日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(567)「括弧」と「返り点」(23)―「返り点」の「順番」―。

2020-03-22 18:09:15 | 返り点、括弧。

(01)
(Ⅰ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
(Ⅱ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・
(Ⅲ)上 中 下
(Ⅳ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅴ)天 地 人
に於いて、
(Ⅰ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
の場合は、
(Ⅰ)二 一
(〃)三 二 一
(〃)下 中 上
(〃)丙 乙 甲
(〃)人 地 天
と、「同じ」である。
従って、
(01)により、
(02)
(Ⅰ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
(Ⅱ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・
(Ⅲ)上 中 下
(Ⅳ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅴ)天 地 人
といふ「返り点」が表す「順番」は、
(Ⅰ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
といふ「返り点」が表す「順番」に、「等しい」。
然るに、
(03)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
または、
(Ⅰ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・
(Ⅱ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅲ)上 中 下
(Ⅳ)天 地 人
に於いて、
(Ⅰ)を挟んで返る場合には、
(Ⅱ)を用ひ、
(Ⅱ)を挟んで返る場合には、
(Ⅲ)を用ひ、
(Ⅲ)を挟んで返る場合には、
(Ⅳ)を用ひる。
といふ『ルール』が有る。
従って、
(03)により、
(04)
(Ⅰ)と(Ⅱ)の「関係」は、
(Ⅱ)と(Ⅲ)の「関係」に「等しく」、
(Ⅲ)と(Ⅳ)の「関係」に「等しい」。
従って、
(04)により、
(05)
(Ⅰ)一 二 三
(Ⅱ)上 中 下
に於いて、「言へること」は、
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙
に於いても「言へること」になり、
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙
に於いて、「言へること」は、
(Ⅲ)甲 乙 丙
(Ⅳ)天 地 人
に於いても「言へること」になる。
然るに、
(06)
(Ⅱ)上 中 下
の場合は、「それ」を「2つ」用ひるときは、
(〃)上 下 であるが、以下では、
(〃)上 中 であるとする。
然るに、
(03)により、
(07)
① 下
が有るならば、
① 下 の右側には、
① 三 二 一 が無ければ、ならない。
従って、
(08)
① 下 三 二 一 中 上。
② 下 中 三 二 一 上。
③ 下 三 二 一 中 三 二 一 上。
であるか、いづれかである。
然るに、
(09)
① 下 三 二 一 中 上。
② 下 中 三 二 一 上。
③ 下 三 二 一 中 三 二 一 上。
であるならば、
① 6 3 2 1 5 4
② 6 5 3 2 1 4
③ 9 3 2 1 8 6 5 4 7
の「順(9個の、1桁の10進数」である。
然るに、
(10)
① # 下 # 三 # 二 # 一 # 中 # 上 #。
② # 下 # 中 # 三 # 二 # 一 # 上 #。
③ # 下 # 三 # 二 # 一 # 中 # 三 # 二 # 一 # 上 #。
に於いて、「返り点」は、「返り点」そのものではなく、「返り点が付いてゐる、漢字」である。
とする。
(11)
① # 下 # 三 # 二 # 一 # 中 # 上 #。
