さじかげんだと思うわけッ!

日々思うことあれこれ。
風のようにそよそよと。
雲のようにのんびりと。

話すよりも、書く方が…

2006-11-30 20:12:32 | 
わたしのこの書き物のインスピレーションは、Kとのとりとめのないメールのやりとりで得ることができます。
わたしは少々、考えを表に出すことが苦手な人間なのです。
別に、口べたで喋らないわけではありません。
思ったことをそのまま吐き出してしまうことが多々ですので、焦点がはっきりしなかったり、オチが付かなかったりすることがしばしばです。
軽度の吃音(だと思っています)なので、考えたことを考えたまま話さないと詰まってしまうんですね。
口に出す段階で、少しでも加工しようとすると、すぐどもってしまうわけです。
それで、こんなことになると。
電話の応対なんか大変ですよ。
朝なのに、頭に「こんにちわ」という言葉が浮かんだら、もう「おはようございます」ということが詰まってしまいます。
なるべく、リラックスして話すことを心がけますが、いまいちうまくいきません。
喋ることも好きなのですが、まぁこんなんですから、話すことは敬遠しがちですね。

また頭も悪いですので、想定外のことが起きますとすぐにパニックになるたちです。
調子がよく頭がすっきりしているときには対応できますが、それ以外の時にはえらいことになります。
典型的な、目先のこと以外できなくなる人間ですね。
まぁ一般的には仕事ができない部類の人間になるでしょう。
そして、後になってから「ああすればよかった、こうすればよかった」というようなことが多くなります。

そこで書いて表すということが、わたしの中では大事になってきます。
自分の脳内で思ったことを万人にわかりやすく吐き出すためにも、「たられば」の話を次に生かすためにも、です。
「書く」ということは文字に表すと言うことで、「読む」ということは文字を認識することですから、「話す」「聞く」という作業よりも、時間的効率は悪くなります。
手で「あいうえお」と書く間に、口ではア行からサ行ぐらいまでは言えてしまうでしょう。
最近はキーボードで打ちますから、前よりは早くなったとはいうものの、やはり「話す」ことよりはタイムロスしがちです。
書くことのメリットは、落ち着いて考えながら、また推敲しながら表現できると言うことです。
字は書いて消せますが、言葉はそうはいきませんから。言葉を消しゴムのように消すことはできません。
なので、そういう点からもわたしは「書く」ことが重要なのです。
そういうわけで、「書く」媒体であるブログはわたしにとっては貴重なものです。
他の人にものごとを正確に伝えることができやすい、ということなのです。

トイレの消臭剤に先入観を思う。

2006-11-29 20:04:23 | 
人間というのは不思議なもので、感覚をはたらかせるときには知らず知らずのうちに、場面・状況といったものを「先入観」として考慮してしまいます。
何を言っているかというと、先日こんなことがあったのです。

うちのトイレに新しい芳香剤が設置されました。
わたしは鼻に関しては感覚器としての自信がありませんので、何の香りなのかはわからないのですが、取りあえずまぁ花の香りなのです。
トイレにいるときは、ふむ、まぁよい香りかなんて思っていました。
ところが、その芳香剤が風に乗ってわたしの部屋までやってくるんですね。
もうそのときの不愉快さといえば、ところ構わず「臭っ」と当たり散らすほどです。
つまり、トイレで匂うときは香しく、他の部屋で嗅ぐときは不愉快なんです。

これはつまり、知らず知らずに感覚に先入観が影響している例なのだと思うのです。
例えば素で聞いたときには何の感動も受けなかったのに、ドラマやアニメのエンディングで聞いたときに妙に感動してしまうとか、ゲームのサウンドトラックに変な愛着を持ってしまうとかというのも、感覚と先入観のためだと思うのです。
ほかにも、「ファーストキスはレモン味」などとも言いますが、それも立派なこういう現象ではないかと思うのです。
つまり、人の感覚は「先入観」によって左右されるものだということが言いたいのです。

