音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

真夏の音楽療法♪

2023-07-28 05:52:18 | 音楽療法実践
今朝も、空一面が橙色になってきた日の出前の5時過ぎからセミの声が賑やかです。
その鳴き声に迎えられるように太陽が奈良盆地にお目見えです。
地球は太陽に生かされている・・・、今朝はそんな気持ちになりました

大暑を過ぎて、祇園祭りや天神祭りなど大きなお祭りが久し振りに盛大に開催された
七月も終わりを迎えました。今年はかなり厳しい暑さになると言われています。
そんな中ですが、認知症対応型グループホームへの音楽療法の実践は続きます

冷房が効いた施設の中では外の暑さを実感することは無く、辛うじて皆様の夏の装いに
季節が感じられます。暑い外から出向いてきた私たちへの気遣いの声をいただきます。
目が少し不自由で下を向いている人、笑顔で出迎える人、朝から待っておられて
今は部屋にいる人、私たちが誰なのか不思議な表情をしている人、・・・
お一人おひとりの個性や今日のその人らしさが溢れています。

90才後半の人もおられますので、今日もお目にかかれたことに先ずは安堵します。
入所されて間がない人の雰囲気も気になりながらお声かけをします。
落ち着いてきたコロナとは言え、未だ私たちはマスクを外すことはなく、本来の笑顔の
交流は無い中で、声の明るさを意識することになります。

夏になると海にまつわる曲がプランに多く入りますが、海の無い奈良では特に
欠かせない楽器?があります。波音箱とかってに名前を付けて持参しています。
あまり小さくない段ボール箱に海の色の紙を貼り、小豆を入れて波の音を作ります。
本来は、衣服などを入れて運ぶ時に使用した「柳行李(やなぎごおり)」に小豆を
入れて使用すると言われており、柳や竹で編んでいるので、独特で素敵な音になります。

海の波音を感じながら、海の曲で日本を巡っていきます。認知症を患っておられても
歌うことは可能です。特に思い出深い曲にはその人らしさが垣間見られます。
時には涙とともに歌われ、職員さんがすぐに寄り添ってくださいます。
グループ活動ですので、お一人おひとりの深い思い出に寄り添うことは難しいですが、
社会全体で共有していた時代の思い出話に皆様が共感されます。

そんな社会性のある思い出話は伝承する役割もあり、若い職員さん達にとっても
貴重な時間になります。私も父母や義父母、祖母から世代や年代を超えた多くの話を
聞いてきました。今思えば、生きた「社会の時間」でした。
家族だけではなく、地域や職場などで話を聞く機会があれば大切にして欲しいと
若い人達には願っています。

音楽療法のひと時が終わって帰る準備をしている私たちにいただく皆様の表情、
お声かけ、行動(お見送り、握手など)から、真夏のど真ん中を帰るパワーをいただき、
穏やかで心優しい気持ちになれます。

息苦しい暑さの中でも、人との関わりによって爽やかなひと時を感じられますように

暦と季節のこと

2023-07-17 06:51:22 | ひとりごと

早朝散歩の川沿いの道で落ちていた初栗を見つけました
畑には赤紫蘇、青紫蘇が茂っており、スイカはゴロゴロ、トウモロコシもあり、
豊かで穏やかな風景です。

今日は「海の日」で祝日です。
音楽療法のプランを考える時に、以下の暦のページから
季節や暦の項目を参考にしています
http://koyomi8.com/cgi/today/today.php

今日は海の日意外に、
「東京の日」
1868(慶応4)年、明治天皇の詔勅により「江戸」が「東京」に改称されました。

「奈良県山の日・川の日」
海の無い奈良県が、奈良の山と川の果たす役割の重要性と、
その山川がもたらす恩恵について認識を新たにし、環境保全、再生及び
適正な利用を図ることを目的として、2008(平成20)年に条例により制定したもの。日付は祝日の「海の日」と同じ7月の第3月曜日。

さらに、「暦と天文の雑学」からは
現代の暑中お見舞いの季節に使っていた「三伏の候」に関するページがあり、
レトロな響きの「三伏(さんぷく)」について記述されています。
暦に関しては長寿高齢者の皆様の中に詳しい人がおられます。
私も父から随分暦の話を聞いてきましたが、いつも難しいと感じていました。

三伏の候とは? 
 三伏(さんぷく)という言葉は、暦注(れきちゅう)の一種で日本最古の
 具注暦(ぐちゅうれき)にも記載されています。
 三伏の時期は新暦でいえば7月中旬~8月上旬にあたり、
 夏の勢いが大変盛んで秋の気を伏する(降伏させる)日のことで、
 これが三度あるところから三伏といいます。

 この三伏の時期は一年で一番暑い時期に当たりますから、夏の季語となり、
 酷暑の同義語としても使われるようになりました。
 そういうわけで、「三伏の候」と書けば酷暑の季節ということが伝わる、
 暑中見舞いにはぴったりの言葉となったわけです。

三伏の期間はいつからいつ? 
 三伏とは初伏・中伏・末伏(しょふく・ちゅうふく・まっぷく)に該当する日のことで、
 この初伏~末伏までの期間を三伏の候といいます。
 暦注としては既に書いたとおり、日本最古の具注暦にも書き込まれていたという
 大変に由緒正しいものです。

