音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

自然界の「ゆらぎ」に安らぐ

2024-05-30 06:05:03 | ひとりごと
昨日一週間振りに電車で吉野方面へ行くと、やはり途中の「壺阪山」と「薬水」駅構内の
紫陽花は咲き始めていました。もう一週間ほどで見頃になるのでしょうか・・楽しみです。
気象庁で発表された紫陽花の開花日は奈良県では5月29日となり、観測史上初の
5月中になったというニュースがありました。

バラが終わりになる頃に、紫陽花や菖蒲などが咲き始め、新たな楽しみに心躍ります。
奈良県馬見丘陵公園へ行くと、ちょうど菖蒲園では色とりどり綺麗に咲いていました。
ウェザーニューズに書かれていた、
「アヤメ」は網目模様、「カキツバタ」は白い筋、「ハナショウブ」は黄色い筋
という見方が分かり易いです。
「カキツバタ」は杜若とも燕子花とも書かれ、燕子花はツバメの子が巣立って飛び始める季節に
合わせた漢字だそうで、田舎のツバメの子たちの巣立ちが近いことを知ります。
七十二候の「菖蒲華(あやめはなさく)」はアヤメのことだそうです。

田植えが始まり、目に入ってくる緑いっぱいの田の景色に気分が落ち着きます。
昨年の今頃は奈良県宇陀市で開催された「蛍能」でホタルが優雅に飛んだことを思い出します。
今の季節の様々な景色から音楽が柔らかく届いてきます。
自然界の「ゆらぎ」のリズムが心身を整えることもあります



阪神甲子園球場100周年

2024-05-28 07:11:45 | 音楽雑記
ニュースで阪神甲子園球場100周年の記事を知りました。
ちょうど卒業した高校から昨年100周年を迎えたという会報が届いた頃でした。

田舎に住んでいた義父母二人は数えで100才を迎えた年に亡くなっているので、
二人から語り継いでもらった長い人生の歴史と重なって特別感があります。
特に日本では様々な戦争の歴史があり、当事者である義父母の話には重みを感じました。

1924年(大正13年)3月11日に球場の起工式があり、その後4球団のプロ野球の
歴史が甲子園に刻まれたそうです。
1936年(昭和11年)に大阪タイガースの応援歌である「六甲おろし」が作られ、
25年後には阪神タイガースになって一部歌詞が改訂されましたが、
現存する最古の球団歌として歌われ続けています

ここ関西では阪神タイガースを応援されている人がとても多いことは実感しています。
リクエストとして「六甲おろし」をいただくことも多く、音楽療法の実践においても
楽譜と歌詞幕は必須の持ち物になります。
誕生日をお祝いする「ハッピーバースデー」と同じほどの効果があるように感じます。

作詞、作曲もどっしりとしており、力強くパワーが湧いてくる応援歌です
個人的には特別にタイガースを応援している訳ではないのですが、「六甲おろし」には
元気をもらいながら、高らかに歌い、共有感を強く感じ、笑顔と共にその場が輝きます。

ある音楽療法時に、「今までサッカーを応援してきましたが、野球自体の面白さにハマりだし、
ルールなども良く出来ており、楽しませてもらっています」と一人の男性が話されました。
なるほど!、という納得感が私にもありました。

応援歌の音楽による共有感、パワーの源、最上の喜びが感じられるひと時をご一緒
できることに感謝です





認知症グループホームで歌う「夏は来ぬ」

2024-05-24 07:19:59 | 音楽療法実践
蛙が鳴き始めるとそろそろ田植えの時期だという気分になります
散歩をしていても準備万端整っている田が増え、来週には綺麗な苗が揃った景色を
見られることでしょう。

今週の晴れた日に例年通り、ジャガイモと玉ねぎの収穫に田舎へ帰りました。
橿原神宮前駅から吉野行きの電車に乗ると、途中の「壺阪山」「福神」の駅構内に
見事な紫陽花の群生があり、既に青い色が数本だけ咲いていました。
今度電車で行く時には下りて眺めたいほどの景色になっていることでしょう。

田舎の家の玄関にツバメの巣がありましたが、ちょうど帰った時に身体の色がまだ薄く、
大きさもひと回り小さく細いツバメが巣から飛び立ち、近くの電線にとまりました。
帰る度に気になっていましたので、安堵しました。
(その後田舎へ帰った時にはツバメの子達が大きな口をあけてまだ巣にいました・・)

