(01)
楚人有鬻盾与矛者。誉之曰、吾盾之堅、莫能陥也。又誉其矛曰、吾矛之利、於物無不陥也。或曰、以子之矛、陥子之盾、何如。其人弗能応也=
楚の国の人で盾と矛とを売る者がいた。その人が自分の盾を誉めて言った。 私のこの堅い盾を突き通すことが出来るものは何も無い。 また、自分の矛を誉めて言った。 私のこの鋭い矛は、どんな物でも突き通さないものは無い。或るひとが言った。 あなたの矛で、あなたの盾を突いたらどうなるのか。 盾と矛を売る、その人は、答えることが、出来なかった(韓非子・矛盾)。
(02)
(ⅰ)
1 (1)∃x(吾矛x&∀y(~吾盾y&盾y→陥xy)} A
2 (2) 吾矛a&∀y(~吾盾y&盾y→陥ay) A
2 (3) 吾矛a 2&E
2 (4) ∀y(~吾盾y&盾y→陥ay) 2&E
2 (5) ~吾盾b&盾b→陥ab 4UE
6 (6) ~陥ab A
26 (7) ~(~吾盾b&盾b) 56MTT
26 (8) 吾盾b∨~盾b 7ド・モルガンの法則
26 (9) ~盾b∨吾盾b 8交換法則
26 (ア) 盾b→吾盾b 9含意の定義
2 (イ) ~陥ab→(盾b→ 吾盾b) 6アCP
ウ(ウ) ~陥ab& 盾b A
ウ(エ) ~陥ab ウ&E
2 ウ(オ) (盾b→ 吾盾b) イエMPP
ウ(カ) 盾b ウ&E
2 ウ(キ) 吾盾b オカMPP
2 (ク) ~陥ab&盾b→吾盾b ウキCP
2 (ケ) ∀y(~陥ay&盾y→吾盾y) クUI
2 (コ) 吾矛a&∀y(~陥ay&盾y→吾盾y) 3ケ&I
2 (サ)∃x{吾矛x&∀y(~陥xy&盾y→吾盾y)} コEI
1 (シ)∃x{吾矛x&∀y(~陥xy&盾y→吾盾y)} 12サEE
(ⅱ)
1 (1)∃x{吾矛x&∀y(~陥xy&盾y→吾盾y)} A
2 (2) 吾矛a&∀y(~陥ay&盾y→吾盾y) A
2 (3) 吾矛a 2&E
2 (4) ∀y(~陥ay&盾y→吾盾y) 2&E
2 (5) ~陥ab&盾b→吾盾b 4UE
6 (6) ~吾盾b A
26 (7) ~(~陥ab&盾b) 56MTT
26 (8) 陥ab∨~盾b 7ド・モルガンの法則
26 (9) ~盾b∨陥ab 8交換法則
26 (ア) 盾b→陥ab 9含意の定義
2 (イ) ~吾盾b→(盾b→陥ab) 6アCP
ウ(ウ) ~吾盾b& 盾b A
ウ(エ) ~吾盾b ウ&E
2 ウ(オ) (盾b→陥ab) イエMPP
ウ(カ) 盾b ウ&I
2 ウ(キ) 陥ab オカMPP
2 (ク) ~吾盾b&盾b→陥ab ウキCP
2 (ケ) ∀y(~吾盾y&盾y→陥ay) クUI
2 (コ) 吾矛a&∀y(~吾盾y&盾y→陥ay) 2ケ&I
2 (シ)∃x(吾矛x&∀y(~吾盾y&盾y→陥xy)} コEI
1 (ス)∃x(吾矛x&∀y(~吾盾y&盾y→陥xy)} 12シEE
従って、
(02)により、
(03)
① ∃x(吾矛x&∀y(~吾盾y&盾y→陥xy)}
② ∃x{吾矛x&∀y(~陥xy&盾y→吾盾y)}
に於いて、すなはち、
① あるxは吾の矛であって、すべてのyについて、yが吾の盾以外の盾であるならば、xはyを陥す。
② あるxは吾の矛であって、すべてのyについて、xがyを陥すことがなく、yが盾であるならば、yは吾の盾である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
① 私の矛は、私の盾以外の、すべての盾を陥す。
② 私の矛が陥さない盾は、私の盾だけである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
① 私の矛は、私の盾を含む、すべての盾を陥す。
② 私の盾は、私の矛を含む、すべて矛を陥さない。
といふことは、「矛盾」であるが、
(06)
① 私の矛は、私の盾以外の、すべての盾を陥す。
② 私の矛が陥さない盾は、私の盾だけである。
といふことは、「矛盾」ではない。
従って、
(06)により、
(07)
吾矛之利、於非吾盾之盾無不陥也=
吾矛之利、於〔非(吾盾)之盾〕無〔不(陥)〕也⇒
吾矛之利、〔(吾盾)非之盾〕於〔(陥)不〕無也=
吾が矛の利なること、〔(吾が盾に)非さるの盾〕於いて〔(陥さ)不る〕無きなり=
私のこの鋭い矛は、〔(私の盾)以外の盾に〕於いて〔(陥さ)ないことが〕無いのである。
であれば、「矛盾」しない。
(08)
因みに、
① 私のこの鋭い矛は、私の盾以外の盾において、貫さないことが無いのである(原文)。
② 我那尖銳的戟不會穿透我的盾牌以外的盾牌(グーグル翻訳)。
であるが、「私には、②が、全く、理解できない。」
(09)
① 吾矛之利、於非吾盾之盾無不陥也。
② 我那尖銳的戟不會穿透我的盾牌以外的盾牌。
といふ場合が、さうであるやうに、「漢文と、中国語は、完全に別物である」に違ひない。
(01)
― 矛盾・韓非子 ―
楚人有鬻盾与矛者。誉之曰、吾盾之堅、莫能陥也。又誉其矛曰、吾矛之利、於物無不陥也。或曰、以子之矛、陥子之盾、何如。其人弗能応也=
楚人有[鬻〔盾与(矛)〕者]。誉(之)曰、吾盾之堅、莫(能陥)也。又誉(其矛)曰、吾矛之利、於(物)無〔不(陥)〕也。或曰、以(子之矛)、陥(子之盾)、何如。其人弗〔能(応)〕也⇒
楚人[〔盾(矛)与〕鬻者]有。(之)誉曰、吾盾之堅、(能陥)莫也。又(其矛)誉曰、吾矛之利、(物)於〔(陥)不〕無也。或曰、(子之矛)以、(子之盾)陥、何如。其人〔(応)能〕也弗=
楚人に[〔盾と(矛)とを〕鬻ぐ者]有り。(之を)誉めて曰く、吾が盾の堅きこと、(能く陥す)莫きなり。又た(其の矛を誉めて)曰く、吾が矛の利なること、(物に)於いて〔(陥さ)不る〕無きなり。或ひと曰く、(子之矛を)以て、(子之盾を)陥さば、何如。其の人〔(応ふる)能は〕弗るなり=
楚の国の人で盾と矛とを売る者がいた。その人が自分の盾を誉めて言った。 私のこの堅い盾を突き通すことが出来るものは何も無い。 また、自分の矛を誉めて言った。 私のこの鋭い矛は、どんな物でも突き通さないものは無い。或るひとが言った。 あなたの矛で、あなたの盾を突いたらどうなるのか。 其の盾と矛を売る人は、答えることが、出来なかった。
然るに、
(02)
(ⅰ)
1 (1) ∃x{盾x& ∀y(矛y→~陥yx)} A
2 (2) ∃y{矛y&~∃x(盾x&~陥yx)} A
3 (3) 矛b&~∃x(盾x&~陥bx) A
3 (4) 矛b 3&E
3 (5) ~∃x(盾x&~陥bx) 3&E
3 (6) ∀x~(盾x&~陥bx) 5含意の定義
3 (7) ~(盾a&~陥ba) 6UE
3 (8) ~盾a∨ 陥ba 7ド・モルガンの法則
3 (9) 盾a→ 陥ba 8含意の定義
3 (ア) ∀x(盾x→ 陥bx) 9UI
3 (イ) 矛b& ∀x(盾x→ 陥bx) 4ア&I
3 (ウ) ∃y(矛y& ∀x(盾x→ 陥yx)} イEI
2 (エ) ∃y(矛y& ∀x(盾x→ 陥yx)} 23ウEE
オ (オ) 盾a& ∀y(矛y→~陥ya) A
オ (カ) 盾a オ&E
オ (キ) ∀y(矛y→~陥ya) オ&E
オ (ク) 矛b→~陥ba キUE
ケ(ケ) 矛b& ∀x(盾x→ 陥bx) A
ケ(コ) 矛b ケ&E
ケ(サ) ∀x(盾x→ 陥bx) ケ&E
ケ(シ) 盾a→ 陥ba サUE
オケ(ス) ~陥ba クコMPP
オケ(セ) 陥ba カシMPP
オケ(ソ) ~陥ba&陥ba スセ&I
2 オ (タ) ~陥ba&陥ba エケソEE
12 (チ) ~陥ba&陥ba 1オタEE
1 (ツ)~∃y(矛y& ∀x(盾x→ 陥yx)} 2チRAA(背理法)
(ⅲ)
1 (1)~∃y(矛y& ∀x(盾x→ 陥yx)} A
1 (2)∀y~(矛y& ∀x(盾x→ 陥yx)} 1含意の定義
1 (3) ~(矛b& ∀x(盾x→ 陥bx)} 1UE
1 (4) ~矛b∨~∀x(盾x→ 陥bx) 3ド・モルガンの法則
5 (5) ~矛b A
5 (6) ~矛b∨ ∃x(盾x&~陥bx) 5∨I
7 (7) ~∀x(盾x→ 陥bx) A
7 (8) ∃x~(盾x→ 陥bx) 7量化子の関係
9 (9) ~(盾a→ 陥ba) A
9 (ア) ~(~盾a∨陥ba) 9含意の定義
