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音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

23年目の「パーキンソン病患者・家族会」の活動

2022-11-03 07:20:11 | 音楽療法実践
昨日の11月2日は22年前の2000年にパーキンソン病患者・家族会を
支援する市民グループが郡山保健所の呼びかけで発足した記念日です。
今日から活動は23年目に入ります

2000年に郡山保健所がパーキンソン病の理解と援助を市民報で呼びかけ、
病気の理解、活動のアドバイスなどの講義を4回受講して支援グループが
発足しました。友人のお父様がパーキンソン病を患っておられ、少しでも
病気の理解と何らかの援助が出来ればという思いで受講しました。

その活動と並行に音楽療法の学びを進めており、時を同じくして日本音楽療法学会への
発足に向けたバイオミュージック学会が岐阜で開催され参加しました。
音楽療法が少しでもお役に立てるのであればとパーキンソン病患者・家族会の
支援活動に入れていくことになりました

7周年、10周年と節目毎に医療関係者、保健所の関係者と再会して
懐かしい思い出話と今後について話し合ってきました。
2020年には20周年の集いを予定していましたが、コロナ感染者数が増大して
中止になってしまいました。

コロナ禍では集まりも難しくなり、昨年の12月にクリスマス会は開催しましたが、
今年度の春と秋の音楽療法は中止になりました。
そんな中で、コロナも少し落ち着いてきたということと外での活動を希望されたことで
季節の花(ダリア、コキア、コスモス)を楽しむ秋のお出かけができました。

気持ちの良い季節と見頃だった綺麗な花を楽しみながら、近況もお聞きしました。
歩行が不安定で不安もおありかと思いましたが、久し振りにお会いできて嬉しく思いました。
お話しながら、12月に予定している音楽療法のクリスマス会へのリクエストをお尋ねしました。

お一人おひとりからは、当たり前ですが個別性の高い、その人らしさが
溢れるリクエストがありました。
「台詞がある歌が好きなの」「車の中でいつも聞いている歌だけど」
「何でもいいけど、童謡が好き」「和太鼓も叩いてみたい」「ベルもしたい」・・・

具体的な曲名もいただきましたが、私が知らない曲もあり、帰宅後に歌謡曲の本で
調べてみました。これから準備をしながら、12月の「忘年会&クリスマス会」を
楽しみにしたいと思います。
23年目に入った活動に音楽療法が継続されていますことは保健所関係者始め、
支援グループの皆様のご協力があってのことと、あらためて感謝をお伝えしたいです

今宵は十三夜

2022-10-08 14:21:55 | 音楽療法実践
昨日は予想より長い時間の雨となり、今日は晴れる予定でしたが・・・
今宵は十三夜のお月見です。
季節を感じながら毎週替える色紙も十三夜になっています

先月の音楽療法は敬老の日のお祝いのひと時として皆様に喜んでいただける
大ヒット曲をメインにしましたが、今月は秋を存分に音楽から感じ取っていただきます。
十三夜も含めて行事も多い季節になりますので
♪月の法善寺横丁、♪月がとっても青いから、♪炭坑節、等もプランに入ります

お米の収穫もそろそろ始まり、秋のお祭りの準備も各地域で始まっています。
お月見始め、お祭りや見頃の花などの話題も盛り沢山ですが、
鉄道唱歌の歌も必ず入ってきます。
国土交通省のHPにも今年は特に丁寧に紹介されています。以下、参照。

   ・・・・・・・   ・・・・・・・
明治5年(1872年)10月14日新橋~横浜間に日本で最初の鉄道が
開通したことを受けそれから122年後の平成6年、その誕生と発展を記念し、
毎年10月14日を「鉄道の日」と定めました。
鉄道が国民に広く愛され、その役割についての理解と関心がより深まることを願い、
鉄道事業者、関係団体、国などが「鉄道の日」実行委員会を組織し、
毎年多彩な行事を全国各地で実施しております。
なお、今年、2022年は、日本初の鉄道が開業してから150年の節目を迎える年です。
    ・・・・・・・   ・・・・・・・

日本で初めて汽車が走った様子を想像するだけでも楽しくなります。
明治になって近代化していく日本へタイムスリップしてみたいものです。
音楽療法時には必ず汽笛笛(きてきぶえ)を持参しますが、独特な汽車の汽笛は
皆様の反応が大きく、瞬間にその場を汽車に乗っている雰囲気に変えてしまいます。

‘『鉄道唱歌』初版1992、野ばら社’の本には全国の鉄道唱歌が掲載されています
明治33年から歌われてきた地名や文化などを皆様に教えていただくことも多くあります。
さらに奈良には独特な、『奈良めぐり』の歌があり、七代伽藍の鐘の音や名物が
記載されており、住んでいる奈良をご一緒に楽しんでいきます。

