音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

認知機能検査を企業の健康管理に導入

2020-07-30 06:34:26 | 研究関連
曇っている中とはいえ、今朝も6時前から蝉は元気に鳴いています
本当に目覚まし時計の役割です。

いよいよ関西地方においても新型コロナウイルス感染拡大が止まらない状況です。
勿論京都府内の感染者数も増加しており、
京都大学においても活動制限のガイドラインのレベルが再び上がり、
対面講義は原則停止され、オンライン授業を中心にして
すべての課外活動を自粛するようにと、7月27日に情報が更新されています。

研究室メンバー(学生を含む)の集まりを含む、研究室外での行事や催しは禁止され、
より高い制限の検討のお願いが記されています。
本来は夏休みとは名ばかりの調査研究などが始まるこの時期には
研究室においても情報及び意見交換を含む交流があるのですが・・・。

そんな中で、7/29(水)1:25配信のネットニュースが流れてきました
以下、YAHOO!JAPANニュースより
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「認知機能検査アプリを導入 三谷産業、40歳以上の社員に」
 三谷産業(金沢市)は29日、40歳以上の社員のスマートフォンやタブレット端末に、自身の認知機能を検査できるアプリを導入する。65歳未満で発症する若年性認知症は自分で気付きにくいことから、健康管理に役立ててもらう。
 米国で開発された検査アプリ「Savonix(サボニックス)」を採用し、社員に定期的な利用を呼び掛けていく。三谷産業によると、アプリでは記憶力や集中力、注意力などの認知機能を測定でき、結果によっては医療機関の受診を勧めるケースもある。 同社では、全社員約500人のうち、約300人が40歳以上の社員となっている。  
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①自分で気付きにくいこと ②健康管理として役立てること
③簡易に出来るアプリを導入すること 
④結果によっては医療機関の受診を勧めること

認知症は同居している家族や仲の良い友人でも気づき難いことがあり、
客観的に、定期的に利用されることによって今後の生活に繋がっていきます。
今回は若年認知症に関する内容ですが、今後は認知症の一歩手前と言われる
軽度認知障害(MCI)の検査も取り入れて欲しいと思います。

企業や公的な市町村の定期健康診断に入れることで、
早めの治療に繋げることができたり、認知症になるまでの期間を遅らせたり、
適切な指導によって軽度認知症の症状を軽減することが出来ます。

個人の病気ではなく、社会の病気として捉えることで
認知症になる前に出来ることは多くあるように感じています

オンライン開催♪

2020-07-25 06:14:37 | ひとりごと
2001年に発足した日本音楽療法学会運営事務局から
第20回日本音楽療法学会学術大会に関する案内があり、
他の多くの学会と同様に今年度はオンライン開催になるとの事です

1つの講演、講習会の予約に対して受講料金支払とともに
個人へIDとパスワードが送付されてきます。
本来は全国のどこかで一年に一回開催されていましたので、
移動が大変になりますが、オンライン開催は自宅から参加でき、
時間と費用の面では自己負担がかなり少なくなります。

勿論、会場での交流や質疑応答などの時間は省かれることになり、
充実しない面も出てくることは致し方ありません。
ただ、メールなどで少しは補うことも可能なのではと思いますが・・。
それでも、岡山や宮城での大会参加だけではない療法士仲間との
思い出は懐かしいものです。

オンラインは友人や家族同士でも会わないで交流することが出来ることから
この新型コロナ感染症の流行時には新しい方法として重宝されています。
大学の講義は勿論ですが、診察、演芸、コンサート、演劇、教育、
演奏会などにもオンラインが利用されるようになってきました。

臨場感は少ないかもしれませんが、新しい試みのカメラワークなどから
今までの現場では見られない細部への気づきや楽しみも
コンサートなどでは増えているように感じます。
健康の不安や遠方という理由で見合わせていた諸々の会へ
参加が可能になることは新しい社会の形なのではと思います

現在のICTの技術は世界でのオンライン時にも時差が無いと言われます。
会議や打ち合わせが多い会社ではオンライン利用を
増やすことが考えられています。
世界の音楽療法をオンラインで交換し合う日も遠くはないようです

