音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

学会認定音楽療法士の新資格認定制度

2010-08-27 21:44:25 | 音楽雑記
お蔭様で「音楽療法」という言葉が少しずつ浸透してきて、
「音楽療法士になるにはどのような方法がありますか?」という
ご質問が増えてきました。時には知り合いに勧めたいから教えて
欲しいというお言葉もいただきます

関西では同志社女子大学、相愛大学、武庫川女子大学において
音楽療法学科などの専門コースがありますが、それ以外のコースとして
今年の春に学会ニュースで発表がありました。このブログでも少しご紹介
させていただきましたが、日本音楽療法学会が認定する音楽療法士に
関する新資格認定制度を以下、ご案内いたします

http://www.jmta.jp/news/2010/nintei.pdf

「認知症」をひとくくりにしないで

2010-08-25 07:39:08 | 音楽雑記
2000年に介護保険制度が発足してから今年で10年になります
その4年後に「痴呆症」という言葉に対して「認知症」が
行政用語として使用されるようになり、マスメディアをとおして
今では多くの方が認知される言葉になりました。

当初、老年精神医学会においては学術用語としては不適当であると
判断していましたが、世間的に広く使われ始め、使わざるを得なくなりました。
ところが、様々な「認知症」のタイプがあることの理解が思うように
進んでおらず、一般社会への専門的な啓発が必要であると述べています

「認知症」には「アルツハイマー病」「脳血管障害による認知症」「レビー小体病」
「ピック病を含むその他の認知症」があり、早期発見と早期治療によって
それぞれのタイプに適切な対応が求められています。
「認知症」と大きくひとくくりにしてしまいがちですが、タイプに応じて
様々な原因や対応が異なることを知っておかなくてはなりません。
音楽療法の実践を通して、お一人おひとりの複雑な症状や背景にある
豊かな人生の個別性がみえてきます

老年精神医学会に参加してからここ数年の「認知症」に関する治療と理論は
大きく進化していると感じます。ただ、その大きな社会的な進化に対して
学会が輩出されている「認知症専門医」の数が足りない現状です。
原因もさることながら、進行度や様々な症状に対する「患者本人主体」の
ケアへの的確なアドバイスと関連職種との連携がスムーズにいかないことから
本人とケアをする家族の戸惑いを実感しています。

その上、「認知症」だけではない他の疾病の対応もあることから、
より一層医療と介護と福祉の専門家の連携が求められることになります。
まだまだケアをする家族の負担が大きい現状の中で、
「認知症」の正しい理解と本人と家族に優しい「介護保険制度」を望んでいます

引用文献:老年精神医学雑誌Vol.21.No7(2010年7月)巻頭言 
「本誌発刊20周年を迎えて」平井俊策(群馬大学)

今日は処暑・・

2010-08-23 06:22:58 | 音楽雑記
今年の夏は本当に厳しい暑さが続きました。
夏ならではの「すいか」や「せみ」の歌があります
特に「せみのうた」は‘どこにいるのか’‘なかなかとれない’などの
歌詞が実感を伴い、近くの公園ではまだまだ元気な泣き声が聞こえます

今日は二十四節気の「処暑」です。
そろそろ暑さと涼しさのバトンタッチの候になると言われ、
せみの鳴き声も変化し始めるそうです。
季節感溢れる実践では「せみのうた」から「虫の声」になります






大集団の音楽療法♪

2010-08-22 12:33:23 | 音楽療法実践
音楽療法の臨床は個人から少人数を対象とすることが多い中で、
100名以上の大集団を対象に「音楽を利用した健康づくりのひと時」として
単発で依頼を受けることが度々あります。

その人らしさに寄り添った心身の健康に役立つ音楽を提供することを
含みながら、多くの皆様とどのようにコミュニケーションをとり、
楽しさを共有することができるのかがポイントになってきます。

高齢者学級や地域交流などは大集団のダイナミズムを利用できること
になりますが、施設や病院などにおいては活動自体が困難な方々が
多いことを考慮しながら、ゆったりとした気持ちでしっかりお伝えし、
皆様の自主的な発言や行動を尊重しながら進行することになります