お月見から秋祭りなどの季節を満喫する音楽のひと時は、年齢や病気などの垣根を超えて
全員が共有できると共に、音楽には人生に寄り添う力、背中を押す力があることを実感します

現代ならではの‘自分だけの音楽’

2022-07-01 05:38:48 | 音楽療法実践
 今年はここ数年より1週間以上早くセミが鳴き始めています
 真夏の季節を知るバロメーターでもあるセミの鳴き声は、
 中々たくましく聞こえ、励まされているようにも感じます。
 扇子と日傘を欠かせないこの暑さの中で、2年3ヵ月振りに京都へでかけました 

 久し振りの大学の講義でしたが、楽しみながら準備をして、約30名の二十歳前後の
 学生さんに高齢者福祉論として「生涯を通した音楽の利用」の内容でお伝えしました

 現代の若い年代の人がどのような音楽を日常的に聞いているのかを知りたく、
 講義の終わりに無記名、自由記述、自由提出をお伝えした上で
 「大好きな音楽」「元気になれる音楽」「癒される音楽」について
 アンケートを実施させていただきました。

 スマホから聴く現代の音楽は想像以上に個別性が高く、全員記入された中で
 たった2曲だけが重複しました
   〇SixTONES:「Call me」 
   〇きゃない:「コインランドリー」
 その他は全てひとり一人異なる曲名が書かれていました。
 歌手(グループ)に関しては、2名が重なって記述されていたのは
 8名(内、グループは5)でした。

 単発で書かれていた曲名と歌手は半分以上知らないことに我ながら驚きました。
 一応、音楽に関わる仕事をしていますので、音楽番組やFMは聴く方だと
 思っていましたが、全く知らない曲をYouTubeで聞き始めています。
 ‘歌は世につれ 世は歌につれ’という言葉は遠い昔の言葉になりました。

 歌詞によって励まされる曲やメロディに癒される曲が多いと感じました。
 7ヵ月の胎児期から、最期の別れのご臨終の時まで一生を通して聴覚刺激として
 多様な音楽が関わっています。
 思い出された音楽はひとり一人の心に寄り添っていることが感じられます。
 
 レミニセンスバンプ理論で言われているように、年齢を重ねてきた時に個別性の高い
 思い出として、10才代~20才代前半の内容が甦る率が高いことが分かっています。       
 ちょうど受講している学生さんの年代の記憶が高齢者になった時に思い出されることが
 多いことを伝えました。思い出の出来事の回想だけではなく、音楽も同様だということが
 私自身の研究においても結果とともに考察をしています。

 講義途中のブレイクとして‘ホタルこい’の輪唱を楽しみました
 お尋ねしたら大半の学生さんがホタルを鑑賞していることが分かり、
 大都市ながら自然な環境を大切にされている京都らしさを感じました。

 講義後に少し学生と雑談をしていると、複数の資格を取得するために日々多忙な生活を
 過ごされていることが分かり、心からのエールをお伝えしました。
 
 爽やかな気持ちと心地良い疲れを感じながら帰路につきました

‘梅雨入り’の音楽療法

2022-06-17 06:05:17 | 音楽療法実践
関西も梅雨入りしましたので、音楽療法の時も季節を感じてもらいます
雨、蛙、田植え、ホタル、カタツムリ、紫陽花、和傘、ビワなど。。
最新の話題や美しい写真なども共有しながら楽器の音色や歌を楽しみます。

蛙の形をしたギロがあります、背中のギザギザを細い棒でこするだけで
蛙の声のような「ゲロゲロ」という音がします。
よく出来ていて、本当に蛙のような鳴き声なのでお一人ずつお楽しみいただけます

ホタルの歌は短く、誰もがご存知なので輪唱に向いています。
ホ、ホ、ホタルこい・・・
人数によりますが、最低二つのグループに別れることが出来れば輪唱は可能です。
輪唱になると、しっかり歌唱するという意識も付随して全体で楽しめます。

カタツムリとあめふりの歌は同時歌唱が可能です。
この歌も歌詞カードなどは見なくても歌えますので、二つのグループで同時に
歌唱して、同時に終わることを共有します。同時歌唱は新鮮な感覚もあります。

雨にまつわる歌は映画音楽、ポップス、歌謡曲など思っているより多くあります。
雨に濡れても(B.Jトーマス) 雨に唄えば(ジーン・ケリー) 
レイニーウオーク(山下達郎) 有楽町で逢いましょう(フランク永井)
雨の御堂筋(欧陽菲菲) 雨の慕情(八代亜紀) 
長崎は今日も雨だった(内山田洋とクール・ファイブ) 等々(敬称略)
YouTubeでみると、雨ソング特集は数えきれないほどの曲があります 

