音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

音楽と脳の報酬系

2023-09-30 20:24:17 | ひとりごと
今日の早朝散歩は期待しながら出かけました
昨夜の言葉にならない「中秋の名月」の美しさの余韻が見られるのでは・・・、と。

やはり、夜明け前に見られる東の山並みの朝焼けと、振り返った西空に
昨夜見られた満月が白く大きく浮かんだ空は期待通りでした。
極上の景色に感動しながら、一番美しく愛でられる小径を往復しました。

多くの虫の音(ね)や鳥の鳴き声の‘天然の音楽’に身を委ねる幸せは
暫く日々の活力となって蓄えられました
そんな音楽の報酬系に関する記事が昨日配信されていましたのでご紹介します。

  ・・・・・  ・・・・・  ・・・・・  ・・・・・
以下、9月29日(金)配信のYAHOO!JAPANニュース記事より

脳科学者の瀧靖之(たき やすゆき)さんが「音楽の演奏」をおすすめされています。
「脳の『報酬系』と呼ばれる領域が活発になり快感を覚えるうえ、脳の認知機能を
司る部分を刺激し、身体の協調運動をつかさどる様々な脳領域も活性化する」と。

さらに、「好きな音楽が流れると気分がよくなるものですが、これも脳の報酬系が刺激
されると言い、心地良い」という感覚がもたらされると記されています。

音楽には眠っていた記憶を引き出す力もあります。昔よく聴いた曲をたまたま聴いて、
当時の情景や周囲にいた人の顔が急に思い浮かぶ、という経験は誰にでも
あるでしょう。

このとき、脳内では海馬などの記憶中枢が刺激を受けているわけです。
実際、音楽は認知症の予防や進行抑制、あるいは記憶障害の治療の現場などでも
取り入れられています。

新しい曲をどんどん聴いて脳内のドーパミンを満たすもよし、懐かしい曲を次々と
聴き直して昔を思い出すもよし。

あまりに身近で気づきにくいかもしれませんが、音楽そのものが私たちにとって
たいへんな“報酬”と言えるでしょう。

今夜は満月の‘中秋の名月’

2023-09-29 06:14:33 | ひとりごと
日の出前の散歩の途中で思わず目を閉じました。
様々な虫の音(ね)、川のせせらぎ、鳥の声に包まれた中で
暫く佇んでいました。
風も無く、穏やかなひと時に静かな元気をもらいました。

目を開けて畦道を歩くと、頭を垂れた稲穂が挨拶をしているように・・。
聴覚だけの世界と視覚を入れた世界を感じながら、6時前の日の出まで
早朝散歩を楽しみました。

散歩に行く30分前に空を見上げた時は、まだお星さまが綺麗に輝いていました
一時間の間にこれほどの変化があることにあらためて新鮮さを感じています。
今日は中秋の名月の日です。
旧暦の8月15日の夜に見える月が中秋の名月で、毎年日にちは変わります。

昨日のグループホームでの音楽療法でも‘お月様’をメインテーマにして
80歳代から99歳までの皆様とあれこれ話ながら歌や踊り、楽器活動を
楽しみました。いつものことですが、認知症を患っておられる人から
多くのことを学ばせていただきます

歩まれてこられた人生に、歌がどのような思い出と関わってきているのかを
教えていただきます。どのような風景の中で、どのような人との関係性の中で、
思い出の歌が存在してきたのかを知る機会になります。
お月様にまつわる多くの歌が皆様に寄り添ってきたことが分かります。

今夜の中秋の名月は、ちょうど満月と重なるということで珍しいそうです。
次に重なるのは2030年と言われています。
何事も珍しいと言われると興味が倍増してきます。
今夜の‘満月’を楽しみにして、ゆっくりじっくり愛でたいと思います

彼岸の入りに想う

2023-09-20 22:06:13 | ひとりごと
田舎では時おり肌寒い風が吹いていますが、太陽が出てくると
厳しい残暑をまだまだ感じます。

今年はこんなに残暑厳しく、心地良い秋や春が短くなると言われていますが、
お彼岸になるときっちり「彼岸花」が畦道にいっぱい咲いて、あたかもお墓参りへ
誘っているように感じるのは私だけでしょうか・・。
不思議です。

2日前に敬老の日がありましたが、父母、義父母の4人(90歳代から100歳まで)との
夫々の関わりの中で、多くの思い出が甦ってきました。
義母に至っては70歳前から腰が思わしくなく、杖をついていましたので30年近く
敬老の気持が続いてきました。
個性的な4人との関わりのお蔭で、この3日間は思い出が溢れてきます。

