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音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

一年振りの音楽療法♬🎄

2021-12-14 06:52:25 | 音楽療法実践
昨日、一年振りの音楽療法の会が開催されました
コロナ禍の一年が過ぎたことを実感しながらで、
未だ緊張はありますが、懐かしい皆様にお目にかかれて嬉しく思いました。

パーキンソン病患者・家族の会では一般の地域の活動よりは
慎重に実施する判断をしてきました。
私たちよりはご本人とご家族の皆様の方が恐れた一年だったと感じています。

春も秋も取りあえず実施する場所の確保はしていただいていました。
ただ、一週間前位の状況を考慮して中止になっていました。
21年間の継続してきた活動ですが、こんな一年は初めてです。

昨年のクリスマス会にはクラリネット演奏をお楽しみいただきましたが、
今年はハーモニカ演奏をお願いして、優しい音色に癒されるひと時になりました。
いつものような活発な歌唱などは控えめにして演奏がメインのプランにしました

お一人の人は懐かしさや色々な感情で涙が出てくる、と話されました。
参加された皆様の表情を見ていると私も胸がいっぱいになりました。
ただ、ご一緒に楽器活動や歌唱をしているうちに、やはりパワーをいただいた
実感があり、ライブの活力はこういうことだと思い出しました。

トーンチャイムの音色でハーモニーを奏でた時はクリスマスの雰囲気の中で
優しい音楽が会場全体に降り注いでいました
「良いお年をお迎えください」というご挨拶で終わりましたが、
本当に来年こそは、穏やかな雰囲気の中で自由に会話や音楽を楽しめる
ことを願うばかりです



パーキンソン病患者・家族会の21周年

2021-11-13 07:00:00 | 音楽療法実践
21年前の2000年の夏に、地域保健所が難病であるパーキンソン病患者の
支援を広報誌において住民に呼びかけました。

パーキンソン病の理解に繋がる医療講座、支援方法のグループワーキング
などを経て、11月から実際に患者・家族会への活動が始まりました。
保健師さんの優しく、細やかな気遣いのある関わりを共有しながら、
緊張する中でも癒されるひと時だったことを思い出します。

2001年に日本音楽療法学会が設立され、音楽療法の普及も始まりました。
学会において難病と音楽療法を学ぶ中で、パーキンソン病の活動に音楽利用も
理解され、年に数回の音楽療法の集いが開催されることになりました。

音楽を活用したリハビリ運動、グループ活動を通しての社会への繋がり、
日常生活における音楽の利用、音楽本来の活動の楽しさと新奇性、等々。
リクエストなどを通して私自身が本当に多くの学びをいただきました
リクエスト曲を通して、一人の人生に寄り添うことの大切さも教えていただき、
講師の時の講義やその後の研究に繋がりました。

2000年には介護保険制度が開始され、近年は多様な利用者の要望に応えられる支援が
充実してきました。難病の患者さんも利用する社会的な機会が増えており、
iPS研究による臨床も始まっています。様々な取り組みが暮らし易さに繋がっています。

21年間を通してご一緒して活動できたのは私を含めて3人になります。
活動をするかどうか迷っている時にポンと背中を押していただいたこと、
いつも利他的精神で活動全般を支えていただいたこと、
お互いにさり気なく気持ちを伝え合えたこと、
私一人では21年の活動はとても継続できなかったことを思うと、
ご一緒して支えていただいたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

昨年の20周年を迎えた時には、関わって下さった多くの保健師さんと他地域の患者・家族会、
そして地域の皆様に呼びかけて記念の集いをする予定でしたが、コロナ禍によって
延期せざるを得ませんでした。
今年になっても音楽療法として初めての活動が来月に開催されるという現状です。

来年こそは、多くの関わりを通してご支援していただたいた皆様と21周年の記念の集いを
ゆったりと穏やかな気持ちで開催できますように・・・




再開した音楽療法♪

2021-10-29 06:26:16 | 音楽療法実践
10月に入ってやっとコロナ感染者数が減り続け、
少ない数で安定してきました。
音楽療法の活動の多くが再開され始めてきました

行政や個人の活動に比べると、施設訪問においては
かなり気を使われていることが伝わります。
街中の活動の多くは殆ど普段通りになってきましたが、
施設ではクラスターが起きてしまう恐れがあり、
特に認知症の人にはコロナの流行自体を理解することは難しく、
日常の関わりには大変気遣いが多いことを実感しています。

そんな中ですが、認知症対応型のグループホームへの
音楽療法も再開し、皆様の笑顔からパワーを頂いてきました。
やはり、人は人との交流の中で、様々なやり取りが生まれて活気づいてきます。
音楽が介在する交流は場を和まし、心も身体も柔軟にし、
会話が増え、笑顔に繋がり、職員さんとの非日常な交流も生まれます

