おんらく館~のこぎりものには福がある~

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弓の毛換え

2014-11-01 | のこぎり
半年に1回と進められている弓の毛換えですが、ルーズな自分はほとんどしません。。。(苦笑)

でも一月ほど前に思い切って一番使う弓の毛換えをしてもらいました。


作業時間は1時間強、結構かかりますね。

作業終了の時に技術者さんと少しお話をしました。


驚いたのが、毛の量のバランスとテンションも調整しながら張っていること。

どういうことかというと、
両サイドの毛の量を若干多くし(斜めに弦と接地させるため)、中央のテンションを弱めにします。

こういうことをちゃんとやってる人は案外少ないようすが・・・


他の弓と弾き比べてみたら、タッチがすごくしっとりソフトで、吸い付くような気持ち良い弾き心地。


というワケで、もう1本、メイン使いの弓の毛換えをお願いしました。

折角なので、今回は近くで見学させてもらいました。
途中別の相談が入ったため中座しましたが(場所が狭いため)

ただ交換するだけだと思ってましたが、そうではないんですね。
経験による手先だけの感覚で、とても興味深く拝見しました。


以前、別のところで毛換えした弓が、程なくはじけてしまったことがあって、そんな話をしていましたら

「これで終了です」と言った後に、おもむろにまた先端をばらして、楔の作り直し。
ちょっと小さめに出来上がったようで、気になったらしい。

楔も使いまわしかと思ってましたが、削りだして作るんですね。(使いまわしても1~2回位までらしい)

1回目は、何度もサイズを調整して時間をかけてましたが、2回目は「早いですよ」の言葉通りすぐに出来ました。


ちなみに、毛の量はヴァイオリン弓でだいたい120本前後。ビオラ、チェロとなるほど増えるそうです。

毛の量が多いと、パワーある演奏が出来ますが、反対に音に雑味が増えるそうです。
少ないとその逆。

のこぎりはどの位がいいんだろう?と思いましたが、雑味が増えるのはよろしくないので、結局通常通りの毛の量で。


毛を換えることで音から雑味も消えます(減ります)。
すごくクリアな音で、弾いてて気持ちいいですね。


これだけ丁寧な作業で5000円(+税)は安いと思いました。