日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(851)122 ∃x∀y(Fxy)├ ∀y∃x(Fxy)

2021-03-26 17:23:39 | 論理

(01)
122 ∃x∀y(Fxy) ∀y∃x(Fxy)
1 (1)∃x∀y(Fxy) A
 2(2)  ∀y(Fay) A
 2(3)     Fab  1UE
 2(4)  ∃x(Fxb) 3EI
 2(5)∀y∃x(Fxy) 4UI
1 (6)∀y∃x(Fxy) 125EE
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、165頁)
従って、
(01)により、
(02)
① ∃x∀y(Fxy)
② ∀y∃x(Fxy)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
然るに、
(03)
{xとy}は{人間}であって、
{人間}は、{a、b、c}の{3人}であるとする。
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)愛aa≡aはa自身を愛す。
(ⅱ)愛ab≡aはb  を愛す。
(ⅲ)愛ac≡aはc  を愛す。
とするならば、
① ある人()は、すべての人(a、b、c)を愛す。
然るに、
(05)
(ⅰ)愛aa≡aはa自身を愛す。
(ⅱ)愛ab≡aはb  を愛す。
(ⅲ)愛ac≡aはc  を愛す。
とするならば、
(ⅰ)aは、a自身によって、愛され、
(ⅱ)bは、aによって、  愛され、
(ⅲ)cは、aによって、  愛される。
然るに、
(06)
(ⅰ)aは、a自身によって、愛され、
(ⅱ)bは、aによって、  愛され、
(ⅲ)cは、aによって、  愛される。
といふのであれば、
② すべての人(a、b、c)は、ある人()に愛される。
従って、
(03)~(06)により、
(07)
① ある人()は、すべての人(a、b、c)を愛す。
すべての人(a、b、c)は、ある人()に愛される。
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(08)
(ⅰ)愛ca≡cが、aを愛し、
(ⅱ)愛bb≡bが、bを愛し、
(ⅲ)愛ac≡aが、cを愛す。
といふのであれば、
すべての人(a、b、c)は、別々の、ある人(c、b、a)に愛される。
といふことになるものの、この場合は、
① ある人(a)は、 ある人(だけを愛し、
② ある人(b)は、自分自身(だけを愛し、
③ ある人(c)は、 ある人(だけを愛す。
といふことに、過ぎない
従って、
(07)(08)により、
(09)
① ∃x∀y(愛xy)≡ある人はすべての人を愛す。
② ∀y∃x(愛xy)≡すべての人はある人に愛される。
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
従って、
(01)(02)(09)
(10)
① ∃x∀y(Fxy)
② ∀y∃x(Fxy)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
然るに、
(11)
{a,b,c}が{変域}であるとして、
1(1)∀x(Fx) A
1(2)   F  1UE
1(3)∃x(Fx) 2EI
といふ「計算」は、
1(1)Fa&Fb&Fc A
1(2)Fa       1&E
1(3)Fa∨Fb    2∨I
1(4)Fa∨Fb∨Fc 3∨I
といふ「計算」と「同じ」であって、この「計算」は、「正しい」。
然るに、
(12)
{a,b,c}が{変域}であるとして、
1 (1)∃x(Fx) A
 2(2)   F  A
 2(3)∀x(Fx) 2UI
1 (4)∀x(Fx) 123EE
といふ「計算」は、
1 (1)Fa∨Fb∨Fc A
 2(2)F       A
 2(3)Fa&Fb    2#&I (はデタラメである。)
 2(4)Fa&Fb&Fc 3#&I (はデタラメである。)
1 (5)Fa&Fb&Fc 124EE(はマチガイである。)
といふ「計算」と「同じ」であって、この「計算」は、「マチガイ」である。
(13)
(ⅰ)すべてのx∀x)がFであるならば、 あるx∃x)はFであるが、
(ⅱ)あるx∃x)がFであるとしても、すべてのx∀x)はFである。といふわけではない。
といふことから、
1 (1)∃x(Fx) A
 2(2)   F  A
 2(3)∀x(Fx) 2UI
1 (4)∀x(Fx) 123EE
といふ「計算」は、「マチガイ」であるものの、
1 (1)∀y∃x(Fxy) A
1 (2)  ∃x(Fxa) 1UE
 3(3)     Fb  A
 3(4)  ∀y(Fby) 3UI?
 3(5)∃x∀y(Fxy) 4EI
1 (6)∃x∀y(Fxy) 235EE
といふ「計算」も、
1 (2)  ∃x(Fxa) 1UE
 3(3)     Fb  A
 3(4)  ∀y(Fby) 3UI
に於いて、「同じマチガイ」を犯してゐる。
すなはち、
(14)
1 (1)∀y∃x(Fxy) A
1 (2)  ∃x(Fxa) 1UE
 (3)     Fb  A
 )  ∀y(Fby) UI
 3(5)∃x∀y(Fxy) 4EI
1 (6)∃x∀y(Fxy) 235EE
に於ける、ただひとつの誤った段階は()のそれである。―()は「」を含み、その結果UI制限eigenvariable 条件)が破られる点に誤りがある。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、165頁改)
従って、
(01)(09)(14)により、
(15)
① ∃x∀y(愛xy)≡ある人はすべての人を愛す。
② ∀y∃x(愛xy)≡すべての人はある人に愛される。
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
といふ、ことになる。