9 (イ) 盾a&~陥ba ア、ド・モルガンの法則
9 (ウ) ∃x(盾x&~陥bx) イEI
7 (エ) ∃x(盾x&~陥bx) 79ウEE
7 (オ) ~矛b∨ ∃x(盾x&~陥bx) エ∨I
1 (カ) ~矛b∨ ∃x(盾x&~陥bx) 4567オ∨E
1 (キ) ~{矛b&~∃x(盾x&~陥bx)} カ、ド・モルガンの法則
1 (ク)∀y~{矛y&~∃x(盾x&~陥yx)} キUI
1 (ケ)~∃y{矛y&~∃x(盾x&~陥yx)} ク量化子の関係
従って、
(02)により、
(03)
① ∃x{盾x& ∀y(矛y→~陥yx)}
② ∃y{矛y&~∃x(盾x&~陥yx)}
③ ~∃y(矛y& ∀x(盾x→ 陥yx)}
に於いて、すなはち、
① あるxは盾であって、すべてのyについて、yが矛ならば、yはxを陥さない。
② あるyは矛であって、xは盾であって、yはxを陥さないといふ、そのやうなxは存在しない(二重否定)。
③ yは矛であって、すべてのxについて、xが盾であるならば、yはxを陥す、といふ、そのやうなyは存在しない。
に於いて、
①と② は「矛盾」し、
② の「否定」は、
③ である。
従って、
(03)により、
(04)
① いかなる矛をも、陥さない盾が存在する。
② いかなる盾をも、陥す矛が存在する。
③ いかなる盾をも、陥す矛は存在しない。
に於いて、
①と② は「矛盾」し、
② の「否定」は、
③ である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 吾盾之堅、莫(能陥)也。
② 吾矛之利、於(物)無〔不(陥)〕也。
③ 不{有[無〔不(陷)〕之矛]}也。
に於いて、
①と② は、「矛盾」し、
②と③ も、「矛盾」する。
といふことは、「述語論理」としても、「正しい」。
cf.
③ 不有無不陷之矛也=
③ 不{有[無〔不(陷)〕之矛]}也⇒
③ {[〔(陷)不〕無之矛]有}不也=
③ {[〔(陷さ)不る〕無きの矛は]有ら}不る也。
(01)
1(1)P 仮定
(2)P→P 11CP
といふ「計算」は、
P(1)の行で「P」 を「真」であると「仮定」したところ、
P(1)の行で「P」 が得られたので、
(2)の行で「P→P」は「真」であるといふ「結論」を得た。
といふ「意味」である。
(02)
1(1)P&Q 仮定
1(2)P 1&E
(3)P&Q→P 12CP
といふ「計算」は、
P&Q(1)の行で「P&Q」 を「真」であると「仮定」したところ、
P&Q(2)の行で「P」 が得られたので、
(3)の行で「P&Q→P」は「真」であるといふ「結論」を得た。
といふ「意味」である。
(03)
1 (1) (P→Q)→P 仮定
2 (2) ~P∨Q 仮定
2 (3) P→Q 2含意の定義
12 (4) P 13MPP
1 (5) ~P∨Q→ P 24CP
1 (6)~(~P∨Q)∨P 5含意の定義
7 (7)~(~P∨Q) A
7 (8) (P&~Q) 7ド・モルガンの法則
7 (9) P 8&E
ア(ア) P A
1 (イ) P 679アア∨E
(ウ)((P→Q)→P)→P 1ウCP
といふ「計算」は、
(P→Q)→P(1)の行で「(P→Q)→P」 を「真」であると「仮定」したところ、
(P→Q)→P(イ)の行で「P」 が得られたので、
(ウ)の行で「((P→Q)→P)→P」は「真」あるといふ「結論」を得た。
といふ「意味」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
①├ P→P≡ PならばPである:同一律。
②├ P&Q→P≡ PであってQであるならば、Pである:連言除去。
③├((P→Q)→P)→P≡((PならばQである)ならばPである)ならばPである。
といふ「3つの連式(Sequents)」は、3つとも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(05)
さて演繹定理ですがどのようなものかと言いますと、
Γ,A├ B ⇔ Γ├ A→B
という命題です。
(演繹定理 - 暇人の暇人による暇人のためのブログ)
従って、
(05)により、
(06)
Γ,A├ B ⇔ Γ├ A→B
に於いて、
Γ=空集合
A=((P→Q)→P)→P
B=P
であるとして、
(P→Q)→P)├ P ⇔ ├((P→Q)→P)→P
は、「演繹定理」である。
従って、
(03)(06)により、
(07)
1 (1) (P→Q)→P 仮定
2 (2) ~P∨Q 仮定
2 (3) P→Q 2含意の定義
12 (4) P 13MPP
1 (5) ~P∨Q→ P 24CP
1 (6)~(~P∨Q)∨P 5含意の定義
7 (7)~(~P∨Q) A
7 (8) (P&~Q) 7ド・モルガンの法則
7 (9) P 8&E
ア(ア) P A
1 (イ) P 679アア∨E
(ウ)((P→Q)→P)→P 1ウCP
といふ「証明」は、「演繹定理」による「証明」である。
然るに、
(08)
命題計算では、パースの法則は ((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる(ウィキペディア)。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
├((P→Q)→P)→P≡((PならばQである)ならばPである)ならばPである。
である所の「パースの法則」は、「演繹定理」によって「証明」出来る。
然るに、
(10)
パースの法則は直観論理や中間命題論理では成立せず、演繹定理だけからでは導くことができない(ウィキペディア)。
従って、
(09)(10)により、
(11)
├((P→Q)→P)→P≡((PならばQである)ならばPである)ならばPである。
である所の「パースの法則」が、演繹定理だけからでは導くことができない(ウィキペディア)。
といふのは、「マチガイ」であるに、違ひない。
―「昨日(令和03年03月12日)の記事」を書き直します。―
(01)
① あるフランス人は寛大である。
② フランス人であって、尚且つ、寛大な人がゐる。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(02)
x=人
F=フランス人である。
G=寛大である。
として、
② フランス人であって、尚且つ、寛大な人がゐる。
③ ∃x(Fx&Gx)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① あるフランス人は寛大である。
② フランス人であって、尚且つ、寛大な人がゐる。
③ ∃x(Fx&Gx)
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(04)
③ ∃x(Fx&Gx)
④ ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
③=④ ではない。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① あるフランス人は寛大である。
④ ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
①=④ ではなく、
従って、
(06)
「幾らかのフランス人は寛大である」を、正しく、
∃x(Fx&Gx)と記号化するかわりに、むしろ、
∃x(Fx→Gx)とするのは、よくある間違いである。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、124頁)
然るに、
(07)
① ∃x(Fx→Gx) ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
といふ「3つの式」を比較すると、
② ならば、③ であるが、
③ ならば、② ではない。
といふことは、「見ただけで、すぐに分かる」。
すなはち、
(08)
{a、b、c}といふ{3人}が、{変域(ドメイン)}であるならば、
(ⅱ)
1 (1)(Fa∨Fb∨Fc)→(Ga∨Gb∨Gc) A
