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継承

2015-07-25 15:16:35 | 日記
親の背中をみて子が育つというが、
二歳にもならない息子をもつ私が、それを実感することなどあろうはずもない。

(……)

まだ私が20代後半の頃、ある友人のさそいでライブを観に行った。
伝説のアナコンダ。私の友人はドラマーだった。

前座のバンドがムチャクチャで、ライブの最後に機材をぶん回すわ、
ドラムの上に上がるはで、演奏も態度もあまりに最低の奴らで
記憶になんにも残っちゃいないのだが、その後で、ドラムのセッティングを
する友人がぶつぶつ文句をいっていたのは覚えている(笑)。

ともかく、その後に登場したアナコンダ、こいつらが凄かった。
圧倒的な迫力、歌唱力のヴォーカルのコイケココロー、
シンプルなビートを爆音で叩きつける、ドラムのクマガイ(友人)、
堅実で、正確なベース(思うに彼がいちばん大人だったな…)
そしてギターのコウスケ…。

特にコウスケのギターには、正直体に電流が流れるくらい衝撃をうけた。
破天荒で、感性のおもむくままに弾いている感じなのだが、出てくる音の
キレ、タイミングのよさ、そしてなによりもあの「はっちゃけ感」…。
音が抜け出てきた時の幸福度の高さ。

とにかくすごい奴らがいたもんだと思ったものだ。

(……)

時は流れて、私は北澤孝一さんという、唯一無二、最高のドラマーと
ご一緒させていただくことになった。
お名前はきいていたのだが、ちょっとあまりに偉大すぎて、まさか
一緒にやれるなんて夢にも思っていなかった。

私がずっと20年間追いかけまわして、ようやく「いっしょにやろう」と
声をかけてもらった本名カズトさんのバンド「本名カズトTrio」に
なんと北澤さんがゲスト・ドラマーとして参加されることになったのだ。

始めてのリハ―サルは正直かなり緊張した。
しかし、その緊張が幸福感にかわった。

「ラブレター」(私のフェイバリットトップ3に入るくらい好きな歌だ)
をやっていた時に、北澤さんのシンバルがビシーッと抜けてきた。

きたーーー!!!!(脳内エンドルフィンがグワーッと背中を流れた)

うわー、すげー…。震えた、一緒にあわせていて涙が出そうになった。

(……)

北澤孝一さんはドラムで、コウスケ(北澤さんの息子)はギター、
手にする楽器はちがうのだが、あの「はっちゃけ感」が同じなのだ。
音が抜け出てきた時の幸福度が半端ではないのだ。

コウスケ君とは、たまに同じイベントで一緒になるのだが、
彼を観ていると、いつも孝一さんを思い出すのはそういうところなのだろう。

ロックもブルースも「継承の音楽」であるといわれる。
私たちが先人から受け継ぎ、また後進に伝えていかなければならないことは、
まさにこうした「ときめき感」なのだと思う。

いささか「こんまり」のような言い回しをしてしまった。
ともかく、私は息子のために部屋の整理整頓をしよう…。


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猫は気をよむ動物

2015-07-17 16:32:54 | 日記
先日暑い日が続く中、バーッと夕立がきて、
うちの猫が一斉にはしゃぎだした。

猫は気をよむ動物だ。

イライラしている人にはあまりよりつこうとしないばかりか、
そそくさと部屋からでていってしまう。
ここ1年以上、私の仕事部屋には猫は全く出入りしなくなってしまった。

この1年はいままで経験したことのないような不毛な年だった。

仕事のストレスと焦りがたまりにたまり、しまいにはそれが激しい怒りになり、
もっていた本をびりびりに破り捨てたり、壁にものをなげつけたり、
パソコンのモニタにパンチをくらわしたりした。

でもそれがかえってよかったかも…。

なにもかもがスーッとぬけて行った。どうでもよくなってしまったのだ。
無気力になったのではないことは自分でもわかる。
あのぬけて行った時の、なんともいえない爽快感、いままでの苦しさは
なんだったのだろうという感覚は今でも覚えている。

体の調子も徐々に回復し、理由があっても、なくてもあまり落ち込まなくなった。
たまにいやなことがあっても、気にしないでいられるようになった。

もちろん、日常で不快なことはいくらでも起こるし、不安にかられることも
ある。でも思いっきり息を吐いて、大きく息を吸い込めば、すくなくとも
翌日くらいには、なんかすべてが(どうでも)よくなっているのだ(笑)。

