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おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

真ん中の3本の指

2024年07月10日 | 重力奏法

ピアノは腕の重みを鍵盤に載せることができないと上手く弾けません。
重みは力を抜くことで生み出せます。

まずはこれが出来るようになること。


この時にもうひとつ大事なことがあります。

力を抜くだけではダラリとした音になってしまいます。腕を少し持ち上げ、腕を支えた状態で弾く必要があります。


ピアノでは当たり前となっている重力を使う奏法。重力奏法と言いますが、それを誰でも身に付けられるように考え出された東欧を中心とした指導法は、3の指(中指)のノンレガートからレッスンを始めます。ロシアを筆頭に東欧は素晴らしいピアニストを多数輩出しています。

その次は2の指(人差し指)、そして4の指(薬指)と進みます。

東欧ではありませんが、私の手元にあるドイツの導入教本も黒鍵を234の指で弾く所からレッスンが始まります。


アメリカ、日本で多く見られる固定5指奏法は、1の指(親指)から習い始めます。
特に日本人は順番通りが好きな国民なので、1の指から習い始めることが当たり前の事と思っていると思います。



さて、234の指から習い始めるとどのようなメリットがあるかと言うと、
・腕を支えやすい(親指や小指で腕を支えてみて下さい)
・腕の重さを載せやすい(肩から真っ直ぐに指先に重さが流れていきます)
・手首が使い易いので、音を離す時に自然に音を減衰させられる


では、1の指から習い始めるメリットは何でしょう。
・ドに1の指を置いておくと指の番号を見るだけで曲が弾ける(音符が読めなくとも弾ける)
・鍵盤から指を離さなくて済むので、間違わない安心感がある


東欧のメソッドではノンレガートでレッスンを始めます。そのメリットは、
・広い音域の曲が弾ける(それにより腕を使うことを覚えられます)
・高音域の曲、低音域の曲を無理なく弾ける(耳が育ちます)
・すぐに黒鍵の曲が弾ける(腕を支えることが自然に身に付きます)

固定5指デメリットは正しいピアノ奏法を身に付けることが難しくなる、ということです。
・指を置いておく曲から習い始めるので、音域がなかなか広がらない
・指を置いておくことで、腕や手首の使い方を覚えられない
・腕の重みを使いにくいので音の鳴りが良くない
・楽器の奏法を身に付けることを目的にしていない


固定5指で習い始めても、進みが非常に早い場合はこのデメリットの影響は少なくて済みます。

固定5指の教本で教えたとしても、鍵盤に指を置いたままにせず、音の動きに合わせて手を左右に動かすことを教えることは出来ます。私はそうして30年以上教えてきました。

しかし、腕の重みを載せる感覚はそれだけではできませんでした。上手く手の移動が出来ている割に音の鳴りは足りず、耳障りではない音は出せてもピアノが十分に歌ってくれる音にはならず、物足りない演奏をずっと耳にしてきました。


だから東欧のメソッドを知った時に、この方法に変えたのです。


東欧メソッドデメリットを挙げるとしたら、指使いで音符を読むことが出来ない、習い始めは聴いて覚える曲を弾くので記憶力が必要、音をよく聴く集中力が必要、手の使い方を覚えなければならない、癖を直さなければならない。

気軽にピアノを弾きたいだけの人には面倒なことが多いと思います。


楽器演奏は本来簡単なものではなく、身に付くのに時間がかかり、知的作業が多いものです。



日本にはヤマハ、カワイといった世界的に有名な楽器メーカーがあります、そのせいか、日本はアジアの中でピアノではトップを走っていると思われているかもしれませんが、もうだいぶ前から韓国の方がずっと実力あるピアニストが多く育っています。

日本のメーカーが音楽教室も経営している所に問題の起因のひとつがありそうな気がします。
楽器を売るために「音楽は楽しい」という概念を刷り込んでいるように感じます。


日本人の気質や楽器業界の影響で失われるものがあることは悲しいことです。
本物を見抜く目を私自身も付けたいですし、生徒たちも付けてほしいです。

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ピアノと弦楽器

2024年06月29日 | 重力奏法

声楽や管楽器は息を使い音を出します。

弦楽器は直接音を出すのは弓です。
左手は弦を押さえ音程を作り出し、右手は弓を持ち弦をこすります。

その弓の当て方で音の良し悪しが決まるようです。どこに当てるとか細かなことはあるようですが、最初に必要なことは弓に腕の重みを載せられるようにすること。

左手で速いパッセージを頑張って動かせたとしても、その音を届けるのは右手の役割です。


さてさてピアノはと言うと、音程を作るのはピアノ自体がしてくれます。それは調律師さんという特別な方のお仕事とも言えます。なので、ピアノ演奏は一人では完結しないのです。

音を鳴らすことに絞って話を進めると、ピアノは鍵盤を下に動かすとダンパーが上がりハンマーが弦を叩いて音を出してくれます。

どう鍵盤を下げてもハンマーが弦に触れるところまで上がってくれると音は出ます。


不用意にちょっと触っただけでも音は出てしまいますが、その音では音楽としては適したものになりません。物に軽くぶつかっただけですので、何かにぶつかった音を集めても音楽にはなりません。これは雑音と言います。

