星の使者/ピーター・シス:文絵 原田勝・訳/徳間書店/1997年
ガリレオの誕生からの生涯を駆け足で描いていますが、絵に惹かれました。
絵の一つは、この当時の社会状況。
このころイタリアは都市国家の時代。ナポリ王国、ヴェネッィア共和国、ミラノ公国、シチリア王国など。そして、まわりは神聖ローマ帝国、オスマン帝国など。
ガリレオが生まれた1564年は、ウイリアム・シェークスピア誕生とミケランジェロ死去。
メディチ家の宮廷づき哲学者兼数学者となったとありますが、大学教授よりも魅力があったのでしょう。
おなじみのピサの斜塔。
木星のまわりをまわる四つの「星」を発見し、この四つをメディチ星となづけたこと。
そして宗教裁判の場面では、中央にガリレオ、そして円形劇場の観客席風に取り巻く神父たち。
教会の教えに従わない孤独をあらわした場面では、恐ろし気な部屋に、小さく描かれたガリレオがいます。
幽閉された家の周りには、監視する兵士と、空をながめるガリレオがいます。