音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

<からだ>と<ことば>の関係を考える

2010-10-29 00:18:35 | 研究関連
音楽は胎児期から臨終期まで関わり、音楽療法の対象に幼児や児童も入ります。
日本質的心理学会より研究会のお知らせがあり、
京都大学の大倉先生のご了解を得て、以下ご案内させていただきます。
定員になり次第締め切りになりますので、ご興味のある方はお早めにお申込ください。

・・・・・『感覚の「異文化」から見る〈からだ〉と〈ことば〉
               ~共感覚、自閉症、幼児の体験世界~』・・・・・

 人間は〈ことば〉の世界を生きている―これが現在の質的心理学の「常識」であり、
多くの分析手法もこの前提に基づいている。しかし、元来、人間の〈ことば〉は
〈からだ〉の働きに基礎を持つものとして発展してきたものである。
また、どんなに〈ことば〉の世界が発展したとしても、人は最終的にはこの
〈からだ〉でもって生きるほかない。そうした事実を忘れ、〈ことば〉の世界にのみ
研究者の目が向くとすれば、それは人間の生に迫ろうとする質的心理学にとって
大きな危機ではなかろうか。
 当企画では、〈からだ〉と〈ことば〉がいかなる関係にあるのかを改めて問い直し、
人間の生を捉えるためにどういった視点が重要なのかを、3人のパネリストの
講演を手掛かりにして考えていく。3人に共通するのは、〈からだ〉と〈ことば〉が
特異(非定型的)な結びつき方をしているように見える人々(共感覚、自閉症、
幼児など)の独特の感覚世界を参照しつつ、思索を進めていることである。
〈からだ〉のいかなる働きから〈ことば〉が生まれ、いかにして我々の世界を
作り出していくのか、さらにはそのことが〈からだ〉にいかなる作用を及ぼす
ものなのか―感覚の「異文化」との接触を通して、そうした問題への糸口を模索していく。

【日時】2011年3月5日(土) 13:00~16:30(予定)
【会場】キャンパスプラザ京都(JR京都駅より徒歩2分)4F第4講義室
【内容】
<登壇者>
○岩崎純一
 文字や数字に色を感じる、音・味・匂いに色や形を感じる、風景に音を聴くな
 ど、さまざまな共感覚を持つ。著書に『音に色が見える世界』(PHP新書)など。
○西村多寿子
 翻訳者兼ライター。「身体的側面から見た言語習得」の探究をライフワークの
 一つとし、多方面で活躍。書評、論文等多数。
○村上靖彦・・・大阪大学大学院人間科学研究科。専門は現象学、精神病理学。
 精神分析学にも精通。著書に『自閉症の現象学』(勁草書房)など。
<指定討論者>
○浜田寿美男
 幼児、自閉症、供述分析などの研究を通して〈からだ〉と〈ことば〉の関連を
 探究。『私と他者と語りの世界』(ミネルヴァ書房)など著書多数。
<司会>
○大倉得史(京都大学大学院人間・環境学研究科)

【参加費】日本質的心理学会員:無料  非会員:500円
【主催】日本質的心理学会研究交流委員会、京都大学人間・環境学研究科質的心理学研究会
【申込方法】「3月5日参加希望」と題したメールに「氏名」「所属」「連絡先」
「会員・非会員の別」を明記し、下記の宛先まで送信ください。
 なお、会場の関係で定員になり次第締め切らせていただきます。
(宛先)大倉得史 tokushi_okura〔あっと〕yahoo.co.jp(〔あっと〕を@にしてください)
 *開始・終了時間は暫定的なものです。詳細は追ってお知らせいたします。

「第二回神経難病ケアを考える集い」のお知らせ

2010-10-23 20:46:17 | 研究関連
昨年の7月に「第一回神経難病ケアを考える集い」を
奈良県において開催いたしましたが、
第二回の開催を以下のようにご案内させていただきます

******『第二回神経難病ケアを考える集い』のご案内******
患者さん、ご家族が主体的な療養生活を送るためには、周囲の専門職の
しっかりとした技術・知識・患者家族と向き合う勇気と情熱が必要です。
一人で向き合うには、大きすぎる課題も、同じような思いをもった仲間で
力を合わせれば、前へ進むことができるのではないでしょうか!
①専門的知識・情報を得る場、②専門性を持ったチーム作り
(神経難病患者支援に関し、困った時に相談できる関係づくり)を目的として、
奈良県内で有志の集いを企画しました。
今回は「コミュニケーションツール」をテーマに事例を中心に情報交換を行います

○日時:平成22年11月13日(土)15:00~16:30
○場所:奈良市中部公民館 講座室1 *近鉄奈良駅南へ徒歩約5分
○対象:神経難病患者に関わる専門職等
○内容:コミュニケーション機器のデモンストレーション等を交え実践的な事例検討を行います。
○申し込み方法:*出来れば11月5日までにお申込ください。
○メールの宛先:y.okada@kio.ac.jp 下記の事項を記入しお申込ください。
 ①氏名 ②所属 ③職種 ④奈良市主催の学習会参加の有無
 ⑤具体的に困っている事例 

・・・付記・・・
本回の前に、奈良市保健所主催の学習会が下記の通り行われます。
支援技術を具体的に学びたい方は併せてお申し込みください。

学習会「ALS患者のコミュニケーション支援の実際について」
スイッチ・コミュニケーションツール等の学習会を開催します!