ではしっかり叩いてはっきりした音にしよう!これもあり得ません。人はこれを騒音と言います。
ガンガン叩いた音を集めても大迷惑です。


だからピアノは腕や体の重みを使って音を出します。そうするとコントロールの効いた良い音が鳴ってくれます。

弦楽器は両手の役割分担が目に見えますが、ピアノは両手で同時にそれをしています。
鍵盤を押さえ、音を鳴らす。

しかも道具を直接使って奏者が弾いているわけではないので、それが非常に分かりにくい。


重さは力を抜くことで得られます。力が入っているとキツく固い音になり、そして音自体が鳴りません。
指の力みが音の固さに直結する楽器です。速いパッセージが弾けないというだけではないのです。

力んでも速いパッセージが弾けるよう無理な練習を続けると手を痛めます。
まだ速いパッセージが弾けない小さなお子さんでも、力んだ指の音は痛々しく気の毒になります。ピアノはそのような指で弾くものではありません。


腕を自由に使うためには体を支えなければいけません。だから体を安定させられる姿勢が必要なのです。腰と背中と足で体を支えます。

重さはリラックスさせた腕から生まれます。
その腕は肩と指先で支えます。

これがピアノという楽器の最初の一歩です。

そこを飛ばしてレッスンを始めてしまうことが浸透しすぎています。
教える方もそう習ったからですが、もう気付いても良いと思います。本当にどうにかならんのかと思います。


因みに、ヴァイオリンのかたが弓に重さを載せる感覚を掴むのに次のような事が書いてありました。

「机の前に座って、机の上に手のひらを置きます。このとき、手首の関節から腕よりの部分(前腕と上腕)は机に付かないようにします。この状態で手の力を抜いていくと、腕の重みが手のひらに乗るようになりますね。この状態が基本だと思います。

次に、腕の重みを手のひらにのせた状態で、手のひらを左右に滑らせてみます。そのときに、腕の重みを軽くせず、重みがそのまま乗っているようにするのがコツです。これをやってみると、予想外に手のひらに重みが乗っていることに気づくと思います。」


私はピアノの上で説明のためにこの動きをすることがよくあるのですが、実際に生徒にしてもらったことはないので、今度机の上かピアノの蓋を閉じて椅子を少し高くして試してみようと思います。


上の文章はこちらにあります。

弓に腕の重みを乗せる練習 | バイオリン弾きが考えること

楽器からしっかりした音を弾き出すためには、弓に腕の重みを乗せる必要がありますね。しかし、これは結構難しいものです。というのも、弓が弦に触れる点を腕で直接押...

バイオリン弾きが考えること

 


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安川加寿子さんの教本によるスタッカート

2024年02月23日 | 重力奏法

ピアニストの青柳いづみこさんが紹介する安川加寿子さんの教本「ピアノのテクニック」

前回までの2回は、ショパンが長い指が黒鍵に来る調の方が弾きやすいと考えていた話とレガートで腕の重さを次の音次の音と移していくお話でした。


今回はスタッカートのお話。

この動画を拝見していて、スタッカートの弾き方がこれだと思われるとマズイと思いました。
日本人が初めからスタッカートを指だけで切り、粒も音質もない音で弾くものよりは段階を踏んでいるとは思いますが。

青柳さんも仰っていますが、これは前腕の筋力を鍛える&上腕の筋力を鍛えるためのメニューであるということ。

手首に関しては、やり過ぎると痛めるなと思いました。


少しヒントになったことは、生徒さんたちの腕の支えが弱い原因は、前腕と上腕の筋力が弱いからだとはっきりわかったこと。

腕の支えが出来ていないと音はヨロヨロ、デコボコして不安定になります。
力みなく押さえつけず鍵盤を下ろすことも上手くできません。

多くのピアノの先生は自分でも無自覚に支えが出来てしまっているので、どこの筋力を使っているかわからないと思います。


筋力をつけるためにこのエクササイズをしても良いかもしれませんが、ピアノから聞こえてくる音はいただけません。

前腕に筋力を付けるだけでしたら、ピアノを弾かなくとも手の体操でできます。また、手の柔軟体操をしてからの方が安全かとも思います。

こちらのお話は、「特別なスタッカート」の話だということで聞く必要があることをお忘れなく。




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日本にも存在していた

2024年02月15日 | 重力奏法

このような所に引用させて頂き失礼だろうなと思いつつ、72年も前の日本に、今イリーナ先生の教本を使い子どもたちに教えていることが安川加寿子さんの教本にあったとは・・

安川さんのお弟子さんの青柳いづみこさんの新たに公開された動画。

レガートはどのようにするのか。
2音のレガートの練習のお話もあります。

教える方に使い方が理解されていなかったのだと思いますが、なんとも勿体ないことです。


何が良い音かが日本人はわからなかったので、安川さんの教本は日本人には早すぎたのかもしれません。

フランス人のベロフ、ルヴィエ、ロジェという現在70代のピアニストが10代の頃に、フランスではサンカンによって指の奏法から腕や体の重みを使う奏法に変わっていきました。「遊藝黒白 」第2巻#3 - おとのくに♪♪

