23日、自民党の古賀誠選挙対策委員長は、宮崎県庁で東国原英夫県知事に同党からの衆院選出馬を要請した。
これに対し東国原知事は、党の総裁候補として衆院選を戦うことを条件に提示。与野党の内外に波紋を広げている。
最初に東国原知事の発言を聞いたときには、元芸能人らしい冗談かと思ったが、本気だと言うのだからさすがの私も驚いた。ただ、ここには大きく2つの誤解・問題点があると私は感じる。
まず1つには、おそらく安倍元首相、福田前首相、麻生首相といった面々と自分を比較して、彼らよりも自分の方ができると思っているという点だ。
残念なことに比較対象として考えるには、最近の日本の首相ではレベルが低すぎる。彼らと比較してみたところで、東国原知事が首相の職責に耐えうるかというのは全くの別問題だ。
首相になるということは、国を預かるということだ。例えば、東国原知事は日本の外交・通貨の発行といった分野において、具体的な構想を持ちえているだろうか?
そもそも、そういった分野について基礎的なトレーニングを積んでいるだろうか? 私には疑問だ。
またもう1つには、東国原知事が県の経済を復興・活性化させるという意味では、殆ど成果を残せていないということだ。ただしこれは、宮崎県に限った話ではない。
日本という国は完全に中央集権国家だからだ。東京都以外はほとんどすべての道府県は国からの交付金がなければ生きていけないのだ。
過去にも東国原知事と同じように国民からの人気を博した知事は大勢いたが、「県民所得」を劇的に高めることに成功した人は、私が記憶する限り、一人もいない。
逆に言うと、知事の手腕が影響する範囲が限られているからこそ、特に厳しい評価査定をされることなく、「国に逆らう」という姿勢を見せていると、それだけで人気が出ることが多いのだろう。
では、地方の知事としては、国政に影響を与えるためにどのように働きかけていけばよいのだろうか?
26日、大阪府の橋下徹知事は、横浜市の中田宏市長らと結成する政治グループについて、地方分権を主張する新たな地方政党とする可能性を示唆したとのことだ。
これが橋下知事や中田市長が出した答えだろう。が、十数年前に「新・薩長連合」という構想を発表している私としては、もう1歩踏み込んで考えてもらいたいと強く感じる。
私はかつて東京都知事に立候補した際に、知事連盟構想としての「新・薩長連合」という考え方を提示した。その要点はこうだ。
・衆議院議員よりも地方の知事や市長の方が、実質的に地域に対して影響力が強い
・なぜなら、例えば横浜市を見ると、衆議院議員が数名に対して、横浜市長は1人だから
・知事や市長は、自分が出馬するのではなく、応援する衆議院議員を中央に派遣すればよい
・そうすることで、いくつかの市長が集まると衆議院に対する影響力も大きくなる
つまり、知事・市長は地域の長という立場を保ったまま、自らが応援する人を中央に派遣していくということだ。これならば、知事や市長という立場のままでも国政に影響を与えることはできる。
将来的に道州制という地方分権を想定するのであれば、地方の長として臨むことが重要だと私は思う。
地方分権を叫びながら、自らは中央に出て行って総裁になろうというのは時代に逆行していると言えるだろう。
橋下知事や中田市長などの新しい動きも、道州制という統治機構を前提に徹底的に実行していくならば、非常に面白いだろう。
ただし、その場合には自らが特定の政党に属すのではなく、私の「新・薩長連合」の構想を参考にして、ぜひ「新しい動き」として関わってもらいたいところだ。
知事や市長という立場は「将来首相や大臣になるためのショートカット」ではない。そういう意識が少しでもあるなら、すぐに改めていただきたいと思う。
知事や市長には地方分権の担い手としての大きな役割がある。ぜひ、それを今一度見つめなおしてもらいたい。
これに対し東国原知事は、党の総裁候補として衆院選を戦うことを条件に提示。与野党の内外に波紋を広げている。
最初に東国原知事の発言を聞いたときには、元芸能人らしい冗談かと思ったが、本気だと言うのだからさすがの私も驚いた。ただ、ここには大きく2つの誤解・問題点があると私は感じる。
まず1つには、おそらく安倍元首相、福田前首相、麻生首相といった面々と自分を比較して、彼らよりも自分の方ができると思っているという点だ。
残念なことに比較対象として考えるには、最近の日本の首相ではレベルが低すぎる。彼らと比較してみたところで、東国原知事が首相の職責に耐えうるかというのは全くの別問題だ。
首相になるということは、国を預かるということだ。例えば、東国原知事は日本の外交・通貨の発行といった分野において、具体的な構想を持ちえているだろうか?
