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音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

音楽療法における多様な側面

2024-12-13 07:31:44 | 音楽療法実践
前回の「音楽療法の実践における年齢差について」のアクセスが大変多くありました。
高齢者を対象にされている多くの施設関係者及び行政の皆様に共感されながら、
ご参考にしていただけましたら幸いです。

自作の音楽回想資料は20年継続して毎年更新して作成してきましたが、
対象になる高齢者の皆様への理解の第一歩には必須な資料として大切にしてきました

先ずは終戦時に何才だったのか?
元号が変わる時に何才だったのか?
音楽に関わるラジオ放送及びテレビ放送の時は何才だったのか?
歴史に残る震災、オリンピック、政治トピックなどを始め、社会現象としての
高度経済成長期やバブル崩壊時の時の年齢も重要になります。

個人的な出身地方や観光に行かれた地域などは民謡や童謡に繋がって参考になり、
参加人数が少ない実践の時には個人的な趣味と嗜好も大切な関わりのヒントになります。

音楽の機能を考える時に音楽療法の多様な側面を入れながらプランを作成します。
個人の在宅から集団の音楽療法においても社会的側面であり、対人的側面と言えます。
歌う活動は発声から口の運動として、さらに全身運動や楽器活動は身体活動として
繋がって身体的側面になります。
季節感、記憶などの認知的側面として、気分転換、発散、癒しなどは心理的側面として
プランを考える要素に入ってきます。

遅くても一週間前にはプランを作成していますが、その後も参加される皆様の体調変化
及び季節変化、地域によるニュースなどを考慮しながら微調整していきます。
一番大きく進行が変わるのは当日になります
皆様との会話のやりとり始め、音楽への参加度によって進行が変わっていきます。
例えば、提供した音楽によって大きな変化が見受けられた時は、繰り返したり、
会話を通して同じ分野などの音楽に広げる時もあり、予定プランが大幅に変更されます。

音楽療法を学び始めた時に、「10の事を提供しようとしたら100の事を準備することを
心がける必要がある」と言われた事はプランを作成する時にいつも思い出します。
大変難しいことですが、お一人の人生に関わってきた音楽を提供して関わる療法士として、
寄り添っていく気持を大切にしていきたいと思っています。

例えば、認知症対応のグループホームのお一人に関わった時に、事前の個人資料
には無い中で、突然しっかり歌唱されることがあります。
詳しいことについての会話は無理な状態でも、その人の人生に大きく関わってきた
音楽だと理解できます。さらに、その時の表情やご機嫌の良さも知ることが出来、
その時代に流行した音楽や分野などもヒントになり、関わりが広がっていきます。

お一人の人生に寄り添ってきた音楽やその時の歴史に関わってきた音楽をそっと
提供しながら‘心地良いひと時’になっていただくことを願いながら・・

音楽療法の実践における年齢差について

2024-12-07 19:41:09 | 音楽療法実践
今日は暦では「大雪」になります。
新雪が降ち積もる頃で、冬の中頃の季節のことだそうです。
やっと冬らしい気温になってきましたが、まだ紅葉はあちらこちらで見られ、
週中に行った大仏池は紅葉も銀杏も美しく見事な景色でした{/redleaves/

12月ですので、クリスマスソングが音楽療法のプランに入ってきますが、
参加される人数によって活動が異なってきます。
15名ほどの活動であれば、お一人ずつベル又はトーンチャイムを担当していただき
クリスマスらしい豊かな和音を奏でることが出来ます。

人数が少なく、演奏が難しい場合は職員さんと音楽療法関係者で演奏して
鑑賞するひと時になります。
ただ、可能であれば皆様に参加していただき、音を一緒に奏でて和音の響きを
感じていただきたく思っています。
讃美歌始め、クリスマスソングには和音が美しい曲が多くあり、場全体の響きを
共有出来ることを願いながら選曲しています

コロナ禍前までは忘年会気分を入れていましたが、集団の年齢差が大きくなってきて
ひと昔前の忘年会の雰囲気が難しくなっているように感じています。
因みに有料老人ホームでは、概ね65才から入居されており、90才以上の人とは
年齢差が30才近くになっています。