サンカンはロシアの奏法に詳しかった人です。
3の指のノンレガートから習い始めるロシアのメソッドが、今回の動画を拝見しても元はショパンかな?と思わせます。

ロシアは歴史的にフランスに憧れがあった国です。
こじつけで何とでも言えそうですが、日本人が大好きなショパン。彼のメソッドからきているカモしれないロシアンメソッドが日本になかなか浸透しないとは、ちょっと苦笑い。


リストに関しては誤解されている節があるので、指を鍛えて弾けばリストになるとは言えないように思います。

確かに奏法が正しくなくともそれなりに弾けてしまうのがリストですが、その音はやかましくなります。

プレトニョフやその師のように、勝手に音が増幅しホール中を満たす音はやはり正しい奏法あってこそです。


憧れのショパンを弾きたい人は、腕を使った奏法を身に付けられるメソッドで習った方が上手く行くかもしれません。奏法が正しくなければショパンを弾くことは困難ですので。




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3の指で黒鍵から始める発想

2024年02月09日 | 重力奏法

日本でロシアンメソッドと呼ばれているものは、3の指から習い始めます。

何の音から始めるかというと、「ド」ではないことが多いです。
私が使っている「不思議な音の国」は黒鍵からです。


この方法は旧ソ連のピアノ教育の大御所、アルタボレフスカヤが中心となって考え出されたものです。ネイガウスもこの時代に共にソ連のピアノ教育を構築していたので、もしかしたら協力していたかもしれません。


なぜ黒鍵で長い3の指という発想が生まれたのだろうと思っておりました。

何となく、ショパンかな・・とは思っておりました。

ご存知のように、ショパンはC-durのスケールがいちばん難しいと言っています。長い指が黒鍵に来る調から始めた方が手の形に合っていると。


ピアニストの青柳いづみこさんがショパンのこの話をされている動画を見つけました。
聞いていて、ロシアンメソッドはきっとショパンから考えついたメソッドだろうと勝手に確信いたしました。


お話の中に出てきますが、コルトーでさえこの意味に気付いていなかったという・・
しかし、ドビュッシーはわかっていた!



ちょうど生徒さんに、「先生はドビュッシーをよく弾くのに、なんでショパンは弾かないのですか?」と言われたばかりでした。

ショパンは自分で弾くと幻滅しかしないので弾かないのですが、手も私には合わないのが理由です。

生徒さんに言われて、なんとなくショパンエチュードを引っ張り出してきて弾いてみましたら、以前より弾きやすくなっておりました。

ちゃんと練習したらやっぱりダメだになるかもしれませんが、弾いてみようかなと思い始めました。



ロシアンメソッドがショパンの考えに基づいているとしたら、「ショパンメソッド」にした方が良いのでは・・

そしたら一気にこのメソッドが日本に広がります。
ルービンシュタインに「あの3流」と鼻で笑われたバイエルのメソッドから脱却できる日が日本にやって来るかも。

(バイエルを日本に紹介した人が「あの3流」とルービンシュタインに言われたのだったと記憶しています。カバイエ先生の本に書いてあったのか、他の本だったか・・)

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この書き方の意味

2024年01月21日 | 重力奏法

以前、何度かご紹介したこちら。


ひとつの音から様々なコードをアルペジォで弾く練習です。

このリズムの書き方にどんな意味があるのだろう、と思っておりました。
見るからに速く弾きたくはない、感じです。


昨年末から、鍵盤を下ろすことをレッスンでやり始めました。
今までも鍵盤は下ろしていたにはいたのですが、深く下す前の段階が必要ではないかと考えるようになりました。

鍵盤はどう弾いても簡単に動くので、叩いたり、突いたり、撫でたり、触るだけだったり、人によって様々です。


「不思議な音の国」の教本で育った生徒さんは、叩くことはしません。
しかし、触る程度の鍵盤の下ろし具合いだったり、鍵盤の奥に向かって突くように弾いたりする生徒さんはいます。

同じメソッドでも色々と奏法があるかもしれませんが、私はまずは真下に下ろすことを基本の音としています。


上から鍵盤を下ろすと澄んだ音がします。
次に目指したいことは、がたつかずに弾くこと。

工事中のように、デコボコしないように腕を少し持ち上げた状態をキープします。
片手ずつ、自分で一方の腕を下から支えて弾くとすぐに感覚がつかめます。


スケールは黒鍵白鍵が混ざるので、段差ができます。
そこをデコボコしない、がたつかないように弾いていきます。

スケールは隣の音同士で弾けます。滑らかになってくると、今度は離れた音で試したくなるはずです。


それでアルペジォ。

冒頭の写真にありますアルペジォは、ひとつの音から弾き始めて様々な調性、音の幅で弾くことが出来ます。効率が良いです。


私は今頃気付いたのでした。

このリズムの書き方は、このためにあるのではないかと。
どんな音の幅でも、どんなに段がついていても、鍵盤を叩かず、打たず、腕の高さをキープしたまま、スッと鍵盤が下ろせるようにするために作ったのではないかと。