さらに関係職員の皆様には日々の暮らしに音楽を利用するヒントを得て
いただく機会として、同時にいつもとは異なる「その人らしさ」に
出会う機会として、意識を持って日常に還元していただければ幸いです

大集団の時はセラピストサイドに多くの理解者と臨機応変な活動が可能な
アシスタントの皆様の力が大切になります。
一緒に楽しみながら、常に優しいアイコンタクトができ、
療法士と同じ視点を持ちながら進行を補助していただきます。

参加された皆様や関係者の皆様に数々の失敗を大きく包みこんでいただきながら、
大集団のひと時を終えると、いつもとは異なる安堵感があります
プラン作りから進行に関するアドバイザー的な、又はプロデュース的な
音楽療法士の役割もあるように感じました。
いずれにしても・・・大変多くの皆様にお世話になりました

奈良県難病相談支援センター5周年のお知らせ

2010-08-18 17:49:29 | 音楽雑記
平成17年9月に奈良県難病相談支援センターが開所して5年が経ちました。
この間、郡山市保健所と同場所にあることもあり、地域の活動とともに、
音楽療法へのご理解、ご支援に関して大変お力添えをいただいております

5年前の開所記念講演も近藤清彦医師にお来しいただきましたが、
今回も皆様のご希望にお応えいただき、来奈されることになりました。
近藤先生は音楽療法に関する研究も多く、‘神経難病における音楽療法を考える会’
の発起人をされるなど、多忙な中で大変ご活躍されています。

相談支援センターの活動の中に、難病患者さん自身がピアカウンセラーになる支援や
患者さんの絵画、陶芸、書などの作品を相談室に展覧されるなど、
積極的かつ患者さんに寄り添ったご支援を継続されています

奈良県のお知らせになりますが、以下ご案内させていただきます。

****奈良県難病相談支援センター5周年記念講演会****
日時:平成22年9月25日(土) 午後1時30分~4時30分
場所:やまと郡山城ホール レセプションホール
内容:「難病患者の在宅療養を地域で支えるために」
   パネルディスカッション・講演会:兵庫県公立八鹿病院 近藤清彦先生・作品展
対象:難病患者さんとご家族・在宅療養に関わる支援者・行政職員・奈良県民
費用:無料   定員:先着100名    締め切り:9月17日(金)
申込:奈良県難病相談支援センター TEL0743-55-0631 FAX0743-52-6095

川のせせらぎ♪を満喫

2010-08-16 06:13:47 | 音楽雑記
お盆で田舎へ帰り、日常の暮らしで忘れかけていた自然界を
五感を通してたっぷりと感じてきました
やはり・・人間は自然界にエネルギーをもらっています。
バッタ、カマキリ、コオロギ、カエル・・・
一歩家を出ると挨拶をしてくれているかのように出会います。

お盆行事を終えて、さらに奥へ遠出をして川遊びに行きました
浅瀬の川のせせらぎを音シャワーのように全身で浴びながら、
少し冷たい川に足を入れてゆったりとしていると、
まさに別世界に身を委ねられる至福なひと時です

仕事柄、「f分の1のゆらぎ」や「アルファー波」という言葉が
少し過りながら、いつの間にか本当に心地良い音を感じていました
水面をスイスイと泳ぐアメンボ、澄んだ川には稚魚がいっぱい・・。
瀬音にセミや鳥がメロディを添えながら、何とも贅沢な世界です。

夕方、遠出が難しい老親二人と一緒にビデオで見てみると、
360度を体感した世界とは異なった一部分の世界を実感しますが、
それはそれで、川瀬の音や流れなどを楽しみながら、
二人は思い出話に花を咲かせて楽しんでいるようでした
バタバタしながらも、アッと言う間の4日間でした

幼児の姿から音楽の原点を知る

2010-08-12 01:03:48 | 音楽雑記
音楽は胎児期から臨終期までの人生に深く関わります。
まだ言語の発達が著しくない幼児の多くは
音楽を無条件に体全体で楽しみます