この30年間~40年間の時代の変化はかなり大きく、一人ひとりの音楽環境や流行歌も
随分異なってきました。
そんな中でお一人に寄り添う活動としては、誕生月の人からリクエストをいただき
プランに入れるとともに、皆様とは季節毎の行事に合わせた音楽を共有することが出来ます。

来年は戦後の第一次ベビーブーム(昭和22~24年)に生まれた世代で、75歳以上の後期高齢者の
人口が800万人になると言われています。
人数が多い年代に合わせた選曲になることも、これからは考えられてきます。

毎年作成している音楽回想年表を見ても、終戦時に17才の青春時代だったという95才と
戦後のベビーブームに生まれた75才の乖離はあまりにも大きいです。
レミニセンスバンプでいう人生の記憶に残るピークの青春時代が戦争時だったことは
私たちには想像もつかず、その後の平和なテレビ時代における歌謡曲のブームが
遅ればせの青春時代だったことになれば、大切な音楽であることは言うまでもありません。

寄り添うことしか出来ませんが、激動の時代を生きてこられた人生の先輩の皆様にとって
音楽を介して心穏やかなひと時になりますように・・・

音色が響く音楽療法の場

2024-11-30 18:07:16 | 音楽療法実践
高齢者を対象にした音楽療法の実践の場は実に多様になりました。
地域でお住まいの個人の家、地域にある小さな交流館、認知症グループホーム、
デイケアサービス、広い地域毎にある地区公民館、有料老人ホーム、高齢者ケアハウス、
音楽を利用できる地域のホール等々。

在宅のお一人からグループホーム1ヶ所まで、地域の交流館では10名前後、
地区公民館では20名以上の集まりになります。
実践している大きな有料老人ホームにおいては、小ホールで開催しています
コロナ禍を経ても未だ不安がある中で、椅子の間隔も広げて並べられています。

音楽療法として初めてお訪ねした時は狭いシアターホールで10名程の集まりでしたが、
参加人数が徐々に増えてきて、今は舞台にグランドピアノがある小ホールになりました。
以前までは舞台ではなく、席と同じフロアでグラビノーバ(電子ピアノ)をご準備して
いただいていましたが、今回は舞台のピアノで一度演奏してみることにしました

何しろ小ホールの造りなので、音響が良く、天井が高いので音が降り注ぐ雰囲気を
共有できるのは。音楽を主体とする音楽療法の場としては心地良く感じます。
ただ、舞台で演奏しているセラピストとのコミュニケーションが少し難しい感じが
ありますが、それは何とか工夫しながら今回はスムーズにいけたのではと思っています。
参加されている皆様との距離間はありますので、何かとコミュニケーションを取りながらの
進行になります。

皆様にもお尋ねしたところ、電子ピアノよりグランドピアノの方が良いというお答えが
ありましたので、次回からもこの雰囲気を継続することにしました。
12月に入るとクリスマスの音楽が主流になりますので、ピアノで演奏される華やかな
クリスマスソングをお楽しみいただけるようにプランニングしたいと思っています

人数が多い時に楽しめる活動は、歌声が響き合う音量、豊かな輪唱、一人の声として
目立たないという歌い易さ、そっと参加したい人の居心地など、ある程度の人数になると
参加し易い行事の一つになるのかもしれません。
「朝から声を出していないので、参加してみようかと・・」
「歌うことは普段あまりしないのでここに来てみました」
「初めてなので、どんな雰囲気なのかと・・」

参加人数の把握が無い中で難しさもありますが、自由参加の良さが伝わってきます。
多くの教室や行事がある中で、自己選択して参加され、今後に繋がっていけば
嬉しく思います

百寿お祝いの音楽療法♫

2024-11-21 20:15:24 | 音楽療法実践
ご依頼を受けた施設で初めて音楽療法を開始したのは2003年5月でした。
友人が新しい事業としてデイサービスを始められ、下見に行くと8畳ひと間程の
部屋で皆様が賑やかに過ごされていました。

狭い中で歌詞幕も職員さんが持ちながらでしたが皆様に喜んでいただき、
その後部屋も増設され、他地域にも事業を広げられ新しい施設においても
音楽療法のご依頼を受け、2024年の現在まで継続しています。
本当に長いお付き合いをいただき感謝の気持でいっぱいです

