さじかげんだと思うわけッ!

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高橋竹山の津軽三味線

2008-02-05 21:28:34 | 
昨日、暦の上では立春を迎えたわけですが、寒さは変わらず。
週末には雪の心配すらされております。

さて、わたしは実は津軽三味線が好きです。
別に引くことなどはできないんですけど、興味はありますし、何より聴くといい気分になれるんですよ。
学校では、音楽の時間に伝統音楽にふれる機会が設けられているはずです。実物に触れるというわけではなく、音に触れるってことですよ。
尺八・琴・太鼓などが代表格ですかね。
宮城道雄(1894~1956)や八橋検校(1614~1685)などの名前は、たぶん聞いたことがあると思います。
三味線の音色にはいぜんから触れてはおりましたが、三味線という楽器を意識して“鑑賞”したというのは、きっと小学校高学年から中学校ぐらいのときだったのではないでしょうか。
しかし、元来音楽が身につかず、興味もわかない質の人間でしたから、「ふーん、あぁそう」ぐらいの感想しかわきませんでした。
そんな印象が一変したのが、NTV系で放送されていた『知ってるつもり?!』を見ていたときでした。

高橋竹山(1910~1998)という人を知っているでしょうか。
若い人は知らないかもしれません。
出身は、青森県津軽地方。三歳の時、麻疹にかかって弱視となり、二十二、三歳のころには全盲となりました。
幼い頃から津軽三味線をたたき込まれ、門付芸人として生計を立てていきます。
戦争を機に、一時芸人の道から足を洗いますが、戦後に復帰。その障害者であり、極寒の津軽に生きる哀愁と、それでも生きるために引かれた音の力に圧倒され、瞬く間に多くの人の心を引きつけました。
その演奏は日本のみならず、世界的にも認められたようです。

この人のことを、『知ってるつもり?!』で扱っていたのです。
その放送を見ていて、その竹山の演奏する津軽三味線に圧倒されてしまったのです。
古い映像でテレビ越しでしたが、それまで聴いたどの三味線よりも圧倒的な「力」に感化されてしまいました。
感化されたといっても、まだ子どもでしたし、この感動をだれにどう伝えるべきかもわかりませんでしたから、しばらくそのままにしておいたのです。
働くようになって、ある程度はお金が動くようになりましたので、竹山が演奏する音が入ったCDを借りてきて、聞き入るようになりました。
竹山の音は、年を経てもわたしの心を揺るがします。いつ聴いても、元気にさせてくれるのです。

さて、今日は高橋竹山の命日。
じっくりとその音を楽しみたいと思います。