日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(552)「括弧」と「返り点」(Ⅷ)―「括弧」の読み方―。

2020-03-13 20:05:46 | 「漢文訓読」と「括弧」。

―「先ほど(令和02年03月13日)」の「記事」を補足します。―
(01)
① 1N23EA645978DBCMHFGILJK。
は、「23個の、1桁の24進数」である。
従って、
(02)
「右辺を10進数」とすると、
1= 1
5= 5
A=10
F=15
J=20
N=23
である。
然るに、
(03)
① 1N{2E[A〔5(34)8(67)9〕D(BC)]M〔H(FG)K(IJ)L〕}。
に於いて、
N{ }⇒{ }N
E[ ]⇒[ ]E
A〔 〕⇒〔 〕A
5( )⇒( )5
8( )⇒( )8
D( )⇒( )D
M〔 〕⇒〔 〕M
H( )⇒( )H
K( )⇒( )K
といふ「移動」を行ふと、
① 1{2[〔(34)5(67)89〕A(BC)D]E〔(FG)H(IJ)KL〕M}N=
① 1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C<D<E<F<G<H<I<J<K<L<M<N。
といふ「並び替へ(ソート)」を、行ふことになる。
然るに、
(03)により、
(04)
N{ }⇒{ }N
E[ ]⇒[ ]E
A〔 〕⇒〔 〕A
5( )⇒( )5
8( )⇒( )8
D( )⇒( )D
M〔 〕⇒〔 〕M
H( )⇒( )H
K( )⇒( )K
といふ「移動」を行ふと、・・・・・。
といふことは、「N、E、A、5、8、D、M、H、K」以外の「数字」は、そのまま、「からの順」で読む。
といふことである。
従って、
(04)により、
(05)
① 1N{2E[A〔5(34)8(67)9〕D(BC)]M〔H(FG)K(IJ)L〕}。
に於いて、
① 1  2      34   67 9   BC      FG   IJ L
に関しては、そのまま、「からの順」で読む。
従って、
(05)により、
(06)
返読」の「対象」ではない「数字」を、#で表すと、
① #N{#E[A〔5(##)8(##)9〕D(##)]M〔H(##)K(##)#〕}。
に於いて、
① #  #      ##   ## #   ##      ##   ## #
に関しては、そのまま、「左から右の順」で読む。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
返読」の「対象」である「数字」を□で表すとすると、
① #□{#□[□〔□(##)□(##)#〕□(##)]□〔□(##)□(##)#〕}。
といふ、ことになる。
従って、
(03)(07)により、
(08)
① #□{#□[□〔□(##)□(##)#〕□(##)]□〔□(##)□(##)#〕}。
に於いて、
□{ }⇒{ }□
□[ ]⇒[ ]□
□〔 〕⇒〔 〕□
□( )⇒( )□
□( )⇒( )□
□( )⇒( )□
□〔 〕⇒〔 〕□
□( )⇒( )□
□( )⇒( )□
といふ「移動」を行ふと、
① #{#[〔(##)□(##)□#〕□(##)□]□〔(##)□(##)□#〕□}□=
① 1{2[〔(34)5(67)89〕A(BC)D]E〔(FG)H(IJ)KL〕M}N=
① 1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C<D<E<F<G<H<I<J<K<L<M<N。
といふ「並び替へ(ソート)」が、完成する。
然るに、
(07)(08)により、
(09)
① #□{#□[□〔□(##)□(##)#〕□(##)]□〔□(##)□(##)#〕}。
に於ける、
①  □{ □[□〔□(  )□(  ) 〕□(  )]□〔□(  )□(  ) 〕}
に於いて、
① 9個の□
といふのは、
①「括弧」の「直前」の□ である。
従って、
(03)~(09)により、
(10)
① #□{#□[□〔□(##)□(##)#〕□(##)]□〔□(##)□(##)#〕}。
