先月23日、米国の中央銀行である、米連邦準備制度理事会(FRB)のアラン・グリーンスパン前議長は、金融危機の原因解明を進めている米下院の監視・政府改革委員会の公聴会で集中砲火を浴びた。
議員らは現在の金融危機の原因を巡って、グリーンスパン氏の在任中の責任を詰問していた。
米国の議員やNewsWeek誌の論調を見ていると、この金融危機の全ての責任はグリーンスパン氏に帰すると主張したいようだが、私は賛成できない。
今回の金融危機がここまで大きくなったのは、グリーンスパン氏が押し進めた規制緩和や自由競争によるものではないと思うからだ。
最大の原因になったのは、ウォールストリートにおいて、小口債券化した商品を評価する方法が確立していなかったということだ。ひと言で言えば、「品質検査」する仕組みがなかったことなのだ。
サブプライムローンを小口債券化して、それを金融商品として展開するというのは、新しい技術であり、新しい金融商品だった。
こうした新しい金融商品に対しては、それを吟味し、正当な格付けをする仕掛けが必要だったのに、それを整備しないまま、品質に大きな問題がある金融商品を米国から輸出してしまったのだ。
この点が一番大きな問題だったと私は感じている。
そして、金融商品の品質管理に問題があったとなれば、それは中央銀行総裁のグリーンスパン氏の役割ではなかったと思う。
この問題は、むしろ米証券取引委員会(SEC)やウォールストリートの金融機関が自主的に規制すべきものだ。
議会からの集中砲火を浴びて、グリーンスパン氏は、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を監督しなかったのは自分のミスだったと証言しているようだが、私はこれについても同じ論理だと思う。
やはり、新しい金融商品に対する品質管理体制が確立していなかったことが問題なのだ。
もちろん、今回の金融危機についてグリーンスパン氏に全く責任がないとは思わない。
例えば、不動産価格が上昇した点については、グリーンスパン氏の政策にやや問題があったと思う。不動産価格の上昇を引き起こしたのは、世界的な「金余り」だ。そして、その状況から不動産への資金の流れを予測することはできただろうし、グリーンスパン氏ならば事前に対抗策を講じることも可能だったと思う。
この点については、能力的に可能だったが実行しなかったという意味において、グリーンスパン氏の責任によるところが大きいと私も思う。
しかし、今回の金融危機がここまで拡大した大きな原因は違う。ウォールストリートの責任を棚上げにして、全責任をグリーンスパン氏だけに押し付けてしまうのは見当違いだ。このような見解は、問題解決の第一歩である本質的な問題を見抜くというステップで間違いを犯していると言わざるを得ない。今回の場合、事象の規模は大きいが、やはり基本的な問題解決のアプローチはいつもと同じだ。表面的な事象だけに惑わされず、感情論に流されず、本質的な問題を浮かび上がらせるスキルを身につけることの重要性を改めて強調しておきたいと思う。
議員らは現在の金融危機の原因を巡って、グリーンスパン氏の在任中の責任を詰問していた。
米国の議員やNewsWeek誌の論調を見ていると、この金融危機の全ての責任はグリーンスパン氏に帰すると主張したいようだが、私は賛成できない。
今回の金融危機がここまで大きくなったのは、グリーンスパン氏が押し進めた規制緩和や自由競争によるものではないと思うからだ。
最大の原因になったのは、ウォールストリートにおいて、小口債券化した商品を評価する方法が確立していなかったということだ。ひと言で言えば、「品質検査」する仕組みがなかったことなのだ。
サブプライムローンを小口債券化して、それを金融商品として展開するというのは、新しい技術であり、新しい金融商品だった。
こうした新しい金融商品に対しては、それを吟味し、正当な格付けをする仕掛けが必要だったのに、それを整備しないまま、品質に大きな問題がある金融商品を米国から輸出してしまったのだ。
この点が一番大きな問題だったと私は感じている。
そして、金融商品の品質管理に問題があったとなれば、それは中央銀行総裁のグリーンスパン氏の役割ではなかったと思う。
この問題は、むしろ米証券取引委員会(SEC)やウォールストリートの金融機関が自主的に規制すべきものだ。
議会からの集中砲火を浴びて、グリーンスパン氏は、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を監督しなかったのは自分のミスだったと証言しているようだが、私はこれについても同じ論理だと思う。
やはり、新しい金融商品に対する品質管理体制が確立していなかったことが問題なのだ。
もちろん、今回の金融危機についてグリーンスパン氏に全く責任がないとは思わない。
例えば、不動産価格が上昇した点については、グリーンスパン氏の政策にやや問題があったと思う。不動産価格の上昇を引き起こしたのは、世界的な「金余り」だ。そして、その状況から不動産への資金の流れを予測することはできただろうし、グリーンスパン氏ならば事前に対抗策を講じることも可能だったと思う。
この点については、能力的に可能だったが実行しなかったという意味において、グリーンスパン氏の責任によるところが大きいと私も思う。
しかし、今回の金融危機がここまで拡大した大きな原因は違う。ウォールストリートの責任を棚上げにして、全責任をグリーンスパン氏だけに押し付けてしまうのは見当違いだ。このような見解は、問題解決の第一歩である本質的な問題を見抜くというステップで間違いを犯していると言わざるを得ない。今回の場合、事象の規模は大きいが、やはり基本的な問題解決のアプローチはいつもと同じだ。表面的な事象だけに惑わされず、感情論に流されず、本質的な問題を浮かび上がらせるスキルを身につけることの重要性を改めて強調しておきたいと思う。
ただそれ以上に住宅バブルを煽った連邦政府の責任は重大です。
元々サブプライム債は政府による低所得層への住宅提供という市場原理を無視した政策でしたから。その危険性は当時から指摘されていました。
グリーンスパン氏としてはITバブル崩壊と9.11によるリセッションを回避するために金融緩和は必要でしたので仕方がない面はあったのですけど。金融政策が後手にまわったことは全面的に氏の失敗でした。
そもそもなぜ自由市場の自主管理に任されてこなかったのか。
CDSのリスクに対する初期の警告を無視したのではないか。
これは、おかしな論理ですよ。
どう考えても、グリーンスパンの責任ですな。
あと、議会がCDSを認める法案を業界ロビーによって確か2003年ごろに可決した責任を取り上げないのは、それこそ不公平な責任論です。
バランスのとれた見方には思えない。
サブプライムが一番盛んな時には危険性はわからなかったと思います。
あるいはわかっても判らないふりしてた方もいるのかな
とにかく困ったもんです
ふと思ったのですが 我々人間も 夢を食べるというばくみたいだなーと
サブプライム該当する人に夢を売ってそれで食べて行く
やはり 健全な夢が必要ですね
毎回、ためになります。
m(。_。)m