日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(838)「パースの法則」は、普通に「恒真式(トートロジー)」である。

2021-03-13 18:19:23 | 論理

(01)
1(1)P   仮定
 (2)P→P 11CP
といふ「計算」は、
P(1)の行で「P」  を「真」であると「仮定」したところ、
P(1)の行で「P」  が得られたので、
 (2)の行で「P→P」は「真」であるといふ「結論」を得た。
といふ「意味」である。
(02)
  1(1)P&Q   仮定
  1(2)P     1&E
   (3)P&Q→P 12CP
といふ「計算」は、
P&Q(1)の行で「P&Q」  を「真」であると「仮定」したところ、
P&Q(2)の行で「P」    が得られたので、
   (3)の行で「P&Q→P」は「真」であるといふ「結論」を得た。
といふ「意味」である。
(03)
   1   (1)  (P→Q)→P   仮定
    2  (2)  ~P∨Q      仮定
    2  (3)   P→Q      2含意の定義
   12  (4)        P   13MPP
   1   (5)  ~P∨Q→ P   24CP
   1   (6)~(~P∨Q)∨P   5含意の定義
     7 (7)~(~P∨Q)     A
     7 (8) (P&~Q)     7ド・モルガンの法則
     7 (9)  P         8&E
      ア(ア)        P   A
   1   (イ)  P         679アア∨E
       (ウ)((P→Q)→P)→P 1ウCP
といふ「計算」は、
(P→Q)→P(1)の行で「(P→Q)→P」    を「真」であると「仮定」したところ、 
(P→Q)→P(イ)の行で「P」          が得られたので、
       (ウ)の行で「((P→Q)→P)→P」は「真」あるといふ「結論」を得た。
といふ「意味」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
①├        P→P≡  PならばPである:同一律
②├      P&Q→P≡  PであってQであるならば、Pである:連言除去。
③├((P→Q)→P)→P≡((PならばQである)ならばPである)ならばPである。
といふ「3つの連式(Sequents)」は、3つとも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(05)
さて演繹定理ですがどのようなものかと言いますと、
 Γ,A├ B ⇔ Γ├ A→B
という命題です。
演繹定理 - 暇人の暇人による暇人のためのブログ)
従って、
(05)により、
(06)
 Γ,A├ B ⇔ Γ├ A→B
に於いて、
 Γ=空集合
 A=((P→Q)→P)→P
 B=P
であるとして、
(P→Q)→P)├ P ⇔ ├((P→Q)→P)→P
は、「演繹定理」である。
従って、
(03)(06)により、
(07)
   1   (1)  (P→Q)→P   仮定
    2  (2)  ~P∨Q      仮定
    2  (3)   P→Q      2含意の定義
   12  (4)        P   13MPP
   1   (5)  ~P∨Q→ P   24CP
   1   (6)~(~P∨Q)∨P   5含意の定義
     7 (7)~(~P∨Q)     A
     7 (8) (P&~Q)     7ド・モルガンの法則
     7 (9)  P         8&E
      ア(ア)        P   A
   1   (イ)  P         679アア∨E
       (ウ)((P→Q)→P)→P 1ウCP
といふ「証明」は、「演繹定理」による「証明」である。
然るに、
(08)
命題計算では、パースの法則は ((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる(ウィキペディア)。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
├((P→Q)→P)→P≡((PならばQである)ならばPである)ならばPである。
である所の「パースの法則」は、「演繹定理」によって「証明出来る
然るに、
(10)
パースの法則は直観論理や中間命題論理では成立せず、演繹定理だけからでは導くことができない(ウィキペディア)。
従って、
(09)(10)により、
(11)
├((P→Q)→P)→P≡((PならばQである)ならばPである)ならばPである。
である所の「パースの法則」が、演繹定理だけからでは導くことができないウィキペディア)。
といふのは、「マチガイ」であるに、違ひない