参加されている人の好きな歌手や歌、季節のものを尋ねながら雨の季節を満喫します。
今日の季節を感じながら、楽器や歌を楽しむことは心身にも良いことですが、
何より皆様と共有する幸せで穏やかな雰囲気は生きるエネルギーが漂います。

少しずつコロナ禍前の活動に戻ってきています。
そろそろ大きなコンサートへ行きたいと思い始めている今日この頃です
 




学びが多い音楽療法の‘ライブ’

2022-05-28 07:14:35 | 音楽療法実践
音楽療法の実践では季節感、歴史感、地域性&最新ニュース(共有できる内容)、
個人嗜好(アイデンティティ)などと音楽(歌)の関連性を考えてプランニングします

特に季節感からは回想される話に繋がりやすく、歌詞からも季節を共有できます。
季節感のある写真や現行教科書を見ながら、ライブな音楽によって、
まさにその時、その場からお一人おひとりの感覚や思い出につながる‘今’になります。
言葉として感想が聞かれたり、身体全体で感じられていることも伝わってきます。

ライブな音楽を共有したその時はお互いの心理的距離が近くなります。
始まり時より笑顔で交流できたり、自然な会話が少しずつ増えたり、
時には体験する楽器を譲りあったり、交換したりすることにも繋がり、
更に、人生の先輩の皆様から私達が学ぶ機会にもなります。

一例ですが、5月の始めに奈良公園で鹿の赤ちゃんが誕生したと言うニュースを
お伝えした時に、鹿の体重は人間の赤ちゃんの体重と同じくらいだと思いますがと言うと、
「700くらいかしら?」「昔から700とか800とか言ってたね」と・・・。
私は4キロ近い(実際は3800g)というお返事をしてしまったのですが、
帰宅してから、もしかしたら昔の単位なのかもしれない、と調べてみたところ、
1匁(もんめ)=3,75gであり、700匁は約2,6㎏になることが分かりました。
皆様が言われた700は700匁だという理解をしました。

ひとつの例ですが、歴史や地域のことは教えていただくことが実はとても多いのです。
4月末の音楽療法時に持参した‘スカンポ’のことも‘イタドリ’とも言うし、
食べられること、笛になること、子どもの頃の思い出に繋がっていること、歌があること、等々。
全く知らなかった私ですが、今では必ず持参して歌とともに楽しんでいます。
視覚、聴覚、触覚など全身の刺激を受けながらの体験によって会話は弾みます

6月に入ると梅雨入りしますが、季節感のある楽器や歌詞から音楽を共有して
ご一緒に楽しみたいと思っています

コロナ禍の中でのセルフ療法

2022-05-22 09:10:01 | 音楽療法実践
コロナ禍の中でセルフコントロールが難しく、心に悩みや苦しみを
抱えている人が多いことが分かってきました。
3年目を迎えてやっと少しずつ個人的に社会と関わることが出来るように
なってきましたが、未だ全ての不安が拭えたとは言えません。

音楽療法も個人的又は集団的な関わりを持てない中で、困難な期間が続きました。
ただ、一人で悩みを抱えている時にはセルフコントロールとして、
自分が大好きな音楽に包まれて欲しいと願います。
本来は音楽療法士が関わりながら、その時空間を共有して心の安寧に繋いでいきます。

私事ですが、この2年間は高齢の母の入退院や状況を聞きながら、
常に不安を抱えていました。
病院へ毎日通って面会がしたくても、コロナ禍ということで面会が出来ず、
京都からの新幹線の往復で何度涙したことでしょう。

そんな中でしたが、自分が病んではいけないと思って始めた日々の早朝散歩によって
自然からもらう景色、様々な音や声に本当に癒されました。
歩くことの意味は脳科学などを含む多くの知見が出ていますが、
心身のバランスに良いことを実感しました。

更に、元々楽観的な性格なのですが、気分転換できる本を乱読しました。
家族には遠慮なく、心のうちにある想いを正直に伝えていました。
話すだけで気持ちが整理される時も多くありました。

コロナ禍だったこともあり、仕事が激減して時間ができたことで心に余裕が生まれ、
母のことに集中して時間を使えたことは良かったと思っています。
自宅に戻った母のお誕生日祝いとして、生の音楽でお祝いできたことは
見送ってからの現在においても私自身の‘母との幸せな時間’に繋がっています。
並行して認知症と音楽療法の研究を継続できたことは有難く思っています。