なので、ものを買うときはよく考えた方がいいですよ。
ただドラマやCMが気に入ったから買うなんて言うと、あとで冷静になってから後悔することになります。
わたしは、それを身をもって知っています。

二十六

2006-11-28 21:30:53 | 『おなら小説家』
恵美は、手際よく座布団を敷き、記者を席に着かせた。まだ数は少ない。10人前後である。
あなたーと、恵美は草田男を呼ぶ。
草田男は、トイレに隠れていた。呼ばれても、ホイホイ出て行くわけにはいかない。
どうするものかと、草田男は悩んでいた。しかし、すでに進むべき道は決まっている。何せ、部屋の中まで引き入れてしまったのだから。
あなたー、ちょっと手伝ってくださいな。と恵美は繰り返す。
記者たちは、どこからその本人が出てくるのか、あちこちをキョロキョロしている。
草田男はソロリとはい出てきて、ひとまず台所に逃れた。
台所には、恵美がいて、お盆に茶碗やせんべいを乗せていた。
あなた、もうどうしようもできませんよ。と恵美は笑みを浮かべて、お盆を草田男に押しつけた。
草田男は、観念した。

居間に草田男が現れると、一同は愕然とした。
現れたのは、予想に反して実業界の神の子・小奈良草田男だったのである。
声も出ない。
草田男は手取早くお茶を並べて、机の中央にはせんべいがはいった受けを乗せた。そして、そそくさと席に着いた。
その隣には、恵美が座った。
小奈良草田男こと燃圓の、全日本推理小説協会賞受賞の記者会見が始まった。

12.Austria

2006-11-27 20:54:58 | 『万国巡覧記』

オーストリー共和国
(Republic of Austria)

1.面 積  約8.4万km2(北海道とほぼ同じ)
2.人 口  約810万人
3.首 都  ウィーン(人口約160万人)
4.人 種  主としてゲルマン民族(外国人約75万人、ウィーンには約28万人) 
5.言 語  ドイツ語
6.宗 教  カトリック約78%、プロテスタント約5%
7.実質GDP総額  2,611億ドル
8.1人当たり GDP 31,944ドル
9.実質GDP成長率  2.4%
10.主要産業  機械、金属加工、観光 
11.通貨  ユーロ(2002年1月より流通開始、2005年1月現在、1ユーロ=約139円)
(外務省HP)

オーストリー? 聞いたことのない国が出てきました。
考えてみましょう。
前回がオーストラリアでした。ということは、今回はそのオーストラリアに近い名前の国ということになります。
オーストラリアといえば、昔幼い頃に区別が付かなかったヨーロッパの古豪国がありますね。
…そう、オーストリーとはすなわち旧日本表記「オーストリア」のことだったのです。
ガーン!
一体いつの間に、日本語表記が変わったのでしょうか。
知らない人が多くても致し方ないかも知れません。
2006年10月に、前記のオーストラリアとの区別を明確にするために国名表記を「オーストリー」に改めたそうです。
まだ2ヶ月程度しか経っていませんし、政府の方もそれほど広報に力を入れていないようなので、認知度が低いのも致し方ないかもしれません。
今後、ニュースなどで「オーストリー」というか「オーストリア」というか、それで常識としての定着に差が生じてくるでしょうね。
これからウィンタースポーツのシーズンが到来してきますから、スキーが国技のオーストリーの国名を耳にする機会が増えてくるはずです。
どのように呼ばれるのか楽しみなところです。

オーストリーは、ヨーロッパの中でも屈指の歴史文化大国です。
中世13世紀にかのハプスブルク家が王位に就いていこう、20世紀始めまでその支配下に置かれました。
なので、オーストリーという国も世界史上では重要な位置づけの国になってきます。
また、ウィーンは音楽の都として名高く、多くの作曲家・音楽家を輩出しました。
生誕250周年を迎え、現在関連CDが爆発的に売れているモーツァルトをはじめ、シュトラウス一族、シューベルト、ハイドン、シェーンベルク、カラヤンなどなど。枚挙に一間がないとはこのことです。
また学問と教養を好んだハプスブルク家ですから、その他の学術分野の人材も出しました。
心理学のフロイト、物理学のドップラー、小児医学のアスペルガー、哲学者のウィトゲンシュタインなど、優秀な人たちが出ました。
またスポーツではスキー、サッカー、F1などに人気が集まります。