 〇初伏・・・夏至以後、三度目の庚(かのえ)の日
 〇中伏・・・夏至以後、四度目の庚の日
 〇末伏・・・立秋以後、最初の庚の日
 三伏の始まり(初伏日)は 7/11 ~ 7/21 
 三伏の終わり(末伏日)は 8/07 ~ 8/17 
*参考HP 「暦と天文の雑学」
 http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0742.html

今だからこそ・・「LOVE MYSELF」

2023-07-14 17:17:19 | ひとりごと
約5年前の2018年9月24日、ユニセフのグローバル・サポーターである
BTSは、ニューヨークの国連本部で、世界中の若者たちに向けて、
「自分自身を語ろう」とメッセージをおくりました。

その後2021年初め、ユニセフ(国連児童基金)、レーベルBIGHIT MUSIC、
そしてBTSは、「LOVE MYSELF (私自身をまず愛そう)」キャンペーンを通じて、
自分自身を愛し、大切にすることについての前向きなメッセージを
世界中の国々に届けています。

最近、偶然ラジオで「誰かのお蔭で自分を愛せることができるようになる」と聞き、
以前に「生きる意味は他者によって見出される(川口有美子さん)」と書かれた
本を読んで‘ハッとした’ことを思い出しました。
ある人といる時に、自分らしくいられ、その自分の存在を好きだと気付くこと

コロナ禍を通してきて、未だその影響がある今は自分に厳しくする時では
無いように思っています。
社会に出た時、社会との何がしかの接点を持った時に、幾ばくかの不安や
惑いを感じるようであれば、自分に対して大らかに優しく、見守るもう一人を
伴走者として連れているようにしたいものです。

今まで心の居心地が良かった頃を懐かしみながら、自分を愛してもらう
関わりがあった「他者」をあらためて感じ、可能であれば自分を語るひと時も
持ちながら、日々穏やかで、落ち着いた一歩を歩みたいと思う今日この頃です

散歩中に頭の中を巡る音楽♫

2023-07-04 06:40:12 | 音楽雑記
真夏のような暑さ厳しい日が続いています
ただ、早朝散歩は爽やかな風を感じながら気持ち良いひと時です。

夏の象徴のようなひまわりの花が咲いてきました
道沿いの畑にはゴーヤに可愛い黄色の花、ナスに品の良い紫色の小花、
カボチャに黄色い大きな花、等々。
元気に夏野菜が実ってきています。

この季節になるとカメラマンが早朝から写真を撮られている場所があります。
一面に咲いている蓮の花の美しいこと。
心が洗われる景色に、ただただ見入ってしまいます。

‘朝露が・・・’
今朝はこのメロディだけが繰り返されて頭の中を巡っていました。

先日は
‘ごめんね素直じゃなくて・・・’
やはり歌詞は続かず、メロディだけが頭の中で流れていました。

2曲とも帰宅してからスマホで始めの歌詞を入れると曲名も歌手も分かり、
曲全体を聞くこともでき、楽譜を探してピアノで弾いてみました
♪また君に恋してる、♪ムーンライト伝説、でしたが、
最近聞いたことも無く、思い出深い曲でもなく、本当に不思議で仕方ありません。

人間の脳は未だ不思議な世界です。
調べてみると、「イヤーワーム」「ディラン効果」と言われていますが、
未だ解明されていない分野でもあるようです。

今は、蓮の花の美しさが頭の中を巡っています

学生さんと考える‘高齢者福祉論’における音楽の利用法

2023-07-02 16:43:24 | 音楽療法実践
久し振りに京都へ出かけました。
行く度に思う事ですが、人通りは混雑していますが、広い鴨川も浅く狭い白川も
本当に綺麗で、流れにまで品格があるように感じられました。

高齢者が人生を通して関わる社会的な音楽又は音について考えるとともに、
胎児期の7ヵ月から臨終の際までの生涯発達に関する音楽の利用法について
大学生にゼミ形式で講義する時間をいただきました

一人の人生の中でどのような音楽に親しみ、馴染み、楽しみとして
暮らされてきたのかを考える時に、社会性、地域性とともに、一人ひとりの個人の
特有性(個別性)が上げられます。

「どのような音楽が思い出深く残っているのか」という個人に関するアンケートを
修士論文の時に実施しました。個別性が実に豊かだったことを思い出します。
青年期前後の年齢が際立って思い出深い記憶として残っていることが分かり、
記憶研究の‘レミニセンスバンプ’と同じ結果であったことを結論としました。

音楽の機能としては、身体的、生理的、社会的、心理的、認知的、対人的の
多様な側面と関わっています。
その多様な側面のどこに関わることが出来るのかを考え、
認知症含む高齢者を対象にした時に音楽療法の目標として実施することになります

中でも、高齢者特有の伝承能力をはじめとして、他者との交流を含む社会性の能力、
音楽に集中しながら自己尊厳を維持又は回復する能力、ユーモアを共有する
個人の能力、等々。高齢者ならではの関わり方を共有したひと時でもありました。

若いとは言え、既に多様な悩みも抱えておられ、人生を長く歩まれてきた高齢者との
心暖かい交流をきっかけにして、少しでも前向きに次の一歩を楽しまれることを
願っています。
いつの時代にも、「こんなことがあったね」と過去のことを共有しながら
‘世代間交流’として話し合えるひと時を大切にしたいものです