そして、何より毎日のセルフコントロールとして継続してきたことは
その日、その時の気分で自ら選択して聞く音楽でした。
自分が心地良いと思える音楽を探していました。
自分だけの心の居場所を音楽に求めていました。

誰にも気遣うこと無く、心地良い音楽のシャワーを浴びるように、
音楽に優しく包まれたひと時を大切にして欲しいと願います








少しずつ戻ってきた音楽療法の居場所

2022-05-13 16:03:08 | 音楽療法実践
2019年は大和郡山市の地域包括、県立医科大学、他地域行政、認知症患者・家族会、
奈良県難病相談支援センター、パーキンソン病患者・家族会の依頼を始め、通年に亘る
施設などへの音楽療法の実践が変わることなくありました

2020年始めの1月に京都大学の研究室へ訪ねた時には、入室する前後でマスクを替えた記憶が
あり、既にコロナ感染症に関する緊張感がかなりあったこと思い出します。
その後大学へ行くことは無く、全てリモートになりました
あれから2年半が過ぎましたが、やっと少しずつ音楽療法の現場への依頼が戻るように
なってきました。気持ちとしては本当に‘やっと’という感覚です。

私だけではなく、音楽療法士の多くは臨床の現場を無くし、研究をする臨床の機会も
失われました。ただ、リモートで可能な現場もあることが分かるなど、多くの手探りの
努力が続きました。
そんな中でも、やはり現場に行くとその場ならではの音楽のある‘時・空間’を身体全体で感じ、
皆さんと共有する感覚はとても重要なことが分かります。
先月のグループホームでの音楽療法の時も現場だから得られた内容だと実感しました。
やはり、リモートでは得られないのです。

来月はデイサービスや大学の臨時講義なども予定されており、今からその‘時・空間’を
楽しみにして準備したいと思っています

認知症対応型グループホームの音楽療法

2022-03-25 20:38:41 | 音楽療法実践
グループホームへお訪ねする音楽療法のひと時は共有性、社会性、非日常性の中で
歌唱、楽器活動、軽運動、鑑賞、回想、会話等の活動になります

コロナ禍における日常生活は認知症を患っておられる人にとっても
戸惑いや不安は少なからずあり、さらに職員さん達は多くの心遣いと
皆様との平穏な気持ちの共有を願っておられることが伝わってきます。

春を感じる色、写真(満開の梅、土筆)、音楽によって、心が軽く、華やいでくるのでしょう。
表情が明るくなり、個別性の高い回想から会話が弾んできます。
80才から90才過ぎの年齢幅になると、時代の進み方が緩やかになっています。
美しい桜の写真や民謡、卒業の歌が掲載されている現在の小学校の教科書を見ながら、
懐かしい音楽が継承されていることをお伝えして歌詞を読み、
メロディを奏でて歌につなぎます。
*「さくらさくら」「もみじ」「ソーラン節」は小学校4年生の教科書に掲載
  写真は小学音楽「音楽のおくりもの4」より

認知症を患っていた義母も曾孫が使用していた現在の教科書を見ながら、
「綺麗ね~。これが教科書なの~?」と言い、美しい紅葉の写真を見ながら
直ぐにひとりで歌い始めました。慌ててスマホで録音した事を思い出します。

季節感あふれる歌には歌詞を追って歌うだけではなく、歌っていた頃の自分の
世界に浸ることができ、時には次から次へと思い出されて話が続きます。
きっかけは季節写真や歌詞ですが、ご本人の懐かしい世界は広がるばかりで、
多くの記憶が甦ります。

たとえ会話が難しい人でも、表情や様子の変化がみられる時には、
ご家族と他の職員さんと共有するために写真やビデオを撮られています。
認知症を患って参加している人、ケアをされる職員の皆様、伴奏者と私。
音楽のひと時を共有している空間の中で皆が一つになっていると感じられる時があり、
時々胸がいっぱいになります。

人生の先輩から教えていただくことも、尊敬の念を抱くことも多くあり、
私自身が心の安寧を感じるひと時でもあります



音楽の役割

2022-03-21 08:01:17 | 音楽療法実践
コロナ禍が三年目に入り、未だ多くの人が自身では気づきにくい緊張が続いています。
心の疲れは知らないうちに溜まっており、じわじわと身体にも影響を与えます。
そんな時こそ音楽の役割があるのではと感じています

*『村上RADIO特別版 戦争をやめさせるための音楽』
 放送局:TOKYO FM
 放送日時:2022年3月18日 (金) 23:00~23:55
 出演者:村上春樹

