OMTインフォメーション

翻訳のこと、会社のこと、生活のこと、音楽のこと、読書のこと

MY FUNNY VALENTINE/MILES DAVIS IN CONCERT

2012-04-02 18:07:20 | 日記
以前マイルス・デイビスの伝記を読んだときに、彼がハービー・ハンコックに
ついて語っていたのだが、

マイルスのバンドのメンバーがコンサート会場に到着し、
これからリハーサルを行おうという時になっても、ハービーがいっこうに
現れない。マイルスがやきもきしていると、突然ひょっこりとピアノの
下から現れた。

「お前、何やってたんだ!!」

ハービーは当時録音に凝っていて、ピアノの下にもぐりこみ録音機材を
しこんでいたらしい。

後のハービーのメカニックを駆使した電子楽器に対する入れ込みを考えると
さもありなんという気がするが、私はこの逸話が、ハービーに対するマイルスの
発言の中ですごく好きなものだ。

とめどなくあふれ出る着想、そしてそれを完全にサポートするだけのテクニック、
ダイナミックさ、繊細さ、エレガントさ…。すべての面でハービーのピアノは
大好きだ。

時に彼の発想はジャック・ディジョネットとともに、我々の想像のはるか彼方に
いってしまい。気がついてみれば後ろには誰もいない、ということもある(笑)。
そういう破天荒なところも含めて、実に彼らしいと思う。



ともかく、このCD、『MY FUNNY VALENTINE/MILES DAVIS IN CONCERT』は
すばらしアルバムである。
マイルスの間合いのきいたトランペットもさることながら、ハービーの伴奏が
実に美しいのだ。
マイルスの独奏から始まるオープニングの「MY FUNNY VALENTINE」では
ハービーはさりげない伴奏をつけているのだが、それが切ないほどに美しい。
それだけでグッとくる。

ハービーはアッパー・ストラクチャーなどの現代ジャズの先鋭として、
次々と新しいサウンドを生み出していった人のようだが、私にはそれを判別して
解説するほどの知識はないが、これほど美しいハーモニーきかされている以上、
それはもはや理屈の世界を超えいて、「いいものはいい」としか言いようがない。

興味のある方は一度お試しあれ。


翻訳会社オー・エム・ティの公式ウェブサイト

最新の画像もっと見る

コメントを投稿