音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

虐待を受ける高齢者の半数が「認知症」という現実

2013-01-27 22:21:27 | 音楽雑記
2006年度に高齢者虐待防止法が施行されて以来
毎年件数が増えていましたが、2011年度の発表では
初めて前年度から微減しました。それでも1万6750件あります。
ただ、ほとんど変化が見られない内容があります。
それは、虐待を受ける高齢者の半数が認知症を患う人であり、
加害者は息子(4割)と夫(2割)で全体の約6割を占めています

一方で男性介護者が増加して、今では3人に1人であると言われています。
虐待の要因として介護疲れが大きいこともありますが、
他者の協力がないこと、それを求めないことも考えられます。
男性介護者の会が拡がり始めているようです。
「自分だけではない」「話を聞いてもらえる」「アドバイスを受けられる」
介護者同士の集まりというだけで安堵感が得られるのは
認知症の家族会へ参加した者としてよく理解できます
会社人間として働き続けてきた人が急に家事力を求められる現実は
待ったなしの時間になります。洗濯、買い物、料理、付き合い、雑用など
をこなしながら介護することは容易ではありません。

自分だけのストレス解消法がありますか?
大好きな音楽を聴いたり、運動をしたり、読書をしたり・・・
その自分だけの時間を得るためにも介護サービスを利用されることを
お薦めします。介護者のリフレッシュが、いつまで続くか分からない
介護を継続するために最も必要だと感じています。
認知症の患者数が増加する今後のためにも
介護者のメンタルヘルスケアの重要性を考えていかなければなりません。



医療と福祉の連携

2013-01-18 20:04:56 | 音楽雑記
今春の4月からホームヘルパー2級講座が廃止され、
「介護職員初任者研修講座」に変わるようです
一年前の新聞に既に掲載されていましたが、内容は以下のようです。
認知症高齢者のケアを学ぶ内容を増加し、医療との連携や、演習を充実させ、
筆記試験も加わるということです。

厚生労働省から平成23年1月に「今後の介護人材養成の在り方について(概要)」の
報告書として出されています。その中でホームヘルパー2級を「初任者研修」と位置づけ
質の高い介護サービスを安定的に提供していくためと記してあります。

認知症を患う義母と実父の二人の介護家族者として特に気になることは、
医療と福祉の連携です。実際、老親の二人がアルツハイマー病だと診断された後に
福祉関係者との繋がりを医師側から示していただくことはありませんでした。

薬などの治療は病院ですが、介護認定を始め、支援サービスを受けるための窓口を
紹介してもらえないことから、家族だけで介護を担っているうちに症状が重くなり、
ようやく知人や親戚に助けを求めるという現実が少なくありません。

私のように仕事柄の関わりがあれば迅速に役所や福祉協議会へ
連絡をすることが可能でしたが、一般的に困っている方が多いことを知ります。
早期治療とケアによって認知症の症状を悪化させないことから、
認知症のケアにおいて福祉と医療、地域、家族の連携を強く要望しておきたいと思います。

今後の方向性として増加する認知症の方の在宅ケアに力を入れていくようです。
今週で「音楽介護」の後期授業が終了しましたが、学生さんには認知症の方の
ケアをする時に音楽のポケットがあることを忘れないで欲しいと伝えてきました。
音楽を利用して笑顔の絶えないケアに繋がって欲しいと願っています


新年のご挨拶

2013-01-08 18:43:03 | 音楽雑記
新年明けましておめでとうございます。
昨年は本当に一ヶ月が早く過ぎていくことに
驚くばかりの一年でした

アルツハイマー病を患っている義母は6月に誤嚥性肺炎の疑いで
入院して「夜になると人格が変わって凶暴になります」と
看護師さんに驚かれたことを思い出します。
ほとんど食事もとれなかったその頃を考えると
年末の元気な様子は信じられないほどです
「私はいくつになったんかね~?」と笑いながら聞き、
一月で94歳になると伝えると顔中で驚いてみせながら
「不思議な命をいただいて・・」と言います。

同じくアルツハイマー病の実父は12月に腰骨を骨折して
いることが分かり、年明けてから様子を見に行きました。
コルセットは巻いていますが、毎晩楽しみにしている
晩酌は変わらず、少しずつ歩けているので安堵しました。
ただ、やはりみかんを食べたことは忘れてしまい
目の前にあれば際限なく食べてしまうようで、
母の気苦労にも配慮が必要になってきます。

母の三味線を借りて♪黒田節、♪お富さん、♪斎太郎節を
弾くと手拍子をしながら声高らかに気持ちよく歌っていました。
その姿は父らしく、生き生きとした「現役」にみえてくることから
歌は不思議な存在であり、確実に認知症の人には利用できる技術といえます

老親4人が無事お正月を迎えられてホッとしていますが、
今年も認知症にまつわる仕事や介護にどっぷりと浸かりそうです