そもそも、そういった分野について基礎的なトレーニングを積んでいるだろうか? 私には疑問だ。
またもう1つには、東国原知事が県の経済を復興・活性化させるという意味では、殆ど成果を残せていないということだ。ただしこれは、宮崎県に限った話ではない。
日本という国は完全に中央集権国家だからだ。東京都以外はほとんどすべての道府県は国からの交付金がなければ生きていけないのだ。
過去にも東国原知事と同じように国民からの人気を博した知事は大勢いたが、「県民所得」を劇的に高めることに成功した人は、私が記憶する限り、一人もいない。
逆に言うと、知事の手腕が影響する範囲が限られているからこそ、特に厳しい評価査定をされることなく、「国に逆らう」という姿勢を見せていると、それだけで人気が出ることが多いのだろう。
では、地方の知事としては、国政に影響を与えるためにどのように働きかけていけばよいのだろうか?
26日、大阪府の橋下徹知事は、横浜市の中田宏市長らと結成する政治グループについて、地方分権を主張する新たな地方政党とする可能性を示唆したとのことだ。
これが橋下知事や中田市長が出した答えだろう。が、十数年前に「新・薩長連合」という構想を発表している私としては、もう1歩踏み込んで考えてもらいたいと強く感じる。
私はかつて東京都知事に立候補した際に、知事連盟構想としての「新・薩長連合」という考え方を提示した。その要点はこうだ。
・衆議院議員よりも地方の知事や市長の方が、実質的に地域に対して影響力が強い
・なぜなら、例えば横浜市を見ると、衆議院議員が数名に対して、横浜市長は1人だから
・知事や市長は、自分が出馬するのではなく、応援する衆議院議員を中央に派遣すればよい
・そうすることで、いくつかの市長が集まると衆議院に対する影響力も大きくなる
つまり、知事・市長は地域の長という立場を保ったまま、自らが応援する人を中央に派遣していくということだ。これならば、知事や市長という立場のままでも国政に影響を与えることはできる。
将来的に道州制という地方分権を想定するのであれば、地方の長として臨むことが重要だと私は思う。
地方分権を叫びながら、自らは中央に出て行って総裁になろうというのは時代に逆行していると言えるだろう。
橋下知事や中田市長などの新しい動きも、道州制という統治機構を前提に徹底的に実行していくならば、非常に面白いだろう。
ただし、その場合には自らが特定の政党に属すのではなく、私の「新・薩長連合」の構想を参考にして、ぜひ「新しい動き」として関わってもらいたいところだ。
知事や市長という立場は「将来首相や大臣になるためのショートカット」ではない。そういう意識が少しでもあるなら、すぐに改めていただきたいと思う。
知事や市長には地方分権の担い手としての大きな役割がある。ぜひ、それを今一度見つめなおしてもらいたい。
わたしは政治に対して疎いのですが、楽しく読ましていただきました。
今回、「道州制の地方分権」という言葉が出てきましたが、実現すれば良い日本に向かって前進できるような気がします。しかし、この地方分権。橋本知事らの力だけで実現できることなのでしょうか。
わたしは、東国原知事が、総理大臣への踏み台として知事になったとは考えられません。確かに、知事としての人気が出て欲が出たとの考え方もできますが、これまでの宮崎のアピールの仕方や先日の橋本知事との会談等を考えると、目的は総理大臣ではないように思えてきます。総裁選挙発言は囮で、本当は別のポストを狙っているのではないでしょうか。もしかすると、大前さんの思想にすごく近いことを成し遂げようとしているのかもしれない。なーんて、記事を読みながら思っちゃいました!
政治のことを全く解らず書いているので、違うところは遠慮無く一刀両断しちゃって下さい。
でも、これから先の政治の動向に興味を持つことのできる記事でした。
また読ませていただきます。
ありがとうございました!
って疑問が・・・。
演技がお遊戯レベルだからもしかしたら俺でもできるかも・・・なんて思っちゃうんだな。
宮崎県知事や橋下大阪府知事も加担した問題を公開中です。日本とは有名というだけで知事になれる国なのですね。海外から見ていると他の県の知事さんたちの存在などまったく見えず,マスコミがいかに2人の知事を重視しているかわかるようです。
宮崎県知事が加担した問題を公開中です。詳細はURLを押してみてくださいませ。珍しいケースです。
マスコミや多くのコメンテーターは、批判的な意見を増長していますが、どれも薄っぺらです。
大前さんの言う「新・薩長連合」は、既に形になりつつあるんじゃないでしょうか?
と言うより、幕末に不可能に近かった薩摩藩と長州藩の連合を実現させた、坂本竜馬の偉業を、「新・薩長連合」では誰がするのでしょうか?
大前さん…。
あなたが坂本竜馬の役をやるべきではないですか?
やってはいけないなんて、誰も思いません。
あまり夜遊びしないでねと言っておこう。
どこかにありませんか?