音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

看取りの歌♪

2013-08-21 06:15:56 | 音楽療法実践
患者さんの暮らし全体を診る総合診療医を目指して
岐阜県の久瀬診療所で後期研修に励んでいる医学生がいる。

総合診療医の志望を固めたのは、二年前に受けた
地域包括ケアセンターの研修の経験だった。
膵臓がん末期の女性の訪問診療に関する事前調査で、
思い出の歌は「♪荒城の月」だと聞き、
「意識がはっきりしているうちに聴いてもらおう」と
スタッフたちで練習して家族と一緒に歌った。
その翌日から昏睡状態になったが、一度だけ目を覚まして
「10点」と言って、また眠りに入った。
看取りの場で涙の斉唱になった。

「スタッフや家族の一体感に感動しました。最初は歌に
ためらいがあったけど、医療以外にもできることがあると
分かりました」と医学生。
高齢者の暮らしを最期まで支える多職種連携。
そのチームの中で「患者さんの役に立つ、敷居の低い
医者であることが大切」とケアセンター長は話す。

・・2013年7月30日「中日新聞」の記事の一部を抜粋・・

看取りの最期に本人の大好きだった思い出深い音楽を
歌う、演奏する、曲を流す行為は、逝く人も、見送る人も
共有する感謝の気持ちを持ち、穏やかな別れにつながると思います。
現場で多くの皆様とお別れをしてきました。
お一人おひとりのその人らしい曲がいつも浮かんできます
音楽療法士はそのお手伝いができる仕事です。

鼻歌で気分転換

2013-08-05 20:10:59 | 音楽雑記
義父の満中陰の挨拶も兼ねて、久し振りに実家へ帰省しました
本当は5月の連休の終わりに帰省する予定でしたが、義父が体調を崩して
入院した後はずっとバタバタで今になってしまいました。

90歳の実父は義母と同じアルツハイマー病です。
同じ町に兄夫婦がいてくれていますが、日々の暮らしは実母が
ほとんど介護をしている状態ですので、その様子もうかがいながら・・・。
認知症の介護者の心理的な負担の大きさを体験しているだけに、
少しでも母がホッとできるように、両親を旅行へ誘いました

父は義母と殆ど同じ症状で、物盗られ妄想があり、
すぐ前の出来事も忘れてしまう現状です。
旅館へ着く頃には好物のうなぎの昼食を食べたことも覚えていません。
寛ぎながらの夕食までの間に「泥棒が家に入るから食べたら帰る」と言い出し、
義姉にメール連絡をして留守番をしていることとする確認をして、
電話で父と話をしてもらって、やっと落ち着くことができました。
家族の共有認識と連携のお蔭で「安心」して泊まることに繋がりました。

帰宅して実家にある古いピアノを久し振りにゆったりと弾いていると
父は「ピアノはええな~」とソファで座って聴いています。
高齢者の実践でよく弾いている父の時代の懐かしい歌のメドレーを演奏すると
「涙が出てくる・・」と素直な感想を伝えてくれました。
家事で忙しい母も途中から座って聴いており、日常とは異なる
「思い出の虫干し」のひと時を過ごしてもらうことができました

義母と同じように老親の父母も折々に歌を口ずさんでいる姿があります。
家事をしながら、庭の手入れをしながら・・・
意識しない中で、上手に気分転換をしているのかもしれません