(837)「あるフランス人は寛大である。」の述語論理(Ⅴ)。

2021-03-13 11:04:19 | 論理

―「昨日(令和03年03月12日)の記事」を書き直します。―
(01)
① あるフランス人は寛大である。
② フランス人であって、尚且つ、寛大な人がゐる。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(02)
x=人
F=フランス人である。
G=寛大である。
として、
② フランス人であって、尚且つ、寛大な人がゐる。
③ ∃x(Fx&Gx)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① あるフランス人は寛大である。
② フランス人であって、尚且つ、寛大な人がゐる。
③ ∃x(Fx&Gx)
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(04)
③ ∃x(Fx&Gx)
④ ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
③=④ ではない
従って、
(03)(04)により、
(05)
① あるフランス人は寛大である。
④ ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
①=④ ではなく
従って、
(06)
「幾らかのフランス人は寛大である」を、正しく、
∃x(Fx&Gx)と記号化するかわりに、むしろ、
∃x(Fx→Gx)とするのは、よくある間違いである。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、124頁)
然るに、
(07)
① ∃x(Fx→Gx)    ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
といふ「3つの式」を比較すると、
② ならば、③ であるが、
③ ならば、② ではない
といふことは、「見ただけで、すぐに分かる」。
すなはち、
(08)
{a、b、c}といふ{3人}が、{変域(ドメイン)}であるならば、
(ⅱ)
1 (1)(Fa∨Fb∨Fc)→(Ga∨Gb∨Gc) A
 2(2)(Fa&Fb&Fc)            A
 2(3) Fa                   2UE
 2(4) Fa∨Fb                3∨I
 2(〃)(Fa∨Fb∨Fc)            4∨I
12(5)           (Ga∨Gb∨Gc) 15MPP
1 (6)(Fa&Fb&Fc)→(Ga∨Gb∨Gc) 26CP
(ⅲ)
1  (1)(Fa&Fb&Fc)→(Ga∨Gb∨Gc) A
 2 (2)(Fa∨Fb∨Fc)            A
  3(3) Fa                   A
  3(4) Fa&Fb                3#&I(は不可。)
  3(5) Fa&Fb&Fc             4#&I(は不可。)
 2 (6)(Fa&Fb&Fc)            23EE
12 (7)           (Ga∨Gb∨Gc) 16MPP
1  (8)(Fa∨Fb∨Fc)→(Ga∨Gb∨Gc) 27CP
であって、それ故、
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
② ならば、③ であるが、
③ ならば、② である。ではない
といふことは、固より、「当然」である。
然るに、
(09)
(ⅱ)
1 (1)∃x(Fx)→∃x(Gx) A
 2(2)∀x(Fx)        A
 2(3)   Fa         2UE
 2(4)∃x(Fx)        2EI
12(5)       ∃x(Gx) 12MPP
1 (6)∀x(Fx)→∃x(Gx) 25CP
(ⅲ)
1     (1) ∀x(Fx)→∃x(Gx) A
1     (2)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) 1UE
 3    (3)~∀x(Fx)        A
 3    (4)∃x~(Fx)        3含意の定義
     ()   ~F         A
  5   (6)   ~Fa∨Ga      5∨I
  5   (7)    Fa→Ga      5含意の定義
   8  (8) ∃x(Fx)        A
     ()    F         A
  5  (ア)       G      7MPP
    (イ)    ∃x(Gx)     アEI
  8  (ウ)    ∃x(Gx)     イEE(に於いて、は8に戻ったが、が残ったので、マチガイである。)
  5   (エ) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 8ウCP
 3    (オ) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 35エEE
     カ(カ)        ∃x(Gx) A
     カ(キ)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) ∨I
     カ(ク) ∃x(Fx)→∃x(Gx) キ含意の定義
1     (ケ) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 23オカク∨E
従って、
(08)(09)により、
(10)
「述語計算」の「結果」も、果たして、
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
② ならば、③ であるが、
③ ならば、② である。ではない
然るに、
(11)
(ⅰ)
1  (1)    ∃x(Fx→Gx) A
 2 (2)       Fa→Ga  A
  3(3)    ∀x(Fx)    A
