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音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

「自己意識研究会」のご案内

2009-07-30 01:31:58 | 研究関連
継続性を持つ音楽療法の実践において、客観的な自己(セルフ)との
対話が求められている、と感じることが多くあります。
3ヶ月に一度開催されています自己意識研究会に関しまして、
溝上先生から掲載の快諾と共にいただきました案内文を、以下に記します

   *****第53回自己意識研究会特別企画のお知らせ*****

【企画者】森岡正芳(神戸大学)・溝上慎一(京都大学)
第53回自己意識研究会では、対話的自己論(The Dialogical Self)の提唱
で有名なハーマンスご夫妻の来日にあわせて、自己対面法
(SCM:Self-Confrontation Method)に関するワークショップを開催します。
対話的自己論は臨床技法としての自己対面法と密接に関連していますので、
臨床実践のプロセスを自ら体験していただくことで、難解な理論のポイント
をより具体的にイメージすることができます。この機会に是非ご参加ください。
【日時】 2009年8月29日(土) 午後1時~6時
【場所】 京都大学吉田南1号館 *当日案内の掲示を出します
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_ys.htm
【プログラム】 *ミニ講義つき
1. 自己対面法とポジション作成(ハーマンス)
2. 情動のコーチング-対話的自己の情動への適用(ハーマンス・コノプカ)
3. Iポジションの構成と情動(ハーマンス)
【参加費】 資料代1000円(お茶菓子代含む)
* 同時通訳はつきませんが、適宜森岡と溝上が日本語で説明をはさみます。

参加申込が必要です。下記の情報を記入の上、eメール(あるいは、郵便、fax)で
お申し込み下さい。先着50名。〆切は 2009年8月15日です。
1. 名前(ふりがな) 2. 所属・職階(大学院生その他の場合は学年) 
3. 住所 4. 電話  5. eメールアドレス  
6. ハーマンスご夫妻を囲んでの懇親会参加・不参加 
申込・お問い合わせ先:京都大学高等教育研究開発推進センター内 
溝上慎一行 「対話的自己ワークショップ参加申込」(朱書き)
Eメール: smizok@hedu.mbox.media.kyoto-u.ac.jp 
電話: 075-753-3047(研究室直通) FAX: 075-753-3045

*当日はハーマンス・ケンペン著『対話的自己:デカルト/ジェームズ/ミー
ドを超えて』(溝上慎一・水間玲子・森岡正芳訳)新曜社、を読まれてのご参加を希望します。


「赤ちゃんと音楽」のひと時のご報告

2009-07-29 22:30:10 | 音楽療法実践
雨の予報だったのですが、今日は朝から晴れて
私たち‘そよ風’の「泣いてもいい赤ちゃんが参加できる音楽療法
のひと時に天からエールをいただきました。

そのお蔭もあって、会場予定時間前から予想を超える皆様にお越し頂き、
予定していました60部の資料は午前中に追加をしました
大半が「赤ちゃんとママ」でしたが、パパの姿も少しあり、
妊婦さんや普段お婆ちゃん、お爺ちゃんのお役目を
されている方のお姿もありました

「いつも二人っきりなので、今日のような参加できる
音楽の場があって嬉しいです」
「図書館でお話の会があり、そこでご紹介していただき
楽しそうでしたので、友達と一緒に来ました」
「いつもは抱っこしていても、走り回る子どもがいると
怖い感じがしていましたが、ここは会場が広く、
今日は安心してゆっくり参加できました」
「楽しい雰囲気で、生演奏もお聞きできて贅沢な時間でした」
「次回を楽しみにしています。いつありますか?」・・・などなどのお声。

ご参加いただきました皆様の声と笑顔を温かいエールとしていただき、
次回の10月の企画に心を寄せていきたいと思っています
関わっていただきました全ての方に心より感謝申し上げます
コメント (4)

「赤ちゃんと音楽♪」の集い

2009-07-28 07:08:06 | 音楽療法実践
以前からこのブログで、「泣いてもいい赤ちゃん」が
参加できる「音楽のひと時」への想いを書いて
きましたが、いよいよ明日地域で実施する運びになりました。

発達研究において、子どもから青年期の発達が注目され
続けてきましたが、近年、赤ちゃんや中年期、老年期を生涯発達
として捉えて学際的な研究が始まっています

研究を社会に還元するための「赤ちゃん学研究センター」が、
2008年10月1日、同志社大学学研都市キャンパスにおいて、
赤ちゃんをまるごと知るために異分野の研究者が研究を持って
交流する場として、開所されました