個人の持ち歌(^^♪

2020-07-24 07:44:30 | 音楽療法実践
日本のプロ野球では選手が登場する時に流れる曲があります。
「登場曲」と言われていますが、その曲に対する
個人の拘りはそれぞれ異なって興味深いです。

数えきれない程多くの楽曲の中から個人自らが選択することで、
「その人らしさ」が感じられます
音楽療法の対象者にも、勿論個別性の高い持ち歌があります。
継続していくうちに、お互いの会話からお好きな曲や分野が分かってきます。

時には全く知らない歌があります。そんな時は歌詞の一部や題名、
又は歌手名などを教えていただき、楽曲を探していくことになります。
それでも分からない時は実際に歌っていただき、その録音の歌詞から
探していくこともあります。
その後、採譜とともに歌詞を仕上げて、次回に繋いでいきます

音楽療法のプランには季節を感じる曲を用意しますが、
時間内に個人へスポットが当たるお好きな分野や持ち歌を
準備していけるよう心がけています。
その時、その場の会話から突然出てくる曲もあります。
臨機応変にお応えできる時もありますが、出来ない時は
次回へのお約束として改めて準備することになります。

野球が好きな人、民謡が好きな人、演歌が好きな人・・・
その中でも更に特別な個人の持ち歌をご用意できればと思っています

季節の歌と鼻歌♪

2020-07-19 06:48:48 | 音楽療法実践
昨日から梅雨らしさが薄らぎ、今朝も5時半から
蝉の鳴き声が目覚ましの役割をしています

よく聞いていると、鳴き始めは序章のようにゆっくり始まり、
徐々にクレッシェンドしていき、大きなビートを刻みながら
ハーモニーのようにも聞こえてきます。
その波が繰り返されていきますが、蝉の鳴き声を通奏低音のような
BGMに取り入れて誰か夏の交響詩でも作ってもらいたいです

日本では四季を感じながら脳も身体も一年というスパンに
じっくりと向き合うことが出来ます。
4ヵ月振りに音楽療法が再開されましたが、波音箱による海の音や
夏の季節をたっぷり感じていただくメロディが流れる「その時間」と
「その場」を共有することの大切さを感じました。
参加者及び関係者はマスクは勿論、私はフェイスシールドを付けて
距離もしっかり取りながら、三蜜を避けての時間でした

久し振りの再開の朝から意識していない鼻歌が出てきました。
朝一番には♪五匹のこぶたとチャールストン、家事が始まると♪愛の讃歌、
出かける頃になると♪涙のリクエスト・・・
意識していないのに、最近聞いた曲でもないのに、ファンでもないのに・・
脳を検査して欲しいと思うほど、不思議な鼻歌が出てきました・・・

私には日々良くあるこのお任せ鼻歌、自然体鼻歌ですが、
不思議に思う気持ちはそんなに悪くは無く、むしろ楽しいです


“時”を知らせる音楽利用♪

2020-07-14 12:20:07 | ひとりごと
日本音楽療法学会ニュース(2020年7月)が送付されてきました。
学会理事をされているある病院長のメッセージの中で、
職員への朝礼開始の5分前の‘時’、院内の就寝時間の‘時’、
2時間毎に換気を知らせる‘時’、その時々における音楽利用を
「音楽の秘めた力」であると伝えられています

言葉で伝えるより、行動も意識もスムーズになることがあります。
普段の生活においても音楽で‘時’を知ることは多くあります。
時々帰る田舎では、お昼の12時に野ばら、
夕方5時に夕焼け小焼けのメロディが鳴ります。
パトカーが防犯ソングを鳴らし、ゴミ収集車が仕事中のメロディを鳴らし、
学校ではチャイムで‘時’を知らせます。

野球ではバッター一人ひとりのパーソナルソングがあり、
‘通’の人は音楽を聞くだけで誰が登場するか分かるほどです。
それぞれの想い入れがあり、選手個人を知ることになります。
駅によっては地域限定の発車メロディが鳴り、楽しみの一つです

映画音楽、ドラマ主題歌、コマーシャルソング、
喫茶店のBGM等々、世の中には多くの音楽が溢れています。
イタリア映画の「ライフ・イズ・ビューティフル」では
仲の良い夫婦が別々の強制収容所に入れられてしまい、
お互いの安否が分からなく心配している時に、
夫婦で共有されていた♪ホフマンの舟歌がスピーカーから流れてきました。
生きている‘時’を知らせる音楽利用です。

空間に漂う音楽は共有される範囲が広く、知らないうちに
個人の心地よい音楽として存在していることを望みます

学会とは?