個人的な理由で何度もお休みすることをお願いしながらも、その後の復帰時は変わりなく、
快く受入れていただきました。その継続してきたお付き合いはずっと参加されてきた
ご利用者様も同様です。その中のお一人はデイサービスから今は認知症グループホームへ
移られましたが、歌うことが大好きで今でも必ずご参加されています。

その人の百寿お祝いを音楽療法の時にしたい旨のご依頼があり、長いお付き合いの
中での活動されてきたお姿が思い出されます。
歌の思い出を話されたり、笑顔で私とのアイコンタクトを取られたり、しっかり歌いながら
指揮者の様に手を振ってリズムをとられたり・・・、凛とした優しさが溢れる人でした。

私が作成した音楽回想資料の100才を見ると、満年齢であれば大正13年生まれですが
数え年であればその後になり、関東大震災の翌年であり、ラジオ放送が始まる頃です。
直ぐに昭和の元号になり、二十歳前後に終戦を迎えることになります。
大切な青春という時期が戦争時であるという・・・、想像もつかないことです。

唱歌が大好きでした。中でも「故郷」「朧月夜」「「茶摘」「浜辺の歌」などはしっかりと
した声量で楽しそうに歌われていました。童謡もお好きでした。
ご家族の皆様から思い出話などをお聞かせいただければと楽しみにしています。

大正、昭和、平成、令和という時代を過ごされてきた尊い人生に、思い出深い音楽が
寄り添えるひと時になりますように・・・

怒涛の日程を終えて・・♫

2024-10-23 15:47:54 | 音楽療法実践
怒涛の日程を終えて少しホッとしています

コロナ禍以来久し振りに再開された有料老人ホームへ音楽療法でお訪ねしました。
以前は30名ほどでしたが、待っておられたのか、呼びかけを丁寧にされたお蔭なのか
50名近い人にご参加いただきました。

申込参加ではなく、当日参加なので人数が把握できないこともあり、一応以前までの
ご参加人数の予定30名で準備して行きました。
50名近くになると小物楽器が足りなくなり、ミュージックベル活動も交替して繰り返す
ことになります。参加される皆様に楽器体験をしていただきながら、和太鼓などの
特別な楽器は数人の人に限られてしまいます。
その様な活動には職員さんが日常の参加者の皆様との交流などで臨機応変に
ご推薦していただきスムーズな活動に繋がりました。

会場は小ホールの様に天井も高く、舞台もありピアノが常設されています。
音響も良いホールなので今回は電子ピアノでしましたが、次回からはピアノの方が良いかと
考えています。歌詞幕も50名近くになると、プロジェクターで写す方が見易くなります。
継続ですので、出来る限り皆様の参加度が高くなるように次回へ繋ぎたいと思います

もう一つは全国パーキンソン病患者会奈良支部からの単発のご依頼を受け「音楽療法の集い」を
実施しました。小さな地域活動として24年続いてパーキンソン病患者・家族会に
関わらせていただいていますが、今回は広い地域への呼びかけの集いになります。
ただ、日々変化する難病ですので体調管理に気を使われ、当日にはお薬の管理と心身に
ゴーサインを出す準備がいることになり、その中での出会いを大切にしたいと思っています。

車椅子で来られる人、両杖を突いて来れられる人、ご家族や関係者に付き添われて
来られる人、一人でゆっくり歩いて来られる人・・・。
パーキンソン病の罹患年数などでお一人おひとりの状態が異なりますので、丁寧な
関わりが求められる2時間です。

人数は15名ほどでしたが、会議室とはいえ、天井が高く、広い部屋でグランドピアノが
常設されていました。温度や送風の調節も可能で、音響も良く、ピアノの音色が優しく
感じられました。始まる前のウェルカムミュージックの時に、お一人の人がピアノが好きだと
いうことで、近くに来られ聞いておられましたが、その後「右手だけで弾ける楽譜があれば」
と言われ、音楽療法士と連弾を楽しまれました。「今日、この時」の貴重なひと時でした

