OMTインフォメーション

翻訳のこと、会社のこと、生活のこと、音楽のこと、読書のこと

AMERICA

2014-03-12 13:58:38 | 日記
先日、中野坂上のライブハウスAjaでライブがあったのだが、
サイモン&ガーファンクルが流れていた。


『THE CONCERT IN CENTRAL PARK/SIMON AND GARFUNKEL』

ブルースマンである私がこのアルバムの名前を出すことに
違和感を感じる人もいるかも知れない。

でも、レッド・ツェッペリンやディープ・パープルなどの
ハードロック、ブルースを知るよりも前から、この人たちは
よく聴いていた。

セントラル・パークでの、このコンサートは私が中学生の頃じゃないかな。
いわゆる復活コンサートというやつ。

英語の教師だった私の父は、若いころはビートルズや、ジャズ、
アメリカン・フォーク、アメリカン・カントリーをよく聴き、
ギターも弾く人だったので私が物心つく頃には、すでにこうした音楽の
カセット・テープが家に置いてあった。

「サウンド・オブ・サイレンス」や「コンドルは飛んでゆく」、
「スカボロ・フェア」は当たり前に知っていた。そしてなぜか
シンコーミュージックの「サイモン&ガーファンクル曲集」が2冊あった。

でもセントラル・パークでのコンサートが私が最初に観た(ビデオで)
彼らの最初だった。

あのでかい広場を埋め尽くす群衆、
アート・ガーファンクルの鳥のように澄んだ声、
ポール・サイモンの少年のような声が印象的だった。

それまで彼らはきれいでリリカルな、静かな歌を歌う人たちだと
思っていた私は彼らのバックを支えるホーンセクションと
リズム(スティーブ・ガット)の力強さに度胆を抜かれた。

中でももっとも印象的だったのが「AMERICA」という歌だった。

All come to look for America

という印象的な部分を聴いたときは、感動のあまり自分も声をあげそうになった。
オーディエンスからも「ゴーッ」という歓声が聞こえる。

いまでもこの歌がいちばん好きな歌かも知れない。

Ajaのマスターとも「AMERICA」の話で盛り上がった。
もう何十年も前の気持ちを思い出して自分も舞い上がってしまった。
そういうところが、ああいうお店に行く楽しみのひとつだな。

自分たちが演奏することももちろんとても楽しいことなのだが、時には、

「あー、ライブなんかさっさと終わらせて、このレコード聴いていたいな」

と不謹慎なことを考えてしまう。

うん、中野坂上のライブハウスAjaはとてもいいお店だ。
マスター、昨日はどうもありがとうございました。
お礼に宣伝しておきました(笑)。


翻訳会社オー・エム・ティの公式ウェブサイト


God Bless the Child

2014-03-04 13:16:26 | 日記
子供が生まれた瞬間の感動は今でも忘れようがない。

病院を出て、一人自宅に向かう途中、道を行きかう人、
すべての人に「子供が生まれたんだよ!」って自慢したい
くらいうれしかった。
そして真っ暗な自宅に一人戻った時のなんだか切ない気持ち。
私の中ではKenny Burrellの「God Bless the Child」が
鳴り響いていた。



『God Bless The Child/Kenny Burrell』

したがって生まれて1カ月くらいは、もうこればっかり聴いていた(笑)。

ドン・セベスキ―のオーケストラ・アレンジもまるで映画音楽のようで
とても心地よい。

タイトル曲である「God Bless the Child」。
イントロからテーマ・メロディに入るところでグッとくる。
そして、感情をエスカレートさせるように、ギターを弾きまくる。
「音楽は感情表現に尽きる」としみじみ思う。

この曲はビリー・ホリデーの歌、とっても歌詞が切ないんだよね。
でも子供が生まれた時の、あの感覚を実にうまく表現している。
ケニー・バレルはそういう歌詞の切なさを見事にギターに昇華し得ている。

実際にケニー・バレルは子供が生まれた時にこのアルバムを
レコーディングしたらしい。

私が息子にアルバム(作品)をプレゼントするすべはないが、せめて、
この日常で、普段の演奏の中で、こうした感情を込めた演奏をしていきたい
と心から思う。
そして、いつかこんな素晴らしいアルバムを作れたらいいなと思っている。
それは遠い先のことかもしれないけど、それまではずっと演奏は続けていきたい。



息子のためにも。



翻訳会社オー・エム・ティの公式ウェブサイト