② # 下 # 中 # 三 # 二 # 一 # 上 #。
③ # 下 # 三 # 二 # 一 # 中 # 三 # 二 # 一 # 上 #。
に於いて、「#」は、「n(n≧0)個の、返り点が、付いてゐない、漢字」である。
とする。
従って、
(11)により、
(12)
n=0 であるならば、
① 下 三 二 一 中 上。
② 下 中 三 二 一 上。
③ 下 三 二 一 中 三 二 一 上。
に「等しく」、それ故、(09)により、
① 6 3 2 1 5 4
② 6 5 3 2 1 4
③ 9 3 2 1 8 6 5 4 8
の「順(9個の、1桁の10進数)」である。
従って、
(11)により、
(13)
n=1 であるならば、
① 1 C 2 7 3 6 4 5 8 B 9 A D。
② 1 C 2 B 3 8 4 7 5 6 9 A D。
③ 1 I 2 7 3 6 4 5 8 H 9 E A D B C F G J。
の「順(19個の、1桁の20進数)」である。
然るに、
(14)
① 6[3〔2(1)〕5(4)]。
② 6{5[3〔2(1)〕4]}。
③ 9{3〔2(1)〕8[6〔5(4)〕7]}。
① 1 C[2 7〔3 6(4 5)〕8 B(9 A)]D。
② 1 C{2 B[3 8〔4 7(5 6)〕9 A]}D。
③ 1 I{2 7〔3 6(4 5)〕8 H[9 E〔A D(B C)〕F G]}J。
従って、
(14)により、
(15)
①   6[  3〔  2(1  )〕  5(4  )]。
① 1 C[2 7〔3 6(4 5)〕8 B(9 A)]D。
②   6{  5[  3〔  2(1  )〕  4]}。
② 1 C{2 B[3 8〔4 7(5 6)〕9 A]}D。
③   9{  3〔  2(1  )〕  8[  6〔  5(4  )〕  7]}
③ 1 I{2 7〔3 6(4 5)〕8 H[9 E〔A D(B C)〕F G]}J。
従って、
(10)~(15)により、
(16)
① # 下 # 三 # 二 # 一 # 中 # 上 #。
② # 下 # 中 # 三 # 二 # 一 # 上 #。
③ # 下 # 三 # 二 # 一 # 中 # 三 # 二 # 一 # 上 #。
に於いて、「#」は、「n(n≧0)個の、返り点が、付いてゐない、漢字」である。
として、
n=0 であっても、
n=1 であっても、
①   6[  3〔  2(1  )〕  5(4  )]。
① 1 C[2 7〔3 6(4 5)〕8 B(9 A)]D。
②   6{  5[  3〔  2(1  )〕  4]}。
② 1 C{2 B[3 8〔4 7(5 6)〕9 A]}D。
③   9{  3〔  2(1  )〕  8[  6〔  5(4  )〕  7]}
③ 1 I{2 7〔3 6(4 5)〕8 H[9 E〔A D(B C)〕F G]}J。
に於ける、
①[ 〔 ( ) 〕( ) ]
①[ 〔 ( ) 〕( ) ]
②{ [ 〔 ( ) 〕 ] }
②{ [ 〔 ( ) 〕 ] }
③{ 〔 ( )〕[ 〔 ( ) 〕 ] }
③{ 〔 ( )〕[ 〔 ( ) 〕 ] }
といふ「括弧の配置」に「変化」はない。
然るに、
(17)
n=2 であれば、
① # # 下 # # 三 # # 二 # # 一 # # 中 # # 上 # #。
② # # 下 # # 中 # # 三 # # 二 # # 一 # # 上 # #。
③ # # 下 # # 三 # # 二 # # 一 # # 中 # # 三 # # 二 # # 一 # # 上 # #。
に於いて、例へば、
① ならば、
① 1 2 I 3 4 B 5 6 A 7 8 9 C D H E F G J K。
であるため、
① 1 2 I[3 4 B〔5 6 A(7 8 9)〕C D H(E F G)]J K。
の、「括弧」も、
①[ 〔 ( ) 〕( ) ]
である。
従って、
(16)(17)により、
(18)
① # 下 # 三 # 二 # 一 # 中 # 上 #。
② # 下 # 中 # 三 # 二 # 一 # 上 #。
③ # 下 # 三 # 二 # 一 # 中 # 三 # 二 # 一 # 上 #。
に於いて、「#」は、「n(n≧0)個の、返り点が、付いてゐない、漢字」である。