に於いて、
(ⅰ)「原則」として「からへ」読む。ただし、
(ⅱ)「括弧」の「直前」の□ に関しては、各々の、「直後括弧全ての数字」を、「読み終へた直後」に読む。
とするならば、
① #{#[〔(##)□(##)□#〕□(##)□]□〔(##)□(##)□#〕□}□=
① 1{2[〔(34)5(67)89〕A(BC)D]E〔(FG)H(IJ)KL〕M}N=
① 1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C<D<E<F<G<H<I<J<K<L<M<N。
といふ「並び替へ(ソート)」が、完成する。
従って、
(10)により、
(11)
② 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(銭財)以済(医薬)}。
に於いて、
②「原則」として「左から右へ」読むものの、ただし、
② 使 は、{ }の中を「読み終へた直後」に読む。
② 不 は、[ ]の中を「読み終へた直後」に読む。
② 以 は、〔 〕の中を「読み終へた直後」に読む。
② 畜 は、( )の中を「読み終へた直後」に読む。
② 憂 も、( )の中を「読み終へた直後」に読む。
② 乱 も、( )の中を「読み終へた直後」に読む。
② 有 も、( )の中を「読み終へた直後」に読む。
② 済 も、( )の中を「読み終へた直後」に読む。ならば、
② {籍をして誠に[〔(妻子を)畜ひ(飢寒を)憂ふるを〕以て(心を)乱さ]ず(銭財)有りて以て(医薬を)済さ}使む。
といふ「語順」で、「読む」ことになる。
従って、
(10)(11)により、
(12)
③ 所謂致(知)在〔格(物)〕者、言[欲〔致(吾之知)〕在〔即(物)而窮(其理)〕]。
に於いて、
③「原則」として「左から右へ」読むものの、ただし、
③ 致 は、( )の中を「読み終へた直後」に読む。
③ 在 は、〔 〕の中を「読み終へた直後」に読む。
③ 格 は、( )の中を「読み終へた直後」に読む。
③ 言 は、[ ]の中を「読み終へた直後」に読む。
③ 欲 は、〔 〕の中を「読み終へた直後」に読む。
③ 致 は、( )の中を「読み終へた直後」に読む。
③ 在 は、〔 〕の中を「読み終へた直後」に読む。
③ 即 は、( )の中を「読み終へた直後」に読む。
③ 窮  も、( )の中を「読み終へた直後」に読む。ならば、
③ 所謂(知を)致すは〔(物に)格るに〕在りとは、[〔(吾の知を)致さんと〕欲すれば〔(物に)即きて(其の理を)窮むるに〕在る]言ふ。
といふ「語順」で、「読む」ことになる。
(13)
④ 君子不{以[其所‐以〔養(人)〕者]害(人)}。
に於いて、
④「原則」として「左から右へ」読むものの、ただし、
④   不 は、{ }の中を「読み終へた直後」に読む。
④     以 は、[ ]の中を「読み終へた直後」に読む。
④ 所‐以 は、〔 〕の中を「読み終へた直後」に読む。
④     養 は、( )の中を「読み終へた直後」に読む。
④   害 も、( )の中を「読み終へた直後」に読む。ならば、
④ 君子は{[其の〔(人を)養ふ〕所‐以の者を]以て(人を)害せ}ず。
といふ「語順」で、「読む」ことになる。
(14)
⑤ 不〔常読(英文)〕。
に於いて、
⑤「原則」として「左から右へ」読むものの、ただし、
⑤ 不 は、〔 〕の中を「読み終へた直後」に読む。
⑤ 読 は、( )の中を「読み終へた直後」に読む。ならば、
⑤ 〔常には(英文を)読ま〕ず。
といふ「語順」で、「読む」ことになる。
然るに、
(15)
繰り返し、書いて来た通り、
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(11)~(15)により、
(16)
例へば、
④ 君子不{以[其所‐以〔養(人)〕者]害(人)}。
といふ「漢文」を、
④ 君子は{[其の〔(人を)養ふ〕所‐以の者を]以て(人を)害せ}ず。
といふ「語順」で読んでも、
④{ [ 〔 ( ) 〕 ]( ) }
④{ [ 〔 ( ) 〕 ]( ) }
といふ「補足構造」は、「不変」である。
然るに、
(17)