息を吐く時に思いっきり感情を込めて、「馬鹿野郎」あるいは
「死ねこの野郎」を心の中で連呼する(笑)。

不思議なことに「ぬけてから」、仕事が回り始めてきた気がする。

1年前はお金もあったし(笑)、実際業績もよかった。
今年は資金繰りにひーひーしているにもかかわらず、なぜか根拠のない自信がある。
お金はないけど「まーなんとかなるやろ」。

根拠のない自信こそ最強だ。

最近猫たちが仕事部屋に入ってくるようになった。

今日は台風が近づいていて体がだるい。
うちの猫たちも少々グロッキー状態だ。





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ちゃんとしろ!

2015-03-17 22:36:04 | 日記
なんとこのブログの更新も半年ぶりである。
このブログを始めてからこんなことは初めてである。

ちゃんとしろ!

ツイッタ―やFacebookに夢中になりすぎた。
自分の近況を伝えたり、疑問点や問題点などにも答えてもらえたり、
またちょっとしたことを記述するにも手軽なので、ついついそれに
頼ってしまっていた。

もともと私はブログではひとつのテーマを決めてそれについて書く、
というスタイルでやっていた。エッセイしか書かないけど、
エッセイにはエッセイのレトリックがあるし、最後のオチをどこに
もってゆくかなどそれなりに真面目にやっていた。
一話で終了できないこともあるし、結構骨の折れる作業だった。
読者を気にしたりするほどの読者数はないのだが、それでもやはり
充実感はあった。

日常は流れゆくものだ。Facebookを始めてちょうど1年たった今、
自分が1年間どんな文章を投稿してきたのかあまり覚えていない。
ツイッタ―もFacebookもあまりに気軽に、そして無目的に発言できる場なので、
自分の意見や何もかもあまりに無作為に流れてしまう。
一方でブログは始めて5年以上経つのだが、大体の内容は覚えている。

今後はお知らせや作品紹介などに絞ってFacebookを使用し、
自分の意見などは基本的にブログで書こうと思っている。

いずれにせよ、しっかりとした意志をもって発言すべきだと思う。

そう思ったひとつのきっかけは、最近、大塚愛さんのツイッタ―が
とんでもツイートとして炎上しているという記事をFacebookで見つけたからだ。
彼女の発言への賛否についてここでは語るつもりはないが、
一人の女性、母親、人間としての発言が、これほどまでに
大きな問題となっているネット社会の怖さを感じる。

ちゃんとした意志をもつ発言が、これほど物議をかもし、
異常扱いされる現状こそ私は異常だと思う。
もちろんブログのコメントでは、いろんなコメントをいただくこともある。
でも、お互いに公に向けて言葉を発信する立場の人たちなのなら、
もっとちゃんとしたかたちでお互いが発言しあえばよいのではないか。

私は誰もが発信者たりうることに異論をとなえるものではない。
でも人は人の意見をきき、理解し、同意するにせよ、反論するにせよ、
対話という条件の中で発言すべきであると思う。
あまりに無作為で本能的に数の論理にたよってしまっている人が
見受けられるがゆえ、こういうルールは私の古い価値観なのかと思ってしまう。
相手の立場を理解する姿勢が微塵も感じられないものが多すぎる。

反原発だといえば、左翼だ!
原発推進といえば、右翼だ!
本当に子供の未来を思うなら、そういう通りいっぺんなカテゴライズ思想で
大丈夫か、自分の利権じゃなくて本当に子供のこと考えているといえるか。
社会についてどうのこうのいう資格はあるのか。政治家やネットに騙されていないか。

震災以来、その傾向はますます強くなってきているように思う。
言論統制に対する危惧がさけばれる一方で、マスコミはしっかり事実を
伝えているのか、捏造はないのか。
川崎市の少年が殺害された事件で、犯行をおかした未成年の少年が実名の顔写真付で
報道されていたりしているが、これははっきりいって現行の法律違反である。
発禁のヌード写真を高い値段でうっている業者と同じだ。
ネットではそれがただでばらまかれている。その分たちが悪い。