中でも繰り返し、擬音語、半濁音に興味を示します。
例えば、♪おもちゃのチャチャチャ のリズミカルなチャチャチャ。
♪だんご三兄弟 のだんご だんご だんごの繰り返しとタンゴのリズム。
♪トトロ の繰り返しと伸びやかなメロディ。
大人の悲哀を感じる歌詞の♪およげ!たいやきくん も好きです

明らかに歌詞を理解して興味を示しているのではないことが、
耳から入ってきた意味不明な言葉で歌われていることから分かります。
替え歌も得意です。だんご三兄弟が「りんご三兄弟」や「豚三兄弟」などに・・
いつの間にか身近にある「叩くもの」を楽器にして演奏を始め、
振り付けも入れてピョンピョンと踊っています

音楽が身体運動を誘発し易いこと、多様なリズムがあること、
魅力的なメロディは自然体で受け入れられることなど、
興味を示す要因が分かり易いことから、幼児期の発達に音楽は欠かせないと言えます。
楽しそうに歌って踊る愛らしい姿から「音楽の原点」が見えてきます

嬉しい意見交換

2010-08-10 23:06:28 | 音楽雑記
しばらく留守をしているその間にも、
拙いホームページやブログへお訪ねいただき、
いろいろなお問合せをいただいています

音楽が全ての病む人に万能である訳ではなく、
それどころか時には心に乱暴に入り込むことも認めながら・・・
ただコミュニケーションツールとして
音楽が有用な時があることを体験として知るとともに、
その理論を核として、広く音楽療法に関する情報を発信しています

さらに関連分野の皆様との意見交換を求めて一歩ずつ歩む中で、
ご本人との面識は無くても、実践や研究に関する
意見交換できることは現代ならでは・・です。

真摯に実践を継続されている方や音楽療法に興味を持たれた方から、
研究に関するお尋ねや情報に関するご質問などをいただきます。
音楽が社会や人間とホリスティックな関わり方をしていることを
共有できることはホームページを開設した喜びの一つです

音楽療法を希望される全ての方が、保険の適用によって
負担を少なくできるように活動を続けていきたいと思います

回想法に役立つ音楽♪

2010-08-03 18:04:32 | 音楽療法実践
認知症に関する学術的な研究は医療、介護、地域、社会の分野で
共有しながら重要な位置づけとして認識され始めています
既に厚生労働省からは2025年には320万人を超す方が認知症になると述べ、
多様な学会においても回想法が注目され始めており、
回想法に関する研究会や講座が各地で開催されています

音楽療法の実践の中でも回想を入れながら進めることがあります
人生を歩まれてきたお一人おひとりにスポットがあたる場面には
個別性の高い歌や曲などの音楽が寄り添っていることが多くあります。
生き生きとした表情とともに語られる人生のひとこまには
その人らしさが溢れてきます

理論と実践技術は必要になりますが、お一人おひとりに専門家が
寄り添うことは不可能な中、身近にいる家族や地域の支援者の皆様が
少しでも役立つ初歩的な技術を得てもらう機会が必要になります。
「気持ちがスカッとした」
「懐かしい話をゆっくり聞いてもらえて嬉しかった」
「歌ったら一瞬にしておさげ髪の私に戻ったわ」・・・

心の足取りが軽くなり、表情が明るくなられていく現場から
地域全体へ発信され、介護者も共に笑顔になってもらえることを願い・・・
音楽回想の実践を重ねていきたいと思っています

凛とした夏の花

2010-08-01 09:30:26 | 音楽雑記
田舎の庭には自然に任せて?あちらこちらに青シソの葉が茂っています。
思えば、春先にはヒョロヒョロとアスパラガスが以外な所に顔を出して、
その愛しさに思わず微笑んでしまいました

猛暑が続く中でも凛として咲く花の姿は、
自分の仕事をきっちりこなしているようにみえて背筋が伸びます。
中でも芙蓉は暑い太陽の光を浴びて喜んでいるようです

蜜を求めて蜂や蝶々が飛び回り、カタツムリも顔をだして・・・
幼子がいれば可愛い歌が聞こえてきそうです