始まる余裕のある内に、最近譲り受けた「アンクルン」を皆様にお配りしながら、
新奇性のある活動と共に、和音になる単音をお一人ずつお渡ししてハーモニーを
楽しんでいただきました。この活動もお一人ではなく、参加された皆様とご一緒に
「今日、この時」ならではの体験になったのではと思います。

もう一つは音楽療法に関わる卒業研究をされている大学生からZOOMによるインタビューを
受けました。私が音楽療法学会に関わり始めた2000年以降の研究に関する内容であり、
量的研究ではない質的研究として積み重ねてきたことをお伝えしました。
あらためてご質問にお応えしながら、日本音楽療法学会が2001年に設立されてから19年目に
コロナ禍で活動の多くが中止になってしまったことを実感しました。

多くの人がコロナ禍において急激に変化する社会に翻弄されました。
音楽療法が実施できるようになった「今、この時」を大切にしながら、
明日はいつもの認知症グループホームの皆様と音楽のひと時を楽しみたいと思います

今日の「鉄道記念日」、明日の「十三夜」に続く秋の音楽♪

2024-10-14 07:09:18 | 音楽療法実践
朝焼けが映える6時前からの散歩は、五感に優しく自然が届き心地良いです
高齢者の施設における集団音楽療法プランを作成する時に暦と歴史は必須になり、
個人の依頼時は個人嗜好を最優先することになります。

本日10月14日はスポーツの日(11日のブログに掲載)で祝日ですが、明治5年に
新橋から横浜まで日本で初めて鉄道機関車が走った鉄道記念日です。
鉄道唱歌は明治33年に作られましたが、現在でも日本のどこかの駅でこのメロディが
聞こえていることと思います
明治時代を特集する時には必須の出来事であり、その後日本各地に広がった鉄道の歌が
一冊の本として『鉄道唱歌』になっています。

明日10月15日は十三夜のお月見の日です。
中秋の名月からの「後の月」として十三夜を愛でるという日本独自の風習があり、
ふっくらした栗に見えるので「栗名月」とも「豆名月」とも言われているようです。
参照:https://www.543life.com/content/jyusanya-moon/

十三夜の歌は歌謡曲では「法善寺横丁(昭和35年)」が関西では特によく知られています。
少し年代が上の人は、「十三夜(昭和16年)」を口ずさまれます。
いつもの事ですが、毎月の音楽療法では人生の先輩方に多くの暦、歴史、懐かしい歌を
教えていただくひと時でもあります。
因みに、17日の満月は2024年度最大のスーパームーンだそうです

10月は各地域の神社関係のお祭りが催され、和太鼓が聞こえてくる季節です。
「収穫の秋」でもあり、無事に収穫されたお米を神社にお供えする所も多いでしょう。
唱歌の「村祭り」は歌いやすく、和太鼓活動のリズムも取り易く、誰もがご存知であり
この季節必須の選曲になります。
あちらこちらの公的な場所に和太鼓が眠っているようにお聞きしています。

今年は未だ最高気温が25度を超える夏日が続いており、秋らしい風は時おり感じる程
ですが、季節の歌としては10月らしい曲をお楽しみいただくことになります。
秋のバラは10月中旬から見頃になるようで、ウェルナーの「野ばら」を鑑賞用に、
シューベルトの「野ばら」は歌唱やスカーフ活動にしようかと考えています

10月26日から11月11日まで第76回正倉院展が奈良国立博物館で開催されます。
「芸術の秋」でもあり、本当に行事は目白押しです。
毎年必ず何かの楽器の展示があり、その音色を再現されるので楽しみにしています。
コロナ禍後は予約制になり、以前のようなひしめき合って見られそうにない雰囲気は
無くなりました。

爽やかな実りの秋、芸術の秋、スポーツの秋、お月見の秋、花の秋など、行事が多い
10月の音楽が豊かなひと時につながるよう願いながら・・

体育の日の音楽♪

2024-10-11 17:24:21 | 音楽療法実践
昨日は10月10日。晴れの特異日ということで昭和39年10月10日は東京オリンピックが
開催された記念日です。もう60年も前の事になり、ひと昔どころではありません。
現在は第2月曜日が「スポーツの日」として祝日になっていますが、
やはり昨日も爽やかな心地良い秋の風を感じる晴れの日でした