その赤ちゃん学研究センター教授の呉東進先生からいただきました
メッセージを添えて、明日お越しいただく育児者の皆様、妊婦さん、
一般の皆様とご一緒に、ゆったりと温かいひと時になればと願っています

喫茶店のメニューのようなリクエストメニューを作っております。
ご注文?いただいた曲を生演奏でお届けできればと・・・、
さてライブでは、どうなりますでしょうか?
音楽療法で使用する楽器も体験できますよ。

少しでものぞいてみたい!と思っていただいた方は、
10時30分から16時まで出入り自由ですので、
お気軽に「やまと郡山城ホール」へお出かけください
「そよ風」のメンバーがお待ちしています。

「第一回神経難病ケアを考える集い」のご報告

2009-07-25 23:10:30 | 研究関連
今日、奈良県で「第一回神経難病ケアを考える集い」を
畿央大学のご協力を得て開催させていただきました
「とにかく第一歩を!」という想いから始まった集いです。

ご多忙な中、ご参加いただきました皆様に心よりお礼申し上げます
多職種な視点から一人の事例をじっくり検討できる機会に
なりましたことは、一人から広がって多くの患者さんのケアへ
生かされていくことと実感いたしました。

既に先駆的な活動に取り組まれている
大阪や兵庫からもご参加いただきましたことは、
今回の集いの活動が柔軟性と社会性を含むことになり、
心より感謝申し上げます

理学療法士、保健師、ケアマネージャー、医療ソーシャルワーカー、
看護師、言語聴覚士、介護福祉士、音楽療法士の一人ひとりがチームケアとして
連携することにより、選択肢が広がる豊かなケアへ繋がっていきます。

福祉の取り組みとして音楽療法士が常勤されている
公立八鹿病院の近藤先生始め、音楽療法士の方々から、
6年間に亘る「神経難病における音楽療法を考える会」の
資料をお力添えとともに、快く提供していただきました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。

今回の多職種による集いは、日常の実践では得られ難い
広義なケアを考えるという、ある意味「心地良い機会」になりました
牛歩の歩みでも・・、継続していきたいと思える集いでした。

見事な阿波踊り

2009-07-23 18:31:44 | 音楽療法実践
音楽療法でお訪ねした施設は、自立歩行を困難とされる方が多く、
上肢運動の目的で「炭鉱節」をプランの中に入れました。

三味線を爪弾いていると、徳島出身の男性が
「阿波踊りの三味線してくれるかな~」と言われ、
似通ったリズムを刻んだ瞬間に「・・♪踊る阿呆に見る阿呆、
同じ阿呆ならおどらにゃそんそん・・」と自ら歌いながら、
見事な阿波踊り(男踊り)を披露して下さいました

施設の中でも、日常は杖歩行されている方が、
腰を低くした見事な足捌きと柔らかい手捌きで踊られ、
責任者の職員始め、参加の皆様から拍手喝采を受けられました
「太鼓と鉦の音があったら最高だけどなぁ」と満面の笑み。

以前、福岡県出身の女性が同じように、見惚れる手捌きで
炭鉱節を踊られたことを思い出しました

地域性豊かな歌と踊りは、長い人生を通して、
その方の奥深い所でしっかり根付いてきた‘力’だと感じました

皆既日食の今日

2009-07-22 07:48:21 | 音楽雑記
宇宙へ想いを馳せる・・・
そんなひと時が慌しい日常から心を開放させてくれます。
今日は皆既日食です
ここ近畿地方では部分日食になりますが・・。

日本上空で見られるのは46年ぶりだそうです。
次は26年後だと言うことで、・・難しいかもしれません
・・と言っても、こればかりは天のみぞのお計らいあり。
お天気は芳しくなく、どうも見られそうにありませんが・・
次の天体ショーを楽しみにすることにしましょう。

ガリレオが望遠鏡で宇宙を見てから400年経つそうですが、
田舎を求めて車を走らせ、流星群を徹夜で見たことが思い出されます。
昨日の実践で、100歳を迎えられた方をお祝いして一緒に歌いました

いろいろな歴史を感じながら・・・今日もその歴史の1ページになります。

雑記帳に残っていた「これは!」の伝言

2009-07-20 08:10:23 | 音楽雑記
その時、その時の「これは!」と心に届けられた言葉を記した雑記帳があります。
もう一度見直しながら、今の『これは」』の一部を載せることにします。