という、勝手な解釈。

というか、当たり前と言えば当たり前。


思い出したのですが、ピレシュの引退公演(その後復帰)のお弟子さんとの連弾を含んだオールモーツァルトプログラムの時に、なんだろうと思った光景がありました。

ピレシュがファーストを務めた時に片手で弾く部分で、もう一方の手で腕を下から支えるようにして弾いている部分がありました。
怪我でもしているのかな、疲れたのかなと思って見ていましたが、そのわりにその部分の音が格段に美しかった記憶があります。

今頃ですが、プロでも本番でそれをやるのかと、ちょうど今、私はモーツァルトの連弾曲を練習していて、片手で数小節にわたり弱音で弾く16分音符の山があって、腕を支えながら弾くとこんな私でも少しは美しく弾けるなと思って弾いていたら、ピレシュのその光景を急に思い出したのでした。

本番でやるかは勇気がいるかも··

体裁を気にする日本人な私··

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ピアセツキー先生のレッスンから学ぶ

2023年12月14日 | 重力奏法

イリーナ先生やピアセツキー先生のレッスン動画を拝見して、旧ソ連のピアノ導入期の方法が理解出来てきました。

ピアノレッスンはまずピアノを弾く手を作ることから始める。

それは力みなく弾くことをはじめに徹底して教えるということ。

指が反り返ったり、クネッとしないように、指先を馬に蹄鉄を履かせるようにしたり、指のブーツを履かせたりと子どもが分かる言葉で何度も伝えます。

そして呼吸する手首。
ピアセツキー先生はたいへん小さな動きでそれを行い、イリーナ先生は始めは大きな動きで行うものの、手首を不用に大きく動かしすぎたり肘まで上げている時にはすかさず注意していますし、上巻が終わる頃には既に小さな動きで手首を使うようにされています。

また、お二人とも234の指のレガートを3音の上行・下行形で連続して弾く練習をさせています。
ピアセツキー先生はすぐに5音のレガートをして、しばらくの間は手を私のように支えてあげて下さいとお家の方に言っています。指を持ち上げることはせず鍵盤の深さ分下げるだけ。

自分でしてみると分かりますが、下から支えると指を下ろすだけで済みますが、支えがないと自力で手を支えなければならず結構重さを感じます。子どもはこの重さに耐えられず手がつぶれてしまいます。


移調をして弾くこともお二人ともよくされています。
ひとつの曲で様々な音から弾くだけで楽しく練習できますし、さらに音感も付きます。
グネーシンのソルフェージュでも移調させて子どもたちに弾かせています。


ピアノは音の読み方やリズムが分かれば弾けるものではなく、しかも弾き方を習わずに曲を弾き続けると、奇跡的にピアノに適した弾き方を持っていた人は別ですが、そうではない人は遅かれ早かれ行き詰ります。

ここを改善してピアノレッスンが進められたら、多くのピアノ愛好者が趣味として生涯楽しむことが可能になるはずです。


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指の置き方

2023年12月12日 | 重力奏法

モスクワ中央音楽学校のピアセツキー先生の動画を、5年振りに見てみました。

2018年にブログでご紹介したものですが、当時は字幕機能が限られた言語にしかなかったのか私が気付かなかったのか、何を話されているかは全くわからない状態で拝見していました。

現在では、完璧ではなくともある程度知ることができる日本語の字幕が見られます。


私自身も2018年と言えば、このメソッドで教え始めて間もない頃で、子どもたちの癖がどのようなものかまだ分かっていない状態でした。

どのくらいで力みなく弾けるようになるか、いつ頃までには基本的な手の使い方が出来ると良いか、それらの目安さえ分からない頃でした。

字幕でご覧になられていない方がいらっしゃいましたら、是非、字幕をお使いになってご覧になって下さい。





改めて拝見して驚いたのが、ピアノの鍵盤に指を置く一番最初のことに、レッスン回数を何度も使っていることです。

消しゴム付き鉛筆を生徒さんの指の下から当てて、「押さなくていい、なんにもしなくていい」と力まないことを最初にしています。生徒さんには馬に蹄鉄(馬の靴とも)を履かせていると話しています。そして、この骨が見えるようにしてと、第1、2、3関節を指さしています。指がクニャとすると、これは蹄鉄ではない、馬は落ちる(翻訳ではそうなっていますが、転ぶではないかと思います)と仰っています。

消しゴム鉛筆の目的を私は指のどこで弾くかと捉えていました。しかし、ピアセツキー先生の動画では、指の関節を意識する、指をぐらぐらさせずにピアノは弾く、そしてそれを力まずにするのだと教えるために使っていると思いました。