季節感を感じながら、軽い身体運動、歌唱、楽器活動、鑑賞など
10数曲の一時間があっと言う間に過ぎていきました。
歌うことに参加できない中でも、楽器活動を楽しまれ、
楽器活動が難しい中でも、手や足でリズムを刻まれ、
少しずつ笑顔や会話が増えて穏やかな雰囲気と共に一体感が出てきます。
音楽が引きだす回想力は凄く、懐かしい昔話が溢れ出ます。

久し振りでしたので、当日の担当ではない職員さんがわざわざお訪ねいただき、
お会いできたことは本当に嬉しく思いました。
直にお目にかかって声をかけあうことの大切さを改めて実感しました。

いつまで安定した日々が続くかは分かりませんが、
色々な予防の知恵を出し合いながら、心豊かで楽しい活動が
継続することを願うばかりです


高齢者施設への遠隔音楽療法

2021-09-17 07:14:46 | 音楽療法実践
今まで通りの施設訪問における共通した基本的な対策としては、
マスク着用、配置・着席の間隔保持、こまめな換気、検温、手指の消毒、
使用楽器の消毒などがありますが、多職種の職員さんとの連携が欠かせません。

遠隔音楽療法におけるメリットは、音楽療法士がマスクをしなくてすむので
今まで通りの関わりが表情で読み取り易く、対象者の皆様に戸惑いが無いことです。
ただ、楽器活動では音楽療法士が持参する場合は出来ることが限られ、
歌唱と身体活動を増やすプランに変更することが多くなります

さらに、遠隔における伴奏の工夫としてメロディを鮮明に弾くこと、
伴奏のコードを複雑にしないで、ベースラインをはっきりすること、
ペダルの踏み込みを細やかにすることなどが考えられます。

参加される状態にもよりますが、利用者の皆様はその場でのが可能になり、
日常生活のままでリラックスされていることが多いと感じます。
Zoomを利用すれば、ご家族も同時に視聴することが可能になります。
現在のコロナ禍における施設での面会は時間と距離などの制限があり、
音楽を楽しまれている幸せなひと時を共有でき、ご家族の心理的援助にもなります

コロナ禍では認知症における研究会などは登録手続きさえすれば、
全国どこにいても参加は可能になり、質疑応答などもスムーズに出来ています。
現地までの時間、交通費用、労力などを考えると本当に効率的です。
さらに、仕事の関係で参加できない人の為に、録画視聴にも対応しています。

高齢者への音楽療法には、声量(発声)や嚥下機能の維持、向上、
身体活動の活性化、他者との交流時間の増加(社会性の向上)、
脳の活性化、音楽を楽しむ意欲向上などの効果があり、
施設からの継続した依頼が多いと感じています。

現状では難しいと考えられていた音楽のICT利用が
コロナ禍において臨床の選択の幅を広げることになり、
臨機応変に音楽療法が継続されることを願います

参照:日本音楽療法学会誌Vol21/No.1 2021

遠隔音楽療法

2021-09-12 11:23:33 | 音楽療法実践
コロナ禍の中で大きく変化又は進化してきたICT活動。
教育現場においても急がれており、職場ではリモートワークも取り組まれてきました

音楽療法の臨床においても対人関係を築くことが難しく、
かなり多くの音楽療法士が戸惑ったままの現状が継続されています。

ただ、徐々にリアルタイムで可能なオンラインセッションが実施され始めています。
オーストラリアのシドニーで実施されている名郷さんは模索されてきた
遠隔音楽療法を紹介されています

①Zoomによるオンラインでのリアルタイムの遠隔個人セッション
②電話による音声のみのリアルタイムの遠隔個人セッション
③事前録画によるセラピストからクライアントへの一方向の個人
 及びグループの遠隔セッション
④対面とZoomによるオンラインでの遠隔を組み合わせた
 「対面+遠隔」のグループセッション

上記の中ではコンピューターやタブレットでZoomを使用したリアルタイムでの
①の方法を一番多く実施されているとのことです。

多くの試行錯誤をしながら実施した中で、自閉症と軽度知的障害をもつ9才の少女を
対象にした記述に多くの気付きをいただきました。
そこには今までのセッションと異なった姿として
自宅だからこそのリラックスした穏やかな表情と
画面上の療法士の目を見て、嬉しそうに笑うという姿がありました。

実際の対面の緊張感の中では目を合わせるのが難しくても、
コンピュータースクリーンであれば威圧感や緊張感をさほど感じずに
すむことがあるというのは、名郷さんにとっても大きな発見だったということです。