2(2)(Fa&Fb&Fc) A
2(3) Fa 2UE
2(4) Fa∨Fb 3∨I
2(〃)(Fa∨Fb∨Fc) 4∨I
12(5) (Ga∨Gb∨Gc) 15MPP
1 (6)(Fa&Fb&Fc)→(Ga∨Gb∨Gc) 26CP
(ⅲ)
1 (1)(Fa&Fb&Fc)→(Ga∨Gb∨Gc) A
2 (2)(Fa∨Fb∨Fc) A
3(3) Fa A
3(4) Fa&Fb 3#&I(は不可。)
3(5) Fa&Fb&Fc 4#&I(は不可。)
2 (6)(Fa&Fb&Fc) 23EE
12 (7) (Ga∨Gb∨Gc) 16MPP
1 (8)(Fa∨Fb∨Fc)→(Ga∨Gb∨Gc) 27CP
であって、それ故、
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
② ならば、③ であるが、
③ ならば、② である。ではない。
といふことは、固より、「当然」である。
然るに、
(09)
(ⅱ)
1 (1)∃x(Fx)→∃x(Gx) A
2(2)∀x(Fx) A
2(3) Fa 2UE
2(4)∃x(Fx) 2EI
12(5) ∃x(Gx) 12MPP
1 (6)∀x(Fx)→∃x(Gx) 25CP
(ⅲ)
1 (1) ∀x(Fx)→∃x(Gx) A
1 (2)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) 1UE
3 (3)~∀x(Fx) A
3 (4)∃x~(Fx) 3含意の定義
5 (5) ~Fa A
5 (6) ~Fa∨Ga 5∨I
5 (7) Fa→Ga 5含意の定義
8 (8) ∃x(Fx) A
9 (9) Fa A
5 9 (ア) Ga 79MPP
5 9 (イ) ∃x(Gx) アEI
58 (ウ) ∃x(Gx) 89イEE(に於いて、9は8に戻ったが、5が残ったので、マチガイである。)
5 (エ) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 8ウCP
3 (オ) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 35エEE
カ(カ) ∃x(Gx) A
カ(キ)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) ∨I
カ(ク) ∃x(Fx)→∃x(Gx) キ含意の定義
1 (ケ) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 23オカク∨E
従って、
(08)(09)により、
(10)
「述語計算」の「結果」も、果たして、
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
② ならば、③ であるが、
③ ならば、② である。ではない。
然るに、
(11)
(ⅰ)
1 (1) ∃x(Fx→Gx) A
2 (2) Fa→Ga A
3(3) ∀x(Fx) A
3(4) Fa 3UE
23(5) Ga 24MPP
23(6) ∃x(Gx) 5EI
1 3(7) ∃x(Gx) 126EE
1 (8)∀x(Fx)→∃x(Gx) 37CP
(ⅲ)
1 (1) ∀x(Fx)→∃x(Gx) A
1 (2)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
3 (3)~∀x(Fx) A
3 (4)∃x~(Fx) 3量化子の関係
5 (5) ~Fa A
5 (6) ~Fa∨Ga 5∨I
5 (7) Fa→Ga 6含意の定義
5 (8) ∃x(Fx→Gx) 7EI
3 (9) ∃x(Fx→Gx) 458EE
ア (ア) ∃x(Gx) A
イ(イ) Ga A
イ(ウ) ~Fa∨Ga イ∨I
イ(エ) Fa→Ga ウ含意の定義
イ(オ) ∃x(Fx→Gx) エEI
1 (カ) ∃x(Fx→Gx) 239イオ∨E
従って、
(11)により、
(12)
① ∃x(Fx→Gx) ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
①=③ である。
従って、
(10)(12)により、br> (13)
① ∃x(Fx→Gx) ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
② ならば、③ であるが、
③ ならば、② ではなく、尚且つ、
①=③ である。
従って、
(13)により、
(14)
① ∃x(Fx→Gx) ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
① ならば、② ではないが、
② ならば、① である。
然るに、
(15)
(ⅰ)
1 (1) ∃x(Fx→Gx) A
2 (2) Fa→Ga A
3 (3) ∃x(Fx) A
4(4) Fa A
2 4(5) Ga 24MPP
2 4(6) ∃x(Gx) 5EI
23 (7) ∃x(Gx) 346EE(に於いて、4は3に戻ったが、2が残ったので、マチガイである。)
2 (8) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 37CP
1 (9) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 128EE
(ⅱ)
1 (1) ∃x(Fx)→∃x(Gx) A
1 (2)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
3 (3)~∃x(Fx) A
3 (4)∀x(~Fx) 3量化子の関係
3 (5) ~Fa 4UE
3 (6) ~Fa∨Ga 5∨I
3 (7) Fa→Ga 6含意の定義
3 (8) ∃x(Fx→Gx) 7EI
9 (9) ∃x(Gx) A
ア(ア) Ga A
ア(イ) ~Fa∨Ga ア∨I
ア(ウ) Fa→Ga イ含意の定義
ア(エ) ∃x(Fx→Gx) ウEI
9 (オ) ∃x(Fx→Gx) 9アエEE
1 (カ) ∃x(Fx→Gx) 2389オ∨E
従って、
(15)により、
(16)
「述語計算」の「結果」としても、
① ∃x(Fx→Gx) ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
① ならば、② ではないが、
② ならば、① である。
従って、
(10)(12)(16)により、
(17)
① ∃x(Fx→Gx) ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
①=③ であって、
尚且つ、
② ならば、③ であるが、
③ ならば、② ではない。
が故に、
② ならば、① であるが、
① ならば、② ではない。
従って、
(17)により、
(18)
① ∃x(Fx→Gx) ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
①=② ではないし、
②=③ ではないが、
①=③ である。
然るに、
(19)
① ∃x(Fx→Gx) ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
①=② ではない。
といふことは、「直観的」には、「不思議な感じ(somewhat surprising)」である。
然るに、
(20)
固より、
② ∃x(Fx)≡ あるxはFである。
③ ∀x(Fx)≡すべてのxはFである。
に於いて、
②=③ でないことは、「当然」であるため、
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
②=③ ではない。
といふことは、「当然」である。
従って、
(21)
① ∃x(Fx→Gx) ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
といふ「論理式」に於いて、「述語論理」は、「不思議」でもあり、「当然」でもある。
といふ、ことになる。
(01)
何故嫌われる?