3の指で鍵盤を順番に弾く時に、下におろしたあと何をしているかと手首のことを言っています。小さなため息のようなもの、と手首から僅かな動きで移動していますが、それを生徒さんに先生の手の上に手を載せてもらったり、先生が手を持って一緒に弾いたりして教えています。
お家の人には、手首で呼吸することはお子さんには言う必要はない。言うと手が緊張し始める、何も考えなくて良いと仰っています。

子どもには、感覚として分からせると理解できます。
イリーナ先生の教本もですが、理論的なこともまず感覚として掴んでもらってからそれが何であるかあとから理解する。


ピアセツキー先生、あらゆるところが力んでいる。残念ながら今はこのままでしょう。早くこれがなくなるほど良くなる。と、はっきり言っています。
手を持った時に、3ヶ月経っても指、腕、手首が力んでいるとピアノを弾くことは困難です。
できれば、音を読み始める前にこれはほぼ無くしておきたいです。

ただ、日本では先に進まなければ何をしているのだ、となりがちです。
何をしているのだは、こちらの台詞と言いたいのですが、自分の教え方のせいで生徒さんが出来ずにいると考えるのも日本の先生です。
責められずに済むレッスンを、趣味で習っているということを盾にして続けているのが日本のピアノ教育だろうと思います。

コンクールに出たり、賞をとるお子さんだけが特別なことを教わるのではなく、ピアノを習う子どもたち全てが本当の事を教わるのが当たり前になってほしいと思います。


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これは間違いですよ

2023年12月05日 | 重力奏法

こちらは間違った弾き方です。

手首を前に動かしながら突くように弾くのではなく、上から真っ直ぐ真下に下ろします。



こちらの動画にコメントがあったので見てみましたら、
ドイツ語で、「とても良いテクニック。良い生徒、良い先生」とありました。

3の指でノンレガートから習い始めることは大賛成ですが、これでは正しい奏法にはなりません。

ご注意ください。

イリーナ先生も次のようにコメントされています。
「The weight should drop into the keys, not to pushed out.」
(重みは鍵盤の中に落とすべきで、押し出すものではない)

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無敵スライム

2023年11月30日 | 重力奏法

ドラクエのスライムは最初に出てくる弱っちいモンスターですが、ピアノレッスンのスライムは、無敵です。

はぐれメタル並みの10000ポイントの効果があります。


もう30年以上前から付き合いのある大人の生徒さんがいます。
正確には私が途中で楽器店を辞めたので、しばらくレッスンでお目にかかることはなく、私が地方に住んでいたこともあり手紙のやり取りだけでした。
復帰してからも他の先生に習われていたので、時々レッスン室にお顔を見せに来てくださる元生徒さんでした。

それがその先生が退職されたのを機に、4年ほど前から再び私のレッスンを受けられるようになりました。


その間に私はイリーナ先生のレッスン動画等で奏法を新たに学んでおりましたので、久し振りに彼女のレッスンを再開して身体が使えていないことがとても気になりました。

以前はそのようなことに気付いておりませんでした。
音楽がとても好きで、熱心で良く弾ける生徒さんという印象でした。


その彼女に、少し前に改めてスライム効果を訴えました。

今日のレッスンで、「おや?腕の重さが使えるようになったところが何か所かあるな」と思いながら演奏を聴いておりました。

演奏後、そのことを言うと、電車の中でスライムを押していると

出してやると変な人に思われるから、鞄の中に入れてこうかな?と思いながら押しているそうで。


4年前にもスライムの話はしており、ご本人もスライムを買って試したようですが、その時はよくわからなかったようです。

なので、ずっと音の深さが足りなく、せっかく良い感性をお持ちなのに活かしきれていないと思っておりました。

それが、スライムに自らリトライされ、研究され、ついに感覚をつかみ始められたようです。


深く弾く感覚がつかめると、音色、タッチの幅が広がり、呼吸も大きく取れるようになります。すると音楽が大きくなります。自由度が増します。


一瞬で逃げられてしまう”はぐれメタル”ですが、攻撃が決まるとザクザクポイントを稼げます。

ピアノのスライムは逃げませんので、何度も試してポイント(コツ&感覚)を稼いでほしいです。

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手の支え方

2023年08月29日 | 重力奏法

ピアノ導入教本「不思議な音の国」は、原題は「Tales of a Musical Journey」と言います。

著者はウクライナ出身、アメリカ在住のイリーナ・ゴリンさんです。


私は彼女のレッスン動画から多くを学びました。
彼女の動画が一番わかりやすかったからです。そして、生徒さんの音の美しさと音楽表現は本物のレッスンをされている成果だと思いました。