なので、以後上記の人たちの伝記も「オーストリア」から「オーストリー」と、出身国が変更されることになるはずです。
うまく定着すればの話ですが…。


シリーズ・桃太郎電鉄② 桃太郎電鉄風山梨マップをつくろう

2006-11-26 20:40:23 | 

桃鉄風京都マップというサイト様をご存知でしょうか。
京都各地の観光名所を、桃鉄風のマップと物件表で細かく分かりやすく紹介している、実に楽しいサイトです。
京都は好きなものの、いくような時間も費用もないようなわたしにとっては、実にその欲求を満たしてくれます。

わたしは、桃太郎電鉄のようなマップを描いたり、物件を考えたりすることが昔から好きだったのですが、生来の不器用さと根性なしのためにうまく継続できないでいました。
ところが、このサイトさんを見つけて、実にうまくわたしの想像していたマップなどを再現してくれていましたので、わたしは大変びっくりしてしまいました。
そこで、わたしはじゃあ山梨風のマップを描いてみようかと思い立ちました。

いや求められていないことはわかるのですが、まぁやってみたいものですから。
ぷりぷりと、いろいろ構想を練っているところです。
はてさて、どうなることやら。また、変なシリーズを始めてしまいました…。


11.Australia

2006-11-25 21:08:36 | 『万国巡覧記』

オーストラリア連邦
(Commonwealth of Australia)

1.面 積  769万2,024km2(日本の約20倍、アラスカを除く米とほぼ同じ)
2.人 口  約2063万人(2006年4月)
3.首 都  キャンベラ(人口約32万人)
4.人 種  アングロサクソン系等欧州系人が中心
5.言 語  英語
6.宗 教  キリスト教(カトリック、英国国教会)68%、無宗教15%(2001年国勢調査)
7.主要産業  製造業、不動産業
8.名目GDP  8,937億豪ドル(04年度)
9.一人当たり名目GDP  44,219豪ドル(04年度)
10.通貨及び為替レート  豪州ドル(A$)、1豪州ドル=85.11円=0.7433米ドル(06年6月末)
(外務省HPより)

先日、競泳のスーパースターのイアン・ソープさんが現役の引退を表明しました。
シドニー五輪では競泳4冠に輝き、アテネ五輪でも金メダルを獲得したThorpedo(魚雷をもじって付けられた愛称)は、その力の衰えを敏感に感じ取り、引退を決意したのでしょうか。
このところ、余力を残しての引退が目を引きますね。

さて、日本の真南にあるオーストラリアは言わずと知れたオセアニアン・コンダクターのです。
わたしはこの「オセアニアン・コンダクター」という言葉を好んで使いますが、特に意味はありません。
コンダクターというのはまぁ指揮者のことですから、オセアニアでは一歩も二歩も進んだ国ですから、このコンダクターという言葉がぴったしくるのではないかと思ったのです。
…ま、まぁわたしの主観はどうでもいいです。

オーストラリアといえば、今年のワールドカップでの活躍が記憶に新しいところです。
サッカーのオーストラリア代表の愛称は、「サッカルーズ(Socceroos)」というそうですが、実はオーストラリアでのサッカーの普及率は悪いそうです。
わたしの場合、オセアニアのスポーツといえば真っ先に浮かぶのが「ラグビー」なのですが、その他にもオージーフットボールやクリケットの人気があるようです。
オージーフットボールというのは、オーストラリア式フットボールのことで、通常は冬季にクリケット競技場で行われることがあるということです。
意外に普及していて、オーストラリア以外にもヨーロッパ・アメリカからアフリカにまでプロリーグがあるといいます。近い国ですと、中国でも行われているそうです。