あちらこちらの小学校では運動会が盛んに行われており、所々から音楽が聞こえきます。
リズムや速度などは運動会ならではの特徴があります。
毎年、運動会の音楽を記録していますが、今年も聞こえてくる音楽をスマホのGoogleで
楽曲調べをしました

騒音がある中で何とか拾えた曲は、♪花城(エイサーバージョン) ♪TAKIO’S SOHRAN
♪Mela! ♪海の声 ♪嵐の中で輝いて ♪怪獣の花歌 ♪うまぴょい伝説 でした。
昨年とは異なっており、時代の先端を行く音楽の速度を感じます。

若い先生が増えているのか、音楽係を担われているのか、子ども達のリクエストなのか・・
音楽の要素であるリズムと速度が運動に適している楽曲が多く作られているのか・・
Z世代と言われているデジタルネイティブの年代が求める速さなのかもしれません

コロナ禍を経て、運動会も様変わりしました。一学年での種目も減らして、午前中で
終わるようにされている学校が多いようです。
早朝から場所取りをして、祖父母も一緒にお昼のお弁当を囲みながら、一日かけての
大行事は無くなりました。代わりに地域におけるスポーツ大会に誰もが参加して
賑やかに開催されているようです。

音楽療法の中でもこの季節は運動会の曲をプランに入れることが多いですが、
玉入れの様にお手玉を籠に入れる競争をしたり、大きなボールを渡していく競争を
するなど、職員さんによる工夫も色々とあって賑やかになります。

♪クシコスポスト、♪天国と地獄、♪草競馬などのBGMは運動には効果抜群です
始まりの時に、いつものラジオ体操の速度を落とした生演奏に合わせてすることは
ストレッチも兼ねて、運動前にはかなり効果があると実感しています。

運動後の休憩時にお聞きする昔の運動会に関する回想話のひと時は楽しい
クールダウンになります

パーキンソン病患者・家族会との関わり・・iPS細胞のノーベル生理学・医学賞発表から12年

2024-10-05 06:29:59 | 音楽療法実践
2024年のノーベル賞の受賞者は、日本時間の10月7日(月)から14日(月・祝)にかけて
スウェーデンの首都・ストックホルムとノルウェーの首都・オスロで発表されます。
2012年に山中伸弥さんがノーベル生理学・医学賞を受賞されたことが昨日の様です

iPS細胞研究所長・教授(受賞時)であった山中さんは、研究所で働く非正規雇用者の
労働環境を改善するために、フルマラソンを完走したり、講演やメディアに出られるなどの
活動をしながら研究に関する支援を呼びかけておられました。
原因不明で治療方法も無い多くの難病に対して国として支援がなぜもっと出来ないのか・・、と心が痛む報道でした。

2000年からパーキンソン病患者・家族会と関わっていましたので、関係者の皆が
iPS細胞に希望を持った明るいニュースでした。
その後、2018年にパーキンソン病患者さん7名を対象にして、医師主導治験が始まり、
移植後2年間の観察期間も終わりました。
以下、京都大学iPS細胞研究所 CiRA(サイラ)のニュースです

<2018年7月30日 ニュース>
・・2018年に開始した本治験につきまして、2021年には予定していた7例すべての患者さんの
手術を終了し、2023年末をもって細胞移植後の経過観察期間も無事終了しました。
現在のところ重篤な有害事象は報告されていません。
2024年はデータ固定後に解析を行い、結果が確定したのちに論文等で発表いたします。・・

<2020年7月6日 ニュース>
臨床用iPS細胞を用いたパーキンソン病治療の非臨床研究
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/200706-180000.html

<2023年12月26日 ニュース>
米国における「iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を用いたパーキンソン病治療」に関する
医師主導治験開始のお知らせ

今後、米カリフォルニア大学サンディエゴ校において日本と同様に7名の患者さんに移植し、
2年間の経過観察をする予定で、その後人数を増やした試験も開始するというニュースが
入ってきています。

パーキンソン病に特徴的な運動症状は、振戦、筋強剛、動作緩慢および姿勢反射障害の
4大症状です。運動症状は、多くは振戦から始まり、次いで動作緩慢や筋強剛が認められ、
一側の上肢または下肢より他肢へと緩徐に進展します。(CiRA(サイラ)より)

