日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(850)「UIに対する制限(eigenvariable 条件)」の「例外」。

2021-03-25 14:14:12 | 論理

(01)
12.∀x(Fx∨Gx)├ ∀x(Fx)∨∃x(Gx)
(沢田允、現代論理学入門、1962年、139頁)
従って、
(01)により、
(02)
沢田允先生が書いてゐることが、「本当」であるならば、
① ∀x(Fx∨Gx)
② ∀x(Fx)∨∃x(Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
然るに、
(03)
(ⅰ)
1  (1)∀x(Fx∨Gx)     A
1  (2)   Fa∨Ga      1UE
 3 (3)   F         A(2の選言項・左)
 3 (4)∀x(Fx)        3UI(は、マチガイ?)
 3 (5)∀x(Fx)∨∃x(Gx) 4∨I
  6(6)          G  A(2の選言項・右)
  6(7)       ∃x(Gx) 6EI(であって、UIではないので、正しい。)
  6(8)∀x(Fx)∨∃x(Gx) 7∨I
1  (9)∀x(Fx)∨∃x(Gx) 23568∨E
(ⅱ)
1   (1)∀x(Fx)∨∃x(Gx) A
 2  (2)∀x(Fx)        A
 2  (3)   Fa         2UE
 2  (4)   Fa∨Ga      3∨I
 2  (5)∀x(Fx∨Gx)     4UI
  6 (6)       ∃x(Gx) A
   7(7)          G  A
   7(8)       F∨G  7∨I
   7(9)    ∀x(Fx∨Gx) 8UI(は、完全なマチガイ。)
1   (ア)∀x(Fx∨Gx)     12579∨E
従って、
(03)により、
(04)
1  (9)∀x(Fx)∨∃x(Gx) 23568∨E
といふ「∨Eによる結論」を得る際の、
 3 (3)   Fa         A(2の選言項・左)
 3 (4)∀x(Fx)        3UI(は、マチガイ?)
といふ、「(2度ではなく)1度だけ」の「UI」であっても、「eigenvariable 条件」を「満たしてゐない」するならば、
沢田允先生が書いてゐることは、「本当」ではなく
① ∀x(Fx∨Gx)
② ∀x(Fx)∨∃x(Gx)
に於いて、
① ならば、② ではないし、
② ならば、① でもない。
といふことに、ならざるを得ない。
然るに、
(05)
{すべてのx}={a,b,c}
であるとして、
② Ga
が「真」であるならば、それだけで、
② ∃x(Gx)≡Ga∨Gb∨Gc
は、「真」である。
然るに、
(06)
② ∃x(Gx)
が「真」であるならば、それだけで、
② ∀x(Fx)∨∃x(Gx)
は、「真」である。
然るに、
(07)
① Ga
が「真」であるとしても、その上、
① Gb&Gc
が「真」であることによって、
① Ga&Gb&Gc
が「真」であるか、または、
① Fa&Fb&Fc
が「真」でなければ、
① ∀x(Fx∨Gx)
は、「真」であるとは、限りない
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
沢田允先生が書いてゐる通り、確かに、
① ∀x(Fx∨Gx)
② ∀x(Fx)∨∃x(Gx)
に於いて、
② ならば、① ではない
といふことは、「正しい」。
然るに、
 ― 以下の説明は、述語論理に慣れてゐない方にとっては、いくぶん、ややこしくなります。―
(09)
① ∀x(Fx∨Gx)
が「真」であるとして、
① Fa&Fb&Fc
が「真」であれば、
① ∀x(Fx∨Gx)
に加へて、
② ∀x(Fx)