さて、オーストラリアと日本の関係は深いですね。
中学校の地理でも、日本の貿易対象国として重要であることは学んだはずです。
また昨今のBSE問題に絡んで、牛肉の輸入量が激増したのは記憶に新しいところです。
石炭・鉄鉱石などを輸入する一方、日本は精密部品などを輸出し、オーストラリアでは日本製の部品や車を見ることは珍しくないといいます。
人の交わりも多く、ワーキングホリデーの留学対象国の中ではもっとも人気があり、またオーストラリアのスキー客は好んで、北海道に行くと言います。

今、オーストラリアと日本の関係は、すこぶる良いようですね。
この関係が、いつまでも続いて欲しいと思います。

ちなみに、オーストラリアの漢当て字は「濠太剌利」。
本来、略字は「豪」ではなく、「濠」を使うべきなのでしょうね。
あ、いや。どうでもいい話ですが…。


「『MOTHER』シリーズのサントラに感動する」の巻

2006-11-24 23:27:25 | 
家の近く…というわけでもありませんが、ホイホイと気軽にいける範囲のところに、新しく重三郎の店ができました。
その店はレンタルショップなワケですが、しかし品揃えがどういうわけかえらくすばらしい。
うちの近所にある店とはかなりの差があります。
うちの近所の行きつけの重三郎の店は、攻めが足りないというか、まぁわたしが気に入るようなCDをおいてくれなかったわけですよ。
…ま、まぁわたしが借りたがるCDなわけですから、一癖もふた癖もあるような品物ばかりなワケですが。

で、ある日その店にぶらぶらしにいきましたら、もはや。もはやお目にかかることはないと思っていたCDを見つけたのです。
それが、『MOTHER』と『MOTHER2』のサントラCDでした。
有無を考えずにぷりぷりと借りてきたのですが、いやぁこれが思っていたよりもずっとよいものでした。
特に、『MOTHER』の方は原作がファミコンでしたので、どうなのだろうと思っていたのですが、ボーカルは入ってるはアレンジはされているわで、ゲームのサウンドトラックとは思えないような内容でした。
というわけで、このサウンドトラックを聞きながらうだうだしているわけですが、なかなか調子がよいですね。

このまま年末まで、調子よくいってくれればよいのですが…。

シリーズ・桃太郎電鉄① スリの銀次予想

2006-11-23 21:05:17 | 
このブログでもたびたび書いていますが、わたしは『桃太郎電鉄』シリーズ(ハドソン)が好きです。
何が好きって、まずルールの単純さです。
基本はスゴロクです。
ただ、普通のスゴロクと違うのは、あがりのマスが一ヶ所に固定されていない。あるいは、あがるためのルートが、複数あることです。
さらに、行動がサイコロをふる以外にもカードを使うことができるということでしょう。
また、日本の上を縦横無尽に飛び回るという、そのロケーションの壮大さも大きな魅力の一つでした。
北は稚内から南は沖縄・ハワイまで、各地の名産・名所に由来する「物件」を買いながら、目的地を目指すという仕組みが、何ともわたしの好奇心をくすぐったのでしょう。

さて、そんな『桃太郎電鉄』シリーズの最新作『桃太郎電鉄16 北海道大移動の巻』が、来月7日に発売されます。
おおよそのことは、ハドソンさんのホームページをご覧いただければわかるのですが、実はわたしが楽しみにしているのは、そのHPの内容だけではないのです。
それは、「スリの銀次」です。
「スリの銀次」とは桃鉄の中に登場するイベントの一つで、突如現れてプレイヤーの金を盗んでいきます。
銀次はお金を盗むときに変装をします。
大体、その年の話題になった人に変装するのですが、去年ですと「ホリダシモン」とか「ないない探検隊」とか。
確かに、話題の人ですね。
では、今年は誰に変装するのか。
目下のところ、わたしの興味はこの問いに傾いています。
そして、当然のようにKにメールをしてみました。
「今度の銀次は、どんな変装をしてくるかなぁ」
というわけで、考えてみました。