として、
n=0 であっても、
n=1 であっても、
n=2 であっても、
n=3 であっても、
n=4 であっても、
n=5 であっても、
①[ 〔 ( ) 〕( ) ]
②{ [ 〔 ( ) 〕 ] }
②{ [ 〔 ( ) 〕 ] }
③{ 〔 ( )〕[ 〔 ( ) 〕 ] }
といふ「括弧配置」に「変化」はない
然るに、
(19)
① 6[3〔2(1)〕5(4)]。
に於いて、
6[ ]⇒[ ]6
3〔 〕⇒〔 〕3
2( )⇒( )2
5( )⇒( )5
といふ「移動」を行ふと、
① 6[3〔2(1)〕5(4)]⇒
① [〔(1)2〕3(4)5]6=
①      1<2<3<4<5<6。
といふ「並び替へ(ソート)」を行ふことになる。
(20)
② 6{5[3〔2(1)〕4]}。
に於いて、
6{ }⇒{ }6
5[ ]⇒[ ]5
3〔 〕⇒〔 〕3
2( )⇒( )2
といふ「移動」を行ふと、
② 6{5[3〔2(1)〕4]}⇒
② {[〔(1)2〕34]5}6=
②      1<2<3<4<5<6。
といふ「並び替へ(ソート)」を行ふことになる。
(21)
③ 9{3〔2(1)〕8[6〔5(4)〕7]}。
に於いて、
9{ }⇒{ }9
3〔 〕⇒〔 〕3
8[ ]⇒[ ]8
6〔 〕⇒〔 〕6
5( )⇒( )5
といふ「移動」を行ふと、
③ 9{3〔2(1)〕8[6〔5(4)〕7]}⇒
③ {〔(1)2〕3[〔(4)5〕67]8}9=
③    1<2<3<4<5<6<7<8<9。
といふ「並び替へ(ソート)」を行ふことになる。
従って、
(07)~(21)により、
(22)
(Ⅰ)一 二 三
(Ⅱ)上 中 下
といふ「返り点」が表すこと出来る「順番」は、
① 6 3 2 1 5 4
② 6 5 3 2 1 4
③ 9 3 2 1 8 6 5 4 8
といふ「順番」で、「代表」させることが、出来る。
然るに、
(23)
① 6 3 2 1 5 4
② 6 5 3 2 1 4
③ 9 3 2 1 8 6 5 4 8
といふ「順番」の中に、
④ n+1<n+m>n(nは、0より大きい整数で、mは1より大きい整数である。)
といふ「順番」は無い。
然るに、
(24)
仮に、
(Ⅰ)二<三>一
(Ⅱ)中<下>上
といふ「返り点」が有るとすると、その場合は、
「(横書きであれば、)右から、左へ返って、右に戻ってゐる。」
然るに、
(25)
「(横書きであれば、)右から、左へ返るための」が「返り点」である。
従って、
(24)(25)により、
(26)
(Ⅰ)二<三>一
(Ⅱ)中<下>上
といふ「返り点」は、有り得ない
従って、
(22)(26)により、
(27)
(Ⅰ)一 二 三
(Ⅱ)上 中 下
といふ「返り点」が表すこと出来る「順番」の中に、
④ n+1<n+m>n(nは、0より大きい整数で、mは1より大きい整数である。)
といふ「順番」は無い
従って、
(04)(27)により、
(28)
少なくとも、
(Ⅰ)一 二 三
(Ⅱ)甲 乙 丙
(Ⅲ)上 中 下
(Ⅳ)天 地 人
といふ「返り点」が表すこと出来る「順番」の中に、
④ n+1<n+m>n(nは、0より大きい整数で、mは1より大きい整数である。)
といふ「順番」は無い


(566)「括弧」と「返り点」(22)―「返り点」と「補足構造」―。

2020-03-22 13:10:23 | 返り点、括弧。

(01)
① 我非必求以解中文法解漢文事者=
① 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)事]者}。
に於いて、
非{ }⇒{ }非
求[ ]⇒[ ]求
以〔 〕⇒〔 〕以
解( )⇒( )解
解( )⇒( )解
といふ「移動」を行ふと、
① 我非必求以解中文法解漢文事者=
① 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)事]者}⇒
① 我{必[〔(中文)解法〕以(漢文)解事]求者}非=
① 我は{必ずしも[〔(中文を)解する法を〕以て(漢文を)解する事を]求むる者に}非ず。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
然るに、
(02)
② 我不必求以解中文解漢文=