∀ε>0, ∃δ>0 s.t. ∀x∈R, 0<|x-a|<δ ⇒ |f(x)-b|<ε
高校数学ではこの様な述語論理を取り扱う機会は少ないので、大学数学まで手を出すド変態計算好きでもない限り意味が不明である。
また、高校数学の問題は様々な公式や定理を駆使して解を導く所謂「パズル問題」であったが、この論法を使いこなすのに求められるのはとにかく「理解度」である。高校数学のノリを大学数学に持ち込み出鼻を挫かれる大学生は少なくない(ε-δ論法とは)。
然るに、
(02)
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、130頁)
(03)
具体的には、例へば、
(ⅰ)ある人は「吾輩は猫である」と「三四郎」の著者であるが、「吾輩は猫である」の著者は一人しかゐない。然るに、漱石は「吾輩は猫である」の著者である。従って、漱石が「吾輩は猫である」と「三四郎」の著者である。
(ⅱ)吾輩は猫であるが、名前は無い。然るに、タマには名前がある。従って、吾輩は猫であるが、タマではない。
(ⅲ)象は鼻が長い。然るに、兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、兎は象ではない。
(ⅳ)鼻は象が長い。然るに、兎は象ではないが、兎には鼻がある。 従って、兎の鼻は、長くない。
(ⅴ)タゴール記念会は、私が理事長であって、理事長は私である。然るに、小倉氏は、私ではない。従って、タゴール記念会の理事長は、小倉氏ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、『日本語』としてだけでなく、「次(04)以下」に示す通り、『述語計算』としても「妥当」である。
(04)
1 (1)∃x{吾輩猫x&三四郎x&∀y(吾輩猫y→x=y)} A
2 (2) 吾輩猫a&三四郎a&∀y(吾輩猫y→a=y) A
2 (3) 三四郎a 2&E
2 (4) ∀y(吾輩猫y→a=y) 2&E
2 (5) 吾輩猫b→a=b 4UE
6 (6)∃y(漱石y&吾輩猫y) A
7(7) 漱石b&吾輩猫b A
7(8) 吾輩猫b 7&E
2 (9) a=b 58MPP
2 7(ア) 漱石a&吾輩猫a 79=E
2 7(イ) 漱石a&吾輩猫a&三四郎a 3ア&I
2 7(ウ)∃x(漱石x&吾輩猫x&三四郎x) イEI
26 (エ)∃x(漱石x&吾輩猫x&三四郎x) 67ウEE
1 6 (オ)∃x(漱石x&吾輩猫x&三四郎x) 12エEE
従って、
(04)により、
(05)
(ⅰ)∃x{吾輩猫x&三四郎x&∀y(吾輩猫x→x=y)}。然るに、
(ⅱ)∃y(漱石y&吾輩猫y)。従って、
(ⅲ)∃x(漱石x&吾輩猫x&三四郎x)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)あるxは{「吾輩は猫である」の著者であって、「三四郎」の著者であって、すべてのyについて、yが「吾輩は猫である」の著者であるならば、xはyと「同一」である}。然るに、
(ⅱ)あるyは(漱石であって、「吾輩は猫である」の著者である)。従って、
(ⅲ)あるxは(漱石であって、「吾輩は猫である」の著者であって、「三四郎」の著者である)。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(05)により、
(06)
(ⅰ)ある人は「吾輩は猫である」と「三四郎」の著者であるが、「吾輩は猫である」の著者は一人しかゐない。然るに、
(ⅱ)漱石は、「吾輩は猫である」の著者である。従って、
(ⅲ)漱石が、「吾輩は猫である」と「三四郎」の著者である。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
(07)
1 (1) ∃x{吾輩x&猫x&~∃y(名前yx)} A
2 (2) ∃x{タマx& ∃y(名前yx)} A
3 (3) 吾輩a&猫a&~∃y(名前ya) A
4(4) タマa& ∃y(名前ya) A
3 (5) ~∃y(名前ya) 3&E
4(6) ∃y(名前ya) 4&E
34(7) ~∃y(名前ya)&∃y(名前ya) 56&I
23 (8) ~∃y(名前ya)&∃y(名前ya) 247EE
12 (9) ~∃y(名前ya)&∃y(名前ya) 138EE
1 (ア) ~∃x{タマx& ∃y(名前yx)} 29RAA
1 (イ) ∀x~{タマx& ∃y(名前yx)} ア量化子の関係
1 (ウ) ~{タマa& ∃y(名前ya) イUE
1 (エ) ~タマa∨ ~∃y(名前ya) ウ、ド・モルガンの法則
1 (オ) ~∃y(名前ya)∨~タマa エ交換法則
1 (カ) ∃y(名前ya)→~タマa オ含意の定義
1 4(キ) ~タマa 6カMPP
12 (ク) ~タマa 24キEE
3 (ケ) 吾輩a&猫a 3&E
123 (コ) 吾輩a&猫a&~タマa クケ&I
123 (サ) ∃x(吾輩x&猫x&~タマx) コEI
12 (シ) ∃x(吾輩x&猫x&~タマx) 13サEE
12 (〃)あるxは(吾輩であって猫であるが、タマではない)。 13サEE
従って、
(07)により、
(08)
(ⅰ)∃x{吾輩x&猫x&~∃y(名前yx)}。然るに、
(ⅱ)∃x{タマx& ∃y(名前yx)}。従って、
(ⅲ)∃x(吾輩x&猫x&~タマx)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)あるxは(吾輩であって、猫であるが、あるyが、xの名前であることはない)。然るに、
(ⅱ)あるxは(タマであって、 あるyは、xの名前である)。従って、
(ⅲ)あるxは(吾輩であって、猫であるが、タマではない)。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(08)により、
(09)
(ⅰ)吾輩は猫であるが、名前は無い。然るに、
(ⅱ)タマには名前がある。従って、
(ⅲ)吾輩は猫であるが、タマではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
(10)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)∃x(兎x&象x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za) 2UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 象a 6&E
6 (8) 兎a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 48MPP
2 6 (ア) ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za) 57MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
ウ (ウ) 鼻ba&長b A
2 6 (エ) ∃y(長y&耳ya) ア&E
オ(オ) 長b&耳ba A
オ(カ) 耳ba オ&E
2 6 (キ) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ク) 耳ba→~鼻ba キUE
2 6 オ(ケ) ~鼻ba オクMPP
1 6 (コ) ∀z(~鼻za→~長z) ア&E
1 6 (サ) ~鼻ba→~長b コUE
12 6 オ(シ) ~長b ケサMPP
オ(ス) 長b オ&E
12 6 オ(セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b エオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
従って、
(10)により、