④ 君子不以其所以養人者害人。
といふ「漢文」を、仮に、
④ 人を養ふ手段である土地のために争って、人を傷つけるやうなことを、君子はしない。
と訳すのであれば、
④ 君子不以其所以養人者害人。
といふ「漢文の補足構造」は、「不変」ではない。
従って、
(16)(17)により、
(18)
④ 君子不以其所以養人者害人。
といふ「漢文」を、
④ 君子は{[其の〔(人を)養ふ〕所‐以の者を]以て(人を)害せ}ず。
といふ風に、「訳す」ことと、
④ 人を養ふ手段である土地のために争って、人を傷つけるやうなことを、君子はしない。
といふ風に、「訳す」ことは、「同じ」ではない
然るに、
(19)
予嘗為(蒙生)定(学問之方法)、先為(崎陽之学)、教以(俗語)、誦以(華音)、訳以(此方俚語)、絶不〔作(和訓廻環之読)〕、始以(零細者)、二字三字為(句)、後使[読〔成(書)者〕]}、崎陽之学既成、乃始得〔為(中華人)〕、而後稍稍読(経子史集四部書)、勢如(破竹)、是最上乗也 ⇒
予嘗(蒙生)為(学問之方法)定、先(崎陽之学)為、教(俗語)以、誦(華音)以、訳(此方俚語)以、絶〔(和訓廻環之読〕作〕不、始(零細者)以、二字三字(句)為、後[〔(書)成者〕読]使、崎陽之学既成、乃始〔(中華人)為〕得、而後稍稍(経子史集四部書)読、勢(破竹)如、是最上乗也 =
予嘗て(蒙生の)為に(学問の方法を)定め、先ず(崎陽の学を)為し、教ふるに(俗語を)以てし、誦ずるに(華音を)以てし、訳するに(此の方の俚語を)以てし、絶へて〔(和訓廻環の読みを〕作さ〕ず、始めは(零細なる者を)以て、二字三字(句と)為し、後に[〔(書を)成す者を〕読ま]使めば、崎陽の学既に成り、乃ち始めて〔(中華の人)為る〕得、而る後に稍稍(経子史集四部書を)読まば、勢ひ(破竹の)如く、是れ最上の乗なり。
(荻生徂徠、訳文筌蹄)
従って、
(18)(19)により、
(20)
荻生徂徠先生は、
④ 君子不以其所以養人者害人。
といふ「漢文」を、
④ Jūnzǐ bù yǐ qí suǒyǐ yǎng rén zhě hài rén.
といふ風に、読んで、
④ 人を養ふ手段である土地のために争って、人を傷つけるやうなことを、君子はしない。
といふ風に、「訳」してゐたのかも、知れない。
然るに、
(21)
音読」がそれ程、「大切」であるならば、「日本漢字音」で、「音読」すれば、良いだけであって、因みに、私自身は、例へば、
「旺文社、漢文の基礎、1973年、31頁、35頁、39頁、43頁」にある、「矛盾(韓非子)、守株(韓非子)、借虎威(戦国策)、塞翁が馬(淮南子)」を、「日本漢字音」で、「暗唱」出来る。
従って、
(17)~(21)により、
(22)
私自身は、荻生徂徠先生に、「漢文」を習ひたいとは、少しも思はない


(551)「括弧」と「返り点」(Ⅶ)。

2020-03-13 12:18:09 | 「漢文訓読」と「括弧」。

―「昨日(令和02年03月12日)」の「記事」を補足します。―
(01)
コウ盍 なんゾ・・・ざル、ナンゾ
再読文字 ]なんゾ・・・ざル《副詞+助動詞》《「」は「何不」の二字の合字》
(天野成之、漢文基本語辞典、1999年、130頁)
従って、
(01)により、
(02)
①  学=(副詞)+(否定)+学(動詞)。
何不 学=(副詞)+(否定)+学(動詞)。
に於いて、
①=② である。
(03)
(2)「未」は「いまダ~ズ」とよみ、「まだ~しない」の意で、「尙不」と同じである。
(中澤希男・澁谷玲子、漢文訓読の基礎、1985年、90頁)
従って、
(03)により、
(04)
①  学=(副詞)+不(否定)+学(動詞)。
尙不 学=(副詞)+不(否定)+学(動詞)。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
never 意味と語源
【英語】絶対にない。決してない。今までにない。
◉ 語源解説
古期英語 ne(否定)+aefre([ever] 今まで
(never 意味と語源 – 語源英和辞典)
従って、
(05)により、
(06)
① never 学=今まで(副詞)+不(否定)+学(動詞)。