 <村上春樹さんからリスナーの皆さんへメッセージ>
 ウクライナで誰も望んでいない戦争が始まってしまいました。
 それで『戦争をやめさせるための音楽』というテーマで今回、
 村上RADIOの特別番組をお送りすることにしました。
 音楽に戦争をやめさせることができるか? たぶん無理ですね。
 でも聴く人に「戦争をやめさせなくちゃ」という気持を起こさせることは、
 きっと音楽にもできるはずです。
 そしてそういう気持ちが集まって、少しずつでも力を持っていくかもしれません。
 そういう音楽を選んでみました。聴いてください。
 オンエアーの全記録はこちらです→https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/

*『山下達郎のサンデー・ソングブック』 
 放送局:FM大阪
 放送日時:2022年3月20日(日) 14:00~14:55 
 出演者:山下達郎
 
 始めに前もって録音で収録したことを伝えて、「情勢が日々変わる世情とは関係なく、
 オールディーズソングをお楽しみください」と。
 いつも通り、心が軽くなるポップな音楽は心地良いです。
 音楽家なので、実際にギターを弾いて楽しんだり、音楽作りなどについても
 忌憚なく話されて新鮮です。

Radiko(ラジコ)で一週間以内であれば、いつでも放送を聴くことができます。

YouTubeではフリーでご自身の好きな歌手、歌曲などを聴取することが今は可能です。
さらに、学習時のBGMを始め、眠りへの導入音楽、癒される音楽など多様な音楽が
Playlistとして用意されていますので、お試しで色々と聴いているうちに
ご自身の好きな雰囲気であったり、‘今の自分’に寄り添ってくれる音楽に出会えることも
あるかと思います。

アルト・シューラーが提唱した‘同質の原理’として個人の感情に寄り添う音楽が
音楽療法の臨床で求められます。
常に明るい雰囲気づくりだけではなく、個人や集団で悲しみのひと時にそっと寄り添います。
悲しい気持ちの時は、優しく落ち着いた音楽を聴くと安らぐという原理です。
音楽に自分の気持ちを重ねられると少しずつですが浄化し、癒されていきます。

コロナ禍への気遣いを始め、多くの心疲れが知らず知らずのうちに溜まってきます。
何よりご自身の心の健康を大切にして欲しいと願います。

私個人ではルイ・アームストロング(Louis Armstrong)の
「What A Wonderful World(この素晴らしき世界)」を聴くと、優しくも強い愛を感じます。

ご自身が心地良いと感じられる音楽に出会えますように・・

グループホーム(認知症対応)の音楽療法♬

2021-12-26 07:22:54 | 音楽療法実践
多くのグループホームへお訪ねしてきましたが、大まかな傾向として
男性は演歌がお好きで、亭主関白的な雰囲気を醸し出されています。
物腰柔らかく、始めから交流がスムーズにいくことの方が珍しいです。

認知症を患って先月からグループホームへ入所されましたが、
男性としてはお一人です。
先月は殆ど目を閉じて(眠っている雰囲気で)奥に座られており、
お声かけをしてもその姿勢は揺らぐことはありませんでした。

2度目の今回は12月ということもあり、「歌の忘年会」としてプランニングしました
先月お答えしていただいたリクエストを含めて、大衆歌謡をメインとし、進行していくと、
始めは奥で新聞紙を広げて座られていたのですが、♪お座敷小唄で前を向かれ、
♪お富さんで口の動きが歌詞だと分かりました。
すると、自ら歩いて前に移動され、職員さんから驚きの声があがりました。
きっと懐かしい歌謡曲にご本人の居場所があったのでしょう。
職員さんの寄り添い方も強要するでもなく、接近し過ぎるでもなく、素晴らしかったです。
他の職員さんがスマホでその姿を撮られており、ご家族や他の職員さんと共有されることでしょう

最近の歌謡界ではいわゆる「カバー」される曲が増えています。
小田和正さんは「カバーをすることで、その曲を知らなかった人にも
聞いてもらえるし、違う人が歌うことで新しい発見もある。・・」と話されています。
戦前も含める昭和歌謡の時代には誰もが口ずさめる大衆音楽がありました。
共有する空間の「暖かさ」「優しさ」「楽しさ」は伝わりあえると感じています

来年には、個人のリクエストにお応えしていけたらと思います。
その人ならではのリクエストも人生に寄り添える大切なひと時です。
時には思い出話が弾んで職員さんが気を使われる事もありますが、
そんな時こそ「その人らしさ」の音楽との思い出を知り、心の距離が近くなります。

認知症を患っている人だけではなく、コロナ禍の今こそ懐かしい音楽、好きな音楽に
包まれる時間を大切にしたいものです