若い人には敬老の日に会いに行ける、あるいは電話で話すことが出来る、という
その時間を大切にして欲しいと願います。
そういう関わりがある中で、お墓参りへの気持が続いていると感じています。

彼岸花が咲き、多くのトンボが飛び交う田舎の風景ですが、今夏の厳しい暑さが
原因なのかは分かりませんが、体調を崩されている人がご近所に多くおられます。
「お帰り~」と声をかけられ、立ち話をする人が少なくなって心配でもあり、淋しいです。

田舎の風景や雰囲気を子ども達家族はとても気に入っていると言います。
風景とともにお見送りした義父母との思い出を語り継ぎたいと思っています。

「六甲おろし」の思い出♪

2023-09-15 07:04:42 | 音楽療法実践
阪神タイガースの応援歌である『六甲おろし」について調べると、
1936年(昭和11年)に「日本職業野球連盟」というプロ野球連盟が発足され、
当時は「大阪タイガースの歌」として発表されたそうです。
1963年に「阪神タイガースの歌」に変更されていますが、現在は「六甲おろし」が通称です。
プロ野球史上で現存する最古の球団歌と言われています。

作曲は、高校野球テーマソング『栄冠は君に輝く』、『高原列車は行く』、『鐘の鳴る丘』
で知られる古関裕而(こせき ゆうじ)さんで、
作詞は、『人生劇場』『湖畔の宿』『赤城の子守唄』の佐藤惣之助(さとう そうのすけ)さんです。
「VICTOR ENTERTAINMENT」のHPで立川清登さんの素晴らしい歌声が配信されています。
朗々とした歌声は流石です。気持が晴れ晴れとしてきます

ただ、我が家にある多くの歌の本の中に「六甲おろし」の楽譜は見当たりません。
歌謡曲、童謡、唱歌、民謡、行進曲等々・・・、いくら探しても見つからないので、
自筆の楽譜を利用しています。立川清登さんの曲ではG調でしたが、実践の場では
皆様の音域に合わせて転調して歌うことになります

私自身は特別なファンではありませんが、「六甲おろし」の歌は演奏しても、歌唱しても
背筋が伸びる感があります。関西ですので、ファンの人も多く、「六甲おろし」のお蔭で
皆様との関係性がスムーズになることも多々ありました。

「六甲おろし」をリクエストにいただくことも多く、誕生月に合わせて歌ったり、今年の様に
ずっと阪神がトップを走っている時には応援歌としてプランに入れたりします。
音楽療法の場においても多くのファンの人との繋がりができ、嬉しさ溢れるお顔が浮かびます。

18年振りの優勝ということで、2005年の頃の思い出を辿りながら、皆様との楽しい会話が
出来ればと思います。そんな回想のひと時にも「六甲おろし」の歌や音楽があることを
願っています。
  1. 『六甲颪に颯爽と 蒼天翔ける日輪の 青春の覇気うるわしく 
    輝く我が名ぞ 阪神タイガース オゥオゥオゥオゥ 阪神タイガース フレフレフレフレ』
ファンの皆様、優勝おめでとうございます

♪「難病交流会」を終えて

2023-09-14 20:21:19 | 音楽療法実践
一昨日実施された「難病交流会」を無事に終えることができました
多くの楽器運搬時に難病相談支援センターの職員さん始め、関係者の皆様が
用意された台車でスムーズに運ばれ、会場作りもしていただいて助かりました。

始まる前の打ち合わせ時にも、進行に際しての細やかなお気遣いをいただき
お出迎えする側の気持として、とても楽になりました。
今回はクラリネットとピアノ演奏を鑑賞に入れましたが、難病交流会でも
おおよそ4年振りになりますので、ライブ演奏に際してお二人ともに
緊張感がありました。

音楽療法を実施する側が緊張すると目に見えない空気感として伝わりますので、
出来る限り、リラックスして明るくお迎えしたいと思っています。
何より、私たち演奏者が「楽しむ気持」でいることを共有しながら始まりました

未だマスク着用が共有事項としてある中での実施というだけでも緊張感が生まれます。
ただ、音楽はその場、その時の空気感を変える時には大変役立ちます。
徐々に皆様の表情や身振りなどで雰囲気が柔らかくなり、自然発生的な拍手も出てくる中で、
支援センターの職員さん共々、音楽を共有するひと時になったのではと感じています。