(11)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyは長くて、xの耳であり、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない}。従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。)
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(11)により、
(12)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに
(ⅱ)兎の耳は長いが、耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
(13)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) A
3 (4) ~象b&長a→~鼻ab 3&E
5 (5)∀y{兎y→~象y&∃x(鼻xy)} A
5 (6) 兎b→~象b&∃x(鼻xb) 1UE
7 (7) 兎b A
57 (8) ~象b&∃x(鼻xb) 67MPP
57 (9) ~象b 8&E
57 (ア) ∃x(鼻xb) 8&E
イ(イ) 鼻ab A
イ(ウ) ~~鼻ab イDN
3 7 (エ) ~(~象b& 長a) 4ウMTT
3 7 (オ) ~~象b∨~長a エ、ド・モルガンの法則
3 7 (カ) ~象b→~長a オ含意の定義
3 7 (キ) ~長a 9カMPP
3 7イ(ク) 鼻ab&~長a イキ&I
3 7イ(ケ) ∃x(鼻xb&~長x) クEI
357 (コ) ∃x(鼻xb&~長x) アイケEE
1 57 (サ) ∃x(鼻xb&~長x) 23コEE
1 5 (シ) 兎b→∃x(鼻xb&~長x) 7サCP
1 5 (ス)∀y{兎y→∃x(鼻xy&~長x)} シUI
従って、
(13)により、
(14)
(ⅰ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}。然るに、
(ⅱ)∀y{兎y→~象y&∃x(鼻xy)}。従って、
(ⅲ)∀y{兎y→∃x(鼻xy&~長x)}。
といふ「三段論法(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならばxは長く、yが象でなくて、xが長ければxはyの鼻ではない}。然るに、
(ⅱ) すべてのyについて{yが兎であるならば、yは象ではなく、あるxはyの鼻である}。従って、
(ⅲ) すべてのyについて{yが兎であるならば、あるxはyの鼻であって、xは長くない}。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(14)により、
(15)
(ⅰ)鼻は象が長い。然るに、
(ⅱ)兎は象ではないが、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)兎の鼻は、長くない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
(16)
1 (1)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]} A
1 (2) T会の会員a→∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)] 1UE
3 (3) T会の会員a A
13 (4) ∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)] 34MPP
5 (5) 私b&理事長ba&∀z(理事長za→b=z) A
5 (6) 私b&理事長ba 5&E
5 (7) ∀z(理事長za→b=z) 5&E
5 (8) 理事長ca→b=c 7UE
9 (9) ∃z(小倉z&~私z) A
ア (ア) 小倉c&~私c A
ア (イ) 小倉c ア&E
ア (ウ) ~私c ア&E
エ(エ) b=c A
アエ(オ) ~私b ウエ=E
5 (カ) 私b 6&E
5 アエ(キ) ~私b&私b オカ&I
5 ア (ク) b≠c エキRAA
5 ア (ケ) ~理事長ca 8クMTT
5 ア (コ) 小倉c&~理事長ca イケ&I
5 ア (サ) ∃z(小倉z&~理事長za) コEI
59 (シ) ∃z(小倉z&~理事長za) 9アサEE
13 9 (ス) ∃z(小倉z&~理事長za) 45シEE
1 9 (セ) T会の会員a→∃z(小倉z&~理事長za) 3スCP
1 9 (シ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)} セUI
従って、
(16)により、
(17)
(ⅰ)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}
(ⅱ)∃z(小倉z&~私z)
(ⅲ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)}
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xがタゴール記念会の会員であるならば、あるyは[私であって、理事長であって、すべてのzについて(zがxの理事長であるならば、yとzは「同一人物」である)]。}
(ⅱ)あるzは(小倉氏であって、zは私ではない。)
(ⅲ)すべてのxについて{xがタゴール記念会の会員であるならば、あるzは(小倉氏であって、zはxの理事長ではない)。}
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(17)により、
(18)
(ⅰ)タゴール記念会は、私が理事長であって、理事長は私である。然るに、
(ⅱ)小倉氏は、私ではない。従って、
(ⅲ)タゴール記念会の理事長は、小倉氏ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
(01)
1 (1)∀x(象x→動物x) A
1 (2) 象a→動物a 1UE
3 (3)∃x(象x) A
4(4) 象a A
1 4(5) 動物a 24MPP
1 4(6) ∃x(動物x) 5EI
13 (7) ∃x(動物x) 346EE
1 (8)∃x(象x)→∃x(動物x) 37CP
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x(象x→動物x)
② ∃x(象x)→∃x(動物x)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。
②(象であるxが存在する)ならば(動物であるxが存在する)。
に於いて、
① ならば、② である。
従って、
(02)により、
(03)
① 象は動物である。
② 象がゐるならば、動物はゐる。
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(04)
1 (1)∃x(象x)→∃x(動物x) A
2 (2) 象a A
2 (3)∃x(象x) 2EI
12 (4) ∃x(動物x) 13MPP
12 (5) 動物a 4EE(はデタラメである。)
1 (6) 象a→動物a 25CP
1 (7)∀x(象x→動物x) 6UI
といふ「計算」は、「間違ひ」である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 象は動物である。
② 象がゐるならば、動物はゐる。
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① では、ない。
然るに、
(06)
② 象がゐるならば、動物はゐる。
といふ「命題」は、「常識」としては、「真」である。
然るに、
(07)