②  尙不 学=今まで(副詞)+不(否定)+学(動詞)。
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)~(06)により、
(07)
再読文字」は、固より、「字」ではなく、「字」であるため、
「漢文訓読」であっても、「文字」を、「度読む」ことはない
然るに、
(08)
① 一レ
に対して、
② 二レ
といふ「返り点」があるとすると、
② 二レ 一
でなければ、ならない。
然るに、
(09)
② 二レ 一
であるならば、例へば、
② 読二レ漢文
である。
然るに、
(10)
② 読二レ漢文
であるならば、
② レ で返って、「読」を読み、その後で、もう一度
② 一 で返って、「読」を読むことになる。
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
② 読二レ漢文。 といふ「返り点」があるとすると、その場合、
② 読二レ漢文
の「訓読」は、
② 漢を読み、文を読む。
でなければ、ならない。
然るに、
(12)
② 漢を読み、文を読む。
であるならば、実際には、「返り点」は、
② 読漢読文。
でなければ、ならない。
従って、
(08)~(12)により、
(13)
① 一レ
に対して、

といふ「返り点」は、有り得ないし、同様に、
レ、レ、
といふ「返り点」も、有り得ない
従って、
(13)により、
(14)
「返り点」とは、
(Ⅰ)レ、一レ、上レ、甲レ、天レ
(Ⅱ)一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、・・・・・
(Ⅲ)上、中、下
(Ⅳ)甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸
(Ⅴ)天、地、人
といふ「5種類」である。
然るに、
(15)
(Ⅰ)レ       は、
(〃)二 一   と「同じ」であり、
(Ⅰ)二 一レ  は、
(〃)三 二 一 と「同じ」であり、
(Ⅰ)下 上レ  は、
(〃)下 中 上 と「同じ」であり、
(Ⅰ)乙 甲レ  は、
(〃)丙 乙 甲 と「同じ」であり、
(Ⅰ)地 天レ  は、
(〃)人 地 天 と「同じ」である。
従って、
(14)(15)により、
(16)
「(レ点を含む)返り点が、表し得る、順番」は、
(Ⅰ)一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、・・・・・
(Ⅱ)上、中、下
(Ⅲ)甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸
(Ⅴ)天、地、人
といふ「4種類の返り点が、表し得る、順番」に「等しい」。
然るに、
(17)
(Ⅰ)一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、・・・・・
(Ⅱ)上、中、下
(Ⅲ)甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸
(Ⅳ)天、地、人
に於いて、
(Ⅰ)を挟んで返る場合に、
(Ⅱ)を用ひ、
(Ⅱ)を挟んで返る場合に、
(Ⅲ)を用ひ、
(Ⅲ)を挟んで返る場合に、
(Ⅳ)を用ひる。ものの、
(18)
(Ⅱ)上、中、下
の「3つ」では足りない場合は、
(Ⅱ)上、中、下
(Ⅲ)甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸
ではなく、
(Ⅱ)甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸
(Ⅲ)上、中、下
といふ「順番」にし、
(19)
(Ⅳ)天、地、人
の「3つ」では足りない場合は、
(Ⅲ)甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸
(Ⅳ)天、地、人
ではなく、
(Ⅲ)天、地、人
(Ⅳ)甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸
といふ「順番」にする。
従って、