「人の世に涙の川があり、苦労の山もある。
その川を渉るとき、その山を越えるとき、歌という友がいる。」

「世の中には目に見えないものがいっぱいある。
人間の命の素晴らしさを教えてくれて、ありがとう

「歌は時代とのキャッチボール。
時代を思い出す時に、最初の扉が歌であればいい

「測ることができない‘いのち’に音楽が寄り添うこと・・・
心のオアシスに音楽という水を注いでみてください

「音楽は沈静から活性まで幅広いが、発散することより、
むしろ心を穏やかにしてくれる音楽の役割から‘思いやりの心’に気付かされる。」

「日本人は‘思いやりの心を持っている’と世界の人から思われている。
自己の勝ちだけを求めた社会ではなく、‘自分のことのように他人のことを考える’
という、思いやりのある日本らしい貢献を考えたい

「社会全体の健康を考える時、患者と医師の関係の対等性を築くために、
相互理解が必要となり、病気だけを診るのではなく、
社会全体と個人との関わり合いを対象とするマクロな医学を考える必要がある。」

「過去は生きている。
時々思い出すことで、違う見方をする自分がいることに気がつく


神経難病ケアの集い

2009-07-19 11:31:42 | 音楽療法実践
難病(特定疾患)は、原因不明で治療法が確立されていません。
経済的、介護力、精神的な負担の軽減及びQOL(生活の質)の向上、
そして地域における難病患者さんの日常生活を支援することにより、
患者さんと家族が安心して生活できる環境づくりを推進する
「特定疾患治療研究事業」が地域の保健所において実施されています

特定疾患治療研究事業の対象は医療費の公費負担助成などを受けられる、
現在45の疾患が対象になっています(難病情報センターのHPより)。
その中の約3分の1はパーキンソン病、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、
筋萎縮性側索硬化症などの神経難病であると言われています。

多領域の専門家が集い、それぞれの「視点」の共有から連携へ
その集いが今週の土曜日に奈良で開催されます。(内容は7月7日付けのブログ参照)
神経難病患者さんの「生活の質の向上」を目的とした時に、
医療、福祉、介護、地域の連携と学際的な融合が求められます。

専門家が集い、「聴くこと」「語ること(発信すること)」を通して、
患者さんに還元できるケアを探し求めていきたいと考えています。
音楽療法の方法、有用性の確立への取り組みはまだ始まったばかりです

個人が見えていること、考えていることには限界があります。
揺れ動かない信念が僅かで、日常的には多くの限界が渦巻いています。
一人でも多くのご参加をお待ちしております

全英オープンゴルフの歴史

2009-07-18 01:32:55 | 音楽雑記
138回目を迎えた全英オープンゴルフが何だか賑やかです。
日本で渦巻いている何だかよく分からないストレスを
遠く離れたイギリスからの映像が少し解消してくれているようです

138年前といえば、日本は明治4年(1871年)。
翌年の明治5年の12月3日を明治6年の1月1日として新暦が始まり、
同年に新橋から横浜まで初めて汽車が走った年になります

江戸時代に流行ったお江戸日本橋が、「コチャエ節」として
再び流行した年でもあるようです
外国民謡が輸入されて、日本の「蛍の光」「蝶々」などの歌となったのは、
まだ10年も後のことになります。

以前、来年で86回目を迎える箱根駅伝について、
「子供の頃、ラジオで聞いていた」と90歳代の方が話された時、
深い歴史を感じ、不思議な感覚を持ったことを思い出します

日本人選手の活躍もですが、あらためて138年の歴史を
感じながら、興じてみることにしましょう

過去最高の平均寿命

2009-07-17 06:40:15 | 音楽療法実践
昨日、厚生労働省から日本の平均寿命が発表されました。
女性は86.05歳、男性は79.29歳で、それぞれ過去最高
更新したそうです

音楽療法の実践でお訪ねする高齢者の多様な施設においても、
90歳を超えて参加される方が多いことを実感しています。
予防活動として認知的、生理的、身体的、心理的な機能を持つ音楽
利用されている地域や施設が増加していると感じています。

一人で毎日継続する運動なども大切ですが、グループで行う予防活動には
様々な効果が付随してきます。一人ではモチベーションが上がらない時に、
誰かと一緒にすれば継続できる→継続していくうちに効果を感じていく→
やはりこの活動はいいものだ、という自己意識の向上に繋がり、
さらに、閉じこもり予防に関わる社会参加へのきっかけになり、
お互いを気遣い、助け合うという互助性のある社会を築くことになります

音楽療法の集団の場としても同様なことが言えます。
いつも参加されている方が体調悪く参加されない時に、
「○○さんはどうかされたの?」と気遣われ、
参加されている時の状態があまり良くない時は、
「こうしたらいいんじゃないの」とアドバイザー的な役割をされるなど、
一人の生活とは異なる社会性のある姿が見られます。

優しい心、経験からくる豊かな心が好循環となり、
「あきらめない」「明日も」という未来へ繋がっているように思います