は「真」であり、
② ∀x(Fx)
が「真」であれば、
② ∀x(Fx)∨∃x(Gx)
は「真」である。
(10)
① ∀x(Fx∨Gx)
が「真」であるとして、
① Fa&Fb
が「真」であれば、
① Gc
が「真」になり、このとき、
① ∀x(Fx∨Gx)
に加へて、
② ∃x(Gx)
は「真」であり、
② ∃x(Gx)
が「真」であるならば、
② ∀x(Fx)∨∃x(Gx)
は「真」である。
(11)
① ∀x(Fx∨Gx)
が「真」であるとして、
① Fa
が「真」であれば、
① Gb&Gc
が「真」になり、このとき、
① ∀x(Fx∨Gx)
に加へて、
② ∃x(Gx)
は「真」であり、
② ∃x(Gx)
が「真」であるならば、
② ∀x(Fx)∨∃x(Gx)
は「真」である。
(12)
① ∀x(Fx∨Gx)
が「真」であるとして、
① F#
が「3つ」とも「偽」であれば、
① Fa&Fb&Fc
は「偽」であるとしても、
① Ga&Gb&Gc
が「真」になり、このとき、
① ∀x(Fx∨Gx)
に加へて、
② ∃x(Gx)
は「真」であり、
② ∃x(Gx)
が「真」であるならば、
② ∀x(Fx)∨∃x(Gx)
は「真」である。
然るに、
(13)
① ∀x(Fx∨Gx)
が「真」であるとして、
① Ga&Gb&Gc
が「真」であれば、
① ∀x(Fx∨Gx)
に加へて、
② ∃x(Gx)
は「真」であり、
② ∃x(Fx)
が「真」であれば、
② ∀x(Fx)∨∃x(Gx)
は「真」である。
(14)
① ∀x(Fx∨Gx)
が「真」であるとして、
① Ga&Gb
が「真」であれば、
① ∀x(Fx∨Gx)
に加へて、
② ∃x(Gx)
は「真」であり、
② ∃x(Fx)
が「真」であれば、
② ∀x(Fx)∨∃x(Gx)
は「真」である。
(15)
① ∀x(Fx∨Gx)
が「真」であるとして、
① Ga
が「真」であれば、
① ∀x(Fx∨Gx)
に加へて、
② ∃x(Gx)
は「真」であり、
② ∃x(Fx)
が「真」であれば、
② ∀x(Fx)∨∃x(Gx)
は「真」である。
(16)
① ∀x(Fx∨Gx)
が「真」であるとして、
① G#
が「3つ」とも「偽」であれば、
① Ga&Gb&Gc
は「偽」であるとしても、
① Fa&Fb&Fc
が「真」になり、このとき、
① ∀x(Fx∨Gx)
に加へて、
② ∀x(Fx)
は「真」であり、
② ∀x(Fx)
が「真」であるならば、
② ∀x(Fx)∨∃x(Gx)
は「真」である。
従って、
(05)(09)~(16)により、
(17)
{すべてのx}={a,b,c}
であるとして、沢田允先生が書いてゐる通り、確かに、
① ∀x(Fx∨Gx)
② ∀x(Fx)∨∃x(Gx)
に於いて、
① ならば、② である。
といふことは、「正しい」。
従って、
(01)(08)(17)により、
(18)
沢田允先生が書いてゐる通り、確かに、
① ∀x(Fx∨Gx)
② ∀x(Fx)∨∃x(Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
従って、
(18)により、
(19)
(ⅰ)
1  (1)∀x(Fx∨Gx)     A
1  (2)   Fa∨Ga      1UE
 3 (3)   Fa         A(2の選言項・左)
 3 (4)∀x(Fx)        3UI(は、1回目であるため、マチガイではない。)
 3 (5)∀x(Fx)∨∃x(Gx) 4∨I
  6(6)          Ga  A(2の選言項・右)
  6(7)       ∃x(Gx) 6EI(であって、UIではないので、正しい。)
  6(8)∀x(Fx)∨∃x(Gx) 7∨I
1  (9)∀x(Fx)∨∃x(Gx) 23568∨E
といふ「計算」は、「正しい」と、せざるを得ない。