(16)~(19)により、
(20)
いづれにせよ、
① 三 二 一
① 3>2>1
といふ「順番」は、『返り点が、表し得る「順番」』である。
然るに、
(21)
① 三 二 一
が「返り点」である。
といふことは、
① 三 二 一
といふ「返り点」が付いてゐる「漢字」を、
① 一 二 三
の「順」で「読む」。
といふことである。
然るに、
(22)
「(レ点を除く)返り点」が、「漢字」に付いてゐることは、
漢字」が、「(レ点を除く)返り点」に付いてゐることと、「同じ」である。
従って、
(21)(22)により、
(23)
① 三 二 一
といふ「返り点」を、
① 一 二 三
といふ「順」で「読む」といふことは、
① 三 二 一
といふ「返り点」が付いてゐる「漢字」を、
① 一 二 三
といふ「順」で「読む」ことであると、見做すことが、出来る。
然るに、
(24)
① 三 二 一
① 3{2(1)}
に於いて、
3{ }⇒{ }3
2( )⇒( )2
といふ「移動」を行ふと、
① 3{2(1)}⇒
① {(1)2}3=
①     1<2<3。
といふ「並び替へ(ソート)」を、行ふことになる。
従って、
(23)(24)により、
(25)
① 三 二 一
① 3>2>1
といふ「返り点」が付いてゐる「漢字」を、「括弧」を用ひて、
① 1<2<3。
といふ「順番」で読むことは、「可能」である。
然るに、
(26)
② 文読漢。  と書いて、
② 漢文を読む。と「訓読」が有るならば、その場合の「返り点」は、
② 二 三 一
② 2<3>1
でなければ、ならない。
然るに、
(27)
② 2(3{1)}。
2( )⇒( )2
3{ }⇒{ }3
といふ「移動」を行ふと、
② 2(3{1)}⇒
② ({1)2}3=
①   1<2<3。
といふ「並び替へ(ソート)」を、行ふことになる。
然るに、
(28)
①{( )}
②({ )}
に於いて、
① は「括弧」であるが、
② は「括弧」ではない
従って、
(24)~(28)により、
(29)
「括弧」は、
① 3>2>1 といふ「順番」を、
① 1<2<3 といふ「順番」に、「並び替へ」ることは出来ても、
② 2<3>1 といふ「順番」を、
② 1<2<3 といふ「順番」に、「並び替へ」ることは出来ない
然るに、
(30)
② 二 三 一
のやうに、「上(左)へ返ってから、下(右)へ戻る、返り点」は、実際には、無い
従って、
(19)(30)により、
(31)
(Ⅰ)一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、・・・・・
で表し得る「順番」は、『返り点が、表し得る「順番」』である。
然るに、
(32)
③ 6[3〔2(1)〕5(4)]。
に於いて、
6[ ]⇒[ ]6
3〔 〕⇒〔 〕3
2( )⇒( )2
5( )⇒( )5
といふ「移動」を行ふと、
③ 6[3〔2(1)〕5(4)]⇒
③ [〔(1)2〕3(4)5]6=
③    1<2<3<4<5<6。
といふ「並び替へ(ソート)」を、行ふことになる。
(33)
④ 3〔6{2(5[1)〕4]}。
に於いて、
3〔 〕⇒〔 〕3
6{ }⇒{ }6
2( )⇒( )2
5[ ]⇒[ ]5
といふ「移動」を行ふと、
④ 3〔6{2(5[1)〕4]}⇒
④ 〔{([1)2〕34]5}6=
④    1<2<3<4<5<6。
といふ「並び替へ(ソート)」を、行ふことになる。
然るに、
(34)
③[〔( )〕( )]
④  〔{([ )〕]}
に於いて、
③ は「括弧」であるが、
④ は「括弧」ではない
然るに、
(35)
① 3 2 1
③ 6 3 2 1 5 4
といふ「順番」の中に、
② n+1<n+m>n(nは、1以上の正の整数で、mは2以上の正の整数。)
といふ「順番」は無い。
(36)
② 2<3>1
④ 3<6>2<5>1 4
といふ「順番」の中に、
② n+1<n+m>n(nは、1以上の正の整数で、mは2以上の正の整数。)
といふ「順番」が有る。
然るに、
(37)
③ 6[3〔2(1)〕5(4)]。
に対して、
⑤ 6[#3〔#2(#1)#〕5(#4)#]。