② 象がゐるならば、動物はゐる。
といふ「命題」は、「常識」としては、「真」である。
といふのは、「その実」、
①(象は動物である。従って、)象がゐるならば、動物はゐる。
②(象は動物でない。従って、)象がゐるならば、動物はゐる。
に於いて、
① は「妥当」であるが、
② は「妥当」ではない。
といふことに、他ならない。
然るに、
(08)
② ∃x(象x)→∃x(動物x)
といふ「命題」自体は、飽くまでも、
② 象がゐるならば、動物はゐる。
といふ「命題」に過ぎず、従って、
①(象は動物である。従って、)象がゐるならば、動物はゐる。
といふ「命題」でも、
②(象は動物でない。従って、)象がゐるならば、動物はゐる。
といふ「命題」でも、どちらでもない。
従って、
(01)~(08)により、
(09)
① ∀x(象x→動物x)
② ∃x(象x)→∃x(動物x)
に於いて、すなはち、
① 象は動物である。
② 象がゐるならば、動物はゐる。
に於いて、飽くまでも、「論理的」には、
① ならば、② であるが、
② ならば、① では、あり得ない。
従って、
(10)
「論理学の推論」とは異なり、「日常言語の推論」では、「様々な前提」が「省略」されてゐる。
といふ、ことになる。
従って、
(11)
コンピューター(AI)が、「人間と同じやうに」、「推論」を行ふためには、「人間の言語に於ける、言外の前提」を、
コンピューター(AI)が、「完璧に、把握してゐる必要」がある。
(12)
コンピューター(AI)が、「論理学」をマスターしたとしても、「言外の前提」に疎いのであれば、
コンピューター(AI)は、「どこまでも、おカバ」なままであるに、違ひない。
(01)
(ⅰ)
1 (1)∃x(Fx→Gx) A
2 (2) Fa→Ga A
3(3)∀x(Fx) A
3(4) Fa 3UE
23(5) Ga 24MPP
23(6) ∃x(Gx) 5EI
1 3(7) ∃x(Gx) 126EE
1 (8)∀x(Fx)→∃x(Gx) 37CP
(ⅱ)
1 (1) ∀x(Fx)→∃x(Gx) A
1 (2)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
3 (3)~∀x(Fx) A
3 (4)∃x(~Fx) 3量化子の関係
5 (5) ~Fa A
5 (6) ~Fa∨Ga 5∨I
3 (7) ~Fa∨Ga 356EE
8 (8) ∃x(Gx) A
9(9) Ga A
9(ア) ~Fa∨Ga 9∨I
8 (イ) ~Fa∨Ga 89アEE
1 (ウ) ~Fa∨Ga 2378イ∨E
1 (エ) Fa→Ga ウ含意の定義
1 (オ) ∃x(Fx→Gx) エEI
従って、
(01)により、
(02)
① ∃x(Fx→Gx)
② ∀x(Fx)→∃x(Gx)
に於いて、
①=② である。
(03)
(ⅱ)
1 (1) ∀x(Fx)→∃x(Gx) A
1 (2)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
3 (3)~∀x(Fx) A
3 (4)∃x(~Fx) 3量化子の関係
4 (5) ~Fa A
4 (6) ~Fa∨Ga 5∨I
3 (7) ~Fa∨Ga 456EE
8 (8) ∃x(Gx) A
9 (9) Ga A
9 (ア) ~Fa∨Ga 8∨I
8 (イ) ~Fa∨Ga 89アEE
1 (ウ) ~Fa∨Ga 2378イ∨E
エ (エ) ~Fa A
エ (オ)∃x(~Fx) エEI
エ (カ)∃x(~Fx)∨∃x(Gx) オ∨I
キ(キ) Ga A
キ(ク) ∃x(Gx) キEI
キ(ケ)∃x(~Fx)∨∃x(Gx) ク∨I
1 (コ)∃x(~Fx)∨∃x(Gx) ウエカキケ∨E
(ⅲ)
1 (1)∃x(~Fx)∨∃x(Gx) A
2 (2)∃x(~Fx) A
3 (3) ~Fa A
3 (4) ~Fa∨Ga 3∨I
2 (5) ~Fa∨Ga 234EE
6 (6) ∃x(Gx) A
7 (7) Ga A
7 (8) ~Fa∨Ga 7∨I
1 (9) ~Fa∨Ga 12578∨E
ア (ア) ~Fa A
ア (イ)∃x(~Fx) アEI
ア (ウ)~∀x(Fx) イ量化子の関係
ア (エ)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) ウ∨I
オ(オ) Ga A
オ(カ) ∃x(Gx) オEI
オ(キ)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) カEI
1 (ク)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) クアエオキ∨E
従って、
(03)により、
(04)
② ∀x( Fx)→∃x(Gx)
③ ∃x(~Fx)∨∃x(Gx)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(02)(04)により、
(05)
① ∃x( Fx→Gx)
② ∀x( Fx)→∃x(Gx)
③ ∃x(~Fx)∨∃x(Gx)
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
F=フランス人である。
G=寛大である。
として、
① フランス人であるならば、寛大であるxが存在する。
② すべてのxがフランス人であるならば、あるxは寛大である。
③ フランスではないxが存在するか、または、寛大なxが存在する。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(07)
③ フランス人ではないxが存在する。
といふ「命題」が、「真」であるならば、いふまでもなく、
③ フランスではないxが存在するか、または、寛大なxが存在する。
といふ「命題」は、「真」である。
然るに、
(08)
③ フランス人であるxは存在せずに、イギリス人であるxが、存在するならば、
③ フランス人ではないxが存在する。
従って、
(05)~(08)により、
(09)
「幾らかのフランス人は寛大である(Some Frenchmen are generous.」を、正しく、
① ∃x(Fx&Gx)と記号化するかわりに、むしろ、
① ∃x(Fx→Gx)とするのは、よくある間違い(common mistake)である。しかし、
① ∃x(Fx→Gx)は、
それがフランス人であるならば、寛大であるようなものが存在することを主張するのであって、
これは、かりにフランス人が存在しないとしても真であろう。しかるに、
「幾らかのフランス人は寛大である」は決してそうではない(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、124頁改)。
といふ、ことになる。
(01)
「幾らかのフランス人は寛大である」を、正しく、
∃x(Fx&Gx)と記号化するかわりに、むしろ、
∃x(Fx→Gx)とするのは、よくある間違いである。しかし、
∃x(Fx→Gx)は、
それがフランス人であるならば、寛大であるようなものが存在することを主張するのであって、
これは、かりにフランス人が存在しないとしても真であろう。しかるに、
「幾らかのフランス人は寛大である」は決してそうではない。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、124頁)
然るに、
(02)
(ⅰ)
1 (1) ∃x(Fx→Gx) A
2 (2) Fa→Ga A
3 (3) ~(~Fa∨Ga) A
4(4) ~Fa A
4(5) ~Fa∨Ga 4∨I
34(6) ~(~Fa∨Ga)&
(~Fa∨Ga) 35&I
3 (7) ~~Fa 46RAA
3 (8) Fa 7DN
23 (9) Ga 28MPP
23 (ア) ~Fa∨Ga 9∨I
23 (イ) ~(~Fa∨Ga)&
(~Fa∨Ga) 3ア&I