始まり時から活動に参加することが難しいと思われた人に心を寄せていました。
最後の♪故郷を一生懸命歌われていた姿に胸がいっぱいになりました。
終了後にご挨拶すると、ご病気と何年も闘っていること、現状の身体のこと、
今日歌った歌詞が気に入ったので持ち帰りたいこと、などを話されました。

一期一会の音楽療法の時は、ずっと継続しながら関係性を築くことはできませんので、
実践の中で出来る限りコンタクトを取り、少しでも穏やかな日常生活につながることを
願いながらお別れすることになります。
持ち帰られた歌詞を見ながら、穏やかなお気持ちになっていただければ幸いです。

打ち合わせ時から終了時まで心細やかで、優しいお気遣いを沢山いただきました。
関係者の皆様に心よりお礼を申し上げます

「難病交流会(奈良県)」のご案内♪

2023-09-04 15:52:24 | 音楽療法実践
奈良県の「難病交流会」として、音楽療法が来週9月12日(火)に開催されます。
厚生労働省のHPをみると、令和3年現在で指定難病は「338」の記載があります。
指定難病としては、①原因が不明 ②治療方法が確立されていない 
③長期の療養を必要とする などの条件が記されています

一般的に知られているのは、パーキンソン病、潰瘍性大腸炎、筋ジストロフィー、
筋萎縮性側索硬化症、ベーチェット病など多くの病名があります。
奈良県難病相談支援センターが開設されたのは2005年(平成17年)です。
旧郡山保健所内に設立されましたが、その後は郡山総合庁舎内に保健所とともに
移転して、奈良県内唯一の難病情報発信を始め、多様な集いや講演、交流会などの
活動がHPに掲載されています。

4年前の秋に難病交流会として音楽療法をいたしました。翌年からコロナ禍に入って
保健所は超多忙を極め、現在においても気を緩められているようには感じられません。
そんな中で、難病を患っておられる人とご家族、ご友人、付き添われる人が集い合って、
音楽という娯楽感、共有感、音楽性などを少しでもお楽しみいただけるひと時になれば
嬉しく思います

4年前の時はバイオリンとピアノで映画音楽の演奏を鑑賞の時間としてプログラムの中に
入れましたが、今年はクラリネットとピアノでジャズの雰囲気でくつろいでいただき、
楽器活動も演奏と一緒にお楽しみいただけるプランもご用意しています。
長い息(長生き)を意識した季節歌唱から始まり、健口(けんこう)運動としては
早口言葉&リズムをお楽しみいただき、9月らしい中秋の名月にまつわる曲もあります。

担当保健師さんがチラシに掲載された素敵な言葉・・
「音楽を通して心と体とリフレッシュしてみませんか?」
難病相談支援センターへの申込が必要になります⇒0743-55-0631
https://www.pref.nara.jp/63996.htm

飛鳥時代に想いを馳せる

2023-09-01 06:12:49 | ひとりごと
早朝の風景は飛鳥時代の歌人と言われている柿本人麻呂の歌と重なりました。

正確な出没年、出自などは詳しく残っていないと言われていますが、
『東の野に炎の立つ見えて反見すれば月かたぶきぬ』
『ひむがしののにかぎろいのたつみえてかへりみすればつきかたぶきぬ』という歌は有名です。
寒い冬に詠まれたと言われていますが、清々しい奈良の早朝の景色にも浮かんできます。

日の出前の山と空がオレンジ色に染まり、その景色に圧倒されながら、
振り返って西の空を見れば満月の白い月が静かに浮かんでみえていました
そのコントラストは見事でした。
広い野原が続いていたと思われる飛鳥時代にも、同様な景色が見られ感動の一句が
生まれたことと思いました。輪廻転生の意味も含まれているという見解もありますが。

お月様に人間が行くようにはなりましたが、自然界が織りなす日々の景色は
心を癒し、生きる元気をもらえるほどの素晴らしさがあります。
月にまつわる曲をざっと数えてみると、70曲ほどになりました
歌謡曲、映画音楽、ジャズ、民謡、クラシック、童謡、ポップ、等々、
幅広い分野で歌われているお月様ですが、9月29日が中秋の名月になります。

さらに、奈良時代の宝物が展示される正倉院展は、10月28日から始まります。
75回目の開催となる今年も楽器などが陳列される予定で、今からワクワクします。
悠久の歴史を経て、今を生きる私たちが感じられる素直な想いを大切にしたいと思います。

楽しみな秋が始まります