ただより高いものはない。
自分はくだらない無価値の情報や発言を公に垂れ流すようなことはやめよう。

自戒の気持ちでこの記事を書いた。
ちゃんとしろ!俺よ、といいたかった。


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能登の海

2014-09-26 12:14:51 | 日記
先日久しぶりに田舎に帰った。
さっそく家の前にある海をみにいった。



いまでは公園のようにベンチまで整備されているが、
私がいた頃はここはまだ草原だった。

全景写真の左側、この海は茄子原(なすんばら)という。
小学校低学年の頃まで夏はここで海水浴をした。



小学校高学年になるとこの写真の先をこえたところにある海、
高岩崎(たかいわざき)までいった。
海水浴というよりも獲物、貝(さざえ、エイ貝(ムール貝みたいなやつ)
や魚(蛸やたなご、カレイ、あぶらめ(アイナメ)、はちめ(メバル)
をとる。
私は狩りがへたくそだったけど、私より高学年の先輩たちは
蛸とかさざえとかとりまくっていた。そりゃかっこよかったさ!

写真の右側、



この海は確かふんたんがわ(正確にはわからないってか覚えていない)
という。ここもよく泳いだ。
小川が海にそそいでおり、水がつめたくて気持ちがいいのだ。

写真にみえる小屋は造船所(磯部造船所:ここの娘は私と同級生)だ。
漁船を造っている。新しい船ができると、大漁旗にかざりつけた
新品の船がいさましい掛け声とともにゴロゴロと滑車をくだり、
ドボーンと海に入る。着水の瞬間はそれはそれは胸が躍ったさ!


穏やかな秋の海に陽の光がキラキラと照り付けている。
もう何十年も前になるのだが海は本当に変わらない…。


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ライブのお知らせ7月11日(金)江古田倶楽部

2014-07-03 12:50:11 | 日記
先日、税理士の先生との打ち合わせで戸塚にいった。

梅雨はまだあけてはいないが、外は夏の陽気だ。
空気が湿っていて少し不快だ。

約束の時間より20分近くも早くついてしまったので
柏尾川沿いの遊歩道の木陰の場所のどこか腰を下ろせる場所を
さがした。ようやくみつけたと思えば、そこにはプータローが横たわっている。

「死んでるのか…、いや、息してる、まあいいか…。」

と欄干に手をおいてぼーっと川をみながらたたずんでいた。

OMTももう5期目が終了した。

もう5年か…、不思議なほどなんの感慨もない。
まあ、よくやっているとは思うけど、たかだか5年だしね。

今期は前期にくらべれば、まあまあの成績だった。
でもまだまだ自分の目標にはほど遠いな…。

それにしても、いままでいろんなことがあったな。
今の生活は、数年前には全く想像できなかったな。

がむしゃらに生きてきたな。本当に、仕事も音楽も…。
少しは自分の理想に近づいているのかな…。

でも、あそこで寝ているプータローと自分は
一体何がちがうというのだろう。
同じようなもんだよな…。
生きている世界がちがうだけの話だ。

明日はどうなるのかな、
ずっとこんなふうにやっていくのかな、
ずっと続けてゆくのかな、続けてゆけるのかな…。

僕はどこにむかってオールを漕いでいるのだろうか…。


Only The Beat 本名カズト

もっと違う何かを
探しているんだろう?
そいつがわからずに
苛ついてるんだろう?
立ち尽くす十字路で
後のない暗闇で
おまえだけのbeatを
もう一度確かめるんだ

一度や二度の負けが
全てじゃないだろう?
これからうんざりするほど
それを繰り返すんだ
どしゃぶりの雨の中で
凍てついた風の中で
おまえだけのbeatに
耳を澄ますんだ

それがまだ聞こえるか
それがまだ聞こえるか
それがまだ聞こえるか
今もまだ聞こえるか

この星で
ただひとつだけの
鼓動を打ち鳴らせ

立ち尽くす十字路で
後のない暗闇で
どしゃぶりの雨の中で
凍てついた風の中で

それがまだ聞こえるか
それがまだ聞こえるか
それがまだ聞こえるか
今もまだ聞こえるか…

(……)

もう時間か。
税理士先生のところに行かなくちゃ…。

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7月11日(金)は江古田倶楽部でライブです。
江古田倶楽部

本名カズトtrio


本名カズト(vo.g)
大野 幹 (g)
位高太一 (b)

start 20:30

投げ銭制
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