2 (ウ)~~(~Fa∨Ga) 3イRAA
2 (エ) ~Fa∨Ga ウDN
2 (オ)∃x(~Fx∨Gx) エEI
1 (カ)∃x(~Fx∨Gx) 12オEE
(ⅱ)
1 (1)∃x(~Fx∨Gx) A
2 (2) ~Fa∨Ga A
3 (3) Fa&~Ga A
4 (4) ~Fa A
3 (5) Fa 3&E
34 (6) ~Fa&Fa 45&I
4 (7) ~(Fa&~Ga) 36RAA
6 (8) Ga A
3 (9) ~Ga 3&E
3 6 (ア) Ga&~Ga 89&I
6 (イ) ~(Fa&~Ga) 3アRAA
2 (ウ) ~(Fa&~Ga) 2476イ∨E
エ (エ) Fa A
オ(オ) ~Ga A
エオ(カ) Fa&~Ga エオ&I
2 エオ(キ) ~(Fa&~Ga)&
(Fa&~Ga) ウカ&I
2 エ (ク) ~~Ga オキRAA
2 エ (ケ) Ga クDN
2 (コ) Fa→Ga エケCP
2 (サ) ∃x(Fx→Gx) コEI
1 (シ) ∃x(Fx→Gx) 12サEE
従って、
(02)により、
(03)
① ∃x( Fx→Gx)≡あるxについて(xがフランス人であるならば、xは寛大である)。
② ∃x(~Fx∨Gx)≡(フランス人でないxか、または、寛大なx)が存在する。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
② (フランス人でないxか、または、寛大なx)が存在する≡∃x(~Fx∨Gx)。
といふのであれば、確かに、
これは、かりにフランス人が存在しないとしても真であろう。
といふことは、「真」である。
然るに、
(05)
(ⅲ)
1 (1) ∃x(Fx)→∃x(Gx) A
2 (2) ~(~∃x(Fx)∨∃x(Gx)) A
3(3) ~∃x(Fx) A
3(4) ~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 3∨I
23(5) ~(~∃x(Fx)∨∃x(Gx))&
(~∃x(Fx)∨∃x(Gx)) 24&I
2 (6) ~~∃x(Fx) 35RAA
2 (7) ∃x(Fx) 6DN
12 (8) ∃x(Gx) 17MPP
12 (9) ~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 8∨I
12 (ア) ~(~∃x(Fx)∨∃x(Gx))&
(~∃x(Fx)∨∃x(Gx)) 29&I
1 (イ)~~(~∃x(Fx)∨∃x(Gx)) 2アRAA
1 (ウ) ~∃x(Fx)∨∃x(Gx) イDN
(ⅳ)
1 (1) ~∃x(Fx)∨ ∃x(Gx) A
2 (2) ∃x(Fx)&~∃x(Gx) A
3 (3) ~∃x(Fx) A
2 (4) ∃x(Fx) 2&E
23 (5) ~∃x(Fx)& ∃x(Fx) 34&I
3 (6)~(∃x(Fx)&~∃x(Gx)) 25RAA
7 (7) ∃x(Gx) A
2 (8) ~∃x(Gx) 2&E
2 7 (9) ∃x(Gx)&~∃x(Gx) 78&I
7 (ア)~(∃x(Fx)&~∃x(Gx)) 29RAA
1 (イ)~(∃x(Fx)&~∃x(Gx)) 1367ア∨E
ウ (ウ) ∃x(Fx) A
エ(エ) ~∃x(Gx) A
ウエ(オ) ∃x(Fx)&~∃x(Gx) ウエ&I
1 ウエ(カ)~(∃x(Fx)&~∃x(Gx))&
(∃x(Fx)&~∃x(Gx)) イオ&I
1 ウ (キ) ~~∃x(Gx) エカRAA
1 ウ (ク) ∃x(Gx) キDN
1 (ケ) ∃x(Fx)→ ∃x(Gx) ウクCP
従って、
(05)により、
(06)
③ ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡フランス人であるxが存在するならば、 寛大なxが存在する。
④ ~∃x(Fx)∨∃x(Gx)≡フランス人であるxは存在しないか、または、寛大なxが存在する。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(07)
④ フランス人であるxは存在しないか、または、寛大なxが存在する≡~∃x(Fx)∨∃x(Gx)。
といふのであれば、尚のこと、確実に、
これは、かりにフランス人が存在しないとしても真であろう。
といふことは、「真」である。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1 (1) ∃x(Fx→Gx) A
2 (2) Fa→Ga A
3 (3) ∃x(Fx) A
4(4) Fa A
2 4(5) Ga 24MPP
2 4(6) ∃x(Gx) 5EI
23 (7) ∃x(Gx) 346EE
2 (8) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 37CP
1 (9) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 128EE
(ⅲ)
1 (1) ∃x(Fx)→∃x(Gx) A
1 (2)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
3 (3)~∃x(Fx) A
3 (4)∀x(~Fx) 3量化子の関係
3 (5) ~Fa 4UE
3 (6) ~Fa∨Ga 5∨I
3 (7) Fa→Ga 6含意の定義
3 (8) ∃x(Fx→Gx) 7EI
9 (9) ∃x(Gx) A
ア(ア) Ga A
ア(イ) ~Fa∨Ga ア∨I
ア(ウ) Fa→Ga イ含意の定義
ア(エ) ∃x(Fx→Gx) ウEI
9 (オ) ∃x(Fx→Gx) 9アエEE
1 (カ) ∃x(Fx→Gx) 2389オ∨E
従って、
(08)により、
(09)
① ∃x(Fx→Gx) ≡あるxについて(xがフランス人であるならば、xは寛大である)。
③ ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡フランス人であるxが存在するならば、寛大なxが存在する。
に於いて、
①=③ である。
と、思ったのであるが、「よく見る」と、
(ⅰ)
1 (1) ∃x(Fx→Gx) A
2 (2) Fa→Ga A
3 (3) ∃x(Fx) A
4(4) Fa A
2 4(5) Ga 24MPP
2 4(6) ∃x(Gx) 5EI
23 (7) ∃x(Gx) 346EE
2 (8) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 37CP
1 (9) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 128EE
といふ「計算」の、
2 4(6) ∃x(Gx) 5EI
23 (7) ∃x(Gx) 346EE
の「部分」は、「マチガイ」である。
何となれば、
(10)
「説明」をするのは、「難しい」ものの、
(6)の行の「結論」は、
2 (2) Fa→Ga A
4(4) Fa A
に依存してゐて、この「2行」があるため、
(7)の行の「結論」は、E.J.レモンも、「他の計算」の際に述べてゐるやうに、「マチガイ」になる。
cf.
「E.J.レモン 著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、154頁」
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
① ∃x(Fx→Gx) ≡あるxについて(xがフランス人であるならば、xは寛大である)。
③ ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡フランス人であるxが存在するならば、寛大なxが存在する。
に於いて、
③ ならば、① ではあるが、
① ならば、③ ではない。
cf.