日時:平成22年11月13日(土)13:30~15:00
場所:奈良市中部公民館 講座室1 
   奈良市上三条町23-4 電話0742-26-6506
   会場に駐車場はありませんので、公共交通機関を利用してお越し下さい。
内容: 講演「ALS患者のコミュニケーション支援について」
    ・具体的なスイッチの種類とそれぞれの適応時期について
    ・コミュニケーションツール導入にむけての身体的アセスメントの方法 など 
講師:日本ALS協会 近畿ブロック 作業療法士 小林貴代 氏
対象:ALS患者のコミュニケーションに関わる専門職等
主催:奈良市保健所、日本ALS協会近畿ブロック
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レシートの1%によるご支援に感謝

2010-10-22 19:36:06 | 音楽雑記
今年は平城遷都1300年祭が開催されており、
お蔭様で予想以上に奈良は賑わっているようです

奈良市南に隣接する大和郡山市に今年の3月末、
『歴史・文化の街に相応しいエンターテイメントモール』
としてイオンモール大和郡山がオープンしました

金魚で有名な大和郡山市に居心地良い空間を目指して
ジャスコや170の専門店が入っています。
そのイオンモールにおいて
あなたのレシートがこの街の笑顔に変わります
というキャッチフレーズで、毎月11日のイオンデーに、
レシートを地域のボランティア団体の名前と活動内容を書いた
投函ボックス(モール内に3ヶ所設置)に入れていただきますと、
レシート金額合計の1%が応援したいボランティア団体に寄付される
という活動が始まっています。

難病のパーキンソン病患者さんとご家族さんの活動を支援する
地域のボランティア団体「そよ風」として2000年の秋に活動が始まりました。
翌年から始まりました音楽療法にも二つの財団による
ご支援のお蔭で今年度も継続させていただいております
来月には11年目を迎える私たちの団体に、レシート応援として
皆様から「1%の温かいご支援」を初めていただくことになりました

ご支援をいただきましたお一人おひとりの皆様に心より感謝申し上げます。
今後の患者さんとご家族さんの集いに利用させていただきたく思っています。

今後も毎月11日のイオンデーは継続されていますので、
皆様からのご協力を賜りたく、宜しくお願い申し上げます

音楽の「摩訶不思議な力」

2010-10-08 23:25:58 | 研究関連
先月末に神戸国際会議場で開催されました
第10回日本音楽療法学会学術大会は
お蔭様で過去最高の参加者だったそうです。
音楽療法について少しずつ関心を持っていただく方が増え、
実践や研究に関してもお尋ねが多くなってきたように感じています。

音楽を教育や趣味としての「音楽」として捉えるだけではなく、
五感を通して誰もが心身に感じる音楽を役に立てたいと願いながら、
研究や実践が積み重ねられてきました。

今回も様々な内容の研究発表があり、あらためて要旨集を見ています。
知的・発達障害からダウン症、自閉症、脳性麻痺に関する児童領域から
重度心身障害、脳出血などに関する成人領域、
そしてリウマチ、認知症、口腔機能向上などに関する高齢者領域や
緩和ケア、コミュニティなどまで音楽の守備範囲が広いことが分かります。
さらに、個人の症例から大集団の実践、そして地域における調査など内容も多様です。

私にとってはこの上なく「摩訶不思議な力」を持った
宇宙的な存在である音楽を、未だ捉えられそうもありません。
それでも、音楽のある「その時」「その場」を楽しみに
待っていてくださる皆様にお目にかかる幸せに感謝しながら、
日々の暮らしを積み重ねていきます。

阿南慈子展のご案内

2010-10-03 08:21:51 | 音楽雑記
多発性硬化症という難病で失明し、首から下は動かない状態になりながらも、
口述筆記により詩、エッセイ、童話等を執筆し、2000年11月7日にその生涯を
閉じられるまで、病床からメッセージを送り続けた阿南慈子さん。
彼女が書いた文章は、今なお多くの人々に生きる希望や勇気、癒しを与え続けています。
没後10年に当たる本年、最終展が開催されます。
思文閣美術館のHP http://www.shibunkaku.co.jp/artm/
以下のお知らせは思文閣美術館学芸員の柴八千穂さんのご了解を得て掲載させて頂きます。
全て、申し込み不要、入場料無料です

・・・・・ 阿南慈子展 ~今、生きているあなたへ~ ・・・・・
 ○会 期:2010年11月6日(土)~11月21日(日)・・休館日 月曜日
 ○場 所:思文閣美術館(京阪出町柳駅より東へ徒歩5分)HP参照
 ○開館時間:午前10時~午後5時(ただし、最終日は午後3時まで)
 ○入館料:無料

・・・・・  関連イベント 講演会 ・・・・・
 ○日 時:2010年11月7日(日)午後2時開催
 ○場 所:思文閣会館2階催事場 
 ○講 師:上田祥博(医療法人天翔会 理事長/上田リハビリテーション診療所院長)
 ○費 用:無料

・・・・・ 記念コンサート ・・・・・
 ○日 時:2010年11月10日(水)午後6時開演
 ○場 所:京都府立文化芸術会館
 ○出演者:お話・リコーダー:阿南孝也 指揮・作曲:遠藤政樹
      合唱:女声コーラス『コール星』 ソプラノ独唱:東朝子
      合唱ピアノ:中川啓子 チェロ:西尾望
      朗読:田中まみ ピアノ・作曲・ボーカル:阿南時也と音楽仲間たち
 ○入場料:無料