国際援助団体オックスファム・インターナショナルは19日、スイスのダボスで21日から開催される世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)を前に世界の経済格差に関する報告書を公表しました。世界で80人の億万長者が保有する富はこの5年間で倍加し、2014年は貧しい50%の人たちの富の総計を上回ったと指摘しました。
報告書によると、最も豊かな1%の人たちが保有する富は、世界金融危機が起きた2008年以降増え続け、2014年には世界の富の48%を占めています。この傾向が続けば、2016年には逆転し、1%の富裕層が保有する富は残る99%の保有する富を上回ることになります。
1%の富裕層の富の平均は、成人1人当たり270万ドル(約3億1900万円)。一方、下位80%の平均は1人当たり3851ドルで、その合計は世界の富の5・5%を占めるだけでした。
また2010年には388人の億万長者の保有する富が貧しい50%の保有する富と同じでしたが、2011年は177人、2013年は92人と富の集中が進行。2014年は80人でした。
報告書は「不均衡の拡大は不可避ではない」と指摘。▽各国政府が貧富の格差是正に取り組む▽女性の経済的平等を促す▽労働者に生活できる賃金を保障し、役員報酬との格差を是正する▽富裕層の課税を強化する―ことなどを提言しています。
オックスファム・インターナショナルのビヤニマ事務局長は19日、自身のブログで、国際的な税制改革が必要だと指摘。「世界税金サミット」の開催を呼び掛けました。
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