  3(4)       Fa     3UE
 23(5)          Ga  24MPP
 23(6)       ∃x(Gx) 5EI
1 3(7)       ∃x(Gx) 126EE
1  (8)∀x(Fx)→∃x(Gx) 37CP
(ⅲ)
1    (1) ∀x(Fx)→∃x(Gx) A
1    (2)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
 3   (3)~∀x(Fx)        A
 3   (4)∃x~(Fx)        3量化子の関係
  5  (5)   ~Fa         A
  5  (6)   ~Fa∨Ga      5∨I
  5  (7)    Fa→Ga      6含意の定義
  5  (8) ∃x(Fx→Gx)     7EI
 3   (9) ∃x(Fx→Gx)     458EE
   ア (ア)        ∃x(Gx) A
    イ(イ)           Ga  A
    イ(ウ)       ~Fa∨Ga  イ∨I
    イ(エ)        Fa→Ga  ウ含意の定義
    イ(オ)     ∃x(Fx→Gx) エEI
1    (カ) ∃x(Fx→Gx)     239イオ∨E
従って、
(11)により、
(12)
① ∃x(Fx→Gx)    ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
①=③ である。
従って、
(10)(12)により、br> (13)
① ∃x(Fx→Gx)    ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
② ならば、③ であるが、
③ ならば、② ではなく、尚且つ、
①=③ である。
従って、
(13)により、
(14)
① ∃x(Fx→Gx)    ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
① ならば、② ではないが、
② ならば、① である。
然るに、
(15)
(ⅰ)
1   (1) ∃x(Fx→Gx)     A
   (2)    F→G      A
  3 (3) ∃x(Fx)        A
   )    F         A
 2 4(5)       Ga      24MPP
 2 4(6)    ∃x(Gx)     5EI
 3 (7)    ∃x(Gx)     6EE(に於いて、は3に戻ったが、が残ったので、マチガイである。)
 2  (8) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 37CP
1   (9) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 128EE
(ⅱ)
1   (1) ∃x(Fx)→∃x(Gx) A
1   (2)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
 3  (3)~∃x(Fx)        A
 3  (4)∀x(~Fx)        3量化子の関係
 3  (5)   ~Fa         4UE
 3  (6)   ~Fa∨Ga      5∨I
 3  (7)    Fa→Ga      6含意の定義
 3  (8) ∃x(Fx→Gx)     7EI
  9 (9)        ∃x(Gx) A
   ア(ア)           Ga  A
   ア(イ)       ~Fa∨Ga  ア∨I
   ア(ウ)        Fa→Ga  イ含意の定義
   ア(エ)     ∃x(Fx→Gx) ウEI
  9 (オ)     ∃x(Fx→Gx) 9アエEE
1   (カ) ∃x(Fx→Gx)     2389オ∨E
従って、
(15)により、
(16)
「述語計算」の「結果」としても、
① ∃x(Fx→Gx)    ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
① ならば、② ではないが、
② ならば、① である。
従って、
(10)(12)(16)により、
(17)
① ∃x(Fx→Gx)    ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
①=③ であって、
尚且つ、
② ならば、③ であるが、
③ ならば、② ではない
が故に、
② ならば、① であるが、
① ならば、② ではない
従って、
(17)により、
(18)
① ∃x(Fx→Gx)    ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
①=② ではないし、
②=③ ではないが、
①=③ である。
然るに、
(19)
① ∃x(Fx→Gx)    ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
①=② ではない
といふことは、「直観的」には、「不思議な感じ(somewhat surprising)」である。
然るに、
(20)
固より、
∃x(Fx)≡  あるxはFである。
∀x(Fx)すべてのxはFである。
に於いて、
②=③ でないことは、「当然」であるため、
∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
に於いて、
②=③ ではない
といふことは、「当然」である。
従って、
(21)
① ∃x(Fx→Gx)    ≡(FであるならばGである所の、そのやうなx)が存在する。
② ∃x(Fx)→∃x(Gx)≡(Fである所のxが)存在するならば(Gである所のxが)存在する。
③ ∀x(Fx)→∃x(Gx)≡すべてのxついて(xがFである)ならば(Gである所のxが)存在する。
といふ「論理式」に於いて、「述語論理」は、「不思議」でもあり、「当然」でもある。
といふ、ことになる。