今の季節は何気なく歩いているだけでも、バラやツツジ、アヤメなどが普通の住宅や
通り道にも咲いていますが、ちょうど卯の花(ウツギ)を見つけて写真を摂りました。
*ウツギは旧暦四月(卯月)のころ咲くことから別名卯の花と呼ばれるそうです。
その写真を拡大コピーして持参し、認知症グループホームへ音楽療法に行きました

ご挨拶をして楽器や歌詞幕の準備をしながら写真をお見せすると、「何かしらね~」
「どこかで見たような・・」「何て言う花?」という会話があり、「卯の花ですよ」とお答えすると、
直ぐに「卯の花の匂う垣根に ホトトギス早(はや)も来鳴きて 忍音(しのびね)もらす
夏は来ぬ~」と、お二人とも空で歌われました

歌詞の始めにある言葉から曲に繋がることは多く、この「夏は来ぬ」も歌い始めの
卯の花の歌詞から歌いやすかったのかもしれませんが、歌い継がれた馴染みの深い
音楽の記憶は深く残っていることを実感します。
常に歌詞幕に頼ることなく、時には思い出しながら歌っていただくことも大切にしたいと
思いました。

明治29年の歌ですが、卯の花から田植えに続いてホタルへという今の季節を
何ら変わらず歌えるこの曲の素晴らしさにあらためて感動します。
短い曲ですが、奥深い穏やかな季節の歌詞とゆったりとしたメロディは、始まりの歌として
使いたい曲です。
*「夏は来ぬ」作詞:佐佐木信綱・作曲:小山作之助 

「歌は世につれ、世は歌につれ」と言う言葉がありますが、音楽が社会的な存在であり、
歌うということが、人と人が関わる中で大切なひと時であり、多様性を持った音楽の
記憶が人生に深く刻まれていることを実感します。
五感とともに季節を感じていただく音楽を大切にしていきたいと思います

風薫る5月の選曲

2024-05-15 08:09:31 | 音楽療法実践
一昨日の夕方は雨上がりの後の快晴だったこともあり、薄いオレンジ色に染まった
夕焼雲が見惚れてしまうほど美しく広がっていました。
世界規模ではオーロラが普段見られない国でも見られるなど、日本でも珍しいニュースが
流れており、広い宇宙の中に存在する地球にいることにあらためて謙虚な気持ちになりました。

自然界に包まれる時に日々の疲れを癒してもらえます。
日本には四季折々が豊かにあり、その日の景色や空気、自然界の音を大切にしたいと思っています。
四季の中でも私が使用している歌詞幕は春が最も多く、特に5月は多いと感じています。

暦に関わる音楽もありますが、爽やかな季節を歌う歌詞はとても多くあります。
今日15日までの前半だけでも、5月1日の八十八夜から始まり、みどりの日、子どもの日、
母の日と記念日が続きます。心も軽くなり、リズミカルな歌もプランに入れたくなります。
お茶に纏わる歌だけでも、「茶摘み」「茶つぼ(わらべ歌)」「チャッキリ節(静岡民謡)」など

地域性では、5月5日に奈良公園で小鹿が誕生したニュースから「小鹿のバンビ」、
バラが咲き始めたと聞くと、「野ばら」「バラが咲いた」・・。
蛙が鳴き始めているので「蛙の合唱」、5月5日の特定日が入る「せいくらべ」、
「春の小川」「丘を越えて」「高原列車は行く」などもしっかり歌唱できる曲です。
5月下旬に入れば、枇杷の実や卯の花の歌詞が入る「ゆりかごの歌」「夏は来ぬ」があります

一緒に歌っていると時々地域のコーラスを楽しむひと時では?と思ってしまう時があります。
90才が平均程になるグループホームの皆様にとっては懐かしくもしっかり歌うことができる
曲になります。時々若い職員さんがご存知ない曲があり、ご教示する側になり微笑ましいです。

特に認知症対応型のグループホームのプランには皆様が懐かしいと感じていただける曲を
選ぶことになります。アルツハイマー型認知症の人は学童期から思春期、青年期を過ぎる頃の歌を
とても良く覚えておられます。このことは研究文献や書籍などでも既知のことであり、
更に、リズミカルで多様な音色を感じながら、この季節をお楽しみいただくことになります。

参加される皆様のお顔を浮かべながら、あれやこれやとプランを作成していきます





24年目を迎えたパーキンソン病患者・家族会の音楽療法

2024-05-11 05:57:21 | 音楽療法実践
奈良盆地の今朝の日の出は5時15分でした
連休中に早朝散歩した田舎の景色や雰囲気、自然界の音とは異なりますが、
新緑の桜並木の川沿いを歩けるのも幸せなひと時です。
ちょうど大きな声で鳥が鳴いていたので、スマホで調べてみるとオオヨシキリ
だと分かりました。便利な道具です
田舎の玄関先にはツバメの親が巣を暖めており、今度帰った時には巣立って
いるのかもしれません。
自然界の春は活気が溢れています。

