
「冬を乗り切って」 Photo by Ume氏
こんな陽気だが、高遠の桜は花が咲いたのだろうか。きょうは晴れているが風が強い。例年なら、今週末くらいから花が咲き、花見客で賑わうはずだが、今年は開花が遅れているようなことを聞いた。
午前中に、東部支所に用事が出来て高遠まで行ってきた。そのついでに見た限りでは、城下へ至る日当たりの良い木に、かろうじて幾つかの花が目に留まったくらいだった。それでも、昼ごろから気温が上がったからこの週末、咲き始めた花を探すくらいのつもりで行けば、案外と期待以上の花に迎えられるかも分からない。県外からの車や、桜が目当てらしい人の姿もちらほらと目に付いた。
花のことは、これから上で山桜を見るのに始まり、名前の知らない花も含めて、いろいろな花を目にするだろう。それでいて、名前にはあまり関心がなかった。野鳥もそうだし、星空にしてもそうだ。今から心を入れ替えたとしても、乗り遅れた汽車の遠ざかっていくのを追いかけるようなものだろう。
ところで、昨夜も出会った牛かい座は同業者だから、挨拶ぐらいはする。しかし、今は見えないにしても、顕微鏡座がどんな星座かと星の海に探しにいく気まではしない。上に置いてある100ミリの屈折望遠鏡も月のアバタだらけの表情や、土星の環、木星の衛星ぐらいは見たが、殆どの場合の星空観察は、肉眼か双眼鏡で済ませている。
ただ今でも、望遠鏡を手に入れたことを悔いてはいない。小学生のころ、学校の理科室にあった望遠鏡で、どれほど月のクレーターを見たかったことか。しかし、薄暗がりの部屋の中、不気味な人体模型の近くに大切に保管されていて、木製の三脚に乗った白い鏡筒の望遠鏡に手を触れることさえ許されなかった。うらめしくて、あれほど子供心を騒がせ、憧れさせた物があっただろうか。
入笠牧場は本当に星空が美しい。子供たちが、小さな心を膨らませて壮大な宇宙を眺めれば、その思い出はいつまでも心に残るだろう。あの2台の望遠鏡も、きっとその時には役に立つ。
今夜は「はやぶさ2」の最大の仕事の結果が分かる。合掌