当事者でないと分からない日々の生活における不自由さ、辛さ、悩みなどを共有したり、
情報交換する場として「パーキンソン病患者・家族会」は大切だと感じています。
音楽療法士として音楽を介して少しでも心軽く、明るく、楽しく、楽器活動や身体活動などを
皆さんと共有し、交流できることを望みながら、24年が経ちました

今月は音楽療法の集いが開催予定ですので、秋たっぷりの音楽とともに楽しいひと時に
なることを願いながら、準備に取りかかっています

「アンクルン」の魅力を共有

2024-09-28 08:41:55 | 音楽療法実践
前回のブログで紹介しました「アンクルン」をグループホームへ早速持参しました
インドネシアの民族楽器「アンクルン」のカラコロと鳴る可愛い音色は誰にも
共通する魅力がありました。
2010年にユネスコの無形文化遺産に登録されたと言われています。

先ず、見た目が不思議な感じで、「何それ?」「え~?楽器なの?」「名前は?」等々。
軽い楽器なので、持っていただきながら、竹の手触り、楽器の構造をじっくり
見てもらい、どのように作られているのか、どのように音が出るのか、
どんな音がするのか・・、新奇性溢れる興味を共有します

NPO法人日本インドネシア・バリ教育文化協会のHPでアンクルンの活動の
詳細が紹介されています。
https://jibeca.jimdofree.com/

ゆっくりとした楽曲であれば、メロディや和音を楽しむことが出来ます
和音の一音がコードで共有されていれば、ややこしいことは無く、安定して長く
持っていただけます。ただ一つだけ難点があるとすれば、繊細で大きさもある楽器
なので、ケースが無い今は持ち運びに気を遣います。

ただ、その難を軽々超えるアンクルンの魅力があり、今後も広く皆様に体験してもらい、
ご一緒に楽しみたいと思っています

愛らしい音色の「アンクルン」♫

2024-09-18 16:33:30 | 音楽療法実践
2000年秋から共に音楽療法を学び、音楽療法学会認定音楽療法士の資格を一緒に
取得する時も助け合い、東京まで面接に行き、東北で開催された音楽療法学会へ参加するなど・・、
多くの年数を共にしてきた音楽療法士仲間から楽器を譲っていただきました

コロナ禍で音楽療法の臨床現場の多くは中止になってしまい、音楽療法士の仕事は減り続けて
いました。やっと少しずつ回復してきたとはいえ、まだまだ元通りではなく、友人は他の音楽活動に
入られたとの事で、珍しい竹製のアンクルンという楽器をいただきました。

初めて体験する楽器でしたが、愛らしいコロコロとした柔らかい音に癒されます。
尖った音色ではなく、我が家にあるインドネシア製のレインスティックやマラカスと同じ様な感覚で、
自然界にある音色を楽しめます。

単音を繋いでメロディーを奏でたり、皆で和音を感じながら演奏することもできます。
音楽の要素になる「音色」「操作性」「新奇性」は魅力です。それを共有する場となる音楽療法の
ひと時を大切にしたいものです。
早速、皆様とインドネシアの自然な音色を楽しみたいと思っています

*アンクルンに関しては以下、京都教育大学の「身近な音具たち」で紹介されています。
<アンクルン angklung(あんくるん)>
インドネシア(東南アジア)で人気のある竹楽器。ピッチを持ち、単体でも1オクターブ関係に
調律された音の響きを楽しむことができるが、一人一つずつ異なるピッチのものを奏して
合奏を楽しむことができ、教育現場でも使用されている。

〇奏法:間接打奏
〇素材:竹製  〇大きさ:最大H51×W22cm 最小H33×W17cm
〇音:カラカラ
〇構造:すべての竹筒が、片側を中央部分までえぐり落とした独特の形をしている。
 竹の枠にオクターブ関係に調律された2本の竹筒が通されており、振られると筒の下端が、
 下枠の竹筒に当たり音が筒中に響く仕組み。
〇鳴らし方:両手で枠を支え持ち、片手を固定して、もう一方の手を細かく揺すってトレモロのように
 音を断続的に鳴らす。