この教本は、大きな腕の動きから学び始めます。

それはピアノは指だけでチョコチョコと弾く楽器ではないからです。

腕が動かせるようになるためには姿勢がとても大事です。
背中の支えがなければ腕は自由に動かせません。しかもピアノは自分で腕を持ち上げて弾く楽器です。

背中でコントロールするから、ピアノは背中で弾くと言われるのです。

イリーナさんのレッスンでは生徒さんの姿勢を何度も何度も直されています。
足も平らにコインを踏むように置いてと何度も何度もおっしゃいます。


日本の習字を思い浮かべると、やはり姿勢が大事です。
それは腕を使って書くからです。

美しい線を書くためには腕の使い方を知らなければなりません。

私は習字は習ったことはありませんが、先生が生徒さんの手を持ってお手本を書く光景は知っています。

考えてみましたら、ピアノのレッスンでしていることとそっくりです。


イリーナ先生が生徒さんの手を支える様子は多くの動画で見ることが出来ます。

ついつい3の指や手首の動きに目が行ってしまいますが、ちゃんと腕が下がらないように、手首が下がらないように支え、そして第3関節の手の平側に先生の手を入れていらっしゃいます。

指を支えるのは指先ではなく、指の根元です。

第3関節の感情線の少し上あたり。

その様子はこちら。



4歳になる前にレッスンを始めた生徒さんは、直したくとも1回弾くともう弾く気が失せてしまうことが多く、もっと集中力が付いてきたらやろう、と考えてきました。

年長の終わりくらいになるとグンと集中力が増し、何度か続けて弾いてもらっても大丈夫にはなるのですが、それまでには既に良くない癖がついてしまっています。

それを直す根気は本人にはなく、なぜ直すかも理解できないので、結局そのままになってしまったのが私のレッスンです。


説明しなくとも、イリーナさんのように何かにつけ手を支えておくべきだったと思います。
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子供の力を信じて

2023年08月27日 | 重力奏法

固定5指のことを前回書きました。

ドからソまで12345の指を置いておくと曲は弾けてしまう、という導入法です。

指の番号を見るだけでも弾け、音を読む手間が省けてしまいます。


最初はハ長調でそれを行い、次は手の位置をト長調やヘ長調に移動させ、また同じことをやるだけの便利な導入法です。


習い始めから5本の指を色々と使えます。
上達感が味わえます。


この方法に馴染んだ生徒さんが、右手メロディーの中に上行形「ドミソド」と、もし出てきたらどのように弾くでしょう。

指使いは「1235」

多くの生徒さんは頑張って指を開くと思います。
届くようになるまで何十回も練習する生徒さんもいるかもしれません。

仮に、それで届くようになったとして、手を開いたまま弾く「ドミソド」はどんな音がするでしょう?特に「ソド」の所です。

痛々しく硬くこわばった音だと思います。音楽にはなりえない音です。

そして先生方はこう言います。
「もう少し手が大きくなったらもっと楽に弾けるようになるから、今はこれで十分よ」と言ったことを。


残念ながらこの生徒さんは手が大きくなってもこの弾き方しか知らないので、このままです。

表情のない素っ気ない音です。
機械的な音とも言います。


固定5指でピアノレッスンを始めることで起きるデメリットの代表はこれだと思います。

この導入法で始めても、指導者が手の使い方を注意深く教え、生徒さんも進みが速ければ、この状態を長く続けることはないので、大きな弊害に合わずに済むかもしれません。

しかし標準的な進度の生徒さんの場合、固定5指は悪い癖しかつかない可能性が大きいです。


子供だからこんなものだろう、小さい内は皆こんな音だ、ともし思っていらっしゃるとしたらそれは間違いです。


初めてピアノを弾く時から、腕を大きく使い、腕の重さで音を鳴らし、指・手首・腕が力まないように教える方法が今の日本にはしっかりあります。

一番使いにくい1の指からピアノを習い始めさせることは、悪循環を生みます。


固定5指で半年でもレッスンを受けてしまった生徒さんがどのような状態になるかを、これまで何人も見てきました。

たった半年で腕は固まります。
指だけで弾くと手首も腕もロックされて動かせなくなります。

それを解くのは最低でも習った倍の時間がかかります。


ピアニストのような腕や手首を使った弾き方は、専門家や上手い生徒さんだけが出来ることではなく、誰でもできます。

何歳からでもできます。

但し、8歳までに覚えた身体の使い方は一生残るそうです。
人間は慣れるのに66日。

初めから本物を習った方が楽です。


それから固定5指は曲のレパートリーが狭くなりがちです。
右手メロディー、左手伴奏、音域2オクターブ位という定型。

腕が大きく使えると、広い音域を白鍵だろうが黒鍵だろうが初歩から弾け、様々な音楽のパターンを弾くことが可能になります。


子供は大人が考えるほど出来ないものではありません。
パターン化したもので固まってしまう前に、指導者が世界を広げること。

難しい曲を早くから弾かせる意味ではありません。
そのような曲ではなくとも、音楽の扉を大きく開く曲がたくさんあります。


3の指でノンレガートから始める導入法を「ロシアンメソッド」と日本では言っています。

この指導法を実践されている先生は以前より増えているはずですので、内容をお知りになりたい方は探されてみると良いと思います。

ただ、日本では音楽表現そのものを追求する高度な内容を指導される先生方もいらっしゃいます。

子供たちに教える基本的なことを知りたい場合は、子供の指導を中心にされている先生を探された方が良いと思います。


実践しなくとも、ピアノを教える先生はこのメソッドのことを知っておくべきかな、とは思います。

趣味の方の方がピアノの先生より詳しい場合もあるので、負けてちゃいけません。

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固定5指の弊害

2023年08月26日 | 重力奏法

ピアノを初めて習う生徒さんに、何の音、何番の指から教えていらっしゃいますか?