の場合は、
⑤ C[17〔25(34)6〕A(89)B]。
であって、
⑤ は、12個の「一桁の、16進数」である。
然るに、
(38)
⑤ C[17〔25(34)6〕A(89)B]。
に於いて、
C[ ]⇒[ ]C
7〔 〕⇒〔 〕7
5( )⇒( )5
A( )⇒( )A
といふ「移動」を行ふと、
⑤ C[17〔25(34)6〕A(89)B]⇒
⑤ [1〔2(34)56〕7(89)AB]C=
⑤   1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C。
といふ「並び替へ(ソート)」を、行ふことになる。
然るに、
(39)
⑤ C 1 7 2 5 3 4 6 A 8 9 B。
の中に、
② n+1<n+m>n(nは、1以上の正の整数で、mは2以上の正の整数。)
といふ「順番」は無い
従って、
(29)~(39)により、
(40)
⑤ # # # # # # # # #・・・・・
といふ「順番」の中に、
② n+1<n+m>n(nは、1以上の正の整数で、mは2以上の正の整数。)
といふ「順番」が無いならば、そのときに限って、「括弧」は、
⑤ # # # # # # # # #・・・・・
といふ「順番」を、
⑤ 1<2<3<4<5<6<7<8<9・・・・・
といふ「順番」に、「並び替へ」ることが出来る
然るに、
(41)
⑥ 使籍誠不以畜妻子憂飢寒乱良心有銭財以済医薬⇒
⑥ 籍をして誠に妻子を畜ひ飢寒を憂ふるを以て良心を乱さず銭財有りて以て医薬を済さ使む。
であるならば、
⑥ 人{##丙[下〔二(#一)中(#上)〕乙(#甲)]二(#一)#地(#天)}。
である。
然るに、
(42)
⑥ 人{##丙[下〔二(#一)中(#上)〕乙(#甲)]二(#一)#地(#天)}。
であるならば、
⑥ L{12D[9〔5(34)8(67)〕C(AB)]G(EF)HK(IJ)}。
は、21個の「一桁の、22進数」である。
cf.
「0からまで」ならば、24進数なので、「0からまで」は、(24-2=22)進数。
然るに、
(43)
⑥ L{12D[9〔5(34)8(67)〕C(AB)]G(EF)HK(IJ)}。
に於いて、
L{ }⇒{ }L
D[ ]⇒[ ]D
9〔 〕⇒〔 〕9
5( )⇒( )5
8( )⇒( )8
C( )⇒( )C
G( )⇒( )G
K( )⇒( )K
といふ「移動」を行ふと、
⑥ L{12D[9〔5(34)8(67)〕C(AB)]G(EF)HK(IJ)}⇒
⑥ {12[〔(34)5(67)8〕9(AB)C]D(EF)GH(IJ)K}L=
⑥   1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C<D<E<F<G<H<I<J<K。
といふ「並び替へ(ソート)」を、行ふことになる。
従って、
(40)~(43)により、
(44)
⑥ 人 丙 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天
といふ「返り点」が表す「順番」の中には、
② n+1<n+m>n(nは、1以上の正の整数で、mは2以上の正の整数。)
といふ「順番」が、現れないが故に、
⑥ 人 丙 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天
といふ「返り点」が付く「漢文」は、その「訓読の順」を、「括弧」で、表すことが出来る。
従って、
(16)(44)により、
(45)
「(レ点を含む)返り点が、表し得る、順番」は、
(Ⅰ)一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、・・・・・
(Ⅱ)上、中、下
(Ⅲ)甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸
(Ⅴ)天、地、人
といふ「4種類返り点が、表し得る、順番」に「等しく」、尚且つ、その「順番」は、『括弧が、表し得る「順番」』に「等しい」。
然るに、
(46)
⑥ 人{##丙[下〔二(#一)中(#上)〕乙(#甲)]二(#一)#地(#天)}。