まず、「荒川銀香」です。
「トリノオリンピックで金を取りました。今度はお金を盗ろうと思います!うふ」
荒川銀香は、スリの銀次の変装だった。

実は、ちょっと堅いんじゃないかと思っています。

次は、Kの発案で「社長部長」です。
「お前に使わせる、お金をねぇ!」
社長部長は、スリの銀次の変装だった。

次は「アシム監督」です。
「あなたがそんなにお金を持っていて、どんな意味があるのですか。わたしには、わかりません」
アシム監督は、スリの銀次の変装だった。

で、最後もスポーツになってしまうのですが、「GINJO選手」です。
「そんなにお金を持ってても、意味なし男ちゃ~ん」
GINJO選手は、スリの銀次の変装だった。

というような具合です。
しん…GINJO選手は確か、他のシリーズであったと思うのですが、まぁ話題の人というわけで。
さて、そんなわけ断続的このようなシリーズを組んでいこうかと思います。
もちろん、新しいのを買いましたら、そのことも書かせていただきます。

二十五

2006-11-22 21:05:10 | 『おなら小説家』
日本で最も由緒ある推理小説の文学賞は、戦後すぐに創設された全日本推理小説協会賞である。
重鎮・桂木金五郎氏が理事を務めるその協会は、日本で一番長い歴史のある推理小説家団体であった。
その協会が定める全日本推理小説協会賞に、なんと草田男の書いた処女小説『殺意のひげ』が選ばれたのである。
全く寝耳に水の話で、あれから度々桂木氏とは連絡を取っているものの、そんなことはおくびにも出さなかった。
候補になったことさえ、草田男は知らなかった。

草田男は、困ったことになったと思った。
電話を取ったときにはあまりのことに言葉も出ず、桂木氏の言葉のままにうなずくだけであったが、時間をおいて冷静さを取り戻してみると、これは困ったことだと考え込んでしまった。
日本推理小説界において、最も権威ある賞をもらい、マスコミへの露出も禁じ得ない状況に陥ったのである。
桂木氏の策略ではないかと疑ったが、考えてみれば桂木氏は選考には関わっていないのだから、策略を施しようがない。
むしろ、草田男の作品を諸手を挙げて賛美したのだから、そっちの方がよいのか悪いのか、間違った方向に作用してしまったのだろう。
よほど、辞退しようかと迷ったが、草田男が会社役員を退いた後に借りていた借家の周りには、すでにチラホラとマスコミが現れていた。
せっかく退くときにも、跡を濁さないように飛び立ったのに、今そのすべてがさらけ出されようとしていた。
恵美は、外の様子を見て、台所に立った。
どこに行くのかと尋ねると、記者の皆さんにお茶でも。といって、止めるのも聞かずに部屋を出て行った。
しばらくしてまたひょっこり顔を出して、部屋の中に記者さん全員入るかしら?と誰にともなく尋ねた。
草田男の返答も聞かずに、恵美は戸をカラリと開けて、さぁさぁお入りください。お寒いでしょうと、記者たちを部屋に引き入れた。
記者の中には、恵美の顔に見覚えのあるのもいたが、あまりに突拍子もないので聞き出せずにいたのだろう。

10.Armenia

2006-11-21 20:27:38 | 『万国巡覧記』

アルメニア共和国
(Republic of Armenia)

