日々雑記

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TPP交渉参加表明  功罪を引き算で正当化することはできない

2013-03-16 09:00:00 | 日記

とうとうTPP交渉への参加を決めたようだ。十分予想されていたことというより、確定と受け取っていたことだが、決まってみるとやはり不愉快だ。あらためてどう対応するかを考える。

参加表明と同時に発表された、経済的波及効果のシミュレーション、おかしくないだろうか。いや、細かい数字のことではない。「輸出産業でGDPが何兆円増える 」「農業で何兆円減る」「差し引きで何兆円の増加がある」―――という考え方だ。


輸出産業、主に自動車と電機産業だろうが、この分野で生産が上がる。それはそれで悪くはないだろう。

一方、米をはじめ多くの農作物が、アメリカ、オーストラリアなどの安い輸入品に太刀打ちできなくなるだろう。実際に壊滅的打撃を受けることは前に出された政府の予想でも明らかだ。

その結果日本人の食べ物は外国に依存することになる。でも未来何十年、何百年にわたってアメリカが、オーストラリアが食料を供給してくれるだろうか。相手の国の気候が悪くなったら穀物の価格は跳ね上がるだろう。そればかりか輸出しなくなるかもしれない。国際紛争があり、輸送ルートが確保できなくなったり、価格が上がったりするかもしれない。食料供給を外国に依存するとこのような危険を背負い込まなければならないだろう。

国土はどうだろう。日本の環境、生態系は、田畑の存在によって保たれていると言われている。農業が崩壊するとこの環境も大きく変化するだろう。

それよりも農家の人々はどうなるのだろう。TPPに参加し、生活が成り立たなくなった時、どうやって暮らすのだろう。日本の生産構造が大きく変化したとき、衰退産業に従事した人たちがどうなるか。50年前に先例がある。石炭産業だ。太平洋戦争後の復興を支えてきた石炭産業は国の政策によって捨て去られた。その結果炭鉱地帯の人々がどのような生活に陥ったか忘れてはならないだろう。

このような結果を予想するとき、輸出産業でGDPがどのように増えても国民の食の安心、安全を補うことはできないし、国土の荒廃を補うこともできない。もちろん農家の人たちの苦しみを救うこともできない。

TPPの結果を引き算で正当化することなどできるはずがない。一部の輸出産業の利益と、国民の安全、国土の保全、農家の生活を引き算することはできない。

質の違うものを引き算することができないのは当然です。 


 


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1 コメント

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めぐみです! (めぐみ)
2013-03-20 08:31:16
めぐみです!このあいだコメントしためぐみです!覚えてますか?覚えていてくれた嬉しいですw(▼-▼*) エヘ♪せっかくなのでメールできませんか?私ブログとかやってないのでお話がしたいです、アドは megumi7704あっとyahoo.co.jpです、待ってますね!(*゜ー゜*)ポッ
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