今年度初のパーキンソン病患者・家族会の活動として、音楽療法を実施しました
次回の音楽療法はクリスマスに実施予定なので、今回は爽やかな春から
紅葉を愛でる秋までの歌をプランに入れました。
会場を確保した2月からプランニングを始め、あれやこれやと過去のプランも見ながら、
今回は斉唱では得られないハーモニーを感じて、ご一緒に歌唱をお楽しみいただきたく思いました。
早速、長くコーラスをされている長年の友人お二人にお声かけをしたところ、
快諾いただき、早速楽譜をお届けして3月中旬には私のピアノ伴奏で合わせの時間を持ちました。
当日のピアノ伴奏は音楽療法士の仲間として長くご一緒してきた友人にお願いしました。

待ちわびた春の「花」から始まり、「ホタルこい」の輪唱、「夏の思い出」「野ばら」
「もみじ」「故郷」のハーモニーを感じながら歌唱と楽器活動をしました
間に、三味線の音色と和太鼓で民謡、ミュージックベルとトーンチャイムの音色を
楽しみ、斉唱の「七夕さま」でツリーチャイムでお一人おひとりの音色をいただきました。

認知症の人が会話は不自由でも歌うことは出来るという自身の体験や実践の話と、
実物の現行教科書を持参して歌い継がれている唱歌などがどのように
掲載されているのかをご紹介しました
パーキンソン病の特徴でもある身体の不自由さに音楽を利用していただきたく、
今回はお持ち帰りの歌集を作成しました。
心身ともに少しでも軽やかになっていただければ幸いです。

奈良県郡山保健所管轄の地域は、大和郡山市、生駒市、天理市、山辺群の山添村、
生駒郡(平群町、三郷町、斑鳩町、安堵町)になります。
郡山保健所が難病のパーキンソン病の理解と支援を地域に呼びかけたのが2000年でした。
既に私の音楽療法の学びも始まっていましたので、郡山保健所の支援を頂きながら音楽療法の
活動が継続されてきました。2005年に難病相談支援センターが開設されています。
患者・家族会の人数が年々減少していますが、ゆったりとした穏やかなひと時だったと感じています。

いつもの皆様の歌声にコーラスのお二人が音の響きや輝きを足していただき、
華やかな雰囲気が漂いました。
爽やかな歌声が今の季節と重なって心地よく思い出されます



新緑の季節

2024-05-07 19:50:08 | ひとりごと
長い連休が終わりました。
義父母が住んでいた田舎の家を拠点に家族全員が揃って
賑やかな日々でしたが、食べ盛り、遊び盛りの小学生の子達からは
パワーを貰い過ぎて・・・
やっと今日はゆったりと過ごして休養できました。

そんな中で「奈良公園で小鹿誕生」というニュースが入ってきました。
5月5日に56cm、3600gで産まれたそうです。
小鹿のバンビは可愛いな~ お花がにおう春の朝 
昭和26年の童謡(作詞:坂口淳・作曲:平岡照章)です。軽やかな三拍子の
曲で、季節の歌としてプランに入れることができます。

連休中に葛城山へ‘やまつつじ’を見に行きました
金剛山系が連なる大和葛城山は大和盆地と大阪平野を一望できる頂上まで行くと、
見事な赤絨毯のような景色が目に入ってきて暫く見惚れるひと時を味わいました。
もうひとつ驚いたことは見事なスカンポを数本見つけたことでした。
葉も少なく太めで、品よくす~っと伸びている姿は見入る程でした。

田舎でも早朝散歩をしながら、小さな小川沿いにあった数本のスカンポを
持ち帰り、節で切って笛として皆で楽しみました。
畑ではスナップエンドウ、実エンドウ、絹さや、ニンニクの芽が採りごろで
皆で旬を味わいました。子達はツバメの巣をそっと見ていたり、小さな蛙などを
捕獲して遊んだりと田舎を満喫していました。

新緑の季節は心身ともにエネルギーをもらえるので、早朝散歩は
本当に気持が良いです。静かな田舎の空気や景色では尚更です。
子達にせがまれて一緒に歩くと、一人では見つけられていない景色を
教えてもらえます。田舎ならではの新鮮な日々でした