② 我不{必求[以〔解(中文)〕解(漢文)]}。
不{ }⇒{ }不
求[ ]⇒[ ]求
以〔 〕⇒〔 〕以
解( )⇒( )解
解( )⇒( )解
といふ「移動」を行ふと、
② 我不{必求[以〔解(中文)〕解(漢文)]}⇒
② 我{必[〔(中文)解〕以(漢文)解]求}不=
② 我{は必ずしも[〔(中文を)解するを〕以て(漢文を)解するを]求め}不。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
然るに、
(03)
① 我 非 必 求 以 解 中 文 法 解 漢 文 事 者。
に於ける、
①                        法     事 者
の3つは、「被修飾語」である。
従って、
(03)により、
(04)
① 我 非 必 求 以 解 中 文 法 解 漢 文 事 者。
といふ「漢文」から、
①                        法     事 者
の3つの、「被修飾語」を除いても、
① 我 非 必 求 以 解 中 文 法 解 漢 文 事 者。
といふ「漢文の、補足構造」は、「不変」である。
従って、
(04)により、
(05)
① 我 非 必 求 以 解 中 文 法 解 漢 文 事 者。
② 我 不 必 求 以 解 中 文 解 漢 文。
といふ「漢文の、補足構造」自体は、「同じ」である。
然るに、
(06)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(01)~(06)により、
(07)
① 我 非 必 求 以 解 中 文 法 解 漢 文 事 者。
② 我 不 必 求 以 解 中 文 解 漢 文。
といふ「漢文」に付く所の、
①{ [ 〔 ( ) 〕( ) ] }
②{ [ 〔 ( ) 〕( ) ] }
といふ「括弧」は、
① 我 非 必 求 以 解 中 文 法 解 漢 文 事 者。
② 我 不 必 求 以 解 中 文 解 漢 文。
といふ「漢文の、補足構造」を、表してゐる。
然るに、
(08)
① 我非必求以解中文法解漢文事者=
① 我非必求中文漢文
① 我必中文漢文
① 我は必ずしも中文を解する法を以て漢文を解する事を求むる者に非ず。
従って、
(01)(08)により、
(09)
二 一 は、( )であって、
下 上 は、〔 〕であって、
乙 甲 は、[ ]であって、
地 天 は、{ }である。
従って、
(01)(08)(09)により、
(10)
① 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)事]者}。
① 我非必求中文漢文
に於ける、
①  {  [ 〔 (  ) 〕 (  ) ] }
①  地  乙 下 二  一 上 二  一 甲 天
といふ「括弧」と「返り点」は、「同じ」である。
従って、
(07)(10)により、
(11)
① 我非必求中文漢文
である所の、
① 地 乙 下 二 一 上 二 一 甲 天
といふ「返り点」もまた、
① 我 非 必 求 以 解 中 文 法 解 漢 文 事 者。
といふ「漢文の、補足構造」を表してゐる。
従って、
(07)~(11)により、
(12)
② 我 不 必 求 以 解 中 文 解 漢 文。
といふ「漢文」に対しても、
② 地 乙 下 二 一 上 二 一 甲 天
といふ「返り点」が付くのであれば、そのときに限って
② 我 不 必 求 以 解 中 文 解 漢 文。
といふ「漢文」に付く「返り点」もまた、
② 我 不 必 求 以 解 中 文 解 漢 文。
といふ「漢文の、補足構造」を表してゐる。
然るに、
(13)
② 我不必求以解中文解漢文=
② 我不必求中文漢文
② 我不必求中文漢文
② 我必中文漢文
② 我必ずしも中文を解するを以て漢文を解するを求め不
従って、
(13)により、
(14)
② 我 不 必 求 以 解 中 文 解 漢 文。
に付く「返り点」は、
② 丁 丙 レ 二 一 乙 甲
であって、
② 地 乙 下 二 一 上 二 一 甲 天
ではない
従って、
(12)(14)により、
(15)
例へば、
② 我不必求以解中文解漢文=
② 我不必求中文漢文
に於ける、
② 丁 丙 レ 二 一 乙 甲
といふ「返り点」は、
② 我不必求以解中文解漢文。
といふ「漢文の、補足構造」を表してはゐない