入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’22年「春」(53)

2022年05月12日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 牧場に平穏が還ってきた。午前7時の気温はすでに14度と、昨日の朝と比べ過ごしやすく、鳥の鳴く声もよく聞こえてくる。まだせっかちながらもウグイスの声も、多数のそれらに混ざっているようだ。薄曇りの天気ながら太陽の位置は分かるし、少なくも午前中はこんな天気が続くだろう。本当に静かないい朝だ。山の暮らしの中ではこういう時間こそが何にも代えがたく、有難い。
 もう朝早く起きる必要などないのだが今朝も5時半には起きてしまい、目覚ましついでに落葉松の木を1本伐り倒した。小屋へ上がる道を撮影隊の大勢の人が上り下りしたせいで、木で作った段々が壊れてしまい、その修理に使うためだ。
 皮を剝いた後、段々作りの作業をすれば半日は過ぎてしまうかも知れないが、それで少しも構わない。来月になればここへやって来る牛たち、気の向くまま、急ぐふうも見せず、ただ黙々と草を食むだけだが、きょうはそういう彼女たちを真似ることによう。

 と、そんなことを言いながらも、試しに先程伐ったばかりの落葉松の木の皮を剝いてみた。すると芽吹きが盛んになりつつあり、それに合わせるようにどんどんと水揚げが進んでいるらしく、前回と違って実に具合よく皮が剥ける。そして、その下からは赤ん坊の肌さながらの滑らかで無垢な木の芯が現れた。予想外のあまりに素直と言える表皮と芯の分離は落葉松の木には気の毒なくらいで、苦もなく済んで呆気ないほどだった。
 この皮剝きは懐かしい。テイ沢の丸太橋を架けるため、協力してくれたみんなが賑やかに面白がって皮むきの速さ、技術をを競いあったものだ。あれから何年が過ぎたのか、架け替えの時期を迎えたが、彼ら彼女らの多くはきっともう、そんなことを忘れてしまっているだろう。
 
 そこまでは良かった。ところが一昨日、昨日と行った抜根の際、難しい根はチェーンソーを使い地表すれすれを強引に伐根(これも「ばっこん」)したため、すっかり切れ味が鈍くなっていた。仕方なくその研磨を始めたところで電話が入った。
 漏水が止まらなかった露天風呂の状況を見に来てくれるというのだ。もちろんそっちの方が大事だからときょうの予定した作業は中止とし、取り敢えず友人でもある彼の到着を待つ間だけチェーソーの手入れを続けることにした。

 丹念に養生しておいた露天風呂にはまだ一部に湿気が残っていた。しっかりと乾燥させた段階で、水漏れの作業をやってもらうことにした。まだ1週間くらい先の話になりそうだ。

 キャンプ場を含む「入笠牧場の宿泊施設のご案内」は下線部をクリックしてご覧ください。
 本日はこの辺で。

 


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