1.面 積  2万9,800km2(我が国の約13分の1。旧ソ連邦の中で最小)
2.人 口  321万2000人(04年初:アルメニア統計局)
3.首 都  エレバン
4.民 族  アルメニア人(93.3%)、アゼルバイジャン人(2.6%)、クルド人(1.7%)、ロシア人(1.6%)、(1995年)
5.言 語  公用語はアルメニア語(インド・ヨーロッパ語族に属し、独立の一語派をなす。独自の文字を持つ)
6.宗 教  キリスト教(東方諸教会系のアルメニア教会)。
7.主要産業  冶金、機械、宝石加工(ダイヤモンド)、食品加工、農業(果樹)
8.GNI  29.1億ドル(03年:世銀)
9.通 貨  ドラム(Dram:93年11月22日導入)(CIS統計委員会)
10.為替レート  1ドル=444.4ドラム(05年6月23日現在)
(外務省HP)

アルメニアの地理区分は難しくなっています。
というのは、黒海とカスピ海に挟まれた土地は旧ソ連なのですが、西アジアと皮一枚で繋がっているような感じなので、区分としてはヨーロッパに加えられたり西アジアに加えられたりしています。
西はトルコ、南はイラン、東はアゼルバイジャン、北はグルジアに囲まれており、構図を思い描いてみれば確かに難しい位置にいます。
まぁ通常はヨーロッパということで片が付いているようですが。
「剣の舞」で有名な作曲家アラム・ハチャトゥリアンの出身地で、良質のコニャックの産地でもあります。

古くから多くの王朝が乱立し、紀元前6世紀には大商業国家として活躍していたといいます。
前1世紀には大アルメニア王国が建設されるものの、この時期には大ローマ帝国やペルシア帝国間で揺れ動きました。
また後301年には世界最古のキリスト教国となりました。5世紀にはアルメニア教会がおこり、ここに独自のキリスト教が誕生しました。
上記の宗教の表記が、「東方教会系のアルメニア教会」となっているのはそのためです。
また、世界史上初のキリスト教国という功績のために、特別の権限を与えられているようです。
その後はイスラムの侵入で衰退し、1936年にソビエト連邦を構成する一国としてしました。
1991年にはソビエト連邦の瓦解と共に独立しました。

アルメニアは、他の小国と同じように何かと血の歴史を持つ国です。
まず、東のアゼルバイジャンでは独立に先駆けての1988年。アゼルバイジャン共和国西部のナゴルノ・カラバフ州で、住民が蜂起しました。
ナゴルノ・カラバフはキリスト教のアルメニア系が多く、アルメニアへの帰属を求める運動が激化し、88年の武力衝突が起きました。
さらにソ連が崩壊すると「宣戦布告なき全面戦争」(本格的国家紛争)に発展し、多くの血が流されました。94年にロシアの仲立ちによって、停戦協定が結ばれたものの緊張関係は未だに続いているようです。
アゼルバイジャンはスンニ派イスラム教が多くを占め、さらにその紛争の支援をしていたのが、同じスンニ派のトルコです。

トルコとアルメニアもまた、その国境を巡って深い対立関係にあるのです。
トルコ東端に、『旧約聖書』の「ノアの方舟」で有名なアララト山があります。
中世にイスラムの侵入でディアスポラと呼ばれる故国廃棄するまで、アルメニア人は東はカスピ海から西はトルコに渡る広大な土地に住んでいました。
そして、アララト山はアルメニア人の心の象徴でした。
アルメニアの国章の中心には、今もアララト山がそびえています。
第一次大戦時には「アルメニア人虐殺事件」が起こったといい、アララト山の問題と相まって、21世紀の今日でも、その論争が絶えることはありません。

アルメニアの現在の国境は、トルコとソ連によって決められたもので、その国境はアルメニアでは認められていません。
また、前述のナゴルノ・カラバフもまた独立を宣言し、その通貨はアルメニアの「ドラム」を使用しています。
マクドナルドやトイザらスを日本に定着させた実業家の藤田田(1926~2004)さんの、アルメニア人を評した言葉があります。
「商業に於いて、ユダヤ人が3人いても一人のアルメニア人に敵わない」
というものです。
また、20世紀最大の指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンの先祖もまた、アルメニア人だということです。
アルメニアの人々は、才能に溢れた人々だと、わたしは思うのです。