労働運動総合研究所は昨日(1月7日)
「目先の利益ばかり追求する経営を改めさせ大幅賃上げを!―内部留保をこれ以上増やさないだけで月11万円以上の賃上げが可能-」
と題する春闘提言を発表しました。その内容を紹介しましょう。(全文はここ)
提言によりますと、企業の内部留保は2013年度末に何と509兆円を超えています。この額はGDP(国内総生産)を27兆円も上回るというのです。
しかも、まだ増え続け、増加額は1年間に42.8兆円だというのです。
それで、もともとの内部留保はそのままにしておいて、1年間の増加分を使うだけで、1ヶ月11万円以上の賃上げが出来るといいます。この計算では賃金を上げるだけでなく役員報酬や株主配当も賃上げと同じ率で引き上げる計算になっています。
注釈を付けておきますと、ここで内部留保というのは、税金、株主配当、役員給与等を全て支払った後の利益の蓄積です。このお金は本来、株主や従業員に配分されるべきものです。こんなにたくさん積み上げるのは、いくら資本主義だといっても、経済の正常な姿とは言えないと思われます。
2014年の賃金上昇率は1.4%でした。これでは消費税増税分3%の影響もカバーされていません。物価上昇と税・社会保険等の負担増から生活を防衛するためには、2015春闘において、少なくとも6.0%、1万8千円以上の賃上げが必要でだといいます。
同提言は最後に次のように述べています。
「いくら首相が要請しても、経営者が率先して自社の賃金を上げることはない。鍵を握るのは労働者のたたかいである。2015春闘は、生活改善だけではなく、本格的なデフレ脱却、経済成長をめざすたたかいであり、労働組合の責任が問われる春闘と言える。」