その後、8ヵ月の遠隔音楽療法の継続後に対面セッションに戻った時に
遠隔セッションで築かれた信頼関係がそのまま移行されたことに大変驚かれたそうです。
まさに遠隔音楽療法の新しい可能性を実感されました。

その他、認知症病棟、特別養護老人ホーム、発達障害児へ実施されている
遠隔音楽療法が紹介されています。

<参照>日本音楽療法学会誌 Vol.21/No.1 2021 特集 コロナ禍の音楽療法

「認知症の音楽療法とは」の記事紹介

2021-01-05 20:55:08 | 音楽療法実践
今日配信された認知症に関する音楽療法のニュースを以下に記します。
お一人おひとりに寄り添う音楽療法の現場でその人らしさが溢れています

   *****  *****  *****  *****
『失われた記憶が甦る! 認知症の音楽療法とは 
        感情記憶を刺激して記憶の低下が回復』
1/5(火) 11:01配信 YAHOO! JAPAN NEWS
デイリー新潮  

刺激のない巣ごもり生活のストレスから、認知症の患者が増加傾向にあるという。
その臨床の現場では、失われた記憶を音楽によって取り戻すユニークな試みが行われていた。
科学ジャーナリストの緑慎也氏が、音楽療法に秘められた不思議な力を密着レポートする。
(「週刊新潮」2020年10月22日号掲載の内容です)

詳細は以下参照
https://news.yahoo.co.jp/articles/c2cb6b4d2746b598ed95e32f334a2b63c9bd41e8?page=1

21年目の活動♪

2020-12-12 07:40:41 | 音楽療法実践
少しずつ日常を取り戻していたように感じ始めていましたが、
また新型コロナ感染症がじわじわと再流行してきました。

そんな中ですが、今年度のパーキンソン病患者・家族会の活動は
全て中止になってしまっており、せめてクリスマス会だけは出来れば開催したいと
ご要望があり、最新の注意を払いながら実施することになりました

最近使用していた場所より、遥かに大きなホールをお借りすることが出来、
いつもなら100名ほど入るところを15名ほどで利用することになりました。
マスクは勿論、お互いの距離は十分取り、今まで開けたことがない大きな窓を開放して、
利用していただくベルや小物楽器は消毒してテーブルに置くなど細心の注意をしながら・・。

2000年11月に地域保健所の呼びかけでパーキンソン病患者・家族会の支援活動が
始まり、先月に20周年を迎えていました。
20年の間に多くのご支援をいただき、音楽療法の活動も継続することができました。
地域のイオンからは黄色いレシートキャンペーンによるご支援もいただいています

ホールは音響機器も充実しており、クリスマス音楽のBGMや生演奏も
マイクを通して天井のスピーカーから流れてきて音楽に包まれて素敵な雰囲気でした。
ツリー飾りや素敵なテーブルクロスも支援グループのメンバーの段取りによって、
会場全体が心優しく、暖かな雰囲気に包まれていました

20年間の活動に寄り添い続けていただいた難病相談支援センターの保健師さんも
お忙しい中ご参加され、いつもの優しい見守りの姿勢に感謝の気持ちでいっぱいです。

患者さん、ご家族さん、保健師さん、そして支援グループの皆の心が一つになって
クリスマス会のひと時を共有したことは来年に向けた力になったように感じます。

様々なZoomやオンライン講座などで感じることが出来なかった
お一人おひとりの身体全体の雰囲気から感じられる共有感、躍動感、温度感・・

来年こそは距離を意識しないでおしゃべりと音楽を楽しめますように




「パーキンソン病患者・家族会」支援グループ設立20周年

2020-11-03 06:50:29 | 音楽療法実践
昨日の11月2日は地域の保健所主催で住民に呼びかけられた
パーキンソン病患者さんへの支援講座(2000年8月、9月)が開催され、
その後有志が集まって支援グループが設立された記念日です

20周年を迎えられたのは保健所関係者の方々の難病理解に対する熱い思いと
受講した住民への暖かく寄り添われた心遣いに支えられて継続されてきたと思っています。
当時、友人のお父様がパーキンソン病を患っておられ、病気の理解とともに
何かお役に立てることがあればとの思いから受講したことを思い出します。

受講後2日の2000年11月4日はバイオミュージック学会
(2001年4月から日本音楽療法学会へ移行)が岐阜県の長良川国際会議場に参加され、
その場で偶然受講されていたお二人に出会いました。
支援グループへ参加して音楽を通した活動も出来るのではと話し合ったことを思い出します

