近事変々

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女装の若者が町内を疾走する、江戸川区の奇祭「雷の大般若」

2009-02-23 10:42:19 | 民俗・行事
きのうの日曜日、江戸川区東葛西の真蔵院(雷不動)に伝わる「雷の大般若」という民俗芸能を見に行ってきた。
バスの便があることを知らずに行ったので、地下鉄東西線の葛西駅から心細げに20数分歩いて、やっとの思いで現場に到着した。
ちょうど始まる寸前に真蔵院に着いたので、出発式の一部始終も見ることができた。





このお祭りは、女物の長襦袢と化粧で女装した若衆が、大般若経を入れた経箱を担いで町内各戸を走り廻って悪魔払いをするというものだが、衣装もさることながら、町内の路地から路地へと全力疾走に近い走り方なのにはちょっとビックリした。

聞くところによると、「長襦袢を着て化粧」というのは、「結核にかかった妹のために兄が妹の長襦袢を着て、厄払いをした」ということに由来があるとのことである。





東葛西の奇祭「雷の大般若」区指定無形民俗文化財/江戸川区ホームページ

大般若/近藤英一郎「東京の祭り」

「おめでとー」という掛け声と共に、お払いを受ける家々を訪問、ご祝儀と接待を受けたあとに、手締めをして次の家へと回って行く。

昔は各家の玄関から裏口へと家の中を土足で通りぬけていたそうだが、さすがに現在はそこまではできないので、玄関先でご祝儀を頂き、そのお礼に御札とお供え物を渡して手締めを行うというスタイルになっているとのことである。





東葛西といえども都市化の波は容赦なく広がり、高層ビルも至る所に見られるが、このような素朴な風習が残っているのは、やはり珍しいことなのではないだろうか。
帰り際、葛西駅南口の近代的なモニュメントを見ながらそう思った。


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