多くの先生は、

「まん中のド」「1の指」

だと思います。


そして、右手の「レ」は2の指、「ミ」は3の指・・

左手は「まん中のド」から始める場合と、「1オクターブ下のド」から始めるパターンに分かれると思います。

「まんなかのド」なら「ド」は1の指、「シ」は2の指・・
「1オクターブ下のド」でしたら、「ド」は5の指、「レ」は4の指・・


これを『固定5指(こていごし)ポジション』というのはご存知でしょうか?

この方法で教えていらっしゃる先生は、手を固定させて弾く「固定5指メソッド」で教えていらっしゃいます。

゚・*:.。. ☆☆.。.:*・゜


ご自分がどんなメソッドで教えているか、なぜそのメソッドを選んで教えているか、把握されていますか?


このメソッドで教える利点はなんでしょう?

読んだとおりに指を動かすと曲になる、だと思います。
保護者の方にも進み具合がわかりやすいです。


では、ピアノは指だけで弾く楽器かを考えてみて下さい。

固定5指で、腕全体を使ってピアノを弾く基本の動きを習得することをいつ行いますか。

鍵盤を指でひとつひとつ押すだけでは音楽にはならないことは、先生方は皆さんご存知です。

゚・*:.。. ☆☆.。.:*・゜


指で鍵盤を押さえることが習慣になってしまった生徒さんに、腕の重さを使い音を鳴らすこと、手首の横の動きを使って重さを移動させながらレガートで弾くこと、手首の縦の動きで呼吸をしフレーズのわかる演奏をすることを、いつ教えますか?


固定5指で広い音域の曲を演奏することを、どのくらい進んだら行いますか。

調号が3~4個の黒鍵を使った曲をどのくらい進んだら試しますか?


゚・*:.。. ☆☆.。.:*・゜


あれこれ書きましたが、6年前まで私自身が自分がどんなメソッドで教えているかなど考えたこともありませんでした。


まん中のドから教える、それはその音から読む練習をするから。
1の指から弾き始める、ドレミファソと当てはめたらそれは当然のことだから。


そのように教えてきました。


その結果、音が鳴らずスカスカ、パサパサ。さらに、レガートが上手く弾けない生徒が少なくないという結果を招きました。それを改善するために、1の指でドを弾く前に、黒鍵を234の指で弾き、音の動きと腕の向きを合わせることを教えはしました。

しかし、教本がこれを活かすつくりにはなっていなく、解決策を見つけられずにいました。


゚・*:.。. ☆☆.。.:*・゜


それが6年前に、ロシアンメソッドの教本に出会いました。

このメソッドのことは知ってはいました。

ノンレガートで3の指から始める。知っていたのはそれだけでした。
そのメリットまではわかっていませんでした。


5年前から実際にその教本を使いレッスンを始めました。

飛躍的に生徒さんたちが上達したとは言えないかもしれませんが、少なくとも指だけで音を押さえる生徒さんはいません。


少し前に、4月にあった発表会でお手伝いされた教室のスタッフの方から、

「先生の生徒さん、全員手の使い方が綺麗でした。先生が使っている本がどんな本かやっと分かりました。ほかの生徒さんと全然違う」

と言われました。


使っているのは「不思議な音の国」です。
導入はこれ一択です。

楽器店で取り寄せ不可で、都内ですとカワイ表参道店でしか取り扱っておりません。

なので、スタッフの方も教本の中身をじっくりご覧になったことはなく、謎だらけの本でした。


生徒さんの演奏を聴いて、私はもっと音が鳴っても良いはずだと不満でした。このメソッドで教え始めて5年目を迎え、最近やっとコツがつかめてきた気がします。

音の発音やニュアンスを伝えることは当たり前のレッスンになっています。


私は先生方が指導法についてご自身でよく勉強されていることを知っています。

ただ気になるのは「NATO」になってはいないかということ。

海外で日本人は「NATO」と言われているらしいですが、「No Action ,Talk Only」のことだそうです。

話は聞くけれど、行動には起こさない。

これは日本人の気質です。
やってる感だけあっても意味はないです。

なぜこうなるかは、日本人は失敗を咎めるからだそうです。

なので、失敗しないこと、無難なこと、手慣れたことを行い、試行錯誤して成果を上げようとしなくなる。

何はともあれ、やってみること。
挑戦し、失敗を重ね、成功の糸口を見つけること、と最近読みました。

その通りだなぁ、と思います。


私の世代はまだ失敗から学ぶ機会があったように思いますが、誰も傷つかない、傷つけない教育が必要以上に行われた時期があると思います。

守られたまま育ってしまった世代が、どんどん社会で活躍する年齢になっていると思います。

円安の影響で演奏会もこれまでとは変化して行くかもしれません。
昔に戻って行くかもしれません。


本物に触れる機会が失われることがないことを祈ります。

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ロシアンメソッドと重力奏法

2023年07月27日 | 重力奏法

ロシアンメソッド、重力奏法。

ピアノを弾く人や教える人がよく耳にするこの二つの言葉。


人によって捉え方にばらつきがあるかもしれません。

ここにロシアピアニズムが入ってくると更に区別がつかなくなってくるような具合で··


私個人の見解ですが、自分では次のように整理しています。


ロシアピアニズムに関してはピアノ初心者が行える世界ではありません。
また、ロシアで学んだり、ロシア人に師事し勉強した人たちでなければその表現法は教えることはできないと思います。