その1週間後にパーキンソン病患者・家族会による秋の芋堀りの活動へ参加しました。
初めての活動でしたが、保健師さんの心優しい気遣いと適格なご指導に敬服しました。
担当した患者さんとご家族さんとはその後も長いご縁が続くことになり、
音楽療法活動への心強いご支援とご協力を本当に沢山いただきました。

私が音楽療法を並行しながら継続できたのは、患者さんとご家族さんのお力添えが
あってのことだったと改めて感謝をお伝えさせていただくと共に、
同じ支援グループで私が活動を継続できたことは、心強く励ましながら何度も
背中を押していただいた‘同志’の存在があったことは言うまでもありません。

20周年も21年目の活動もこのコロナ禍の中では難しいことが多い中、
患者さんとご家族さんのご希望により、クリスマス会だけは開催することで進めている所です。
ソーシャルディスタンスを取れるように会場はいつもより広い場所で、使用するマイクなどの
消毒や換気などにも配慮することになります。
安心しながら暖かい交流が音楽と共にできることを願いながら・・・

2020年7月6日付ですが、パーキンソン病治療の現状について
「臨床用iPS細胞を用いたパーキンソン病治療の非臨床研究」をご参照ください。
京都大学 iPS細胞研究所 CiRA(サイラ)のHPです。
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/200706-180000.html















素敵な地域活動に感謝

2020-11-01 06:19:57 | 音楽療法実践
昨夜は本当に綺麗な満月でした
更に10月は2回も満月を愛でる機会があり、今のこの時期だけに
特別な気持ちを持って鑑賞しました。

先週、地域で継続されてきた活動が25周年、300回を迎え
地域包括支援センター、社会福祉協議会、支援者の皆様からの
お祝いと共に音楽療法を実施させていただきました

地域にある小さな集会室に高齢者の皆様が歩いて来られ、
窓は全開、お互いに近づき過ぎず全員マスクをし、
消毒に気を使いながらの進行でしたが、心暖かで優しい雰囲気が
溢れた素敵なひと時でした。
数人の人とは久し振りの再会を喜び合いました

音楽療法の中で映画音楽の♪ムーンリバーを鑑賞していただいた後に、
2日後の十三夜と土曜日の満月の話題になり、
私は皆様もご一緒に鑑賞されている気持ちで愛でたいとお伝えしました。
5時過ぎに山から出てきたオレンジ色から高く上がって白っぽくなった満月を
皆様と共有している気持ちで見上げていました。

活動の中でされている皆様の折り紙の作品が沢山飾られていました。
中でも100枚以上使われて出来た‘折り紙万華鏡’には感動しました。
電子ピアノ伴奏を担当して下さった音楽療法士さんと手に取って見ていた時に、
会長さんから「お持ち帰りしてください」とお声かけをいただき、
帰宅してすぐに家族に動画を送付して感動を共有しました。

これからも長寿の社会が続く中で、地域で集まる活動を楽しみながら、
お互いの生活を情報交換とともに支え合うことが大切になってきます。
更にその継続活動を見守り、寄り添う公的支援が心強く感じられました。

音楽療法の後には支援者による「大きな紙芝居」があり、
木魚や太鼓、拍子木、マラカスなどの楽器を急遽入れて
音色と共に楽しんでいただきました

素敵なひと時に感謝を込めて・・・

個人の持ち歌(^^♪

2020-07-24 07:44:30 | 音楽療法実践
日本のプロ野球では選手が登場する時に流れる曲があります。
「登場曲」と言われていますが、その曲に対する
個人の拘りはそれぞれ異なって興味深いです。

数えきれない程多くの楽曲の中から個人自らが選択することで、
「その人らしさ」が感じられます
音楽療法の対象者にも、勿論個別性の高い持ち歌があります。
継続していくうちに、お互いの会話からお好きな曲や分野が分かってきます。

時には全く知らない歌があります。そんな時は歌詞の一部や題名、
又は歌手名などを教えていただき、楽曲を探していくことになります。
それでも分からない時は実際に歌っていただき、その録音の歌詞から
探していくこともあります。
その後、採譜とともに歌詞を仕上げて、次回に繋いでいきます

音楽療法のプランには季節を感じる曲を用意しますが、
時間内に個人へスポットが当たるお好きな分野や持ち歌を
準備していけるよう心がけています。
その時、その場の会話から突然出てくる曲もあります。
臨機応変にお応えできる時もありますが、出来ない時は
次回へのお約束として改めて準備することになります。

野球が好きな人、民謡が好きな人、演歌が好きな人・・・
その中でも更に特別な個人の持ち歌をご用意できればと思っています