2020-07-12 08:12:40 | ひとりごと
明日の午前9時までYouTube配信されている日本循環器学会主催の
山中伸弥教授と西浦博教授の二人のコロナ対談を一昨日のブログで
ご案内いたしました。
個人的に尊敬して信頼できる多くの研究者は常に真摯で客観的な視点を持ち
謙虚な態度で自身の研究に向き合っている人です。

本日は音楽療法学会も所属している
日本の学会についてまとめてみました。

「学会名鑑」のHPに掲載されている内容によると、
本サイトは、我が国における主要学術団体の各種データを収録・公開しています。
掲載団体は、日本学術会議の活動に協力する
「協力学術研究団体」(全2051学会、令和2年3月3日現在)です。

日本学術会議が学会申請を受けて認定されることになります。
「協力学術研究団体」の要件について、申請時に以下が示されています。

1. 学術研究の向上発達を主たる目的として、その達成のための学術研究活動を行っていること
2. 活動が研究者自身の運営により行われていること
3. 構成員(個人会員)が100人以上であり、かつ研究者の割合が半数以上であること
4. 学術研究(論文等)を掲載する機関誌を年1回継続して発行していること
因みに日本において最大の学会員を構成しているのは
日本内科学会の105,000名です。

日本音楽療法学会は2001年4月に設立され、正会員5,300名で構成されています。
学術研究領域は「心理学.教育学.臨床医学」であり、学会正会員他の年会費により、
学術雑誌(学会誌)の発行、全国会員が集まる学会開催、査読ありの研究発表及び
論文掲載などの活動を実施しています。

今年の2、3月頃からコロナ感染症による影響で音楽療法士の活動が困難になる中、
遠隔音楽療法、ウエブ講習会などの新しい取り組みが始まっています。
学会全体で新しい音楽療法の在り方を模索しながら、僅かな可能性を信じて
音楽の持つ摩訶不思議で自由な魅力をお届けできればと思います。

学会名鑑のHPです。
https://gakkai.jst.go.jp/gakkai/detail/?id=G00993

コロナ感染症に関する学会のYouTube配信

2020-07-10 20:46:53 | 研究関連
第84回日本循環器学会学術集会のHPに掲載されている
山中伸弥教授と西浦博教授の二人の対談による
YouTube配信のご案内です。
期間が限定されていますので以下をご参照ください。

指定配信:2020年7月10日(金)18:00~2020年7月13日(月)09:00
http://www.congre.co.jp/jcs2020/public_seminar.html

パーキンソン病研究の最新ニュース

2020-07-09 06:20:54 | 研究関連
パーキンソン病研究に関する最新ニュースが2020年7月6日付けで 
CiRA(京都大学iPS細胞研究所)において発表されました

<臨床用iPS細胞を用いたパーキンソン病治療の非臨床研究>   
抜粋・・・                     
1. 要旨
 人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来のドパミン(DA)神経細胞は、パーキンソン病(PD)に対する細胞移植治療の材料として期待されています。しかし、多能性幹細胞を用いた細胞製剤の臨床応用に関する規制基準は標準化されていません。
 今回、土井大輔 特定拠点助教(CiRA臨床応用研究部門)、髙橋 淳 教授(CiRA同部門)の研究グループは、臨床用ヒトiPS細胞に由来するドパミン神経前駆細胞(DAP)の安全性と有効性を確認し、臨床試験のための品質規格を確立しました(図1)。 DAPの特性をin vitroで解析したところ、未分化なiPS細胞や増殖性の初期神経幹細胞が含まれておらず、癌関連遺伝子にも異常はありませんでした。さらに、免疫不全マウスを用いたin vivo試験では、細胞の造腫瘍性や毒性は認められませんでした。またDAPをPDモデルラットの線条体に移植したところ、異常回転運動が改善しました。これらの結果に基づいて、PD患者に対する細胞移植治療の臨床試験(医師主導治験)を2018年に開始しました。

 この研究成果は2020年7月6日午後6時(日本時間)に英国科学誌「Nature Communications」で
オンライン公開されました
*詳細は以下を参照
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/200706-180000.html