なので、それを求める人はそのような先生を探す必要があります。但し、ロシア人だから全て同じように弾くわけではないと理解しておく必要もあると思います。


その表現の基礎に当たるものが重力奏法です。
これはピアノの一般的な奏法です。

この奏法を身に付けるのに効率よく考え出されたのが、ロシアンメソッドと理解して良いのではないでしょうか。


以下は私のホームページに載せてあるものです。宜しければ参考にお読み下さい。


◆◆◆◆


ピアノはとても大きな楽器です。

その楽器を鳴らすにはとても指だけでは鳴らすことは出来ません。腕の重さを使うことが必要です。

この腕の重さを使って弾くことを重力奏法と言います。これはピアノを演奏するための一般的な奏法です。


腕は腕の根元である肩甲骨から使います。

肩甲骨から大きく腕を使えるようにすることから習い始めるものをロシアンメソッドと言っています。

 
このメソッドは、「3の指」で「ノンレガート(一音ずつ繋げずに弾く)」から始めます。​
この時に講師が生徒さんの腕が力みなく、柔軟な手首で、そして指の関節がぐらつかないように手を支えます。


ノンレガートのあとは、レガート、スタッカート、アクセント、テヌートという音の発音法を短い曲の中で覚えていきます。
これはピアノ演奏の公式の様なもので、基本的な手の使い方があるのです。


これらが気持ちの伝わる演奏へとつながります。
これは​プロになるために行う特別な導入法ではありません。
効率よく身体を使い、表情のある音を生み出すこと。

曲から受け取った想いを、聴いている人に届けることができるように。


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子供にピアノを教える先生

2023年07月17日 | 重力奏法

キーシンの先生や上原彩子さんの先生、最近ではドヴガンの先生、ジョージアのツォトネ・ゼジニジ君の先生。

皆さん女性の先生です。

女性の先生は名教師が多いように思います。

飴と鞭を上手く使い分けていらっしゃることもあるかもしれませんが、体格の面で子供に教えることのできることが多いのでは、と思います。


ピアノは腕を根元から使い体を大きく使えた方が、音が鳴り表現力が豊かになると思います。

体が小さいと腕をしっかり動かさないと音が鳴りません。
鳴らないと指が弱いと考えてしまい、そちらを鍛えようと無理な練習に走ってしまう。これは昔の日本人です。


先日、河村尚子さんのラフマニノフ2番のコンチェルトの動画をご紹介しました。

腕はこう使うというのがよく分かります。


同じ曲で、清水和音さんの演奏が自動で出てきましたので、どう演奏されているか拝見しましたら、ほぼ腕は動いていません。

動かなくとも、肩幅があり、手の平に厚みがあり、指が太く、腕もおそらく太く、胴体も太いと思われるので、そのような方は腕をただ下ろすだけで音は鳴るわけです。


男性のピアニストや先生はそのような条件を持っていらっしゃる方が女性よりずっと多いと思います。

動かさなくとも勝手に音が鳴る人と、動かさないと鳴らない人では教える時に差が出ます。


趣味で習っている人たちは、男女にかかわらず専門家のようにピアノを長い時間弾いているわけではないので、椅子に座ったまま体を上手く使うことが上手にできません。

なので、音が鳴らない人が少なくないのです。
だから余計に、腕を大きく使うことをまずは身に付けてほしいと思います。


腕は上に上げれば肩甲骨は必ず動きます。
それを下ろせばいいだけです。スラーの始まりの音でまずは必ず実行すること。離れた音も横にずらすのではなく、上に上げて移動する。

下ろし方は先生にちゃんと教わる必要があります。叩いて良いという意味ではありませんので。

曲が複雑になると、スラーの開始が左右で異なるものの連続になります。
それが両手同時のタイミングになったら、同じ方向を向いて音楽が進みだしたということです。

長いスラーになったら重さをなくさないように弾いていきます。
途中で下手に手首を動かすと、水中から何度もプカプカ口を出して息を吸う金魚のようになってしまいます。

(金魚が上の方に上がって口をパクパクさせるのは水中に酸素が足りない酸欠状態で、水中でゆっくり口パクパクは酸素が足りているのだそう。ピアノ演奏は重さ=酸素と考えると分かりやすいかもしれません。)


冒頭の所を比べてみて下さい。



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