日々雑記

政治、経済、社会、福祉、芸術など世の中の動きを追い、感想を述べたい

イギリスの生活保護と医療

2013-03-20 10:02:27 | 日記

先日のおおかわさんのコメントを参考に雑誌POSSE17号を読みました。唐鎌直義氏の「なぜイギリスでは公的扶助が受けやすいのか――月額8万円で『絶対に漏れを出さない仕組みとは?』」です。以下はその概要と感想です。

 

まず日本とイギリスと日本の捕捉率です。捕捉率といっても何のことかわかりませんが、生活に困っている人のうち生活保護をもらっている人の割合です。「そんなの決まっているじゃないか。全員だろ」と考えてしまいますが、違うんです。唐鎌氏の計算によると全国平均で10.5%だということです。他の人の計算もあるどうですが大体10-15%だということです。なんと8-9割が受給していないのです。「本当かな」と考える方もいらっしゃるかも知れませんが、私の実感ではあっているように思えます。

イギリスの場合には80-90%だということです。「絶対に漏れを出してはいけない」という考えだということです。

日本では生活保護費が年間3兆7000億円かかると言って騒いでいます。しかしそのうち52%が医療扶助費です。生活扶助費は33%1兆2000億円です。残り15%へ住宅、教育、出産、生業、葬祭扶助の費用です。

イギリスでは総額約2兆円(人口6300万人)ですが、すべてが日本の生活扶助に相当するものです。「 他の扶助はいらないのか」と考えますが、イギリスではすべての国民に対して医療費は原則無料です。教育も無料です。低所得者に対しては家賃の8-9割が支給されるので生活保護受給者に対してだけ住宅補助を出す必要はありません。所得援助の受給者には全額支給されます。また持ち家がある人には固定資産税が減免されています。ですから家賃を払ったり、固定資産税を納めている人は国民の6割程度です。

日本の生活保護費が3兆円になりたいへんだと言われていますがイギリスは日本の半分の人口で2兆円です。その上医療費、教育費などは別です。日本が多いなどとは言えないでしょう。
それに、生活に困っている人は全員補助するという考え方は素晴らしいと思います。 

 


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