小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



神社仏閣巡りの時の楽しみの一つが境内に置かれている古い石碑や石仏を見ること。多くは信仰と結びついて造立されたもので、それらの分布や種類をまとめた資料は何冊か図書館に置かれている。一方、信仰対象ではないが、庶民文化のなかで力自慢に使われていた力石については資料によってまちまちな記載で、実際現地に行ってみたらそれらしき力石が見当たらなかったことも少なくない。力石は文字の刻まれていないものが多く、一見すると普通の石と見分けがつきにくいが、ある資料には八幡神社の力石が写真付きで掲載されており、その力石には文字は刻まれていないものの2つの円のような模様が映っていた。実際にその力石を見るために小八幡神社に出かけた。小田原市小八幡の八幡神社。以前このブログでも外国人遊歩規程測量標石 で紹介したことがある。この八幡神社の境内には石に関係した遺物が多く置かれている。鳥居をくぐり参道を歩く。参道入口のすぐ左側には外国人遊歩規程測量標石が置かれている。参道の中ほどには道祖神が9基まとめて置かれている。もともと9基はこの場所にあった訳ではなく、道路拡張の影響などで周辺の辻や道路脇に点在していたものを昭和50年6月に移転したもの。力石を探しながら参道を神社まで歩くがそれらしき石が見当たらない。神社のまわりをぐるっと1周するもやはり見当たらない。実は力石探索に度々出かけているがここ3回ほどは発見できずに終わっている。力石が見つかりそうになかったので、かわりに向拝柱の木鼻の彫刻を撮影。神社仏閣で木鼻の彫刻を撮影するのも楽しみの一つ。雲の中に龍の彫り物だが、龍に羽があるので竜(ドラゴン)のようだ。帰り際、参道脇をもう一度探しながら歩くと、先ほど見た道祖神群が祀られている裏側に石が転がっているのに気がついた。転がっている石を良く見ると、資料で見た力石と同じ円形の模様が2つある。探していた力石だ。2つの円形のような模様は掘ったものではなく、剥離したような跡。残念ながらこの力石の重さは分からないが大きさは78cm×45cm×28cm。試しに持ち上げようとしたがびくともしない。おそらく100kg以上はありそうな感じがした。動かすことの出来なかった力石を眺めながら、かつてこの力石を持ち上げた力自慢が何人いたのだろうとしばし思いを巡らせた。

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