⑥ L{12D[9〔5(34)8(67)〕C(AB)]G(EF)HK(IJ)}。
に対して、
⑦ 人{##丙[下〔二(#一)中(#上)φ〕乙(#甲)φ]二(#一)#地(#天)φ}。
⑦ L{12D[9〔5(34)8(67)φ〕C(AB)φ]G(EF)HK(IJ)φ}。
であるとする。
然るに、
(47)
⑦ φ は、「無音無意味」であるが、「返り点」が付くものとする。
従って、
(46)(47)により、
(48)
⑦ 人{##丙[下〔二(#一)中(#上)φ〕乙(#甲)φ]二(#一)#地(#天)φ}。
であるならば、
⑦ 地{##乙[下〔二(#一)二(#一)上〕二(#一)甲]二(#一)#二(#一)天}。
である。
従って、
(48)により、
(49)
⑦ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒) 〕乱(良心) ]有(銭財)以済(医薬) }。
⑦ 地{##乙[下〔二(#一)二(#一)上〕二(#一)甲]二(#一)#二(#一)天}。
である。
従って、
(49)により、
(50)
⑦ 地{##乙[下〔二(#一)二(#一)上〕二(#一)甲]二(#一)#二(#一)天}。
⑦ 地{  乙[下〔二( 一)二( 一)上〕二( 一)甲]二( 一) 二( 一)天}。
である。
従って、
(50)により、
(51)
(Ⅰ)( )は、二 一 に相当し、
(Ⅱ)〔 〕は、下 上 に相当し、
(Ⅲ)[ ]は、乙 甲 に相当し、
(Ⅳ){ }は、地 天 に相当する。
従って、
(51)により、
(52)
(Ⅰ)( )
(Ⅱ)〔 〕
(Ⅲ)[ ]
(Ⅳ){ }
といふ「括弧」は、
(Ⅰ)二 一
(Ⅱ)下 上
(Ⅲ)乙 甲
(Ⅳ)地 天
といふ「返り点」である。
といふ風に、言ふことも、可能である。
然るに、
(53)
⑧ 我使{籍 不[以〔畜( 子)憂( 寒)〕乱( 心)]有( 銭)以済( 薬)}。
に於いて、
使{ }⇒{ }使
不[ ]⇒[ ]不
以〔 〕⇒〔 〕以
畜( )⇒( )畜
憂( )⇒( )憂
乱( )⇒( )乱
有( )⇒( )有
済( )⇒( )済
といふ「移動」を行ふと、
⑧ 我使{籍不[以〔畜(子)憂(寒)〕乱(心)]有(銭)以済(薬)}⇒
⑧ 我{籍[〔(子)畜(寒)憂〕以(心)乱]不(銭)有以(薬)済}使=
⑧ 我{籍をして[〔(子を)畜ひ(寒を)憂ふるを〕以て(心を)乱さ]ず(銭)有りて以て(薬を)済さ}使む。
といふ「訓読」になる。
然るに、
(54)
⑦  使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(良心)]有(銭財)以済(医薬)}。
⑧ 我使{籍 不[以〔畜( 子)憂( 寒)〕乱( 心)]有( 銭)以済( 薬)}。
に於いて、
⑦ には、「主語」が無く、
⑧ には、「並列語」と、「修飾語」が無い。
然るに、
(55)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(53)(54)(55)により、
(56)
⑦  使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(良心)]有(銭財)以済(医薬)}。
⑧ 我使{籍 不[以〔畜( 子)憂( 寒)〕乱( 心)]有( 銭)以済( 薬)}。
に於ける、
⑦{ [ 〔 ( )( ) 〕( ) ]( )( ) }
⑧{ [ 〔 ( )( ) 〕( ) ]( )( ) }
といふ「括弧」は、
⑦ 使 籍 誠 不 以 畜 妻 子 憂 飢 寒 乱 良 心 有 財 銭 以 済 医 薬。
⑧ 我 使 籍 誠 不 以 子 憂 寒 乱 心 有 銭 以 済 薬。
といふ「漢文補足構造」と、「訓読語順」の、両方を、表してゐる。
従って、
(57)
⑦ 使 籍 誠 不 以 畜 妻 子 憂 飢 寒 乱 良 心 有 財 銭 以 済 医 薬。
といふ「漢文」を、
⑧ {籍をして[〔(妻子を)畜ひ(飢寒を)憂ふるを〕以て(良心を)乱さ]ず(銭財)有りて以て(医薬を)済さ}使む。
といふ風に「訓読」したとしても、「語順」は変はっても、「補足構造」自体は、変はらない