物凄い‘アルツハイマー病研究’

2020-07-05 09:51:06 | 研究関連
アメリカのデヴィッド・スノウドン博士のアルツハイマー病研究が凄いです
1986年から予備的研究として始まり、その後20年近く継続され、
75才~106才までの678名という多人数の修道女(シスター)を対象に
丁寧で真摯な研究としてまとめられています。

予備的研究としての始まりまでの経緯だけでもとても面白いです。
どのように対象者に理解していただけるのか、
長年に亘って行動観察や認知テストなどの記録を継続できるのか、
過去の資料を全て見せていただき参考にできるのか、等々。

更に、この研究の凄い所は何といっても研究を承諾する中で
修道女自身が死後に脳の解剖(献脳)を許可することでした。
脳の解剖はデヴィッド・スノウドン博士では無く、
神経病理学者のマークスベリ―博士が担当されました。
アルツハイマー病に関わっているプラークと神経原線維変化などの
脳の組織を顕微鏡を使用して詳細に調べたいと伝えたのです。

しかも、脳組織の「盲検」です。
研究に参加したシスターの生前の精神状態を一切知らされないで
純粋に脳だけを調べるという最も客観度の高い検査です。
解釈の手がかりとしてシスターの症状などを知りながら
研究を進めたいところですが、その盲検をした脳の病理と
実際の諸症状と後に関連付けていくことになります。

例えば、面接の時に、本人の履歴などの情報が全く無い中で
直接話し合って個性や魅力を面接官が専門家として
見出していく、という感じかと思いながら・・・。

この本には細部に亘って、アルツハイマー病研究がまとめられていますが、
現在も未だ治療法は確立されていない中で、
予防としての助言や現状も誠実に書かれており、今後も多くの研究が
継続されてながら、この物凄い研究が基礎になるように感じました

<参考図書>
 『100歳の美しい脳』アルツハイマー病解明に手をさしのべた修道女たち
 デヴィッド・スノウドン.訳:藤井留美.(株)DHC.2004年

*6月21日の「ひとりごと」より。小脳梗塞で入院していました94歳の
 母が無事退院できましたのでご報告させていただきます。
 「私です。家へ帰ってこれました・・・」と、3週間振りのいつもの声に安堵しています

7月の音楽療法プラン♪

2020-07-01 23:08:24 | 音楽療法実践
7月に入りました。
まだ梅雨入りの最中ですが、気分だけは‘夏’を感じています
歌うことのリスクが多いので今日現在は音楽療法が始まっていませんが、
7月1日のプランを考えてみます

プランを考える時に私は先ず「今日は何の日?」を含めて
季節感を大切にしたいと思っています。
日本には素晴らしい季節があり、気分も常に変化していきます。
歳時記において7月1日の記念日を確認すると「山開き」「海開き」
「東海道本線全通記念日」「童謡の日」「函館港開港記念日」「琵琶湖の日」等々。

記念日に纏わる音楽も多くあることが分かります。
海の歌、山の歌、童謡などは多くの歌がすぐに浮かんできます。

明治22年に新橋から神戸までの東海道本線が全線開通したことから、
♪鉄道唱歌(明治33年5月)の歌作られ1番~66番まであります。
♪汽笛一声新橋を~から始まり、横須賀、小田原、御殿場、沼津、
三保の松原、浜松、豊橋、熱田、名古屋、関ヶ原、琵琶湖、彦根、
山科、祇園、清水、加茂川、淀川、梅田、難波、有馬山、神戸へと続きます

名所が沢山出てきて駅名や地名を地図で辿りながら歌えば1日では終わらず、
更に当時の歌には歴史も地理も時には笑い知恵も含んでいて、とても楽しめます
汽笛の音色を追加すれば歌だけの旅行気分で盛り上がります。

函館港と言えば、♪函館の女(歌:北島三郎さん)が浮かび、
さらに港に纏わる他の歌にも繋がっていきます。
琵琶湖の歌も同様に拡がりを持って歌うことができます。

我が家の季節の色紙は7月7日の七夕さまに変わりました
地域の音楽としても誰もが共有でき、世代間交流にも活用できます。

日々の暮らしの中で季節の歌も口ずさんでみませんか?