16.[∃x(Fx)→∃x(Gx)]⊃∃x(Fx→Gx)
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、139頁、13行目)
従って、
(12)
少なくとも、「述語論理」的には、
① あるxについて(xがフランス人であるならば、xは寛大である)。
③ フランス人であるxが存在するならば、寛大なxが存在する。
に於いて、
①=③ ではない。
といふことに、なるものの、このことは、「直観的」には、「不思議な感じ(somewhat surprising)」である。
然るに、
(13)
一階述語論理は、数学のほぼ全領域を形式化するのに十分な表現力を持っている。実際、現代の標準的な集合論の公理系 ZFC は一階述語論理を用いて形式化されており、数学の大部分はそのように形式化された ZFC の中で行うことができる。すなわち、数学の命題は一階述語論理の論理式によって記述することができ、そのように論理式で記述された数学の定理には ZFC の公理からの形式的証明 (formal proof) が存在する(ウィキペディア)。
従って、
(12)(13)により、
(14)
① あるxについて(xがフランス人であるならば、xは寛大である)。
③ フランス人であるxが存在するならば、寛大なxが存在する。
に於いて、
①=③ ではない。
といふことは、「日本語」としては、「不思議」ではあるものの、「数学的(?)」には、「真」である。
といふことに、なる。
(01)
{a、b、c}の3人がゐるとして、
(ⅰ)aはフランス人であって、
(ⅱ)bもフランス人であって、
(ⅲ)cもフランス人である。
か、または、
(ⅰ)aは学生であって、
(ⅱ)bも学生であって、
(ⅲ)cも学生である。
とするならば、
① すべての人(主語)は、フランス人である(述語)か、または、
① すべての人(主語)は、学生である(述語)。
といふ「命題」は、「真」である。
然るに、
(02)
① すべての人(主語)は、フランス人である(述語)か、または、
① すべての人(主語)は、学生である(述語)。
といふ「命題」が、「真」であるならば、
② すべての人(主語)は、フランス人であるか学生である(述語)。
といふ「命題」も、「真」である。
然るに、
(03)
(ⅰ)aはフランス人の教師であり、
(ⅱ)bはイギリス人の学生であり、
(ⅲ)cはフランス人の学生である。
といふのであれば、
② すべての人(主語)は、フランス人であるか、学生である(述語)。
といふ「命題」は、「真」ではあるが、
① すべての人(主語)は、フランス人である(述語)か、または、
① すべての人(主語)は、学生である(述語)。
といふ「命題」は、「真」ではない。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① すべての人(主語)は、フランス人である(述語)か、または、すべての人(主語)は、学生である(述語)。
② すべての人(主語)は、フランス人であるか学生である(述語)。
に於いて、
① ならば、② である。が、
② ならば、① ではない。
従って、
(04)により、
(05)
F=フランス人である。
G=学生である。
として、
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)
② ∀x(Fx∨Gx)
に於いて、
① ならば、② である。が、
② ならば、① ではない。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1 (1)∀x(Fx)∨∀x(Gx) A
2 (2)∀x(Fx) A
2 (3) Fa 1UE
2 (4) Fa∨Ga 3∨I
2 (5)∀x(Fx∨Gx) 2UI
6(6) ∀x(Gx) A
6(7) Ga 6UE
6(8) Fa∨Ga 7∨I
6(9) ∀x(Fx∨Gx) 8UI
1 (ア)∀x(Fx∨Gx) 12569∨E
(ⅱ)
1 (1)∀x(Fx∨Gx) A
1 (2) Fa∨Ga 1UE
3 (3) Fa A
3 (4)∀x(Fx) 3UI(は、マチガイ。∴ 以下も、マチガイ)
3 (5)∀x(Fx)∨∀x(Gx) 4∨I
6(6) Ga A
6(7) ∀x(Gx) 6UI
6(8)∀x(Fx)∨∀x(Gx) 7∨I
1 (9)∀x(Fx)∨∀x(Gx) 13568∨E
の、(ⅱ)に於いて、「正しい」のは、
1 (1)∀x(Fx∨Gx) A
1 (2) Fa∨Ga 1UE
といふ「2行」だけである。
すなはち、
(07)
かくして、
1 (1)∀x(Fx∨Gx) A
1 (2) Fa∨Ga 1UE
3 (3) Fa A
Fa∨Ga を(1)から結論し、そして第1の選言項 Fa を(3)の行に仮定する。
しかし、(3)は、a を含むが故に、∀x(Fx) を結論することをさしとめられる。
この段階が許されるとするならば、∀x(Fx)∨∀x(Gx) を、∨Iによって、結論し、つぎに Ga からも同じことを結論することができるであろう。そして、∨Eによって不妥当な連式が作り出されるであろう(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、156頁)。
といふ、ことに他ならない。
(01)
(1) (Fa&Fb&Fc)→(Ga∨Gb∨Gc) 仮定
(2)~(Fa&Fb&Fc)∨(Ga∨Gb∨Gc) 含意の定義
(3)(~Fa∨~Fb∨~Fc)∨(Ga∨Gb∨Gc) ド・モルガンの法則
(4) ~Fa∨~Fb∨~Fc∨Ga∨Gb∨Gc 結合法則
(5) ~Fa∨Ga∨~Fb∨Gb∨~Fc∨Gc 交換法則
(6)(~Fa∨Ga)∨(~Fb∨Gb)∨(~Fc∨Gc) 結合法則
(7) (Fa→Ga)∨(Fb→Gb)∨(Fc→Gc) 含意の定義
従って、
(01)により、
(02)
①(Fa&Fb&Fc)→(Ga∨Gb∨Gc)
②(Fa→Ga)∨(Fb→Gb)∨(Fc→Gc)
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
{a、b、c}が「変域(ドメイン)」であるとして、
① ∀x(Fx)→∃x(Gx)
② ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1 (1) ∀x(Fx)→∃x(Gx) A
1 (2)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
3 (3)~∀x(Fx) A
3 (4)∃x~(Fx) 3量化子の関係
5 (5) ~Fa A
5 (6) ~Fa∨Ga 5∨I
3 (7) ~Fa∨Ga 456EE
8 (8) ∃x(Gx) A
9(9) Ga A
9(ア) ~Fa∨Ga 9∨I
8 (イ) ~Fa∨Ga 89アEE
1 (ウ) ~Fa∨Ga 2378イ∨E
1 (エ) Fa→Ga ウ含意の定義
1 (オ) ∃x(Fx→Gx) エEI
(ⅱ)
1 (1) ∃x(Fx→Gx) A
2 (2) Fa→Ga A
3(3) ∀x(Fx) A
3(4) Fa 3UE
23(5) Ga 24MPP
23(6) ∃x(Gx) 5EI
1 3(7) ∃x(Gx) 126EE
1 (8) ∀x(Fx)→∃x(Gx) 37CP
従って、
(04)により、
(05)
果たして、「述語計算」の「結果」も、
① ∀x(Fx)→∃x(Gx)
② ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① ∀x(Fx)→∃x(Gx)
② ∃x(Fx→Gx)
に於いて、すなはち、
① すべてのxがFならば、あるxはGである。
② Fであるならば、Gである、xが存在する。
に於いて、
①=② である。
従って、
(06)により、
(07)
例へば、
① すべての人が日本人ならば、ある人はアジア人である。
② 日本人であるならば、アジア人である人が、存在する。
に於いて、
①=② である。
といふことは、少なくとも、「述語論理」として「真」である。
然るに、
(08)
① すべての人が日本人ならば、ある人はアジア人である。
② 日本人であるならば、アジア人である人が、存在する。
に於いて、
①=② である。
といふことは、「直観的」には、「不思議な感じ(somewhat surprising)」である。
従って、
(09)
「直観的には不思議」であるが、「真」である所の「命題」が存在する。