入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「冬」(18)

2020年11月24日 | 入笠牧場からの星空


 お馴染みのオリオン大星雲。冬の夜空を代表する星座とくればやはりオリオン座であり、そしてあの厳寒の夜の誰もいない牧場のいつもの場所で、天空をじっと望遠鏡で睨んでいたかんと氏の姿を想像すれば、やはりこの写真を無視するわけにはいかない。
 寒さ、孤独、睡魔、そういうものにも無窮の遠(おち)への誘惑が勝り、氏は星の狩人となって銀河の海へと飛翔を続ける、何光年を、いや何百光年を、さらにもっと・・・。

 
Photo by かんと氏(2枚とも)

 これは権兵衛山の上空に煌めく無数の星々を、赤道儀による自動追尾を中止して、カメラを地球の回転に任せて撮った写真だろう。こうして見ると、星の似たような光も、微妙な違いがあることが分かるが、一般に赤みを帯びた光跡ほど星は老いて温度が低く、青白い光跡ほど星は若く高温であるらしい。
 オリオン座の一画を占める赤い星ベテルギウスなどは、すでに消滅してしまった星で、われわれが見ているのはその残光ではないかと言う人さえいる。ベテルギウスまでの距離は約600光年、仮に今、この星がその最期である超新星爆発を起こし、やがて消えてしまったとしても、600年と何年後かの天文学者や人々がその貴重な天分現象を目にし、喜びの喚声を上げることになだろう。このように一時的に現れる星のことを、「客星(かくせい)」と呼ぶようだが、昔人のその感性を褒めたい、納得できる。

 牧場の管理棟にも2台の望遠鏡と1台の双眼鏡がある。あれだけの美しい星空、それに相応しい観測機器が欲しいと思った。しかし、ようやくにして手に入れたそれらも、双眼鏡以外はあまり活躍していない。
 夜半にふと外に出て、もうオリオン座が見える季節になったのかとか、HALを連れて天竜川の堤防から牛飼座の主星を見付けて喜ぶくらいが、身の丈に合っていると思うようになったからだ。
 望遠鏡はカメラとPCとを一体化させないと、充分な威力を発揮してくれないと知ったが、とてもではないが洗濯機の取扱説明書すら読む気のないような者が、そんな複雑なことをできるはずがない。諦めている。諦めながら、今夜も星空を眺めるだろう。

 かんとさん、労作を有難うございました。12月のふたご座流星群が来る日も天候が良ければ、もうかんとさんのあの別名は返上ですね。期待してます。極大は14日の10時ごろのようですが、確か11,12日の2泊だったですよね。車では伊那側から来るしかありませんが、雪の情報は追々お伝えするようにします。本日はこの辺で。



 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«      ’20年「冬」(17) | トップ |      ’20年「冬」(19) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

入笠牧場からの星空」カテゴリの最新記事