデュカスはこの時に聞かなければ自分で見つけて聴くことはなかったと思います。

そう思って私はピアノのレッスンでもフォルマシオン・ミュジカルを使って生徒とピアノ以外の音楽も一緒に聴くのです。
興味の幅を広げて自分で探し出すことを将来してほしいので。

ロシアの名教師、アンナ・アルトボレフスカヤと同じ部屋に住んでいたのがアレクセイ・リュビモフ。出入口が違かっただけで部屋は同じだったそうです。どういう構造だったのか・・どれくらいの広さだったのか・・

よく生徒たちのコンサートが家で開かれていたそうです。様々な年齢の生徒たちが一緒に演奏していたそうです。よく4手、8手の連弾をさせアンサンブルの妙味と楽しさを学ばせていたと。

それから彼女は前衛的な音楽への理解が深く、きわめて自由で偏見のない視点から生徒たちを新たな音楽に導いたそうです。
リュビモフが前衛音楽を解釈できたのは彼女のおかげだと。
あと、スクリャービン博物館に貴重な音源があり、それを一番多く寄贈したのがアシュケナージだと。国外でよく演奏していたのでその度に現代音楽やソ連で禁じられていた音楽のレコードを持ち帰っていたそうです。

こんなところでアルトボレフスカヤのお名前にお目にかかるとは思っていませんでした。しかも、ヴェーベルン、シェーンベルク、ベルクなどの音楽もよく知っていたとは。

リュビモフは音色のそれぞれの個性を明確に意識して演奏しなければならない作曲家がふたりいると。
モーツァルトとヴェーベルンだそうです。

そう言い切れるほどの音楽を知っているということです。

とりあえず、ヴェーベルンを聴いてみようかと思います・・
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遊藝黒白 第4巻 #1 「静寂の中に、音楽があふれる」

2019年11月10日 | 書籍紹介
只今、遊藝黒白シリーズの最新刊第4巻を読んでおります。

第1巻はまだ読んでおりませんが、こうしてたくさんのピア二ストがされている話を知ると、どのピアニストもたいへんな勉強家、強い情熱、探求心、好奇心、知性、思慮深さを持ち、なんとなくこの道に進んだ人は一人もいない事が分かります。

作曲家に対する真摯な気持ちを皆さんお持ちです。
少しだけピアニストの世界を知ることができ、とてつもない世界に生きている方たちだとわかりました。

この巻も面白いです。

ほー、なるほどと思ったことを2つご紹介します。

シフの話
「音楽は打ち負かしたり征服するものではなく、その中に溶け込んで自分を表現するもの。演奏家は楽曲の解釈を呈示しなければなりませんが、余計なことはしてはいけません。フレーズをシンプルに弾くのではつまらない、表面に化粧を施すべきと思っている人もいます。しかし、すべてのフレーズでそんなことをしたら台無しになってしまいます。美食を楽しむのはいいですが、満腹になってもさらに食べ続けるなんて無理ですよね。」

この表現、わかりやすいです。

スティーヴン・ハフの話
「楽派というものが形成される鍵は、作曲家にあると思います。フランス楽派・ロシア楽派は作曲家とピアニストの相互関係によって形成されました。多くの傑出した作曲家自身が、偉大なピアニストでもありました。イギリスにはその点が欠けています。」

ハフの話はそういうことだったのかと思いました。

この本のシリーズを読んでいると、ロシアとフランスの教育が素晴らしいことが分かります。ハンガリーもそうでしたが、教育体制が変わってしまい今はそうではないそうです。シフ、コチシュ、ラーンキ等が自分たちが学んだ頃はとても良い教育を受けることができたと言っています。バルトーク、コダーイ、クルターク、リゲティ、ピアニストのドホナーニ。ハンガリーには素晴らしい作曲家がこんなにいるのに、今は活かせずにいるようです。

ドイツにも音楽史に燦然と輝く作曲家が大勢います。しかし、ドイツ・ピアノ楽派が存在しないのはナチスのことがあったので自信を持てないのだと、この本のどなたかが仰っていました。一つの考え方ではあると思います。

ピアニストがこの演奏家は素晴らしいとか、このピアニストのこの演奏が素晴らしいといった話もたくさん載っています。
ラフマニノフの演奏は多くのピアニストが、あれほどのピアニストは今も存在しないと言っています。

ラフマニノフが「パガニーニの主題による狂詩曲」を作曲した時、ひとつ変奏ができるたびにホロヴィッツに意見を求めていたそうです。
しかしホロヴィッツはこの曲も2番のコンチェルトも演奏していません。歌う要素が少ないことが理由のようで。ラフマニノフが「パガニーニの主題に~」の演奏で自分より素晴らしいと褒めたのが、モイセイヴィッチの演奏です。



ラフマニノフはホフマンに第3番のコンチェルトを献呈していますが、ホフマンは演奏しなかったそうです。ラフマニノフはホフマンの柔らかな音が素晴らしいと、自分より優れたピアニストだと思っていたそうです。ホフマンにその気持ちは届かなかったのでしょうか・・

ピアニストが語る尊敬するピアニストの話が色々あって、それも興味深いです。
ラフマニノフ、ホロヴィッツ、リヒテル、ルプーは人気です。コルトーも何気にちょこちょこ出てきます。

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