日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(842)∃x(~偶数x)→∀x(奇数x)├ ∀x(~偶数x→奇数x)

2021-03-18 21:24:05 | 論理

(01)
112 ∀x(Fx)∨∀x(Gx)├ ∀x(Fx∨Gx)
1  (1)∀x(Fx)∨∀x(Gx) A
 2 (2)∀x(Fx)        A
 2 (3)   Fa         1UE
 2 (4)   Fa∨Ga      3∨I
 2 (5)∀x(Fx∨Gx)     4UI
  6(6)       ∀x(Gx) A
  6(7)          Ga  6UE
  6(8)       Fa∨Ga  7∨I
  6(9)    ∀x(Fx∨Gx) 8UI
1  (ア)∀x(Fx∨Gx)     12569∨E
 ― 中略、―
逆の連式、∀x(Fx∨Gx)├ ∀x(Fx)∨∀x(Gx)は妥当ではない
 ― 中略、―、例へば、
「すべての正の整数は、偶数であるか、または、奇数である」が、 「すべての正の整数が偶数であるか、または、すべての正の整数が奇数である」というわけではない。
この場合には、
この連式、∀x(Fx∨Gx)├ ∀x(Fx)∨∀x(Gx)を証明しようとする自然な試みをさしとめるのは、UIに対する制限である。
1 (1)∀x(Fx∨Gx) A
1 (2)   Fa∨Ga  1UE
 3(3)   F     A
        Fa∨Gaを(1)から結論し、そして第1の選言項 Fa を(3)の行に仮定する。しかし(3)は を含む故、ここで、
     ∀x(Fx)を結論することをさしとめられる。この段階が許されるとするならば、
     ∀x(Fx)∨∀x(Gx)を ∨I によって結論し、つぎに Ga からも同じことを結論することができるであろう。
       そして ∨E によって不当な連式が作り出されるであろう。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、155・156頁)
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)
② ∀x(Fx∨Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
従って、
(02)により、
(03)
「二重否定律」により、
① ~~∀x(Fx)∨∀x(Gx)
② ∀x(~~Fx∨Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
従って、
(03)により、
(04)
「含意の定義」により、
① ~∀x(Fx)→∀x(Gx)
② ∀x(~Fx→Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
従って、
(04)により、
(05)
「量化子の関係」により、
① ∃x(~Fx)→∀x(Gx)
② ∀x(~Fx→Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
然るに、
(06)
(ⅰ)
1  (1) ∃x(~Fx)→∀x(Gx) A
1  (2)~∃x(~Fx)∨∀x(Gx) 1含意の定義
 3 (3)~∃x(~Fx)        A
 3 (4)∀x~(~Fx)        3量化子の関係
 3 (5)   ~~Fa         4UE
 3 (6)   ~~Fa∨Ga      5∨I
 3 (7)    ~Fa→Ga      6含意の定義
 3 (8) ∀x(~Fx→Gx)     7UI
  9(9)         ∀x(Gx) A
  9(ア)            Ga  9UE
  9(イ)       ~~Fa∨Ga  ア∨I
  9(ウ)        ~Fa→Ga  イ含意の定義
  9(エ)     ∀x(~Fx→Gx) ウUI
1  (オ) ∀x(~Fx→Gx)     2389エ∨E
従って、
(06)により、
(07)
① ∃x(~Fx)→∀x(Gx)
② ∀x(~Fx→Gx)
に於いて、果たして、
① ならば、② である。
然るに、
(08)
(ⅱ)
1  (1) ∀x(~Fx→Gx)     A
1  (2)    ~Fa→Ga      1UE
1  (3)   ~~Fa∨Ga      2含意の定義
 4 (4)   ~~F         A
 4 (5)∀x(~~Fx)        4UI(はマチガイである。)
 4 (6)~∃x(~Fx)        5量化子の関係
 4 (7)~∃x(~Fx)∨∀x(Gx) 6∨I
  8(8)        G      A
  8(9)     ∀x(Gx)     8UI(はマチガイである。)
  8(ア)~∃x(~Fx)∨∀x(Gx) 9∨I
1  (イ)~∃x(~Fx)∨∀x(Gx) 1478ア∨E
1  (ウ) ∃x(~Fx)→∀x(Gx) イ含意の定義
従って、
(08)により、
(09)
① ∃x(~Fx)→∀x(Gx)
② ∀x(~Fx→Gx)
に於いて、果たして、
② ならば、① ではない
従って、
(05)(07)(09)により、
(10)
① ∃x(~Fx)→∀x(Gx)
② ∀x(~Fx→Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
従って、
(01)~(10)により、
(11)
果たして、
(a)∀x( Fx)∨∀x(Gx)├ ∀x( Fx∨Gx)
(b)∃x(~Fx)→∀x(Gx)├ ∀x(~Fx→Gx)
に於いて、
(a)=(b) である。
従って、
(01)(11)により、
(12)
(a)∀x( Fx)∨∀x(Gx)≡すべての正の整数は偶数であるか、または、すべての正の整数が奇数である。
(b)∃x(~Fx)→∀x(Gx)≡ある正の数が偶数でないならば、     すべての正の整数は奇数である。
に於いて、
(a)=(b) であって、尚且つ、
(a)∀x( Fx∨Gx)≡すべての正の整数は、偶数であるか、または、奇数である。
(b)∀x(~Fx→Gx)≡すべての正の整数は、偶数でないならば、  奇数である。
に於いて、
(a)=(b) である。
然るに、
(13)
(a)∀x( Fx∨Gx)≡すべての正の整数は、偶数であるか、または、奇数である。
(b)∀x(~Fx→Gx)≡すべての正の整数は、偶数でないならば、  奇数である。
といふ「命題」は、「真(本当)」であるが、言ふ迄もなく
(a)∀x( Fx)∨∀x(Gx)≡すべての正の整数は偶数であるか、または、すべての正の整数が奇数である。
(b)∃x(~Fx)→∀x(Gx)≡ある正の数が偶数でないならば、     すべての正の整数は奇数である。
といふ「命題」は、「偽(ウソ)」である。